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京都大作戦2013〜天の川 今年も宇治で 見上げな祭〜

今年もあの日がやってくる!! 太陽が丘の暑くて熱い2日間!!

187_京都_BG012007年、台風の接近によるまさかの中止をバネにして、2008年から2日開催となって夏の風物詩となった“京都大作戦”。6回目の開催となる今年、キッズのキッズによるキッズのためのフェスは、いったいどのような奇跡が起こるのだろうか。全員が“全力で楽しもう”と思って参加する僕らの夏フェス。開催まであと1ヶ月となった今回、JUNGLE☆LIFEでは“京都大作戦”の首謀者である10-FEETのVo./G.TAKUMAと、イベント会社のサウンドクリエイター・安福氏に話を訊いた。

 

10-FEET Vo./G.TAKUMA インタビュー

「色んなことに繋がればいいなと思うし、それくらいの可能性がある楽しい2日間やなと。だから思いくそやります」

187_京都_TAKUMA●“京都大作戦”があと1ヶ月と迫って来ましたけど、今現在(取材は5月中旬)はどういう心持ちですか?

TAKUMA:うーん、あと1ヶ月半くらいあるから、ほんまに意識し始めるのは1週間前くらいからなんですよ。主催者としての意識っていうのは半年以上前からずっとありますけど。

●はい。

TAKUMA:やっぱり、1本でも間にライブが入っていたら考えることができないですね。“京都大作戦”のことを見られない。やっぱり“事の大小じゃない”という鍛えられ方をしてきているから。

●“京都大作戦”もそれ以外のライブも同じだと。

TAKUMA:そうですね。“京都大作戦”は普段のライブの先にあるものやと思っているし。

●ところで花団は源氏ノ舞台なんですね。

TAKUMA:はい(笑)。やりすぎました?

●いいと思います(笑)。

TAKUMA:解散してますけどね(笑)。

●解散しているのに誘い、解散しているのに出るっていうのがいいですよね(笑)。今年は誰が楽しみですか?

TAKUMA:みんな楽しみですけど、やっぱり健さん(Ken Yokoyama)や難波さん(NAMBA69)は気になるところですよね。Dragon Ashも久しぶりなんですよ。観るのも一緒にやるのも。

●あ、久しぶりなんですね。

TAKUMA:Kjが役者さんもやりつつどんなものを積み上げてきたんかなっていうのも楽しみやし、そういうのはライブに出ると思うんですよね。dustboxはツアー以外でもいろんなバンドとまわったりしているから、その経験というかそこで過ごした時間をどういう形でライブで見せてもらえるんかなっていうのも楽しみやし。SiMも色々と環境が変わっていく中で、どういう風になっているのか。

●10-FEETのライブはどうするつもりなんですか?

TAKUMA:現時点ではまだ何も考えてないです。まあヘリコプターに乗って登場することだけは決めてますけど(笑)。

●そうですか(笑)。でも前ページのDVDについての話じゃないですけど、湧き出てくる衝動というか、そういうライブをしたいと考えたとき、気持ちやテンションの照準を合わせるのはなかなか難しいと想像するんですが。

TAKUMA:そうですね。“京都大作戦”の楽しい雰囲気に、エモーショナルだったりストイックな要素を織り込んでっていうところが、毎年の僕らの鍵だと思っているんです。“京都大作戦”は野外だし、他の出演者のみんなが盛り上げてくれてドーン! みたいな感じになるじゃないですか。しかも本番の短い時間の中で色んな要素を織り込むことなんてなかなか難しい。でもそれができているときは不思議とできてるというか。だから難しいですね。毎回そうなんですけど、自分らの本番のステージに出るとき9割はプレッシャーですよ。“今日のライブどうしようかな?”とか、冷静に考えられたことなんてほぼないです。

●頭の中の状態は普通ではない?

TAKUMA:もう全然。

●TAKUMAくんは毎年本番前に外周を走ってますけど。

TAKUMA:走って「ああ、しんどい。何やったっけ?」ってプレッシャーを抜くためです。それでもならないですけどね。緊張とプレッシャーで。

●走らざるを得なくて走ってる?

