10-FEET “Life is sweet”TOUR 2009-2010
2009/11/29(日) @福岡DRUM LOGOS
W/ dustbox
dustboxのライブは最高だった。激しい3人の熱量は聴く者の魂に火を付け、卓抜したライブスキルと色褪せることを知らないメロディで最初から最後まで広いLOGOSを埋め尽くす観客を熱狂させた。
いつものSEが大きな歓声を呼び起こす。ツアー折り返し地点を迎え、充実した日々を重ねてきた10-FEETのライブがいよいよ始まる。誤解を恐れずに言えば、筆者はこの瞬間が最も好きだ。ビリビリとした緊張感と、今から何が始まるのか? という期待感。大声で叫びだしたくなる瞬間である。楽屋を出てステージへと向かう3人の表情は、闘いを前にした戦士のようで頼もしい。
フロアとステージを上から望む。壮観の一言。たくさんの観客が、10-FEETがステージで鳴らす音に反応して巨大な生き物のようにうねり、一瞬も動きを止めない。彼らのライブ定番曲に、「チャイニーズ・ヒーロー」や「What’s up?」、「under the umber shine」などの新曲が馴染みまくっている。いや、馴染むと言うより、新曲たちはライブの中で流れを作ったり、勢いを加速させたりと、大きな起点となっている。『Life is sweet』を初めて聴いたときからそれは想像していたが、こうやってたくさんのオーディエンスと一緒にライブで聴くと、改めて楽曲が持つ力を実感する。
インタビューでもTAKUMAくんが述べていたように10-FEETのライブには色々な要素がある。熱もあればメッセージもあり、激しさもあれば感動もある。もちろん笑いもある。そういった要素を色々と織り交ぜながらも、総じてこの日の3人は頼もしさを感じさせる。“リラックス”ではないけれど、自然体なスタンスから気を吐き、魂を込め、楽曲を重ねていく。このツアー、Zepp Tokyoの時もそうだったが、後半から終盤にかけての魂を揺さぶるエモーショナルな流れが特に印象的。
MCでTAKUMAは「大人になれば熱くなれずにどんどん冷めていく。けど、熱くなりたいという気持ちはいつまでも持ち続けたい」と言っていたが、10-FEETのライブの熱さは年々増しているように思う。ダイブやモッシュで会場を揺らし、前から後ろまで腕を振り上げて汗まみれで叫んでいる観客ひとりひとりの表情がそれを物語っている。
dustboxと一緒にツアー先ならではのサプライズも披露し、最後に「年に1回くらいしか会えないけれどまたよろしくね。ありがとう」と言ってステージダイブをするTAKUMA。当然のことかもしれないが、長いツアーの中で、その日その場所でしか生まれることがないライブ。そんな音楽の醍醐味、10-FEETの真骨頂を味わえた。