2009年、今年始動したとは思えないほどNothing's Carved In Stoneの名はシーンに刻み込まれた。“バンド”というアートフォームを知り尽くした猛者たちによる衝撃のサウンドが各地のライブハウスや数々のフェスで鳴り響いた。そして彼らは早くも進化した姿を見せる。1stシングル『Around The Clock』はこの1年の活動を経て生み出された最高のライブアンセムとなるだろう。そして彼らの本質を剥き出しに記録したLIVE DVDもリリースされる。この急速に進化するライブモンスターは歩みを止めない。Nothing's Carved In Stoneの4人がこのバンドの実像を語る。
「1つのバンドが成長していく過程があると思うんだけど、このバンドの場合はツアーで急速に成長していってる感じがした」
●バンドはツアーをやることで得られるものが大きいと思うのですが、初めてのツアーはどうでした?
生形:そもそもツアーはなるべく多くの土地でやりたいと思ってたんです。それでメンバーそれぞれ忙しかったりするんだけど、このツアーに合わせて時間を取って20ヶ所以上でライブをした。そこで得たものは大きいし、バンドとしても凄く成長したと思います。
●一定の期間、日々ライブをしながらメンバーと過ごすわけですから、バンドとしても強い関係が築けることになりますよね。
生形:ツアーは一緒に音を出すわけじゃなくて、それ以外でも一緒に過ごすことがデカイんですよね。しかも、このバンドは一緒にいることが多かった。飯とかもよく一緒に行ってたよね。珍しいかもしれないけど、Nothing's は朝飯も一緒に食いに行くんですよ。
村松:四六時中、一緒にいた(笑)。
日向:でも。拓(村松)は朝起きてこなかったじゃん!
村松:何ヶ月も経って、そんなこと言われるなんて…ちょっと怖いんだけど(笑)。
●拓さんは朝、起きれないってことですか(笑)。
村松:いや、なんかホテルの部屋に帰ると全部忘れちゃうんですよ…。
●それも、よくわかんないですけど(笑)。まあ、そうやって一緒の期間を過ごしてきて、ライブ自体も変わってきた部分はありますか?
生形:変わりましたね。ツアーの前半と後半ではぜんぜん違うと思う。
日向:別バンドって言ってもいいかもしれない。
大喜多:1つのバンドが成長していく過程があると思うんだけど、このバンドの場合はツアーで急速に成長していってる感じがした。一歩一歩進んでいく感じが、ライブをひとつひとつやっているのと同じっていうかね。だからワンマンツアーの時なんかは全然違った。「何でもやってやるぜ」っていう気合いもあったしね。
村松:確かにワンマンツアーの時のオーラは凄かったよね。
日向:なんだったんだろうね、あの自信は。多分、それを取り戻すにはまたツアーをしなくちゃダメなんだよ(笑)。でも、最初はNothing's もどんなバンドなのか解らなかったから、ツアーが終わる頃にようやくこういうバンド像なんだってことが自分たちでもわかってきた。だからNothing's っていうバンドを理解していく過程だったんだと思う。
●そのツアーで見えたバンド像ってどういうものなんでしょう?
