The ChronoHEADが擁する2人のソングライターは幼なじみとして育ち、時ときっかけを同じくして音楽人生をスタートさせた。
その後、それぞれ別の道を歩み始めるも、まるで運命のように引かれ合い、“The ChronoHEAD”という場所で互いの音楽人生を交差させた。
パワー感溢れるメロディと巧みなコーラスワーク、その世界観を増幅させる高いアレンジセンス、生命力がほとばしるライブで活動を重ねるThe ChronoHEAD。同じ運命を背負った4人による1stフルアルバム『SUPERNOVA』が完成した。
「一度リセットされたような新鮮味があって、このバンドでは何をやっても楽しいんです」
●つい先日初めてライブを拝見したんですけど、いい意味で音源と印象が違っていて。音源を聴いたときは"エモーショナルなギターロックバンド"という印象だったんですけど、ライブを観ると"これぞライブバンド"という感じだった。特にベースの人はものすごくテンションが高いじゃないですか。テンションが高いというか、ちょっとおかしい(笑)。持参したビールケースに乗って叫んだりしてるし。
真田:特攻隊長的な感じですね。俺は裕一(平山)がARUというバンドをやっているのを知っていたので、このバンドでは"こういうステージになるだろうな"というイメージがなんとなくあったんですよ。でもThe ChronoHEADでベースを持ったら、また別の裕一が出てきた(笑)。飢えたライオンが肉をむさぼるような、獣のような動きをするというか。それって、俺らにとっては結構な武器なんです。
●あれは何なんですか? 我慢できないんですか?
平山:我慢できないっすね。
●勃起しているんですか?
平山:勃起はせずに射精している感じです。
一同:アハハハハ(笑)。
平山:シュウ(真田)とは幼なじみなんですけど、俺のお父さんがアコースティックギターを俺とシュウに教えてくれて、そこから2人の音楽人生が始まったんですよ。で、「いつかバンドを一緒にやろう」と言っていたんですけど、なかなか機会がなくて。それが今、とうとう一緒にやれているのでもう楽しくて仕方がない。俺はシュウが大好きなんです。
●あ、だから今も隣に座っているんですね(※平山は取材部屋に入るなり真田の隣に座った)。
平山:酔っぱらうとすぐキスしちゃうんですよね。
●ディープですか? フレンチですか?
平山:ディープもありだよね?
真田:ありだね…って、何こんなところで暴露してんだよ(笑)。
●もう愛していると。
平山:そうそう。愛している人とバンドをやれたら、やっぱりアガっちゃうんですよ。
●付き合ってるんですか?
真田:付き合ってないです!
平山:一時、"本当に付き合ってるんじゃないか?"という疑惑があったよね(笑)。
●ハハハ(笑)。平山さんは現在もARUでG./Vo.として活動していますけど、The ChronoHEADではベースを弾いていますよね。どういうきっかけで始まったバンドなんですか?
