京都出身男女ツインヴォーカルピアノロックバンドsunday morning bellが1stアルバム『wonderland』をリリースする。
ピアノ等の生楽器やシンセサイザーによるオーガニックなサウンドに、メロディーと立体的なリズム隊が絡み合い奏でる美しいアンサンブル。
US/UKインディーロックを基調としながらもポップスやクラブミュージックまで広い振り幅を持つ彼らが、新しいオルタナティブサウンドを生み出した。
●2007年結成とのことですが、sunday morning bellというバンド名の由来は?
Asada:大好きなUKロックとかブリティッシュロックの曲名によくある"morning"か"morning bell"がいいなと思って調べてみたら、ドイツにmorning bellっていうバンドがいることが分かって。それとカブるのは嫌なので、曜日でも付けようかと。"monday"じゃテンション低いし、"saturday"だとテンション高過ぎるということで"sunday"に落ち着きました(笑)。
●ドイツのバンドと名前がカブりたくないということは、世界進出も目論んでいる?
Asada:来年には世界ツアー回ったろうかなと!
一同:あははは(笑)。
●そういう心意気は大事ですよね(笑)。
Asada:バンドを始めたのがちょうどMySpaceやaudioleafが流行り始めた時期で、世界中の人に聴いてもらいたいという想いはありました。だから、バンド名も日本語表記にするつもりは全くなかったんです。
●ピアノが入ったバンドのイメージは結成前からあったんですか?
Asada:最初はもっと暗い曲が多いバンドだったんですけど、自分に素直になってみたら"もっとポップなものがやりたい"と思うようになって。僕の感覚ではピアノって"ポップさ"も"エグさ"も出せる楽器だと思っていたので、ピアノありきの楽曲を作ってみたら"sunday morning bell"の方向性が見えたんです。
●ピアノが楽曲の要になりつつ、Pf./Vo.Miyazakiさんの歌声も楽器に近い使い方だなと感じました。
Miyazaki:コーラスはいろいろ試行錯誤していて。Asadaくんと同じように歌詞を歌うよりも、うわものコーラスを入れてみたらバッチリはまったんです。
Asada:コーラスワークについてはまだまだ試行錯誤の段階で、もっとたくさんのコーラスで厚みを出したいですね。それによってもっと世界が広がると思います。
●そして今回、1stアルバム『wonderland』をリリースするわけですが。
Asada:ようやくアルバムをリリースできるということで、自分たちで言うのもなんですが、名盤です!
Ono:レコーディングもスムーズだったし、ボーカル録りに時間をかけられたのがよかったですね。
Miyazaki:AsadaくんとBa.Onoくんが凄く頑固で、曲順は最後まで決まらなかったんですけど(笑)。
●今作はストーリー性がある気がしたので、曲順もすんなり決まったのかと思っていました。
Ono:今まではシングルしかリリースしていなくて、特に曲順を考えたことはなかったんです。でもアルバムは通して聴いてもらいたいので、曲順にはこだわりました。
Asada:歌詞も1日の流れのどこかに当てはまる感じで、あまり浮世離れしたものじゃなく、ライフスタイルに密着するようなものになっているんです。
●そういうコンセプトがあったんですね。
Asada:後付けです(笑)。でも結果的にそういう流れができたので満足していて。一貫しているイメージは、"ポップミュージックの中で泳ぎたい"というものなんですよ。ポップスってもの凄く幅が広いんですけど、僕らの音で気持ちよくなってもらえたら何よりです。
Ono:聴いた人が次の日にメロディーを口ずさんでくれたら最高ですね。
●M-1「electric」は軽快なサウンドで、メロディも凄く入ってくる曲だと思いました。
Ono:「electric」で始まることは決まっていたんですよ。
Asada:一番勢いのある曲でライブでもよく披露していましたし、1曲目に持ってこようと全員一致で決めました。この曲はAメロのフレーズを母体にして作ったので、Aメロ推しです!
●心地よく耳に残りますよね。M-3「WAGON」はライブで盛り上がりそうな曲ですね。
Asada:手拍子もあるし、この曲はライブの盛り上げどころですね! ライブでは一番テンションが上がります。
Ono:「WAGON」は僕らの今やりたいことが詰まっているので、一番聴いてもらいたい楽曲です。
●ライブを意識して曲を作ったりしますか?
Asada:最近はよく考えるようになりました。"いいライブができているな"と感じることも増えてきて楽曲への意識が変わってきたんだと思います。ライブは楽しいのが一番だし、みんなで共有したいですからね!
Ono:Asadaはどんどん曲を作ってくるようになって、メンバーから見ても"変わったな"というタイミングがあったんです。そこからお客さんの見方も変わってきたように思います。
Miyazaki:リーダーとしても音楽的にもどんどんしっかりしているように感じるので、私も"付いていかなきゃ!"と思って頑張っています。
●M-5「downtown」はダークな曲調で収録曲の中でもとりわけ表情が違いますよね。その辺りも意識の変化が表れていたりする?
Miyazaki:この曲は私が小学生のときに作ったピアノのリフを、Asadaくんが気に入ってくれてセッションからすんなり出来た曲なんです。
Ono:自然に出来た曲が暗いっていう(笑)。全員が開放されて出来た曲ですね。アルバムでもいいフックになっているし、バンドマンからの評判も高い曲なんですよ。
●どの曲もそれぞれ表情があって繰り返し聴いていたくなるし、各パートの音へのこだわりや空気感が絶妙ですよね。
Asada:音には凄く満足しています。今までの僕らのよさである"ふわっとした感じ"は活かしつつも強調しすぎず、スタジオ選びの時点から輪郭のある"パンチのある音"を求めたんです。今後はインストアライブもしますし、春前にはツアーで各地へ行くのでぜひライブに来て感じてもらいたいですね。
Ono:より多くの人に聴いてもらいたいので、リリース後はそこに届くような活動をしていきたいです。
Miyazaki:今回のレコーディングが凄く楽しかったので、早く次のアルバムを作りたいですね!
Interview:上田雄一朗
Assistant:Hirase.M