THE ECHO DEK
ギターリフを中心に組み立てられたメロディフックに絡みつくディスコビート、芯のあるベースのオルタナウェーヴな楽曲が特徴。
定評のあるライブ演奏は、同期演奏を取り入れダンスミュージックとインディーロックの興奮を横断する。
またベースの陽気なライブパフォーマンスはマンチェスター仕込みのパーティ感を演出。
東洋ではなく、西洋の流行の半歩先を無意識のうちに歩んできた彼らのプロセスの中に、2015年リリース「Some Glastonbury」2018年リリース「Nothing But You」の存在がある。
2018年からのこの2年間で、リスナーの予想をさらに良い意味で裏切り続けるデジタルシングルを配信してきたTHE ECHO DEKに、8年来の付き合いとなるスタジオチャプターハウスのエンジニア樫村治延が問いかける。
①前身バンドから通算すると、当スタジオとは約8年間のお付き合いとなります。
8年前と比べて、世の中の「音楽の流れ、音楽との接し方」の変化をどうお感じでしょうか。
最近のUSトップチャートを見ると、ご存知のようにHip HopやR&Bが大半を占め、バンドの曲が入る事はなかなかないです。
8年前はバンドとクラブミュージックは全く別物という立ち位置でしたが、DTMによるエレクトロサウンドはどのジャンルにも取り入れられるようになりました。
現代はポップスにEDMの断片が取り入れられたり、それこそHip Hopではチルアウトベースの緻密に作り込まれたトラックが、トラップという新ジャンルが出て来たりと、非常に洗練されたサウンドが増えています。
しかしその分、純粋なロックバンド、生演奏の迫力を閉じ込めたような楽曲は完全に淘汰されてしまっているように感じます。
おしゃれで耳障りの良い曲が増えて嬉しい反面、ホワイトストライプスのような衝動をぶつけるようなバンドは出て来づらいのかなぁと思うと少し寂しいです。
迫力が命のロックは携帯で聞くには非常に相性が悪いジャンルなので、そういった意味でも時代に沿って音楽が変わってるのかなと思います。
僕らは時代の流れを踏襲しつつも、ロック、生演奏の衝動を曲に取り込めるよう日々模索しているところですね。
日本では今、邦ロックが全盛期で独自の進化を遂げ続けていますが、それはそれですごく面白いなぁと感じます。
②THE ECHO DEKの楽曲名には大胆かつユニークなものが見受けられますが、周囲の反応はいかがですか。
僕ら曲名だけにとどまらず、曲中だったり本当にあらゆる場面で、洋楽のフレーズだったりギミックを引用していて、結構わかる人には一目瞭然、思わずニヤニヤしてしまうテイストを盛り込んでます。
ライブハウスでも、そういう切り口から声をかけてくれる人が多くて、是非そういうところを見つけたら連絡して欲しいです(笑)
11月配信開始されるシングルなんかとっても、 “Whirlpool Records” 所属の”THE ECHO DEK” が ”Herspace Holiday” を出すとかって話すと、わかる人には、本当に言ってる??みたいな感じで割と面白がってくれますね。
③2年前にリリースしたフルアルバム「Nothing But You」まではヨーロピアンテイスト中心でしたが、それ以降のデジタルシングルではUS志向になってきているように感じます。これは方向性の変化なのでしょうか。
Nothing But Youの頃はThe 1975がちょうど日本でも流行っていましたが、とにかく楽曲にギター、シンセフレーズを盛り込みに盛り込んで、曲をど派手な方向にとことん振り切りたいと言う意識が強くありました。
そう言った意味では最高にエネルギーの高い楽曲群が完成したなと思いますが、最近は逆に聞かせたいテーマを強調できるように、あまり色々盛り込まないように意識してます。
さっき言ったUSチャートに入る曲なんかも、伴奏を極限まで減らす事で空気感を聞かせる。
または、歌がとことん強調されるような引き算の美学がエレクトロミュージックとして体現された曲が多いと思っていて、この雰囲気はとても好きです。
元々音楽を始めた頃は、ロバートジョンソンのブルースのようなギターフレーズと歌だけで押し殺した迫力空気感を伝える曲が大好きでした。
今はDAWを使っているのにも関わらず、ブラッシュアップされたシンプルなフレーズを聞かせたい、と言う意識としては原点回帰してるような感覚でとても新鮮ですね。
メロディに関しても、フランクオーシャンのあの雰囲気とメロディーフックの組み合わせは、作曲する際にかなり影響を受けてます。
④日本国内でも洋楽系サウンドは少しずつ増えつつありますが、バンド形態では少数派ではないかと思います。洋楽系サウンドのバンドが活動していくには、どのような状態が望ましいと思いますか。
洋楽の曲って、歌だけじゃなく全体の雰囲気で持っていくような曲が多いと思うんですが、それがうまく伝えられるにはやっぱりアレンジだったり、音質がすごく大事だと思います。
何が言いたいかと言うと、携帯で音楽が聞かれる昨今に曲のムードを芳醇に醸し出すには、バンドサイドにも工夫と努力が必要なんじゃないかと。
あとは海外リスナーにも刺さるように、意外にやられているようでやられてないような、新しい音楽性を打ち出すようにしています。
11月から3ヶ月連続リリースが決定してるんですが、12月リリースの楽曲はオルタナギターロックにトラップが合わさったような曲で、しかもそれをバンドでやるって言うのがとても新鮮で面白いかなと。
全国の方々も楽しみに、海外の方も是非チェックして欲しいです(日本語は読めないかもですが笑)
3ヶ月連続リリース第一弾
Her Space Holiday (Whirlpool Remix)
配信リンクhttps://linkco.re/NHmeRa5a
⑤THE ECHO DEKが海外で活動するとしたら、どこに行きたいですか。
ヨーロッパもいいですが、台湾、タイ、インドネシアなどアジア圏で活動したいなとは思ってます。
向こうの方々のバンド熱もすごいと聞いたことがあるので。一度行って見たいですね。
THE ECHO DEK / Her Space Holiday (Whirlpool Remix)
11/7 (土)デジタルリリース, Apple, Spotifyなど各種サブスクリプションにて配信
配信リンク https://linkco.re/NHmeRa5a
2020年Mikikiにて掲載され、Tower Doors 五月オススメ楽曲に選ばれた "Feynmann" を筆頭に二作品をシングルリリース。そして約半年の沈黙を破り11月より三か月連続リリースが決定!是非、チェックしてほしい。
HP
https://www.youtube.com/user/Theechodek/about?view_as=subscriber
https://www.instagram.com/the_echo_dek/
ライブ情報
12/2(水)渋谷 LOFT HEAVEN (観覧+配信)
12/4(金)吉祥寺 NEPO (観覧+配信)
12/7(月)新宿 9Spices (観覧+配信)