石黒:真田、石黒、河合の3人は前にやっていたnoteというバンドで一緒だったんですけど、当時noteのリーダーだったベースがバンドを辞めたんです。でも俺らはまだまだ音楽を続けるつもりだったから、まずベースを探そうということになって。俺たちは劇的にコーラスが下手だったので「次はコーラスが歌えるヤツがいいな」と言っていたんですけど、ピンとくる人がなかなかいなかったんですよ。
真田:俺が"どうしてもコーラスを歌ってもらえる人が隣にいてほしい"と思っていて。高校でバンドを始めたころからその時点まで、俺はコーラスをされたことが一度もなくて、一回でいいから味わってみたいと。
石黒:もはや「ベースはどうでもいい」みたいな感じだったよね。
真田:そうそう。なかなかいなかったんですけど、俺がポロッと「コーラスができてベースが弾けそうで、ステージもかっこいいやつだったら裕一がおるけどね」と言ったんですよ。そしたら満場一致で「そうだね!」って。俺にとって裕一は幼なじみだし、音楽も同時に始めたからライバルでもあったんですよ。別々にがんばっていた方がお互いが成果を出していくだろうと思っていたので、まだ一緒にやっちゃいけないと個人的には思っていて。
●なるほど、その気持ちはわかる。
真田:でも、みんながそう言うなら誘ってみようということになって、裕一に電話して。「ベースをやってほしい人が決まりました。あなたです」と言ったんですよ。そしたら裕一が「ベースか…」って(笑)。
平山:俺は"真田修壱"という男に対して、1人のミュージシャンとして多大なるコンプレックスを抱いていたんです。シュウは高校のときからヒーロー的なところがあって、バンド活動も常に"シュウが1歩先に行ったら俺は5歩前に出てやる!"という気持ちでやっていたので、ARUをやっているときも"絶対に追い越してやる!"という意識があったんですよ。
●嫉妬みたいですね。
平山:でも、その憎悪の裏にはやっぱり愛があったという。
●"愛憎"っていいますもんね。
平山:そうそう。もしいつかシュウに「一緒にやろう」と言われたら、有無を言わさず「やる」と答えようと内心決めていて。
●なんか女々しいですね(笑)。
石黒:"女々しくても後悔しない人生を送る"っていうのが彼のモットーなんです。
●なんだそれ(笑)。
石黒:裕一以外の3人はnoteのときからずっと一緒にやってきたから、スタジオもライブもマンネリ化していたんですよ。高校の文化祭に出たときのような初期衝動がなくなっていたというか。でも裕一が入ったことですごく新鮮味があって、何をやっても楽しいんです。裕一はライブだけじゃなくてスタジオでも汗だくで楽しそうなんですよ。それに刺激されたのか一度リセットされたような新鮮味があって、このバンドでは何をやっても楽しいんです。だからThe ChronoHEADは、ライブのときのモチベーションは文化祭に近いというか。
真田:うん、すごく近いね。
「"ステージに立ったものの全然伝わらない"という日もいつかは来ると思うんですよ。そのときにこの4人がどう乗り越えるかを見てみたい」
●平山さんもARUで曲を書いているので、The ChronoHEADにはソングライターが2人いるということになりますよね。曲はどうやって作っているんですか?
真田:俺と裕一で作っています。いずれは半々で作るようにしたいんですが、今は俺がメインで弾き語り的な感じで元ネタを持ってきて。でもフレーズやビートのフィルとか、アレンジは基本的に個々のセンスに任せています。俺は裕一の脳みそというかセンスをすごく頼りにしているんです。だから持っていく時点であまり固めすぎず、ワンコーラスだけ持っていってみんなで作る、みたいな感じ。
平山:そこで偶然パッと思い付いたフレーズがあったら、それを別の曲にくっつけたりして。「ここにはめたら面白くね?」って感じで、Cメロをまるまる入れちゃったりとか。
真田:だから作曲は実験現場なんですよね。「これとこれを混ぜたらどうなるだろう?」っていう、化学実験みたいな感じ。
●今回リリースの1stアルバム『SUPERNOVA』を聴いて思ったんですけど、基本的に日本語詞と英語詞の混合の曲が多いじゃないですか。で、英語詞が乗っている部分のメロディの流れ方と、日本語詞の部分のメロディの流れ方が、明らかに違う作りになっている気がしたんです。それって実はすごいことなんじゃないかなと。