TAKUMA:そうやと思います。走らなかったらもっとフワフワして、ぎこちないライブして終わるんかなって。しんどかったら緊張したり、逆に演じる余裕とかもなくなるじゃないですか。最初からライブの中盤〜後半くらいの感じにしたいと思うし、走ったら気持ちも高まるからええかなって思ってるんです。だから毎回、難しいですね。当日になってみないとわからないです。

●なるほど。

TAKUMA:いつも僕らの仲のいい人たちや憧れの人に出てもらってるんですけど、今回はみんながみんな好きな人や好きな先輩がいるんです。それでどれだけみんなが楽しんでくれるかっていうところも楽しみですね。

●10-FEETだけが繋がっているわけじゃなくて、みんながみんな繋がっていると。

TAKUMA:はい。そういうのを見るのもすごく楽しみなんです。例えば今までの例でいうと、サンボマスターとMINMIが“京都大作戦”で知り合って仲良くなって、“FREEDOM”っていうレゲエのイベントにサンボマスターが出たりとか。そういう繋がりがまた生まれてほしい。

●そういうの嬉しいですね。自分の好きな人たち同士が繋がって、新しい何かが生まれるっていう。

TAKUMA:めっちゃ嬉しいですね。「“そこ、なんで今まで知り合わへんかったんやろ?”ってずっと思っててん」みたいな。そういうのが生まれたら嬉しいです。後はすごく若い人たちが、例えば東京スカパラダイスオーケストラとかSLANGとかSCOOBIE DOとかThe BirthdayとかMOTORSとか、そういう人たちのかっこよさを感じてもらえたら嬉しいですね。

●うんうん。

TAKUMA:逆にすごく大人の人が、SiMとかSECRET 7 LINEとかを観て「元気あるバンドもええな」みたいな感じで好きになってくれたら、“京都大作戦”というものが本当の意味であの場所に浸透していくことになると思う。年配の人からしたら全部同じ音楽に聴こえるかもしれへんけど、ずっと聴いているうちに覚えていってもらえるような気がしているんです。長崎の“Sky Jamboree”がすごくいい例なんですよ。イベントとして全然先輩なんですけど、“Sky Jamboree”のお客さんは家族連れが圧倒的に多いんです。

●そうなんですね。

TAKUMA:しかも、お父さんもお母さんもKEMURIが大好き、みたいな。お茶の間ではなくてあそこでしか観れないようなバンドを好きになっているのは、あの場でやる“Sky Jamboree”が楽しくていいイベントやからこそだと思うんです。本来年輩の人たちが聴く音楽としてはうるさくてガチャガチャしてるかもしれないけれど、いい環境でいいライブさえ観てもらえれば、好きになってもらえると思うんです。それは全バンドがこれからやっていく上でいいことやと思う。

●うんうん。

TAKUMA:そういう場所に“京都大作戦”がなれば、どんどん広がっていくと思うんですよね。色んなことに繋がればいいなと思うし、それくらいの可能性がある楽しい2日間やなと。だから思いくそやります。

 

株式会社サウンドクリエーター 第2制作部 第2制作部長
安福(アブク)モトナリ インタビュー

「ライブをやっている会場がライブハウスのフロアで、ライブを観るとき以外はみなさんがロビーでくつろいだりしている…そういう感覚でやっているんです」

187_京都_安福●つい先日全出演者が発表になりましたが、今年の見どころというか、安福さんが個人的に楽しみにされているのはどういうところでしょうか?

安福:僕としては、AIR JAM世代と新世代の間に10-FEETが居て、その世代のぶつかり合いみたいなことができたらいいなと思っているんです。源氏ノ舞台だけじゃなくて、牛若ノ舞台も含めて。

●なるほど。

安福:AIR JAM世代の人たち…Ken Yokoyamaさんや難波さんのような世代の人たちと、若い世代の人たちが同じステージに立って、何かが生まれたらいいなって。

●違う世代の人たちのぶつかり合いみたいなところは毎年ありますよね。

安福:そうですね。

●そういうところは、ブッキングする際に毎年意識しているんですか?

安福:いや、特に“違う世代の人たちを”と意識をしているわけではないんですよ。たまたまキャスティングしていったらこうなった、みたいな感じなんです。10-FEETのメンバーも含めて、出てほしいと思うアーティストのラインナップを出していくと、結果的に自然にそうなってきたのかなと思います。

●そうなんですね。

安福:作ろうと思って作っているわけじゃないというか。引きが強いのか何なのかわかんないんですけど、毎年結果的にそうなるんです。

●キャスティングは10-FEETのメンバーと相談しつつ決めているわけですよね?

安福:そうですね。基本的にはメンバーがメインでブッキングをやっているので、僕らはそのお手伝いというか。メンバーから「この人たちに出てほしい」っていうのが基本ですね。

●今年で6回目、台風で中止になった幻の初年度も入れたら7回目になりますが、毎年苦労するというか、頭を悩ませるのはどういうところですか?

