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10-FEET Vo./G.TAKUMAのソロ活動に密着取材。TAKUMA【何人かバンド】from 10-FEET インタビュー#3

10-FEET Vo./G.TAKUMAのソロ活動に密着取材。TAKUMA【何人かバンド】from 10-FEET インタビュー#3


 
 
 
 
 
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INTERVIEW #3

 
 
 
●先ほど初めてライブを拝見したんですけど、TAKUMAくんのソロ名義で出演しているので、バンドメンバーはサポートという先入観でライブを観たんです。そしたらびっくりして。全員存在感があるというか、個性を出しまくってますよね。それぞれのプレイがバンドとして融合していて。TAKUMAくんの表現なんですけど、フラットな関係性というか。
 
 
 
ああ〜、そうですね。

 
 
TAKUMAさんがそういう人を選んだんですよね?

 
 
そういう部分もすごくあるし、外からの聴こえ方や見栄えを意識したことはなかったんやけど、今の話を聞いて、それはとてもいいことでかっこいいなと思いました。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
●あ、意識していたわけではないんですか。
 
 
 
はい。浜ちゃんが言ったように濃い人たちを選んでいるし、音楽的にもすごいリスペクトがあって、人的にもすごく好きな人を誘ったんです。そういうことをライブで表面化出来ているということだから、僕が思っているようにみんなのかっこいい部分が出ていたということだと思うんです。ひとりひとりに対するリスペクトと“一緒にやりたい”という想いが、「自分のソロだからメンバーはサポートだ」という風になりすぎることもなく、一方で「TAKUMAのソロバンドだから自分はサポートメンバーだ」という風になることもないというか。

 
 
●うんうん。
 
 
 
ずっといい関係で居れたらいいなと思いますね。メンバーそれぞれにも看板があるし、それぞれにすごく個性も感じているから、そこに対して自分なりにものすごく大事に思っている部分があるんです。

 
 
●そこはまさに、考えてやっている。
 
 
 
大御所さんが付き合いのある若手を呼んでバンド形態でやっている感じになるのが嫌なんですよ。本当に年齢とか関係なく“かっこいい”と思っている人を誘っているので。自分が10-FEETのTAKUMAで、周りからどういう風に見られているかはある程度わきまえているつもりだし、みんながかっこよくみえるようにしたいなと思っていますね。【何人かバンド】と表記するのも、実はすごくデリケートに考えていて。たまにメンバーが変わるということとか、パーソナルな部分がどう見えるかとか。

 
 
●なるほど。
 
 
 
みんなめっちゃいい音楽人としてキャラクターが確立されているから、それを大事にすることも【何人かバンド】という形式に繋がるなと思ったんです。それぞれのキャラクターとか、僕が思っているひとりひとりに対するリスペクトを重んじたり大切にしたりすることが最重要なわけでもなく、どれがいちばん重要とか無いまま、こういうバランスでやっていたいと思っていますね。

 
 
●すごくいい関係ですね。
 
 
 
それで瞬間的に「今の俺ら最高のバンドやな」と思えるときがあったらそれはそれで素敵だし、時には「ちょっとここはがっちり固定メンバーみたいな気持ちで音源を作りましょう」ということがあってもいいと思うんです。それは時期だったり、巡り合わせであったり、またそれぞれの気分だったり。それぞれのスケジュールがたまたま合えば、それも縁と運命だと思うし。

 
 
●うんうん。
 
 
 
だから「僕はがっちりTAKUMAのサポートでやっているわけではないですよ」でも「がっちりやっていますよ」でもどっちでも嬉しいんですよ。でもそういう形式にとらわれず、会えるときに会って、やれるときに一緒にやって、めちゃくちゃ感動したりめちゃくちゃいい伝説のライブをしたりとか、めちゃくちゃいいものを個人のホームグラウンドの活動に持って帰れたらいいなと思うんです。そういう集まりというか、そういう活動に出来たらいいですね。

 
 
●簡単にそんなバンドは出来ないと思うんですけど、雑談されている雰囲気とかも含めての関係性がステージに出ていますよね。
 
 
 
