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QWAI×UNLIMITS

QWAI・ニューミニアルバム『sign』発売記念対談 お互いの存在に刺激され鼓舞される戦友同士の競演

 7/27にニューミニアルバム『sign』をリリースし、大きな進化を見せつけたQWAI。7月号の表紙も大反響を呼んだ彼らだが、今月号では9/7にニューシングル『ハルカカナタ』をリリースするUNLIMITSとの対談が実現! 昨年7月にはスプリットツアーも行うなど仲の良い両バンドに、その出会いから現在の関係性までを語ってもらった。お互いの存在に刺激を受け、共に進化を遂げてきた両者の仲が赤裸々なトークで今、明かされる…。

Interview

「真面目なところもふざけるところも一緒にやりたいっていうか。歳は違えど同級生みたいな感じで一緒にいると肩の力が抜けるし、逆に力ももらえる」(UNLIMITS 清水)

●両バンドの出会いは?

雨宮:とある先輩バンドに打ち上げで、合コンに誘われたんですよ。それで足立区の西新井という街まで行ったんですけど、飲み会が始まっても女の子が全然いなくて。その先輩に訊いてみたら、「後でUNLIMITSが来るよ」と言われたんです。要はただの仲良しバンドが集まる会に騙されて呼び出されてみたら、そこにUNLIMITSが現れたっていう…。

清水:それが初めての出会いだった(笑)。

大久保:まだQWAIを結成する前だよね。

郡島:でもアメ(雨宮)は当日に誘われたのに、甲府から東京まで出てきたんですよ。どれだけ合コンがやりたかったのかっていう…。

●相当、期待していたんでしょうね(笑)。

雨宮:そしたら"これってただのバンド飲み会じゃん"っていう…。

郡島:でも楽しんでたじゃん。

雨宮:楽しんでたけどさ(笑)。

●QWAIとUNLIMITSとして、初めて対バンしたのはいつ頃?

大久保:UNLIMITSに大月(G.)さんが入った後だよね。

清水:QWAIは結成したばかりだった気がする。

雨宮:甲府で地元バンドの企画にUNLIMITSがゲストで呼ばれて、そこに俺らも出ていたんです。その時点でUNLIMITSはもう音源をリリースしていて、色んなところで名前を聞いていたので存在を知ってはいたし、俺は音源も聴いていたんですよ。どういう人かはまだ知らなかったけど、その日の打ち上げで仲良くなったのかな?

郡島:打ち上げだよね。

●一緒にライブをしてから、仲良くなった?

清水:気付いたら仲良くなっていた感じかな。

雨宮:そこからUNLIMITSが甲府や長野をツアーでまわる時に、一緒にまわるようにもなって。音楽はもちろんなんですけど、やっぱり一緒にいて楽しかったから仲良くなれたんだと思います。

●人間性が重要だったと。

清水:人間性かな…? お酒じゃない?

郡島:音楽の話なんてしたことないよね。

雨宮:今日初めて音楽のことを話しちゃう? (笑)。

清水:照れくさいっ! (笑)。

●(笑)。直接知り合う前から聴いていた雨宮くんは、UNLIMITSにどんな印象を持っていたんですか?

雨宮:2ビートの速い曲調で哀愁系な感じが、俺は好きなんですよ。でも年齢が近いこともあって、ちょっと悔しいなっていう気持ちがありましたね。俺らはまだそんなに甲府から外へライブに出て行ったりもしていなかったから、UNLIMITSがCDを出したりツアーしているのを遠くから見ていた感じで。一緒にやるようになってからもジェラシーを感じていたんですけど、…そこは酒パワーですり寄っていきました(笑)。

清水:すり寄ったんだ! (笑)。

●やっぱり打ち上げで仲良くなったと(笑)。

大久保:僕と(清水)葉子ちゃんは甲府のライブの打ち上げで、一緒に弾き語りユニットをやろうという話で盛り上がって。そこから一気に仲良くなりましたね。

清水:ユニット名は"出稼ぎ"でした(笑)。

一同:(笑)。

大久保:いまだに実現はしてませんけどね(笑)。僕はUNLIMITSのメロディがすごく好きなんですよ。自分で歌ってみても気持ち良いし、実際に去年のスプリットツアーファイナル(2010/7/30@下北沢SHELTER)で2マンをやらせてもらった時に、お互いの曲をカバーし合ったこともあって。その時もすごく楽しかったんです。

●ボーカル同士で共感するところもある?

