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“MASTER COLISEUM’12”

SUPER HOT REPORT !!

2012/9/22(土)・9/23(日)@大阪城野外音楽堂

22日出演:SABOTEN / PAN / NUBO / SiM / OVER ARM THROW / ROTTENGRAFFTY / SUNSET BUS / EGG BRAIN
23日出演:SABOTEN / PAN / locofrank / 四星球 / dustbox / UNCHAIN / UNLIMITS / GOOD4NOTHING

夏フェスシーズンもそろそろ収束しようとした頃、「ちょっと待った!」とSABOTENとPANから挑戦状が出される! 大阪出身の彼らが主催する、大阪城野外音楽堂で行われるこのフェス“MASTER COLISEUM”も愛され続けて早7年。豪華なメンツに破格のチケット、これは行かないわけにはいかない。マスコロに参加せずして夏はまだ終われない! 今年も全速力で突き進むこのイベントに、君はついてこられるか?!

 

 

 

 

9/22

大阪城野外音楽堂には朝から元気なキッズがわらわらと集まり、賑わっていた。天気が少々気がかりだったが、天気なんか関係ない! と言わんばかりのパワーがみなぎっていた。場内には花団のカラオケブースだったり、毎年長蛇の列ができるオフィシャルグッズ、アーティストグッズが軒を連ねる。そしてこの日のために用意されたフェス飯屋台、「マスコロ食堂」にはPANのVo.川さん考案のメニューが並ぶ。会場も観客も準備万端で待ち構え、いよいよスタートのピストルが鳴る!

PAN
マスターコロシアム1日目のトップバッターはPAN! しょっぱなからZ好調な彼らは、川さんのコミカルなMCをはさみながらのポップで直球勝負のステージを繰り広げる。「心のバッティングセンター」ではGOOD4NOTHINGがバットを持って登場し、場内にカラフルなボールの乱れ打ち! お昼からPANの持つ元気玉が全速力で投げられ、ついに“MASTER COLISEUM”が今年もスタートした。

NUBO
PANから投げられた元気玉を引き継ぐのは、盛り上げ特攻隊長のNUBO! ピースフルなサウンドがさらに会場の温度を上げてゆく。会場いっぱいに腕があがり、オーディエンスの手のひらがまるで花のように咲き乱れ、大きく揺れる。NUBOの持ち味が最大限に表れた心あたたかなステージだった。

SiM
引き続き、人気急上昇中! 今を駆け抜けるSiM。地球を揺らすような激情を呼び起こし、オーディエンスが竜巻のように暴れ回る! さすがSiM、とでも言うべきだろうか、今までの空気の流れを上昇気流のようにさらに巻き上げ、オーディエンスの勢いは止まらない。まるでブレーキを壊されたかのように、さらに加速していく。

OVER ARM THROW
「Shooting Star」でスタートを切るのは流れ星のように疾走するOVER ARM THROW! 「Hand in Hand」では、空に向かって星に願うように両手を握った腕と、力強い歌が涙を誘う。「ZINNIA」ではおなじみの「うぉーおおおー!」の掛け声と、フロアが笑顔で溢れていた。爆笑MCと人の心を動かす力を秘めた音楽は、観る者の心を奪ったに違いない。

ROTTENGRAFFTY
そして古都のドブネズミ、ROTTENGRAFFTYがついに“MASTER COLISEUM”に参上する。京都の切り札ROTTENGRAFFTYのパワーに負けじとオーディエンスも吠える。遠吠えのように訴える音楽は、脳髄まで届いたのではないだろうか。ライブのたびに進化する彼らは、マスコロをも自分たちの縄張りにするのだった。

SUNSET BUS
日が暮れ出し、会場に夕日がさす6時前、SUNSET BUSが始まる。いつも通りお酒を飲みながらのハイテンションな演奏。代表曲「Love is sunshine」がこの日のためにあるように感じるほど、夕闇にとけ込むようだった。野外でのSUNSET BUS、最高に気持ち良いステージだった。
EGG BRAIN
トリ前にはカラフルな照明に包まれ、夜にいっそう映えるEGG BRAIN。「YEAH! YEAH!」で溢れるピースの山! トリにバトンを渡す〆の曲は代表曲「SEVEN
TEEN」。ライブは生もの、その言葉が彼らには相応しく、若々しくみなぎる新鮮なパワーがこちらにも伝わるのである。