生形:最近よく思うのは、みんな好き勝手やっているのに、音はちゃんと1つにまとまっているってことなんですよね。それが凄く不思議なんだけど、多分、それぞれ経験を積んできたメンバーだから“バンド”っていうものを解ってるんじゃないかな。わりと好き勝手やっていながらも、譲り合いもあるしね。
日向:ああ、譲り合いは普段から気にしてるよね。
村松:いつもライブ前のバックステージで「みんなで守ろう、ゆぅ~ずぅ~りぃ~あぁ~いぃ~♪」って言ってから、ステージに出て行くんですよ(笑)。
●それは譲り合いの心を大切にしようってことですか(笑)。
生形:そう(笑)。まあ、みんな個性が強いですからね。でも別に出しゃばりではないんですよ。曲作りとかでも、それぞれが気を使ったりする部分もある。ミュージシャンって我が強い人が多いじゃないですか。そういう人間がいないっていうのは珍しいかもしれない。Nothing's の音源を聴くと、それとは真逆に取る人もいると思うんですよ。例えばはなっち(日向)のベースにしても、オニィ(大喜多)のドラムにしてもそれぞれの楽器の音は主張して聴こえますよね。
●それぞれの個性が際立つ音ですからね。
生形:だから、音だけを聴いてるとかなり我が強い人だと思われるかもしれないけど、実際曲作りをしていると全然そんなことはない。みんなかなり思考は柔軟だし、逆に何でも出来る。じゃあ、何故そんなに個性が立った音に聴こえるのかって言うと、ちゃんと芯を持っているからなんですよね。だから音を1つ出しただけでも、その人の音っていうのが解るんですよね。それがNothing's の音になる。
●確かにそれがNothing's のバンドサウンドのベースにあるものだと思います。
日向:もう我を主張するっていうやり方はいいかなって思うんですよ。そういう自分の我を抜くとフラットな感覚になれる。別に主張しないでも、主張しているように聴こえるっていうのは自分としては不思議なんだけどね。
生形:今、曲作りをしていてもアレンジはそれぞれのアイデアを柔軟に試したりしているからね。
●それはリスナーはちょっと意外かもしれない。こういうサウンドを作っていても、意識的にはクールっていうか、フラットなわけですよね。
日向:むしろ、こだわるのは音色とかかもしれない。オニィとかは音色にすごいこだわるよね。プレイヤーとしてのキャラクターを考えると、そこを優先するのかもしれないですね。
●やはりNothing's の楽曲って4人の個性がそれぞれ立っていながらも、ちゃんとバランス的にまとまっているのが特徴だと思います。
日向:そこまでまとまっているのも不思議なところなんですけどね。
生形:だから、多分そこがそれぞれ“バンド”っていうものが解っているからだと思う。
●それはバンドとしてのバランス感覚ってことですか?
生形:それもあると思う。プレイじゃなくて、精神的なものも含めて“バンド”が解っているっていうかね。
●今回、ファイナルワンマンの映像を収録したライブDVD『Initial Lives』がリリースされるわけですが、自分たちのライブを映像で観てどうでした?
日向:ぶっちゃけるとあんなオーラはもう出ないなって思う(笑)。
●映像からオーラがバシバシと感じられると(笑)。
日向:それは凄いって思いましたね(笑)。
生形:熱いよね。俺らくらいの世代になると結構落ち着いてる人もいるでしょ。それが悪いとかじゃないんだけど。でもNothing's がすごく若いなって思った。
大喜多:でも、自分で映像を観て改めて音がこんなにまとまっているんだっていうのは驚きだった。もっとライブは荒いんじゃないかって思ってたから。
日向:うん、音源みたいにプレイしているよね。
●拓さんはこれだけのツアーは初めてだったわけだし、ワンマン自体も初の体験だったわけですよね。
村松:ただレコーディングでかなり歌い込んでいたんで大丈夫でしたね。ワンマンじゃなくても、一本のライブは50分くらいやっているから感覚的には変わらないかもしれない。僕も映像を観て、結構やれてたんだなって自分でも思った。
生形:拓ちゃんはピッチのコントロールが凄いよね。ライブでもピッチが殆どズレない。それは珍しいよ。
日向:俺も色々バンドをやってきたけど、一番上手いんじゃないかって思った。
村松:ホントに!?
日向:うん、ライブのラインでこんなに上手く聴こえるっていうのは珍しいよ。
村松:まあDVDを観ていても、バランスがあるし「良いバンドだな」って感じで俺は観ちゃった。
日向:うん、俺も観ていて“好きなバンド”って素直に思って観ることが出来た。なかなか珍しいよ。自分がやってるバンドを「おっ、カッコいいじゃん」って観れるわけだから。
村松:あと俺はツアーをやってみて、自分の成長を感じることが出来た。俺はこれまで人に向けてライブをしたことがなかった。自分の中にあるものを出して、それで終わりだと思ってたんですよ。だけど、Nothing's をやることで、そうじゃないライブもあるってっことに気づいた。
日向:それで楽しくなっちゃったんだよね?
