数年前、天性の声と類稀なソングライティングで、当時「若き天才」と呼ばれていたシンガーソングライターが居た。
彼の名はカタミチカラ。その音楽性は徐々に口コミで広がっていき、秦基博のOAを務める等、レコード会社等の音楽関係者をはじめとした周囲の期待と共に華々しいデビューを迎え、ブレイクも時間の問題と思われていたアーティストだった。だが、彼は不幸にも、声帯のジストニアという難病にかかり、歌うことができなくなった。再起不能とも思える、絶望にも似た休止期間を経ながらも、カタミチカラ氏は諦めなかった。
彼が、忘れらんねえよ等のサポートやTHE ALFEE坂崎幸之助のバックを務めた経験を持つベーシストの寺中四氏と出会い、ラクルイノヨルニという名前のアシッド・フォークロックバンドを本格始動させた。それを知った、それでも世界が続くならの篠塚氏が彼らを誘い、昨年、それでも世界が続くなら×CIVILIANの2マンのO.Aに大抜擢。そのライブを機に、SSWホッタモモの実弟の堀田春がドラマーとして加入。その後、らせん。×小高芳太郎(LUNKHEAD)の2マンライブO.Aにも抜擢され、現在は、彼らの恩人とも言うべき、それでも世界が続くなら篠塚氏がレコーディングエンジニア兼プロデューサーを担当、また最新MVをWeb系シンガーソングライター・doodl(ドードル)が担当する等、周囲の仲間たちとの出会いにより、徐々にカタミチカラ氏の音楽は蘇っている。
今回、ジャングルライフ初掲載のラクルイノヨルニに向けて、それでも世界が続くなら、CIVILIAN、忘れらんねえよ等、各界からコメントが届いている。彼らのコメントを読んで、是非、ラクルイノヨルニというバンドを知ってほしい。そして、ラクルイノヨルニを通して「暗闇はいつか終わる」ということを、どうか目撃してほしいと切に願う。
過去を変えることは出来ない。それでも、今の自分を変えることはきっと出来る。過去に囚われたまま変われなかった僕に、友達の様に話しかけてくれたのは、あの日の落涙と、こんな音楽でした。
P.S チカラくん、声のジストニアだか難病だかなんだか知らないけど、歌ってよ。新曲、聴けて嬉しかったよ。ありがとう。
篠塚将行(それでも世界が続くなら)
初めて会ったのはもう10年以上前だっけね。あれから本当にたくさんのことがあって、それでも歌うことと音楽を作ることをやめなかったカタミ君にまた会えて、本当に嬉しいです。清々しいくらい不器用で、こっちが心配になるくらい繊細で、なのに完全ノーガードで戦ってるような、今のカタミ君そのものだなぁ、と思いました。今の君が一番いいよ。
コヤマヒデカズ(CIVILIAN)
Ba.の寺中君は僕の数少ない親友です。彼は嘘がつけません。音楽を愛しすぎるが故に、好きじゃないものをどうしても好きと言えません。そんな彼が「凄い才能の人を見つけたんだ」と教えてくれたのが、当時ソロ活動をしていたVo.のカタミさんでした。だから僕は、彼らを信じています。
柴田隆浩(忘れらんねえよ)
ラクルイノヨルニの音楽に初めて触れた日のことを未だに鮮明に覚えています。薄暗い地下室のライブハウス、決して多いとは言えないまばらな数のお客さんの前、身体からでるエネルギーを振り絞って歌うボーカルのか細く今にも壊れてしまいそうな歌声に呆然と涙をながしたあの日。嘘をつけない人達のつくる音楽はこうもどうして魅力的なのか。たくさん遠回りをして今に至った三人の覚悟、受け取りました。埋もれてほしくない。届けます。
浅田 美空(タワーレコード新宿店)
2nd E.P
『落命と挽歌』
yoidore records
¥463+税
2019/4/10 Release
※タワーレコード限定リリース
オフィシャルHP https://rakuruino-yoruni.wixsite.com/rakuruinoyoruni
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