そうだったらめっちゃ嬉しいですね。この先、それぞれが活動していく中で、【何人かバンド】の関わりがいい場合と悪い場合が出てくると思うんですよ。だから常に程よい距離の方がいいのかなとか色々考えています。別にそんなことを気にせずにいい年齢になったり、ライブスタイルや音楽への向き合い方も含めていいときはガッとやったらいいと思うし。とにかく常にみんなのことを大事に思っていますね。…というか、お互いのことをどう思ってるとか、こんな話をするのは初めてやな(笑)。

 
 
恥ずかしいです(笑)。

 
 
一同:ハハハハ(笑)。
 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
ちゃんと自分たちのバランスを持っている人たちだし、“今じゃないな”と思ったら来る人じゃないと思っていて、ある意味そこも信頼しているんです。でもめっちゃ頼んだら来てくれそうでもあるから気を付ける(笑)。ほんまにやりたいときに声をかけようと。これ難しいんですけど、ずっと意識していますね。本当にリスペクトしているんですよ。しっかりひとりひとりのプレイを見てきて、その上で尊敬している。そこはボケたくないというか、付き合っていく上でそこの集中力は切れていないです。

 
 
●なるほど。またライブの感想の話になるんですが、ステージのグルーヴ感が完成している感じがあったんですよね。だからまだライブ7回しかやっていないというのが信じられない。
 
 
 
バンドはやっぱり“こいつとは合わんわ”と思ったり、“このプレイ好きじゃないな”とかあると思うんですけど、このバンドに関してはそういうことが全く無いんです。すごくフラットで、演奏していても信頼しているし。

 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
●最初からそういう感じだったんですか?
 
 
 
そうですね。最初はtickのメンバーが居たということもあったんですけど、今のこのメンバーの編成で2回やって、2回ともその感覚でした。

 
 
やっぱりおもしろいですね。居心地がいいとかもありますけど、音的におもしろいのがいちばんですね。もしかしたらTAKUMAさんは、弾ける楽器で選んだわけではないのかな? とすら思います。無意識かもしれないですけど、プレイヤー寄りではなく、どちらかと言えば曲を作ったり制作をしたりする人たちが集まっている感じなんですよね。いろんな絵描きが集まって1枚のキャンバスに一斉に描いている感じで、そこの真ん中にTAKUMAさんが居るというか。個人的にはそういうのがいちばん好きなんですよね。最初から自然にそうなっていたので、集まっている人間がそうなのかなと思います。

 
 
ああ〜、確かにそういうところで見ているところもあるかも。

 
 
だからきっとライブを観てくれた人が、ヴォーカルに準じたサポートではなくて、何をしても個々が色を自然に出しているように観えたというか。

 
 
 
 
 
 

 
 
 
 
●不思議な感覚だったんですよね。「ソロ」のライブを観ると真ん中に居る人しか記憶に残らないんですけど、今日のライブはいろんなところを観たくなるというか。それが悪い方向に行けば散漫になると思うんですけど、そうじゃなくて、きちんとバンドの中でそれぞれの個性が爆発していると思える瞬間がたくさんあったんです。
 
 
 
クリエイターでもあり作曲も出来る人が集まっているというところも見ていると思うし、演奏が上手いとか演奏力があるというのもめちゃくちゃ感じている人たちでもあるんですよ。その“演奏力の上手さ”の中には、ライブをしている現場でお客さんの雰囲気に合わせるとか、そういう“上手さ”も知っている人でもあり、例え演奏が失敗したとしても「今日は神ライブだった」と言われるようなことが出来る部分も感じているんです。だから全員がリードしたりすることもやろうと思えば出来そうというか、そういう感覚も血液に流れていそうな人たちだと思ってますね。

 
 
●うんうん。
 
 
 
このみんなに共通しているのは、例えばライブ中に俺が何かトラブったり何か忘れてテンパったとき、誰を見ても「大丈夫です、なんとかします」みたいな顔をするというか。「そんなにやばくないでしょ?」みたいな。そういう瞬間を今まで何回も見てきたんです。そういう信頼感もあるし、なるべくそうならないように事前に言ったりして気を付けてます(笑)。だから距離感や呼ぶタイミングもきちっとする。常に考えて考えて声をかけないと、いいパフォーマンスをしたりいい音源を作ったり、何よりいい関係でいられないと思うんです。それがコツだと思っているので、ずっと集中し続けたいですね。

 
 
 
 
 

 
 
 
 
 
 
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