村松:うん、楽しくなっちゃった(笑)。それと同時に人に向けてやるライブもあるんだなって解ったんですよね。だからメンタル面で成長出来たと思うんですよ。新しい自分が見出せた。ヴォーカルの表現もNothing's を始める前と今では全然違う。自分の中に伝えるっていう意識が本当に抜けてたって実感したんですよね。以前はカッコ良い歌い方をすればいいじゃねえかって思ってたから。
生形;言ってみればオーディエンスを考えないカッコ良さだよね。でも本当はちゃんと伝えるっていうことの方が難しいからね。
村松:そうなんすよ。本当にお客さんに向けてライブをやると凄くエネルギーを使う。だかた歌うことについては全体的に意識が変わりましたね。
生形:俺が拓ちゃんがやっているABSTRACT MASHのライブを観た時はまさにそうで、周りとかオーディエンスを気にせずにライブをやっているんだなって思った。それはそれでいいんだけど、俺たちがNothing's でやろうとしているイメージはお客さんとエネルギーをぶつけあうライブだった。それを拓ちゃんにやって欲しいとは心のなかでは思っていたからね。間違いなくそういうライブをやるほうが怖いんだけど、そういう経験をした上で良いヴォーカルになって欲しいって期待をしていた。
●でも、それを拓さんに言葉で説明するのって難しいことですよね。
生形:だから拓ちゃんには、そんなことは何にも言ってないんですよ。でも最初のライブから、それをしようとしてたからね。まあ、あれは単純に楽しかったのかもしれないけど。
村松:うん、楽しかった(笑)。
●今回リリースされるライブDVDですが、なぜ『Initial Lives』ってタイトルにしたんですか?
生形:これはひなっちが先ず初期微動が詰め込まれたようなタイトルにしたいって話をしていたんだよね。それでオニィが『Initial Lives』っていうタイトルを出してきた。だから初期微動が詰まってるライブっていう意味になる。
●直訳すると“初期のライブ”ってことだから、これからさらに進化していくっていう意味にもとれますね。
生形:もちろん、そういう意味もある。俺らのライブはどんどん変わっていくだろうし。
日向:だけど、この時点では凄くクオリティの高いライブが出来た。それはその時の俺らしか出来ないライブだしね。
「Around The Clock」は結果的に凄くシンプルなアレンジになった。それは俺らとしてはすごく冒険的なことでもあり、進化なんですよ。」
●楽曲はツアー中にも作ってたんですよね?
日向:新潟でスタジオに入って作ったりしました。
生形:その曲をワンマンでは披露した。あとワンマンではセッションをやってみたり。
●LIQUIDROOMでのファイナルワンマンを観させてもらいましたけど、キイを決めただけでセッションする様子を披露してましたよね。ああやって曲作りをしているんですか?
生形:1stアルバムに入ってる曲はあんな感じで作った曲が多いですね。誰かがネタを持ってくるわけではなく、何もないところからセッションして作っていくという感じだった。
●シングルタイトル曲の「Around The Clock」はツアーを終えてから作られたそうですが、やはり1stアルバムの『PARALLEL LIVES』に収録されている曲とはちょっと違った感覚で作られたんですか?
生形:そうですね。やっぱりツアーをやっていると、もっとこういう曲が欲しいっていうのが明確に見えてくるんですよ。だからシングルに収録されている3曲の新曲はそういう視点で作った感じですね。
●じゃあ、特にシングルというフォーマットを用意したわけでもなく?
生形:そういう意識は特になかったかもしれない。3曲目の「The Swim」はツアー中に作った曲だし、他の2曲も元ネタはツアー中に出ていた。だから、みんなでこの曲はライブの何曲目にやったらいいんじゃないかって話しながら作っていたんですよ。
●そうなんですね。でも、聴かせてもらった印象として「Around The Clock」はNothing'sのシングルってこういう感じなのかって説得力があったんですよね。例えば、カップリング曲の「Bone Age」や「The Swim」で印象に残るのはギターのフレーズだったり、全体のサウンドだったりするんですけど、「Around The Clock」の場合は歌のメロディーが強く残るんです。
生形:なるほど。でも、確かにこれはアレンジを凄く悩んで作った曲なんですよ。
日向:二転三転したね。イントロを作るにも凄い悩んだし。
生形:そうだよね。1stアルバムの曲を作るのには殆ど時間がかからなかったもんね。だから最初はどうしても1stアルバムの延長って感じのアレンジになってしまった。間奏がセッションっぽい感じになってしまったりね。でも俺たちの中ではそれは何か違うっていう感覚があって、最終的に今の形になったんですよ。だから「Around The Clock」は結果的に凄くシンプルなアレンジになった。それは俺らとしてはすごく冒険的なことでもあり、進化なんですよ。凄くチャレンジだったんです。
●結果的になぜシンプルなアレンジになったんですか?