平山:「英語と日本語の部分で明らかに作りが違う」というのは、シュウが完全に日本語畑でやってきたのに対して、俺がやっているARUでは英語の曲も多いということが影響していると思うんです。
●ああ~。
平山:大学で外国語を少し専攻していたというのもあって、このバンドでは少し「英語の部分やらせてよ」みたいな感じで。例えばシュウが曲を書いて俺が歌詞を乗せた曲でも、シュウが鼻歌で作ったときに"君が"というフレーズが出てきたとしたら、そこは"君が"で歌いたい。対して、俺が作曲するときに鼻歌で出てくるフレーズはいつも英語なんです。要するに、日本語で始まるのか英語で始まるのかという違いがある。自分たちが今まで歩んできたベクトルの違いが、明らかに違うメロディとなって形になったんだと思います。
真田:裕一にはプレイヤーだけじゃなくて、あくまでも制作者であってほしいので、俺が曲の全部を作りたくはないんです。例えばM-2「Headphone Bugs」は裕一が歌詞を書いて俺が曲を作ったんですけど、まさに2人で作ることがができた曲で。
●なるほど。
真田:歌詞が乗っていない時点で"ここは英語で歌いたい"というときは裕一に任せるんです。俺がむちゃくちゃな英語で歌っている部分を、裕一が上手くテンションを合わせてハメてくれる。
●でも、そういう作り方だと1曲ができあがるまでに時間がかかりそうですね。
真田:作曲はそうでもないんですけど、作詞がいちばん時間がかかりますね。曲を作ってアレンジを詰めてから歌詞を乗せるんですけど、俺はボキャブラリーが少ないからなかなか言葉が出てこない。ストレートにものを言いながら、俺たちっぽい歌詞にしたいなと思ってるんですけど。
●それと、さきほど「"どうしてもコーラスを歌ってもらえる人が隣にいてほしい"と思って平山さんを誘った」という話がありましたけど、今作はコーラスが曲のポイントになっていますよね。
真田:そうですね。でもライブでは意外と裕一がコーラスをやらなくて(笑)。
●確かにライブではコーラスを取っているというより、興奮して動き回っている印象がある(笑)。
真田:ベースとステージングをがんばっちゃっているという。
平山:俺としてはツインヴォーカルくらいの意識でいるんですけどね(笑)。
●コーラスは、楽曲を作る世界観のひとつとして欲しかった?
真田:何よりもライブでやりたかったんです。前作はレコーディングのコーラスも俺がやっていたんですけど、コーラスがあるライブをしたいという気持ちが強くなってきたんです。やっぱり広がりも違うし、どれほどの効果があるんだろうと思って。
石黒:だから前作『LATENT FIRE』(2011年1月)は裕一のコーラスが少なかったけど、今回はほぼ全部裕一が入れたんです。
●今作では随所で"ウォウウォウ"とか歌ってますよね。
真田:"ウォウウォウ"はめっちゃ多いですよね(笑)。前作に収録した「CURIOSITY」という曲のサビに"ウォウウォウ"というコーラスが入っているんですけど、それをライブでやったときに、初めて観たお客さんでも一緒に歌ってくれて。ライブでレスポンスがあるのが気持ち良くて、それなら2枚目はめちゃくちゃ入れてやろうぜっていう(笑)。
平山:どうやるなら全部入れようくらいの勢いでね。
●安直だ(笑)。
真田:俺はJimmy Eat Worldが好きで憧れてるんですけど、彼らはそういう感じのコーラスをやっていることが多くて。男らしく叫ぶようなコーラスじゃなくて、グルーヴィーかつ綺麗で、でもみんなで叫んじゃう感じ。音源ではそういう風に閉じ込めたいなと思ったんです。
平山:コーラスは、シュウが"こういうアプローチで入れたい"というガイドラインをプリプロで作ってくるんです。プリプロっていうかもう趣味の域だよね。
●趣味というと?
平山:シュウが"Cubase"という音楽ソフトを買ってハマってしまったんです。ほぼ完璧な作品みたいな状態のデモを作ってくるんですよ。
真田:スタジオでみんなでアレンジした曲に、遊びで"Cubase"を使ってコーラスを入れたりしてみたんです。それをみんなに聴かせたら「いいじゃん」って採用されたんです。
平山:俺は最初、コーラスをやるからには自分のやり方でいきたいと思っていたんですけど、結局俺の意見はことごとく採用されなかった。
真田:でも自分でも採用されないってわかってたでしょ?
平山:…うん、わかってた。
石黒:でも1度は自分でやってみたかったんだよね?