SABOTEN
そして1日目のトリ、SABOTEN! 今年は2日間開催ということで、主催の2バンドが交代でしょっぱなとトリを務めるのだ。今までいろんな出来事を乗り越えて来たSABOTEN。そしてニューアルバム『WHITE POOL』を発売し、このマスコロのステージに凛と立つ彼らは一層輝いて見えた。その快活なステージに、トリになっても疲れを感じさせないオーディエンスは夜まで大暴れ!「今までのバンドがかっこよすぎて、ほんとは時間がいっぱいいっぱいで押してるんだよ!」と始まったアンコールは「青空へ」。涙を誘う曲でありながら、SABOTEN自身が感じるすべてのものが詰まったこの曲で、“MASTER COLISEUM”1日目は幕を閉じる。そして2日目にバトンタッチをしたのだった。

9/23

大盛況の“MASTER COLISEUM”もついに2日目を迎える。

SABOTEN
1日目でトリを務めたSABOTENが今日はトップバッター。いきなり始まったのはみんな大好き「サークルコースター」! スタンディングゾーンではぐるぐると回るサークル、客席ではぶんぶんと振り回されるカラフルなタオルの波が全体を覆う。そしてニューアルバム『WHITE POOL』から「脱法TRACK」を演奏するのだが、ステージには3つの洗面器、出演バンドにPVを再現してもらおうと息止め大会が始まった。ぞくぞくと出演者が参加し、まるで運動会のよう(笑)! エキサイティングなステージは2日目の幕開けに最高のスタートを切ったのだった。

locofrank
2バンド目にはlocofrank。直球勝負、嘘偽りのない正直な音楽とライブ。衝動で走り出したくなるあの感じ、無意識に腕を掲げて叫びたくなるあの感じが襲い、locofrankから放たれたエネルギーが、体中にどっと流れ込む。ラストの「START」では、すべてを放出するような全力のライブを魅せてくれた。

四星球
ここで徳島の生んだ奇才、四星球の登場! 法被姿で演奏するとんでもないはちゃめちゃなステージは、(非常に手の込んだ)小道具を多用し会場の大爆笑を誘う。お笑いで言うところのツッコミ満載のいいとこ取り、売れっ子芸人のようだ。「吉川!」「布袋!」の掛け合いは一度聞いたら二度と離れないであろう。最後の曲「潮騒ぎ」で会場も大騒ぎ!

UNCHAIN
気取らないのに繊細で聴き入ってしまうUNCHAINが3番手。ライブ中に突然の雨に見舞われるが、その雨さえも味方につけたかのような、虹色の音楽に彩られたステージングだった。透明感のある歌声に、色鮮やかなサウンド。周りの人も足を止めて踊り出す。雨の音楽堂をカラフルに彩った。

dustbox
かっこよすぎてずるい! と思わず声が出てしまいそうになるdustbox。スタンディングエリアのダイブの波も半端ではない。新曲の「One Plus One is Infinite」も演奏された。「Tomorrow」でのキッズの声がぴったりとそろう「Happy Ending!」のフレーズが響く。幸せが振りまかれるあの音楽は、あの空間でしか味わえない。

UNLIMI|TS
今回の出演者の中で唯一の女性ボーカル、UNLIMITS。美しく氾濫する音の洪水がもたらされ、UNLIMITSにしかできない表現で魅了する。心が洗われるような旋律に、UNLIMITSのとりこになるのである。一瞬たりとも目をそらせないそのステージはエモーショナルでありながら圧巻であった。

GOOD4NOTHING
1日目にもゲストで登場したGOOD4NOTHINGがここで登場! ボルテージ最高潮の彼らは、休憩などない! と言わんばかりの豪華なセットリスト! オーディエンスの快活な反応、笑顔。ニューアルバム『ALL THE AWESOME DUDES』も発売され、さらに勢いをつけた彼らは、会場をも飲みこんでしまうのだった。

PAN
“MASTER COLISEUM”の大トリを務めるのはPAN! 「オアシス」からはじまった快調なライブは、肌寒い秋の夜の空気さえ怖じ気づくほどの熱に包まれる。外なのに酸欠になりそうなモッシュピットは、「ムサンソ」でさらに息を上げる。「心のバッティングセンター」でいよいよクライマックスを迎える。

SABOTEN×PAN
アンコールでは会場から「サボパン! サボパン!」コールが。出て来たのは浴衣姿のSABOTENとPAN。マスコロと言えばサボパン。これを見なければマスコロは終われないのである。演奏したのは「インタレスター」。主催の2バンドのタッグは、もはや誰も勝てやしない、そんな気さえしてしまうド迫力のライブ!

SABOTENとPANという2つの歯車が噛み合って開催されるこのフェスは、メンツもチケットの値段も史上最強! 我々を唸らせるのも当然である。最後に川さんから「来年も開催が決定しました!」との発表があったので、来年もまたパワーアップしたマスコロが見れるようだ。今年は終わってしまったが、これでまた来年の楽しみが出来た。みんなは首を長くして待っていよう。

TEXT:Kaori.T

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