“TOUR’13「THE BLACKEST NIGHTMARE」”
2013/12/1@Zepp Namba Osaka
新作『EXODUS-EP』を2013年8月にリリースし、新たな戦いへの火蓋を切り落としたlynch.。3月のZepp DiverCity、8月のSHIBUYA-AX・2デイズに続く新たな挑戦とも言える、東名阪の三大都市Zeppツアーがこの日から始まった。記念すべき1会場目はZepp Namba、大阪でのワンマンとしては過去最大規模となる。会場に入ると、全長数十メートルにも及ぶ大きなバックドロップが飾られたステージに、いきなり圧倒されてしまいそうだ。
まずは「EXODUS」「ASHES」と新作から2曲を繰り出した後、「THE BLASTED BACK BONES」「I BELIEVE IN ME」と強力なアッパーチューンを連発。続く「-273.15℃」では、すさまじいドラムソロやギターバトルなどアグレッシブなパフォーマンスを見せると、オーディエンスの怒号にも似た歓声が響き渡る。「ついにここまで来ました。濃厚なひと時をくれ!」。Vo.葉月が煽れば、さらにボルテージが上がっていく。
スピーディーなリズムが気持ち良い「THE FATAL HOUR HAS COME」、艶のある美声とデスヴォイスが入り乱れる「ALL THIS I'LL GIVE YOU」でファンを魅了。さらにここで「melt」「BEFORE YOU KNOW IT」といったミディアム・メロウな曲で緩急をつけてから、後半からは「I'm sick, b'cuz luv u.」「MIRRORS」「TIAMAT」と怒濤のキラーチューンラッシュ! そして「いつか大阪城ドームでやるようになっても、この曲の前にはこう言うでしょう。“ヤらせてくれませんか!”」。葉月の合言葉とともにド定番曲「pulse_」が始まれば、会場もこの日いちばんの盛り上がりを見せる。アンコール後に終演のアナウンスが流れ始めてからも、ファンの声が鳴り止むことはなかった。
「昔はZeppが最終目標だったけど、今は違う。ゆくゆくは大阪城ホールや武道館、横浜アリーナ、東京ドームを目指したい」。そう語った彼らの言葉は、決して大言壮語などではない。“彼らならその舞台に立てるかもしれない。一緒にその景色を見たい”と思わせる力強さがあった。日々進化を遂げながら、更なる舞台へと進み続けるlynch.の可能性は無限大だ。
TEXT:森下恭子