優れた音楽性とシーン最強のアンサンブルを武器に目覚ましい成長を遂げ、9/28にDVD/Blu-ray『Nothing's Carved In Stone Live at 野音』とアナログ盤『Nothing's Carved In Stone Live at 野音』のリリースを控えているNothing's Carved In Stone。同バンドのVo./G.村松拓の“自らの故郷である千葉県八千代市に流れる新川を綺麗にしたい”という想いがきっかけとなってスタートした連載『たっきゅんのNEW RIVER PROJECT』。今月号では当初、たっきゅんと山中編集長、マネージャー・ナベ氏の3人で夏を総括する全力のゴミ拾いを計画していたが、まさかの大雨洪水警報発令により泣く泣く断念。その翌日にリベンジの全力ゴミ拾いをしたたっきゅんと、これまでの振り返りと新しい挑戦について議論した。
これなんですけど、てこの原理を利用して、先っぽのフォークみたいな部分を地面に突き刺して、この湾曲している棒の部分をてこにして、土の中に埋まったゴミを掘り出すんです。こないだまでスコップでやっていたんですけど、限界があるなと思ったんです。腕も疲れるし、時間がかかるんですよね。
そうです。ビニールとかゴミが、土の中に深く深く埋まってるんですよ。
でね、“1人じゃあゴミ拾いに限界がある”と思って、2日前に山中さんとナベ氏に協力してもらってゴミ拾いしようと思っていたんですけど、警報が出ちゃって出来なかったじゃないですか。
そう、台風の合間で。警報が出てても行こうかなと思ったんですけど、でもみんなを連れて行って何かがあったら元も子もないなと。
それで次の日、1人で行ってきたんです。雨が上がった次の日に。そしたら、ものすごい量のゴミが打ち上げられていて。
そうです。大雨が降って増水したらしくて。土手までは水は来ていなかったみたいですけど、前回おじさんがコスモスを植えていたところあったじゃないですか。あそこまで水が来たみたいで、コスモスも全部倒れちゃっていて。
今回もいっぱいゴミを拾ったんですけど、ちょっと限界が見えてきたなと。今回、2箇所くらいにゴミを集めてて気づいたんですけど、ボランティア袋に入りきらないし、持って帰れない。山盛りになっちゃって。
すごいんだもん。鍋とかスノコとか、自転車のホイールとか。あとね、橋の上からゴミを捨てている人が居るなっていうことも気づいたんです。
そう。橋の暗がりになっているところはまだマシだったんですけど、橋の上から見てすぐ下の部分にはゴミがたくさん落ちてるし、こりゃどうしようもないなと。
だからゴミの処理も大変で。ゴミを拾うときにね、粗大ごみじゃない限りはとりあえず全部ボランティア袋に入れるんです。僕の場合、1回行って3〜4袋車に乗せて実家に持って行って、しばらく置いてもらってるんです。それでどこかの休みにまた実家に帰って、ゴミを分別するんですよ。実家の空き地を借りて全部ゴミをブワーッと出して、分別していく。ゴミは曜日ごとに違うじゃないですか。
あ、そうか。ボランティア袋で集めたゴミは、クリーン推進課で預かってくれるわけじゃないんですね。
そうなんです。そこまでを完結させて初めてボランティアになるんです。でも行くたびに大量のゴミがあるから、分別作業もかなり大変なんですよ。
そういう作業も、ボランティアをやる人にとっては負担になる。だから1人では限界があるんですよね。
長い目で見てやっていこうと思っているし、少しずつ進めていくべきことだと思っているけど、毎日行きたいけど行けるわけじゃないし、そうすると行くたびにゴミが新たに溜まっているという現状なんです。だから規模を拡大したいなと。それを今回は相談したかったんです。
いくつか考えたんですけど…この連載のタイトル、前回まで(タイトル未定)だったじゃないですか。だから連載のタイトルを決めると同時に、自分がやろうとしていることにプロジェクト名を付けて、協力者を募る。それがまず第1案。
第2の案としては、全国的にこういう清掃活動をしているNPO法人の方とかボランティア団体の方とかがいらっしゃると思うんですけど、その人たちに会いに行ってノウハウを教えてもらう。つまり清掃活動の経験者から“なにが出来るか”を学ぶ。
ふむふむ、なるほど。第1案の“協力者を募る”というのは、どういう方法で?
