ロックやポップ、たまにスカ…様々な音楽を取り込んだ“世代のポップミクスチャー、the whisper。(“酔った勢い”というパンチの効いた理由で)結成して以来、キャッチーかつポジティブなライブで各地に旋風を起こし続けている彼らが、4月にニューアルバム『PARTY TONIGHT』をリリース!
鳥のささやき、車から流れるラジオ、ギターリフ、携帯の着信音、クラクション…M-1「Opening」は、自然と頭の中で映像が映し出されるような、日常に溢れた様々な音が入り乱れるインスト曲だ。
その中でもはっきりと聴こえる足音は、“何か”が起こりそうな予感を感じさせる。“キィ”と軋むドアを開けライブ会場に入ったかと思うと、「レッツパーティ!」の合図と共に始まるM-2「パリトゥナイ」。リフと絡み合うようにhiho・masatomo・YOUJIの個性溢れる3人のボーカルが飛び交うと、無条件にテンションが上がる。その後も小気味良いカッティングとリズミカルなドラムがグルーヴを作り出すM-3「30!!」や、ゆったりとした裏打ちのリズムに暖かい南国の太陽を彷彿とするM-4「slow ride」など、自然とカラダが揺れ動く説明不要のダンスナンバーが目白押し。
the whisperの音楽を一言で表すとしたら、ずばり“HAPPY”だ。それは、気の合う仲間と集まってバカ騒ぎした時に思う「なんか良いじゃん!」というあの感覚。小難しい理屈や理論を超越して、神経に直感に働きかけ生み出される高揚がある。さらに今作を通して聴くと、まるで実際にライブに行ったかのような感覚に陥る。
M-7「never ending story」が生み出す空気は、心地良い疲労感と清々しさが相まったライブ終わりの多幸感そのものだ。夜通し騒いで徹夜した朝に食べるラーメン並の充足感で締め…かと思いきや、最後の最後に彼らの茶目っ気が炸裂! こちらはボーナストラック扱いなので、詳細はぜひ自らの耳で直接確かめて欲しい。
遊び心を詰め込んだ、最高にHAPPYなアルバムだ。
TEXT:森下恭子