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LIGHT BRINGER

抜群のポップネスと実力を併せ持つ“ラブリー”がメジャーデビュー!

 2010年のインディーズ・メタル・シーンで一躍注目を浴びた女性ヴォーカリスト、Fuki(Vo.)を擁する5人組ロックバンド、LIGHT BRINGER。

キュートなルックスと確かな歌唱力を兼ね備えたFukiのカリスマ的な魅力もありつつ、卓越したプレイを見せるHibiki(Ba.)を中心とした楽器隊のテクニカルな演奏も評価が高い。

プログレッシブかつメタリックなサウンドに叙情的な歌詞を乗せたポップなメロディを融合させた楽曲で、今やシーンを代表する若手の注目株へと成長した彼らが遂にメジャーデビューを果たす。

Interview

「自分たちではあんまり実感がないんですけど、他のバンドはこうじゃないっていうことを今になって初めて知った感じですね(笑)」

●LIGHT BRINGERは、ファンの間では"ラブリー"と呼ばれているそうですね。

Fuki:そう呼んでもらっています(笑)。元々、バンド名を決める時にかわいらしい愛称を付けたくて、「"ライトブリンガー"の間にある文字をいくつか抜いたら、"ラブリー"になるじゃん!」ということで決めました。

●かわいい愛称も含めて、メタルバンドでありながらエンターテイメント性やポップさもあるのが特徴かなと思います。

Fuki:メタルバンドっていうと、女性ヴォーカルでも男っぽいイメージが強かったりすると思うんです。女性ヴォーカルだけをフィーチャーした編成のバンドも多いんですけど、私たちはそのどちらでもなくて。メタルバンドでありつつ、女性ボーカルならではの良さも出したいんですよ。いわゆる伝統的なジャパメタにはなかったような要素も入れつつ、見た目でもエンターテイメント性のあるメタルバンドというか。

●ライブでもメンバーが振り付けを揃えたりしていましたね。

Fuki:観ている人が拳を上げて頭を振るだけでもいいんですけど、もっと楽しんでもらえるようにしたくて曲と振り付けも意識的に考えています。ライブは耳だけで聴くものじゃなくて、見た目と音をひっくるめての"ショー(SHOW)"だと私は思っていて。私自身も化粧して着飾ることで初めて声が出るというか、"LIGHT BRINGERのFuki"になって初めてお見せできる作品になるんですよ。

●結成当初から、そういうバンドとしてのビジョンがあった?

Fuki:当初から、こういうビジョンがあったわけではないですね。オリジナルメンバーは、私とHibiki(Ba.)とMao(Key.)の3人だけなんですよ。メンバーの変化に合わせて、ここ数年で曲のイメージも変わってきて。昔はいかにもメロスピ(※メロディック・スピードメタル)っていう感じの曲もあったんですけど、今の方が楽曲もポップス寄りになってきています。

●曲が変化してきたのはいつ頃から?

Fuki:『Tales of Almanac』(2009年発表のインディーズ1stアルバム)の頃からですね。Kazu(G./今年8月から無期限休業中)が加入したことで、音楽性が変わってきたんです。そのアルバムはKazuが書くポップな曲とHibikiの作るプログレッシブな曲が融合して、かなりバラエティに富んだ作品になっていて。その頃から、今のような形が作られてきた気がします。

●プログレ的な要素が入っているのも、ラブリーの特徴ですよね。

Fuki:そこは完全にHibikiのルーツからで、彼がアレンジしていることによって出ていますね。私はX JAPANや陰陽座から影響を受けてボーカルを始めたので、プログレが特に好きなわけではないんです。でも歌メロもプログレッシブな部分とポップな部分が住み分けをしつつ、融合もしていて。プログレがすごく好きな人ってどうしても難解な方に偏りがちだけど、私たちはそこのバランスが上手く取れているのかなと思います。

●プログレ的な要素とポップス的な要素とのバランスが上手く取れているからこそファン層にも広がりが出て、今回のメジャーデビューにもつながったのでは?