例えばこの連載を読んでくれている方々は、たぶんバンドのファンの人たちなんですよね。
バンドのファンの人たちは僕と地元が違うし、なぜこの活動を連載で取り上げてもらっている目的は、こういう活動をしていることを見てもらうことで、自分の身のまわりで何が起きているのかを意識していくきっかけになってほしいという想いが僕の中にあるからなんですよ。だから「僕のために何かしてくれ」をお願いすることは、主旨がまったく変わってくると思うんです。
このNEW RIVER PORJECTを進めていくためには…。
別のやり方で人を集める方法があると思うんですよ。例えば僕のまわりの地元出身者が、JUNGLE☆LIFEでこういう連載をやっていることを知って、ちょこちょこ連絡をくれるようになったんです。
「手伝おうか?」と言ってくれていて。でも僕がゴミ拾いに行ける日と合わなくて、まだ一緒にゴミ拾いが出来ていないんですけど、そういう人たちの手を借りて少しずつ拡げていくのもアリかなと。次のステップに進む段階が来たと思っていて…なんかいい方法ないかな。どう思います?
僕の意見としては、読者の人を募るのは主旨が違うと思っています。
僕自身というかJUNGLE☆LIFEは、地に足を着けて、自分の足元を見て、自分の生まれた土地を良くしていこうという拓さんの想いに賛同したから連載として取り上げさせていただいているんです。それがきっと…大げさですけど…日本やこれからの世の中を良くしていくことに繋がると思ったので。
もしファンの人に声をかけるのであれば、新川を綺麗にした後で来てもらうのはアリだと思うんです。野外のイベントでも弾き語りでもなんでもいいんですけど。
そうだよね。連絡をくれたのは直接的に僕と関係性があって「拓と一緒にやるよ」と連絡をくれているから、そういう人たちと集まってみようか。
それがいいような気がします。それと並行して、NPOの方とかに会いに行ってノウハウを学ぶ?
うん。清掃活動とかボランティア活動をしている団体とかって、最初は絶対に俺のように言い出した人が居ると思うんですよ。そういう人たちがどうやって結果を出されているのかなと。なにかしらの方法で人を募っただろうし、NPO法人みたいな団体を作ったり、サークルみたいな組織を作っただろうなと思って。
それに加えて、たぶんそういう人たちは闇雲にゴミ拾いをやっているわけじゃないだろうなと思い始めたんです。
1人でゴミ拾いをすることで気づいたんです。僕1人の力だと作業量が足りない上に、ゴミ拾いの知識が足りない。例えば草を刈っても土の中にゴミが埋まっているので、土ごと掘り返して、その土とゴミの塊ごと燃やすのがいちばん効率が良い方法だなと現時点では思っていて…それは僕なりの思いつきですけど、きっとそういう“ゴミ拾いのノウハウ”を共有している人たちが居るだろうなと。
そういうノウハウを共有して結果を出しているのがNPOやボランティア団体だと思うんですよね。だから僕も、そういうネットワークに入っていくべきだと思い始めていて。僕は一生をかけてやっていくつもりだけど、誰かの力を借りるんだったら漫然となかなか結果が出ないやり方を続けるわけにはいかないなと思うから、なるべく効率の良い方法で、参加してくれる人たちが誇れるようなプロジェクトにしたいんです。
当連載へのメッセージや感想はyamanaka@hirax.co.jpまで!!
Nothing’s Carved In Stone Vo./G.村松拓 連載:たっきゅんのNEW RIVER PROJECT トップページへ戻る