安福:ブッキングについては、毎年毎年みなさん快くOKしていただけるというか、「出たい」という声もいただきつつ、割とスムーズな方だと思うんです。10-FEETのメンバーの人間関係というところが大きいので。だから悩むことというと、“なにを作るか?”ですね。例えばデザインをどないしようかな? とか。

●ああ〜、なるほど。

安福:それに来ていただいたお客さんは全員が全員“いいフェスやった”と思っているわけではないと思うので、去年来てもらったお客さんに何か不便なところはなかったかな? とか、よりお客さんにおもしろいことを提供するには何かあるかな? とか。その辺はいつも悩むところです。

●お客さんからの声はTwitterとかメールで?

安福:そうですね。直接僕に言ってこられる人も居れば、10-FEETのメンバーに言う人も居たりするので、終わってからみんなで振り返るというか、「来年どうしようか?」みたいな話を毎年するんです。

●そういうのは大事ですね。

安福:「お客さんからこんな声があったよ」という話も各自が出しますから、そこで改善して、1つでも多く問題をなくしていければなと思ってるんです。

●僕は毎年参加させていただいているんですが、“京都大作戦”はお客さんはもちろんですが、出演したアーティストやスタッフから「こんなに一体感のあるフェスは他にない」という声をよく聞くんです。バックヤードの雰囲気も、朝から晩まで全員が楽しんでいる感じがするんです。

安福:そうですね。

●10-FEETのメンバーも朝早くから自分たちの出番まで出演者のみんなとワイワイ楽しそうにしていますし。雰囲気がすごくいいなと思うんです。

安福:あれは10-FEETのメンバー3人が作り出す空気なんでしょうね。“誰でも彼でもウェルカムや”っていう気持ちと、“常日頃お世話になっている方に、この日だけは遊んで帰ってほしい”という気持ち…それが大きいと思います。それはスタッフの僕らも含めて。

●はい。

安福:10-FEETのメンバーは、自分たちの本番以外の時間は完全にホストに徹しているというか。それは僕らもそうだし、イベント全体にそういう雰囲気はありますよね。出演者のみなさんに対しても「みなさん楽屋では好きにしてください」っていう感じなので。その雰囲気っていうのは、自然と出るものなのかなって思うんです。誰もピリピリした人は居ませんし(笑)。

●確かに(笑)。

安福:ガミガミ怒ってる人は居ないですからね。みんなそれなりに楽しみに来る。お客さんも出演者も「楽しみに行くぞ!」と思う気持ちが強いんやと思うんです。メディアの方もスタッフも「俺らも楽しんでやるぞ!」みたいな。そういう気持ちは僕らにもすごく伝わってきます。

●最初からこういう雰囲気をイメージしていたんですか?

安福:いや〜、実は最初はあまりイメージしていなかったというか。ただ、出演者やスタッフのみなさんが集まるところは一箇所ドーンと作りたいなと思っていたんです。それがたまたま今のような形になったというか。最初はふわっとしていたんですよ。僕らももちろん今まで色んなフェスを観させてもらってて、「あんなのがあったらええな」「こういうのはおもしろいな」と、色んな小ネタは持っていたんです。でもそれを実際に自分たちでやってみると全然違うっていうか、やっている人間が違うので違うものになるのは当然なんですよね。

●確かに。

安福:飲みながら漠然と「こういうのがあったらええな〜」みたいな話はよくしましたけどね。それを実際にやってみたら、今のような雰囲気が出たというか。

●安福さんご自身は、“京都大作戦”は他のフェスと何が違うと思っていますか?

安福:他のみなさんがどう思っているかはわからないですし、他のフェスもそれぞれカラーがあると思うんですが、“京都大作戦”はフェスっぽくないと思っていて。

●ああ〜。

安福:ステージがいっぱいあるわけでもないですし、あくまでもライブハウスの延長っていう感じですね。それがいちばん違うところかな。チケットの価格もあまり上げたくないですし。それにフェスというか…「フェス」って言われるとちょっと照れるんですよ。

●ハハハ(笑)。フェスと言われると照れるんですか(笑)。

安福:そうですね(笑)。“夏フェス”という括りに入っていたらちょっと照れますね、僕は。

●ライブハウスでやっている感覚に近いから?

