音楽メディア・フリーマガジン

RIZING 2 END

強い芯を持った音と言葉が真の“ストリート”を発信する

大阪アメ村ストリート発、エクストリームカルチャーから飛び出してきた最新型メロディック&エモーショナルロックバンド・RIZING 2 END。圧倒的な存在感を持つVo.HERO-KIを軸に現在のメンバーが集まってから2年の試行錯誤を経て、彼らが1stミニアルバム『evolution』を遂に完成させた。単なるスタイルの模倣とは決定的に違う、真のストリートを感じさせる芯を持ったバンドがネクストレベルへの第一歩を今、踏み出す。

●“大阪アメ村ストリート発”ということですが、メンバーは全員が大阪出身なんですか?

HERO-KI:別にメンバーが大阪出身というわけではなくて、アメ村に育ててもらったという感覚があるのでそう名乗っているんです。実際、僕は東京出身で、このバンドを一緒にやろうと誘われた時に大阪へ引っ越して。

kzy:お互いに別のバンドをやっている時に知り合ったんです。HERO-KIのバンドが解散した時に、ウチらも前のヴォーカルが辞めることになって。大阪まで来てもらうのは難しいだろうなと思いつつダメ元で誘ってみたら、OKしてくれたんですよ。

●それだけ惹かれるものがあった?

HERO-KI:熱烈なアプローチを受けました。居酒屋で3時間くらい語られましたからね(笑)。

kzy:これくらい確立している人間が、周りには他にいなかったんです。メンバーも誰1人異存はなかったので、声をかけさせてもらって。それが2006年ですね。

●フロントマンとしての資質やカリスマ性があったと。HERO-KIさんが加入を決断した理由は?

HERO-KI:当時の東京の音楽シーンには、ピラミッドで言うと一番上と一番下しかないイメージがあって。大阪とか地方にはその間がまだあるように感じていたので、そこを一度経験することで成長して、また東京に戻ってきたいなと。人生は一度しかないので、チャレンジしようと思いました。

●他のメンバーは大阪出身?

kzy:僕は宮崎で、naohisaは岐阜ですね。実は大阪出身は1人もいないという…(笑)。

Aki:僕も神奈川出身の東京育ちなんです。でも東京でずっとやっていても何も変わらない気がして、環境を変えてみようということで移住しました。

HERO-KI:この4人になったのは2010年の8月なんですよ。そこでAkiを大阪に呼んで。元々は別のドラムがいて、もう1本ギターもいる5人編成でしたね。

●当初から今のような音楽性だった?

HERO-KI:初期は今より日本語の歌詞が多くて、もっとポップなメロディックパンクでした。でも僕は最初から今みたいな音にしたかったので、メンバーも変わってディスカッションを重ねていく中で本当にやりたい方向に変わってきたという感じですね。

naohisa:初期はJimmy Eat Worldみたいなサウンドに、日本語メインの歌詞が乗っている感じでした。

●エモの要素が強かったんですね。

HERO-KI:エモポップみたいな感じでした。そこからYellowcardやStory of the Year、The Usedとかをみんなが好きになって、音がだんだん変わっていったんです。「絶対にこうしたい」というものはなかったんですけど、「カッコ良いものは何か?」ということを追求していったらこうなったというか。

●音楽性の変化はこの4人になってから?

HERO-KI:元々はツインギターだったのが、4人になってギターが1本になったことで変わっていったというか。曲によってはダンサブルな感じやラウドな感じも取り入れて、元々のポップな感じも取り戻しつつ進化していきました。やっぱり僕の根源にはアメリカンエモや西海岸メロディックパンク、ハードコア、スクリーモといったものがあって。今回の1stミニアルバム『evolution』には、そういう音楽性を全部詰め込みましたね。

●RIZING 2 ENDの大きな特徴は、音楽とストリートカルチャーの融合というところにもあるわけですが。

HERO-KI:僕らはロックやパンクも、ストリート(カルチャー)の一部だと考えて活動しているんです。

kzy:他の3人は元々そこまでカルチャーについては詳しくなかったので、そういう音楽の背景にあるものを彼に色々と教えてもらった部分があって。「こういう音楽だからこういう服を着よう」ということじゃなくて、教えてもらう中で興味が出てきて本当に好きになったんですよ。今では自分の意志でこういう服装をしているけど、元々は彼が教えてくれたおかげですね。

●HERO-KIさんの影響が大きかった。

HERO-KI:僕の中では自分たちの音楽もストリートだし、スケーターやBMXのライダーも同じストリートなんですよ。そういう人たちには「俺らは俺らだ」っていうスタンスが多かったりするんですけど、僕はそこにある垣根を音楽という共通点を使って超えて行きたくて。それで仲良くなって「一緒にイベントをやろう」とか「シーンを面白くしよう」っていう話ができるのが面白いんです。

●実際にそういうイベントもやっているそうですね。

HERO-KI:“Field of EXTREME”というイベントを主催しているんですけど、そこではBMXのショーとかも見せていて。ただスタイルを真似るんじゃなくて、実際にそういうものに触れてみて初めてわかることがあると思うんです。そこを通じて、ストリートを芯から知ってもらいたいという気持ちがありますね。

●そういう活動や今回の作品からも、自分たちの芯にあるものを発信していく意志を感じます。

HERO-KI:そういう芯がないと、やっぱり伝わらないから。今回の作品には、このメンバーになってからの2年間で得たものを全部詰め込みたかったんです。音作りとかも含めて色々と試行錯誤してきた、RIZING 2 ENDの2年間が詰まった作品だと思います。

kzy:2年の間には個人的にも色々なことがあったんですけど、そういう時にも常にこのバンドが自分の中にあって。それを1つの形にした作品をリリースできて、他の人に聴いてもらえて共有してもらえることを幸せに感じています。本当に続けてきて良かったですね。
naohisa:やっぱり大変な2年間だったけど、そのおかげで自分はすごく成長できたと思っているんです。今まで見えなかったことも見えるようになったし、やりたいことを全部この作品に詰め込めた。だから、ここには今のRIZING 2 ENDが100%入っています。

Aki:自分にとって、この作品は東京から大阪へ行って活動してきたことの1つの結果でもあると思うんです。だからこそ色んな人に聴いてもらいたいし、その上でライブにも来てもらいたいですね。

●今作を聴けば、ライブもイメージできる?

HERO-KI:ライブのことを想定して作ったので、そういう作品になりましたね。逆に今までライブをずっと観てくれていた人たちが今作を聴けば、再びライブへ来た時にそこには鳴っていない音まで聴こえるような体験ができると思うんですよ。ライブでは表現しきれないようなことまで、今作では鳴らせているから。これを聴くことで、より一層ライブに入り込めるような作品になったと思います。ぜひ一度ライブに足を運んでもらいたいですね。

Interview:IMAI

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