大久保:UNLIMITSの音を聴いた時に、好きなジャンルが重なっているんだろうなと思ったんですよ。自分の中でのOKテイクがある人って歌がブレないから、聴いていてもそれがわかるんです。そういうところが僕と似ているなと思いました。お互いに曲作りのつらいところも知っているし。

清水:曲作りの話はよくするかもしれない。「曲作りやってる? なかなかできないよね~」みたいな感じですけど(笑)。

●具体的な相談をするわけではない。

清水:私とグンちゃん(郡島)と、良一くん(大久保)とアメの関係性って似ていると思うんですよ。お互い昔から一緒にバンドをやっているし、グンちゃんとアメはどっちも作詞をするから。

郡島:アメは歌わないから、私の方がちょっと勝ってるよね?

雨宮:でも俺には面白いMCっていうのがあるぜ? …自分では面白いって思っているんだけど。

郡島:そっか…。じゃあ、いいよ。

一同:(笑)。

●仲は良いけど、ちゃんとライバル意識もある。

清水:それはありますね。お互いのことをすごいと思えているから、仲良くできている部分もあって。

雨宮:昔はよく一緒にツアーしていたんですけど、一時期はあまりしていなくて。久々にやろうということでまわったのが、去年7月のスプリットツアーだったんです。その時にUNLIMITSのライブがすごくパワーアップしていて、お客さんも盛り上がっているのを見て"やられたな"と思いましたね。

清水:逆に金沢ではQWAIがすごく良かったよ。お互いにそう思い合える関係性が根底にあるから、仲良くなれる感じですね。

大久保:お互いの根本に"バンドが好き"で"負けたくない"っていう気持ちがあってやっているので、自然とそこに惹かれ合っているんじゃないかな。

●お酒だけの関係ではないと(笑)。

清水:お酒も大事ですけどね(笑)。

雨宮:去年のツアーは久々に全力でお酒を飲んだんですよ。それだけお酒が飲めたというのも、1日1日がすごく楽しかったからだと思うんですよね。友だちのバンドが良いライブをしているのは悔しいけど、やっぱりうれしい。"今日は最高だったね"っていう日が続いたから、ファイナルでお互いの曲をやろうという話にもなったんだと思います。

●お互いにどの曲をカバーしたんですか?

大久保:僕たちは「クローバー」をカバーしたんですけど、QWAIのライブでは初めて客席でダイブが起きました(笑)。すごく楽しかったですね。

清水:私たちは「ハイタウン」をカバーしたんですけど、QWAIの曲って難しいんですよ! 2本のギターがすごく絡み合ったりしていて。ギターボーカルでここまで弾ける人はあんまりいない。同じパートとして、そこは尊敬しています。

大久保:ありがとうございます。

雨宮:(郡島に対して)…俺にも何か言えよ。

郡島:アメはドラムを叩いている時、完全に"QWAIモード"に入っちゃっているから…。何か"遠くに行っちゃった人"みたいな感じだよね。

●"QWAIモード"?

清水:普段とは表情も全く変わるんですよ。

雨宮:それを色んな人に言われるんです。僕はライブが始まるとすごく緊張しちゃうんですけど、それがたぶん"QWAIモード"ですね。

郡島:超タレ目になってるよね。

一同:(笑)。

●UNLIMITSのお2人から見て、QWAIの音楽的なイメージは?

郡島:…エッチ。

●エッチ…?

清水:エロスだよね(笑)。

郡島:この前のライブで初めて最前列から観させてもらったんですけど、本当にQWAIのことをちょっと好きになっちゃったみたいな感じで…。

雨宮:恋愛的に?

郡島:うん。その日はもう"恋してる"くらいの感じになっちゃって…。

清水:それくらい引き込むモノがあったんだよね。

大久保:ありがとうございます。

●その恋心は一晩明けて…?

