約3年ぶりとなる10-FEETのワンマンツアー初日。オーディエンスがぎゅうぎゅうに詰めかけたZepp Tokyo。10-FEETが7/24にリリースしたシングル『ハローフィクサー』のジャケットをイメージした大きなバックドロップが照明で浮かび上がり、大きな拍手と歓声が沸き起こる。
メンバーが登場し、TAKUMAが曲名を告げると割れんばかりの大歓声。「VIBES BY VIBES」でスタートしたこの日のライブ、最初から客席の勢いが凄まじい。ジャンプで会場が揺れ、数え切れないほどのダイバーが宙を舞う。「1 size FITS ALL」では客席との掛け合いも完璧、ステージ上の3人はもちろん、フロアを埋め尽くすオーディエンスも完全に楽曲を自分のものにしている。
TAKUMAはギターを爪弾きながら「1時間先、2時間先をおまえらと一緒に、音と照明付きで見に行ってみようかな」と「Fin」。胸をぎゅっと締め付けるようなエモーショナルなメロディに心を震わせ、NAOKIの硬質なベースで幕を開ける「super stomper」では拳を振り上げてオーディエンスが吠える。会場の温度と湿度がグンと急速に上がる。Zepp Tokyoに集まった全員が燃えている。
「SHOES」も「2%」も、全員が全力で歌う。そのオーディエンスの声が入ってこそ10-FEETのライブは完成する。「今日どんな夜にしたいのか、わかりやすい形で見せてもらおうか」というTAKUMAの挑発に、120%の全力で身を投じ、拳を振り上げ、大きな大きな声をあげる。客席エリアの興奮はとっくにピークを超えており、まさにカオス状態。「おまえらどうせアホやから1から12まで数えられへんやろ」と新曲「123456789101112」で更に興奮を掻き回したかと思えば、「火とリズム」のクールでエッヂィなサウンドで魅せる。
いろんな感情が渦巻く会場に身を置いて、10-FEETのワンマンの感触を全身で浴びる。そうそう、この感触。こんなライブはきっと他にない。四方八方から歌声が聴こえて、いろんな人の気持ちがむき出しで、楽しくて、胸が締め付けられて、心が震えて、どんどん気持ちが高ぶっていく。
ぐいぐいと心の奥底まで響く「夢の泥舟」が聴けたことに歓喜し、「1sec.」という楽曲が持つ瞬発力とオーディエンスの爆発力に感動する。「ほんま色々良くなるように願ってる。ライブも、おまえら1人1人も」「ライブで気持ち良くなることで、ちょっとでもそれに近づけるんやったら、そうなるように俺らは全力でやる」というTAKUMAの言葉と「quiet」のメロディがめちゃくちゃ沁みる。
「goes on」「蜃気楼」「太陽4号」とタイプの異なるキラーチューンを暴れ、笑い、叫び、泣き、みんなで歌った後、「ハローフィクサー」が始まる。初めて稲佐山公園で聴いた同曲は、ライブで観るたびにパワーアップしていると感じるし、何よりもオーディエンスの反応がどんどん強くなっている。ステージの3人は、誤解を恐れずに言うとサビを平熱感のまま演奏しているにも関わらず、客席の熱はグングンと上がっていき、サビに到達した途端に爆発する。音楽とライブの楽しさを全身全霊で称賛するように、フロアから無数の腕があがる。この曲が今後ライブでどのように成長していくのか、楽しみでしかない。何度も何度もライブで聴きたい。
「RIVER」のイントロが鳴り、条件反射的に気持ちがあがる。今まで何度この曲で興奮してきたことか。イントロが鳴った途端に大歓声をあげたオーディエンスは脱兎のごとく全力で駆け出し、フロアはモッシュとダイヴの嵐と化す。
「アンコールの時間も使ってやります。本当はあと2曲で終わるんやけど、直前に3人で話して3曲追加した。メンバーそれぞれが演りたい曲」とTAKUMAが言い、いよいよワンマンは佳境に入る。TAKUMA、NAOKI、KOUICHIが激しく音を合わせて始まった「FELLOWS 1.5」で会場が大きな一体感にガッチリ包まれ、「4REST」を全力で歌い、「STONE COLD BREAK」で残りの体力を使い切らんばかりにライブする。そんなえぐい盛り上がりの客席を見て、「あと2曲、好きやでほんまに」とTAKUMAが笑う。「応援してくれるし、贔屓してくれるし。めっちゃええMCしてガッといくのがいちばんかっこいいけど、好き。おまえら友達やと思って言うけど、盛り上がれアホ!」と「その向こうへ」そして「ヒトリセカイ」で終演。ありがとうとさよならをひとつにしたような気持ちで最後まで、全員が全力で走り切った。
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:HayachiN
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10-FEET Interview in October 2019