生形:やっぱりね、複雑な展開やセッションっぽい感じの方が俺らは得意なんですよ。だから1stアルバムの曲ってコピーするのも難しいと思うんだけど、俺らとしては全然そっちの方がやりやすい。逆にシンプルにすることのほうが難しかった。ただシンプルにした分、密度はすごく濃いんですけどね。
●何となくですけど「Bone Age」や「The Swim」はセッションから作ったようなイメージがするんですよ。だけど「Around The Clock」は作り方も違って、歌のメロディーから作ったのかと思ってました。
生形:いや、歌メロは後から乗せたんですけど、多分みんなが作っている段階でメロディーを意識していたんだなって思う。これは歌が引き立つ歌なんだろうなって意識してたんじゃないかな。
日向:だって赤裸々なくらいの曲だもんね。
生形:そういう意味ではツアーの後に作った曲って感じもするよね。生々しい曲だし。
日向:勢いもあるしね。
生形:だから、次のツアーでやりたい曲を作ったっていう感じがする。
日向:ライブの1曲目に持ってくるような曲を作りたいってイメージはあったよね。これまでは1stアルバムに収録されている「Isolation」がライブの1曲目になることがお決まりになっていた。でも「Isolation」でライブを締めたいって考えた時に、あの曲に代わるような一発目で盛り上がる曲が欲しかったんですよね。だからイントロで悩んだっていうのも、イントロが鳴った瞬間に一気にライブで盛り上げるっていうことを想像していた気がする。
生形:うん、このイントロのフレーズが良いねって確認したのもライブの楽屋だったしね。
●イメージとしては一気に沸点まで持って行くような機能を持った曲って感じですか?
日向:うん、だからやっぱり曲づくりはライブの延長なんですよね。フェスとかでこの曲やったら盛り上がっちゃうよねっていうイメージがあったな。それをイメージしてから、作品として形にすることに時間を費やした。そういう作り方は新しいかもしれないですね。
生形:そこでシンプルにする難しさもあったし。
日向:楽器で主張するわけではなく、フラットなところでサビはメロディーだけで持っていくような展開とかを考えたからね。
●まさに譲り合いですね(笑)。
日向:もう、それが大事ですよ。譲り合いこそバンドが解散しない秘訣(笑)。
●この曲のメロディーは生形さんは作ったんですか?
生形:「Around The Clock」はそうです。でも、俺が作ったメロディーもまずはみんなの前で拓ちゃんに歌ってもらって、そこからそれぞれの意見を聞くんですけどね。
●Nothing's の場合、後からメロディーを乗せるわけなんで、メロディーを作るのが凄く難しいように思うんですが。
生形:曲によってはそうですね。このバンドの場合はまず曲の骨組みを作って、そこから歌を乗せて、さらにそこからアレンジを加えていくんですよ。そうやって歌とサウンドをフィットさせていくっていう作り方なんですよね。そこで「Around The Clock」のメロディーはアレンジと一緒で相当考えたんですよ。やっぱりポップなだけにもしたくないし、かと言って印象に残らない曲にはしたくないし。
●数回聴いただけでもメロディーを口ずさめるようなインパクトがある曲だと思います。1stアルバムのレコーディングの時は、拓さんは歌ったこともないような曲だったということもあり、大変だったって言ってましたが、今回はどうでした?