郡島:もう完全に冷めました!

大久保:早っ! (笑)。

雨宮:ワンナイトラブだね(笑)。ぐんちゃんって、乙女なところがあるよね。歌詞もちょっとメルヘンチックなところもあったりして、実はツンデレなんじゃないかって…。

郡島:ツンデレっていう言葉はあんまり好きじゃないんだよね。

雨宮:こんな感じで普段は怖いんですけど、歌詞を書いている時は女の子になっているんだと思うと…。

郡島:別に女の子にはなっていないよ。

雨宮:じゃあ、何になってるんだよ!

一同:(笑)。

●雨宮くんはそこにキュンとくると。

雨宮:キュンときてますね。

清水:恋じゃん…(笑)。

郡島:もう! 次会う時に意識しちゃうじゃん…(笑)。

●(笑)。2人で歌詞の話をしたりする?

雨宮:歌詞の話は恥ずかしいですね…。

郡島:アメの歌詞は結構切ない系じゃん。恋愛のことが多い気がする。

清水:アメはtwitterとかもたまにポエムっぽくて。

大久保:"アメポエム"ね。夜中に飲みながらつぶやいてるんだろうなって僕らも思ってます(笑)。

雨宮:翌朝に見て、自分でも「おまえ、どうした?」って思います(笑)。

●記憶がない(笑)。

郡島:夜中に歌いながら歌詞を書いてたりするんでしょ?

雨宮:するよ! 自分でも良い歌だな~って思いながら歌ってる(笑)。

大久保:いつもレコーディングで僕の歌入れが終わると、ふざけてアメちゃんテイクを録るんですよ。元々は笑えるくらいの下手さが面白かったんですけど、自分で歌詞を書くようになってからはちょっと歌えちゃってるんですよね。それってたぶん、歌詞を書く時に頭の中で歌いながら考えてるからだと思うんです。その分、面白くなくなっちゃったけど(笑)。

雨宮:前は下手くそすぎて面白かったんですけど、ちょっと上手くなったことでただの下手になっちゃって。ツッコめないし、笑えない感じに…。

●雨宮くんの歌が上手くなったのは残念ですけど(笑)、お互いに進化を実感したりもするのでは?

雨宮:前回のツアーで久々にUNLIMITSを見たら、ライブが全然別モノになっていたんです。昔"もっとこうしたら良くなるんじゃない?"と思っていた通りになっていて、"俺たちも頑張らないとヤバい!"と思いましたね。

清水:QWAIもすごく進化していたよ。QWAIって本当にライブが良いバンドだと思うんです。毎回見逃したくないと思うくらい、見ていて引き込まれますね。人を惹き付けるパワーがあるし、たくさんの人に観てもらいたいなって本当に思います。

●1人のファンみたいな感じでもある。

清水:見逃せない存在ですね。常に気になってるし、真面目なところもふざけるところも一緒にやりたいっていうか。歳は違えど同級生みたいな感じで一緒にいると肩の力も抜けるし、逆に力ももらえる。一緒にいたらキャッキャしたくなるんだよね(笑)。

大久保:自分たちだけだとライブ前はすごく緊張しちゃうんですけど、こういう仲間がいることで和めたりもする。リラックスできるし、すごく助かってますね。外からは華やかに見えるかもしれないけど、バンドをやっているとつらいこともいっぱいあって。そういうことも同じだけ経験しているから、お互いのちょっとしたつらいこともわかる。だからもし折れそうになっていたら「頑張ろうぜ。俺たちもいるから」って言えるし、逆に俺らが折れそうになっていたらそう言ってくれると思うんです。

郡島:本当に"戦友"というか。一緒にステップアップしていきたいし、どっちがダメになってもイヤだなと思います。ライバルでもあり、友だちでもあり、飲み仲間でもあって…。

●雨宮くんとは心の恋人でもあるし(笑)。

郡島:それはちょっと…ごめんなさい。

雨宮:なんか俺、フラれてる感じじゃない?

郡島:ホント、そこはごめんなさい!

一同:(爆笑)。

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