平山:そう。"この曲ができた瞬間にはこういうコーラスがもともと入ってたんじゃないか"っていうくらいシュウの考えてきたコーラスがいいんですよ。だけど俺とシュウはライバルなので、それじゃあ腹の虫が治まらないから、敢えて1回変えてみて自分なりのコーラスをやってみる。で、「すみません、やっぱりそっちでした」という。
真田:裕一はわかりやすい性格だよね(笑)。
平山:シュウはひとつのことをやり始めたら、とことんこだわっちゃうんですよ。昔からそう。
●なんだこの痴話喧嘩みたいなやりとり(笑)。
平山:そういうのもひっくるめて愛おしいんですけどね。
●話を戻しますけど、今作の歌詞はそこまでメッセージフルではないと思うんです。"こうしよう"みたいな問いかけはありますけど、別に押し付けているわけじゃなくて、抽象的なことを歌っていることも多い。だから全体の印象は"メッセージ"でもないし"自己表現"でもない。例えるなら"祈り"のような音楽だなと。
3人:ああ~。
平山:地元の豊橋という街は、理由はよくわからないんですけどクリエイティブな人が多いんです。ストーリーを書きたがるというか、1枚の絵を仕上げる、みたいな感覚の人が結構多いと俺は前から感じていて。子供のころから俺たちはそういう人たちに憧れてきたから、The ChronoHEADの音楽は自然とそういう感じになったんじゃないかなと俺は思っていて。
●へぇ~、なるほど。
真田:俺と裕一の歌詞の世界観は結構違っていて、裕一がすごく抽象的というか詩的な歌詞を書くんです。俺は自分の気持ちを歌った歌詞が多くて。それも理由としてあるのかもしれないですね。M-8「Gagarin, Blue」は特に裕一っぽい曲で、ガガーリンが宇宙に行ったときの気持ちを想像して歌った、という曲なんですよ。
平山:何のメッセージ性もない。
●確かに何のメッセージ性もない曲ですけど、でも何かキュッとなりますよね。
平山:キュッとなったらいいな、みたいな感じです。
真田:ミクロな部分を大きく書くのが上手いんですよね。俺にはできない。
●確かに詩的ですね。
真田:俺は見事にM-4「The you」のような、人間っぽい感じの曲を書くことが多いです。
●「歌詞はいちばん最後に乗せる」という話がありましたが、サウンドの世界観に左右されて歌詞を書くんですか?
真田:それもあります。敢えてサウンドの世界観に逆らった歌詞を書くこともあるんですけど、やっぱりバックのサウンドに影響されることは多いですね。"この曲でこの歌詞の世界観?"という意外性はあまりないというか。
●平山さんはどういう感覚で歌詞を書くんですか?
平山:俺はいつも、やったことのないことをやってみたいと思っていて。昔からシュウに対しても、俺が想像もつかないようなことをやってほしいと思っているんです。
●ふむふむ。
平山:それに、もしかしたら楽曲の中にその人たちの姿勢とか想いとかベクトルが見えるのがバンドとして理想的なのかもしれないですけど、The ChronoHEADはバンドのベクトル自体がライブにあるので、いい意味で歌詞の中に想いや姿勢を盛り込まなくていいかなと思っていて。
●ああ~、なるほど。
平山:それでなおかつ、"シュウが音楽人生でやったことのないことって何なんだろう?"っていうのを、コーヒーショップでコーヒー1杯で8時間くらい粘りながら考えたりしています。
●おかわりしないんですか?