安福:そうですね。ライブハウスの通常ブッキングのイベントが大きくなったらこうなるんやろなって。なんか、そこを目指して僕らも最初に10-FEETのメンバーと色々話したんです。だから「フェス」って言われたら僕らは照れますね。3つも4つもステージがあるわけじゃないし、お客さんが遊べるところがそこまで充実しているわけでもないですし。ライブをやっている会場がライブハウスのフロアで、ライブを観るとき以外はみなさんがロビーでくつろいだりしている…そういう感覚でやっているんです。

●さっきおっしゃいましたけど、最初に10-FEETのメンバーと話したこのイベントの目指すところの考え自体が、この温かくて人間味のある雰囲気を生んでいるんでしょうね。

安福:そうですね。気持ちとしては、フェスじゃなくてライブハウスの延長線上でやるっていう。そういうところじゃないかなって思います。

●“京都大作戦”についてもう1つ印象的なのは、お客さんのマナーがいいというところなんです。1回目のTAKUMAくんのMCが大きく影響しているとは思うんですが、ライブハウスでは必ず紙吹雪が舞う「CHERRY BLOSSOM」ですが、“京都大作戦”では一切舞わないじゃないですか。

安福:ええ、そうですね。

●それにゴミをお客さんが自主的に拾ったり、持ち帰ったりしていて。会場になっている山城総合運動公園は公共の場所なので、ゴミや騒音などで近隣に迷惑をかけないことがイベントを続ける上ではすごく重要なことですよね。そういったことをお客さんがきちんと理解した上で、自分たちが音楽を楽しむためにマナーを守っている。素晴らしいことだと思うんです。

安福:僕らは山城総合運動公園でやらせてもらう2日間は楽しいですけど、近くに住んでいる人も居るし、普段はみなさんが使われている場所ですからね。そういう問題で無くなったイベントやフェスもあるという話も聞いていますし。そこは僕らとしてもいちばん考えなくちゃいけないことだと思っているんです。だから出演者のみなさんにも申し訳ないんですけど、フライヤーをお客さん全員に配るようなことはやっていなくて。ゴミになる現実と掃除することを考えたら、やっぱりすごく大変なんです。そこはグッと堪えてもらおうかなと。

●そういう考えがちゃんと受け入れられていますよね。理解されているというか、「自分たちが“京都大作戦”を作るんだ」と全員が思っているような気がするんです。

安福:そこは本当にありがたいです。地元の方も「“京都大作戦”のお客さんはすごくマナーがいい」と毎年言ってくださるんですよ。ゴミも片付けて帰ってくれるし。そういう話を聞くと嬉しいですね。

●嬉しいですね。

安福:準備のときに宇治でタクシーに乗ったとき、タクシーの運転手さんが「ここで毎年音楽イベントをやってるんだよ」みたいな話をされたりするんですよ。「実は僕、主催者の1人なんです」と言うと「長く続けてね」と必ず言われますね。

●宇治の人たちに定着していると。

安福:街は年々盛り上がっているというか、街の人たちからも「こういうことできひんか?」「ああいうことできひんか?」っていう意見をたくさんいただけるんです。1回目は僕らもそこまで深く理解していただけなかったというか、説得が足りなかったというか、なんとか始めた感じだったんです。でもその後、行政のみなさんとかが「こういうこと考えてんねんけど」とアイディアや提案を持って来られて、それで会議ができるっていうことがすごく嬉しいんです。

●回を重ねる毎にそういう話は増えているんですか?

安福:そうですね。「ブース増やされへんかな?」とか「これを売ろうと思ってるねんけどどうかな?」とか「こういう京都のお店があって紹介したいんやけどどうかな?」とか。そういうことを毎年すごく言っていただけるんです。逆に、ネガティブな意見ももちろんあるから、そこはちゃんと受け止めて。

●今後の“京都大作戦”については、どうしていきたいと考えておられますか?

安福:どうしていきたいというか、1年でも長く、1回でも多くっていうのが僕らのテーマなんです。「10回はやりたいな」とか言いながら、「15年はできるんかな?」とか考えながら、「1年1年がんばりましょう」っていう感じですね。

●今年もよろしくお願いします。楽しみにしてます。

安福:今年、2日間来る方も居れば、1日しか来れない方も居ると思うんですが、源氏ノ舞台と牛若ノ舞台、鞍馬ノ間…距離は離れてますけど全部楽しんで帰ってほしいと思います。“京都大作戦”が終わった後は、京都の観光もして行ってほしいですね。

interview:Takeshi.Yamanaka

 

京都大作戦2013
〜天の川 今年も宇治で 見上げな祭〜
2013/7/6(土)、2013/7/7(日)
京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ

http://www.sound-c.co.jp/kyotodai/13/

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