村松:いや、今回のほうがハードルが上がったっていうか、大変だったんですよ…。
生形:実は、拓ちゃんは喉の手術をしたんです。それで1ヶ月くらいは歌ってなくて、歌い始めた時は全然歌えなかったんですよね。
日向:“ヴェ~”って感じで声も出てなかった。最初はバカにしてんのかと思ったもんね(笑)。
●それは今だから笑えることかもしれないですけど…。
生形:それはびっくりしましたよ。それから2週間後くらいにはレコーディングに入ろうってことになったんだけど、やっぱり長い間歌っていないと筋肉も弱ってるし、感覚も鈍ってるんですよ。だからさっき言っていた得意のピッチも当てられないんだよね。それでこれは無理だって判断して、一週間くらい歌い込んでからレコーディングした。
村松:だから凄いキツかったですよ。そのおかげで今は完全に戻りましたからね。
日向:だから、またポリープになるのも時間の問題ですよ(笑)。そうしたら、また“POLYPOID TOUR”をしなくちゃいけない。
●1stツアーの“POLYPOID TOUR”ってそういうことだったんですか(笑)。
生形:そう(笑)。拓ちゃんの喉にポリポイドが出来たんで、お前のツアーだって“POLYPOID TOUR”にしたんです。誰もこのツアーのタイトルには触れてくれなかったんだけど(笑)。
●だって触れにくいじゃないですか(笑)。でも、まさか本当にそういうことだとは思ってなかったですけど。しかし結果的に勘も取り戻せて歌えたから良かったけど、かなり大変だったんですね。
生形:今回はそこが一番大変だったかもしれない。
●タイトルの「Around The Clock」ってどういう意味なんですか?
村松:Around The Clockっていうのは“24時間”っていう意味なんです。この曲は忙しさにとらわれることについて歌っていて、でも時間をコントロールするのは自分自身の問題だっていうことを歌っている。
日向:もう外人の発想だよね(笑)。視点がおもしろい。
生形:今回のシングルの歌詞は全部拓ちゃんが書いてるんだけど、独特の世界を持っているよね。
●確かにそうですよね。「Bone Age」にしても、“時代の骨になるしか無いんだって”っていう独特の言い回しがあったりする。
村松:それはある程度生きてくると、周りの人たちがどういう風に暮らしているのかっていうのが何となくわかってくるじゃないですか。そういう人たちがそれぞれ自分の生活を持って生きているから世の中が動いていくと思うんですよね。偉そうな人でも貧しい人でも同じように社会に組み込まれているし、世の中に興味があっても無くても自分は世の中の一部になっている。そういう中でも一生懸命生きるしかないと思うんですよね。
生形:それが“時代の骨”ってことになるんだ。確かに拓ちゃんは視点が面白いよね。
●でも『PARALLEL LIVES』で拓さんが書いていた歌詞とは、ちょっと違う感じになりましたよね。
村松:そうなんです。こういう歌詞が出来たっていうのは、やっぱり初めてのツアーで人に向けてライブをすることを学んで、Nothing'sを聴いてくれる人にどういうメッセージが出せるんだって考えたんですよね。それでこういう世界観になったんだと思う。
●『PARALLEL LIVES』で描かれていたのは、自分に対する何かっていうことが中心だったけど、今回のシングルに収録されている3曲はリスナーに世界を提示しようとしている感じがします。
村松:本当にそうですね。だからツアーをやったおかげで、外に向けて発しようっていう気持ちが歌詞にも表れているんだと思います。
●生形さんのブログで“今は成長期です”っていうようなことを書かれていましたよね。あれはさらに新しいNothing'sの曲が出来ているということなんですか?
生形:今は次のアルバムの曲を制作していることなんですよ。それで凄く成長期って感じたんですよね。今、作っているのは1stアルバムとは全然違うんですよ。
日向:俺らの中では全然違うね。
●じゃあ、今回のシングルは1stアルバムと2ndアルバムを繋ぐようなポジションだったりするんですかね?
生形:それは凄くあるかもしれない。
日向:今度はまた違うロック感があると思います。
●全然予想がつかないけど、かなり楽しみです。『Around The Clock』をリリース後はワンマンツアーが控えてますね。
日向:ワンマンツアーの方が対バンのイベントよりは気が楽ですね。
大喜多:俺らは結構気を遣うからね(笑)。
日向:あとね、対バンがいると音が尖る(笑)。
生形:でも、前回のワンマンツアーよりも本数が増えたし、今回のツアーもチャレンジになると思うよ。
●一応、今回はツアータイトルの意味も聞いておこうと思うんですが(笑)。
生形:“Rigit Clocks Tour”ってタイトルは、“固定された時間のツアー”って意味ですね。まあ、メンバーそれぞれ別の活動もあるので、予定を合わせるのが難しい(笑)。それを踏まえてこういうタイトルにしました(笑)。