平山:「おかわりどうですか?」と訊かれても「いいです」と断ります。
●違う個性のソングライター2人がいいバランスになっているんですね。
真田:そうですね。"これはThe ChronoHEADの中でも異質だな"というものを裕一がやってくれるんです。きっと俺が書かなくなることはないから、その時々で2人でバランスよく作っていきたいなと思っていて。裕一が作るものはすごく信頼しているので、こいつが作ってきたら絶対やりたいし、むしろ俺が歌いたいと思う。今後はThe ChronoHEADの中でもっともっと裕一のセンスがたくさん出てくると思うし、それが楽しみなんです。『LATENT FIRE』から『SUPERNOVA』で裕一の色が少し増えたので、次はもっと増えると思います。
石黒:The ChronoHEADの歌詞は、聴いている人に対して共感を求めているわけではないという気がしていて。だけどメンバーとして歌詞を聴いたとき、次の一歩を踏み出せる…そういう感覚を与えてくれるんです。だから歌詞は俺たち自身を前に進ませてくれる要素のひとつというか。歌詞を見て"まだまだ俺はできるな"と思えたら、それだけでいいと思っている。
●なるほど。
平山:ところでさっき言われた"祈り"っていうのはいいよね。
真田:そうだね。あれはパクろう。
平山:「歌詞はどういう感じで書いてるんですか?」と訊かれたら「"祈り"に近いですね」って。絶対パクろう。
●パクっても別にいいですけど(笑)、「The ChronoHEADはバンドのベクトル自体がライブにある」という自覚があるということは、ライブバンドであろうとしているんですね。
真田:そうですね。ライブをいちばんに考えちゃってます。例えば初めてライブハウスに来る中学生とかに"ものすごいな"と思わせたい。"俺もバンドやろう"みたいに、ステージに上がる者として発信していきたいんです。もちろん俺たちが好きで毎回観に来てくれる人は絶対に裏切りたくないし、「今日は元気がなかったね」なんて絶対に言われたくない。
平山:本当にそうだよね。
「"ステージに立ったものの全然伝わらない"という日もいつかは来ると思うんですよ。そのときにこの4人がどう乗り越えるかを見てみたい」
●ライブといえば、1月から始まるツアーは結構な本数がありますね。ガッツリとツアーをまわるのは初めてですか?
真田:このバンドでは初めてですね。やっとまわれます。
●どんな感じのツアーにしたいと思っていますか?
真田:たくさんライブをやっていると、"ステージに立ったものの全然伝わらない"という日もいつかは来ると思うんですよ。そのときにこの4人がどう乗り越えるかを見てみたい。何本もライブがあるから、遅かれ早かれめちゃくちゃヘコむことが絶対にあると思うんですよね。
●そういう日が来ることに不安はない?
真田:いや、不安です。正直言うと、そういうことはめちゃくちゃ不安ですよ。でも一方で、少し楽しみでもある。ツアーの最後にはものすごいThe ChronoHEADになって戻ってくる自信があるから、何本もやっている中でマンネリ化するかもしれないけど、どうやって自分のケツを叩いて、どうやってキッズ精神を持ってやっていくのか…自分自身それが楽しみですね。
石黒:今回のツアーは、30本近くあるライブを今の気持ちでやりきれること、それだけが大切だと思っていて。もちろん出会いもいっぱいあるだろうし、刺激もたくさん貰うと思うんですけど、アンプの電源を入れて音を出す瞬間に毎回ドキドキできるということがいちばん大事なんじゃないかなって。すべてのライブに於いてそうでありたいという感じですね。それがもし消えるようなら次はツアーがなくてもいいとすら思う。そのドキドキを持ったままこれだけの本数をまわりたいし、今後もそういうツアーをやりたい。
平山:そうだね。いつもライブでは、SEがかかるまでいろんなことで迷っているんです。
●あ、そうなんですか。全然迷いのないステージに見えるけど(笑)。
平山:ステージに出たら大丈夫なんですけど、一歩を踏み出すまでに"今日はどういうライブにしよう?"っていうプレッシャーがいつもあるんです。でも、ステージに上がるまでにどれだけ色んなことを考えたとしても、このバンドでは"嬉しい"とか"楽しい"、"悲しい"みたいに、すごく簡単なメッセージにしかならなくなってきているという感覚があって、それでいいと思っているんです。バンド界隈では複雑化することが美学とされることも多いじゃないですか。
●そうですね。
平山:そんな中だからこそ「楽しい!」と言い切れることはそうそうないと思っていて。だからありのまま楽しくやって、終わったときには「また行きたいね」と言えるように、そのサイクルがどんどん広がっていけばいいなと思ってます。「今日は楽しかったね」と終わって「でも明日のライブはもっと楽しくしよう」という。
真田:それは俺もモットーにしてる。「今日の俺たちがこれだけかっこよかったら、明日の俺たちはもっとかっこいいんじゃね?」という精神はずっと持ち続けたい。
平山:心の赴くままにいっぱいライブをやって、いっぱい挫折していっぱい楽しい思いをして、ファイナルが終わったら…みんなで風俗行こう!
一同:オー!
interview:Takeshi.Yamanaka
Assistant:森下恭子