6/22の日比谷野外大音楽堂でのワンマンライブ“Live at 野音 2019 ~Tour Beginning~”及びワンマンツアー“Tour Beginning Extra Show”を大成功させたNothing’s Carved In Stone。同バンドのヴォーカリスト村松拓(たっきゅん)が日本一の漢を目指す当連載『続・たっきゅんのキングコングニー』、今月号では“Live at 野音 2019”のことを振り返りつつ、7月下旬に敢行する『たっきゅんのキングコングニー海外旅行[2カ国目]タイ旅行編』の計画会議を行った。果たして2人はタイで何をするつもりなのだろうか?
日比谷野外大音楽堂での“Live at 野音 2019”ワンマンはどうでした?
セットリストを作る段階からそうだったし、当日も。1曲目からエンジン全開みたいな。
そうそう。新曲「Beginning」で始まるっていうこと自体がもう攻めてるなと。
ツアーなので、普通はいちばんいいところで新曲を聴かせるじゃないですか。でも俺たちバカだからそういうことはしないんです。
みんなで話してて1曲目は「Beginning」がいいんじゃないかということになって。スタッフの意見も訊いて、じゃあやろうと。それはセットリストを決めるいちばん最初に決めました。
あとはやっぱり、野音なのでライブに特別な意味をプラスアルファしたくて。あれだけたくさんの人が集まってくれて、あの環境でライブをやるっていうこと自体が特別なんだけど、個人的にはまた野音をやりたいと思っているし、そういうことを加味したセットリストにしたかった。
「Adventures」とかはとても野音に繋がりのある曲だし。
「Adventures」はリリース前に野音で弾き語りで歌いましたもんね。
だからこの曲は「演りたい」と言って入れさせてもらって。メンバーの「あの曲演りたい」「この曲演りたい」っていう希望もふんだんに入れたセットリストではあったかな。
ここ最近、“Live on November 15th”もSPECIAL ONE-MAN LIVE “BEGINNING”もやったし、アルバムではないワンマンって去年10月の武道館から数えて何回かあったじゃないですか。ワンマンって要するに「今ある曲を今の最高の状態でやろうぜ」っていうことだけど、いくら今の状態でやると言っても飽きさせたくないし。
自分たちの中で「それで善し」となれば全然それでもいいんだけど、少しでも来てくれる人たちに楽しんでもらいたいなという気持ちがあったので、「MAZE**」や「(as if it's)A Warning」とか…普段だったらパッとセットリストに入ってこないような曲とかで組んでみたんです。
でしょ? ウチの照明チームすごいんですよ。バンドの力とチームの力がかなり合わさっていい状態なんです。だから今回も野音の力を借りて、野音ならではのものにしたいなっていう部分が結構ありましたね。
この日の前半はかなり攻めていましたけど…たまに拓さんやるんですけど…拓さんの歌も、所々でがなってましたよね?
はい。9/25にリリースします。昨日も歌録りで、現時点では半分近く録り終わりました。
歌詞に関して言うと、現時点の感触としては結構ポジティブだと思います。ネガティブなものにひたるような言葉とか排除してる。ちゃんと背中を押せるような作品にしたいなと思っていて。
今回、このバンドのアティチュードは何だ? っていうことを今まで以上に4人で考えたんです。
結局そうなんだけど、「Beginning」とか「村雨の中で」とか「Shimmer Song」で歌ってきたようなこと…そういうものに焦点を当てていいかなと。無理に全部詰め込む必要はないなと。
独立して以降、バンドが何をすべきか? というところが結構明確になったと思うんですが、今までのアルバムの制作のスタンスは、音楽的欲求を詰め込んだ側面が強かったですよね。
それは今もこだわってるし、そこを変えるのは違うと思ってるんだけど、このバンドが存在していることのメッセージって何なんだろうな? って。それは完全に観た人の目線だと思うけど、それを自分たちで改めてちゃんと考えるタイミングだったんですよね。だから排除するものは排除して。
だからアルバム制作の合間にタイ旅行に行って、得たものを制作後半詰め込もうかなと。
『タイの歩き方』みたいなガイドブックを買って、そこに載ってるところには行かない…どこにも行けなくなりそうですけど(笑)。とりあえずバイクタクシー乗りましょう。
ムエタイ体験教室とかあるらしいですよ。そこに俺ら2人混ざって、現地の人とトレーニングしよう(笑)。
山中さんは旅の最後に「拓さん1つ言いたいことあるんですけど、僕ちょっとこの旅でパクチーの印象変わりました」って言うだろうなと。
ジャボン玉の溶液飲んじゃったことあるでしょ? あの味。誰も共感してくれないんだけど。
パクチー好きの人が言うじゃないですか。「嫌い嫌いと思って食べ続けてたら反転する」って。
それね、日本の人のパクチーの食べ方って間違ってるんですよ。パクチー山盛りってあるじゃないですか。あれはエスカレートしてるだけ。
パクチーはとても美味しいスパイス料理と一緒に食べるからこそ美味しさが引き立つものなんですよ。パクチー自体が美味しいんじゃなくて、料理の美味しさを引き立てるための食べ物だから。
だからタイに行って、パクチーが入っているものをいっぱい食べたら好きになると思う。
カレーですね。後は俺、中華料理も好きで。四川料理に豚肉を油入りの汁で煮る辛い鍋があるんですけど(水煮肉片のこと)、それを食べたときにパクチーが入ってて、そこで初めて美味しいと思ったんです。
料理です。だから「パクチーを食べるために」っていう考えは捨てた方がいいですよ。スパイスの一種だから。コリアンダー。
なるほど。僕はどういう心持ちでパクチーに挑めばいいんでしょう?
あ、何も考えなくていいよ。俺がバンバン指示するから、食べるだけでいい。
なってるなってる。身体からパクチーの匂いがするようになってると思うけど(笑)。よし! 俺のタイ旅行の目標が1つできた!
拓さんをどうにかする目標、そうですね…前の連載でもそういう話に触れましたが、拓さんはここ最近、制作やソロやABSTRACT MASHの活動が重なっていて、ちょっといっぱいいっぱいになっていたじゃないですか。
だから今回のタイ旅行で、その状態をなんとかしてあげたい。発散させたい。
何を持っていきます? もう決めておいた方がいいと思うんですが。
あ、いいですね。じゃあ衣類を一切持っていかず、帰ってきたときはタイファッション。
衣類を持っていかないのなら、トートバッグとか普段使っているカバンでいいかと。
そうだね。じゃあ本当にスタジオに行くくらいのテンションで行けばいいんだ…。最低限必要なものだけ持っていくという。
リリース情報 New Single 『Beginning』 Silver Sun Records DQC-1631 ¥1,700+税 2019/5/29 Release |
ライブ情報
Nothing’s Carved In Stone |
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