2013/7/28(日)@万博記念公園 もみじ川芝生広場
出演:アンジェラ・アキ / 家入レオ / 大橋トリオ / グッドモーニングアメリカ / 清水翔太 / [Champagne] / 怒髪天 / 秦 基博 / back number / flumpool / 三浦大知 / レキシ
FM802がおくる真夏の野外フリーコンサート、“MEET THE WORLD BEAT 2013”。毎年応募者の中から7000組14000名のみが招待されるこのイベント、今年はなんと35万通もの応募があった中、幸運なミュージックラバーたちが万博記念公園へと集まった。
一番手は、世界的に高い評価を得ているシンガーソングライター、清水翔太。甘く優しい歌声でファンの心をキャッチする。女性へ向けた応援歌「WOMAN DON'T CRY」を歌い上げ、大橋トリオがHOTステージに登場。やわらかなアコースティックギターとピアノの音が、彼の素朴で味のある歌声によく合っている。艶やかな声で日本人離れした歌唱力を見せつけたのは、[Champagne]。「Waitress, Waitress!」のような定番のロックンロールナンバーから「starrrrrrr」のようなメロディアスなものまで、様々な楽曲を撃ち放つ。演奏技術の高さに裏付けされたステージングは、もれなく洗練されたカッコ良さがある。
三浦大地が圧倒的な歌唱力とキレの良いダンスパフォーマンスで魅せ、次いで家入レオがキャッチーなキラーチューンを投入したところで、今年結成29周年の怒髪天。「出演者の曲を聴いたら、汚い声なのは俺だけでした」と、まずはVo.増子がしゃべりで会場を沸かしつつ、漢らしさ全開のアツい曲を繰り出す。大人気曲「オトナノススメ」では、FM802のDJ・スタッフによるスペシャルダンスチーム“802ダンサーズ”が登場! 総勢30名のダンサーと共に豪快なステージを作り出した。
ほら貝の音が辺りに響き渡れば、池田貴史のソロユニット・レキシのライブが始まる! 歌詞が印象的な「狩りから稲作へ」では、曲中のMCが盛り上がり過ぎて、なんと1曲だけで15分近くの長さに(笑)。「このままじゃ1曲で終わっちゃいそうだから」と池田が言い、「きらきら武士」のショートバージョンを歌って終了! イベント史上おそらく初の、本人曰く「1.5曲」のセットリストだったのではないだろうか。
ライブを重ねるごとに、その知名度を確実に広げているグッドモーニングアメリカ。痛みを伴った歌詞とキャッチーなメロディーが心まで響いてくる。「キャッチアンドリリース」「未来へのスパイラル」といった、彼ららしい曲でグッとオーディエンスを惹き付ける。アンジェラ・アキは、いきなりTHE BLUE HEARTSのカバー「TRAIN-TRAIN」でスタート! 続いて“盟友”亀田誠治氏との合作した新曲「夢の終わり 愛の始まり」、そしてループマシンを使用してRIP SLYMEの「熱帯夜」を披露。シンセサイザーを使って、ベース音、打楽器音と各パートを足していき、少しずつ曲が構成されていくのが面白い。
大阪出身ということもあり、いつも以上に気合いを持って臨んだflumpool。透明感あるボーカルが光る「花になれ」や、爽やかな青春ナンバー「君に届け」など、ポップで心地良い音楽を次々と繰り出す。約20kgのダイエットに成功したウワサのギタリスト、G.阪井によるギターもとてもハイセンスだ。今年の夏フェス1本目がこのイベントだというback numberは、バツグンのメロディーセンスとライブ力でぐいぐい引っ張っていく。思わずキュンとするような甘酸っぱい歌詞と、がっつり踊れる楽曲のビート感がGOOD。そしていよいよ最後の出演者、秦 基博。ジングルが鳴った瞬間に、今日いちばんの歓声が上がったことからも、彼の人気が伺える。やはり最もすばらしいのは、その歌声。少し掠れた深みのある声で、まるで言葉がじわじわと心に沁み入ってくるようだ。アコギ1本と歌声だけで、こんなにも胸を打たれ圧倒されるものなのか。
全演者のライブが終わり、FM802のDJ、大抜 卓人氏と落合 健太郎氏が登場。トークの後、全出演者がステージに呼び込まれ、ラストセッションタイム! サディスティック・ミカ・バンドの「タイムマシンにおねがい」を、超豪華メンバーで大熱唱! このイベントだからこそ実現したスペシャルなステージは、歓喜を渦巻きながら幕を閉じた。ジャンルや形態はそれぞれ違えど、それぞれの音楽が持つすばらしい“歌”の力を体感した。
TEXT:森下恭子