Fuki:どっちが好きな人も楽しめるっていうのはありますね。小さな世界だけにとどまらず、とにかくたくさんの人に聴いてもらいたいという意識は最初からあって。それが音楽性やライブパフォーマンスに現れてきたのはここ数年のことなんですけど、"より多くの人に、より大きな会場で"という気持ちは結成当初からありました。

●今回のタイトル曲でもあるM-1「noah」のイントロは、メジャーデビュー作らしい新たな幕開けをイメージさせる感じがしました。

Fuki:曲自体はメジャーデビューを意識して作ったわけじゃなくて、いくつか候補がある中から選んだ曲なんですよ。「noah」はカッコよくて、歌メロもキャッチーでボーカルが活きていて、かつプログレッシブなパートもあるっていう本当にラブリーらしさを凝縮した曲だったので選びました。作品タイトルについては、メジャーデビューということで"新章"的な感じを出したいなとは思っていましたね。

●"新章"のイメージを出すために、『noah』というタイトルにした?

Fuki:シングルに続いてアルバムも出す予定なのでメジャーデビュー2作を関連付ける意味もあって、"旧約聖書"で有名な"創世記"のイメージが浮かんで。自分たちも"ファンと一緒にラブリー号という舟に乗って前に進んでいこう"という雰囲気をかもし出していると思います。切なさもありますけど、基本的には前向きな曲になっているので決して暗い曲ではないんです。

●歌詞の内容で直接"ノアの方舟"に触れているわけではないけれども、リンクしているところはある気がします。

Fuki:タイトルを後から付けたことで、結果的にそうなったという感じですね。聴いてくれた人も、良い意味で捉えてくれると嬉しいです。サビの"たった一人で世界を守りたいと思えるの"という歌詞も疑問形とも単なるつぶやきとも取れるようにあえて曖昧な表現にしているので、聴き手のイメージによって受け取り方が変わると思うんですよ。

●メジャーデビュー作ということで、歌詞にも今の想いやメッセージが込められていたりする?

Fuki:そこは特にないですね(笑)。私の歌詞は基本的にフィクションで、例えば童話や漫画とかをオマージュしたり、もしくは完全に自分でストーリーを創作したものが大半なんです。ただ、M-2「Heartful…<2011>」の歌詞は自分の中から出てきた言葉なので、伝えたいメッセージがあります。

●インディーズ時代の1stミニアルバム『Heartful Message』(2007年)に収録していた「Heartful…」を今作で改めてカバーしたのは、そのメッセージが今も変わらず伝えたいことだから?

Fuki:その通りですね。4年前に書いた歌詞なんですけど、今でも想いは全く変わらないから。今読んでもしっくりくるし、あの頃の私をほめてあげたいです(笑)。この曲は、私たちにとって今のところ唯一のバラードでもあって。歌詞にも思い入れのある曲なので、今だからこそできるアレンジに改めて収録してみました。私たちを新たに知ったファンにも聴いてほしい曲ですね。

●M-3「Continue!?」は、ライブでは以前からやっていた曲の初音源化ということですが。

Fuki:ライブでみんなに楽しんでもらえる曲だから、ぜひ今回のシングルには入れたいと思っていて。こういう良い意味でチャラい曲が今まではなかったので、ちょっと歌い方もふざけてみようとチャレンジした部分もあります。色んなことを試したい気持ちがあるんですよ。

●新たな挑戦もしている。

Fuki:実は「Continue!?」は、初めてSeiyaが作った曲なんです。以前はKazuとHibikiがメインで作曲していて、たまにMaoも書くという感じだったんですよ。でも一昨年くらいに"いつもとは違う人が曲を書いてみよう"という話になって、バンド内コンペをしたんです。どれが誰の曲かは明かさずにみんなで投票した結果、1位になったのがこの曲でした。これがSeiyaの作った曲だというのはファンの方も知らなかったと思うので、シングルに入ることでかなり喜んでもらえるんじゃないかな。

●コンペということで、テーマもあったんですか?

Fuki:コンペの課題が"ライブでノれる曲"だったんですよ。その時に2位だったHibikiの曲も、次のアルバムには入る予定です。ちなみに、私の曲が最下位でした(笑)。

●(笑)。「Continue!?」の歌には遊び心を感じましたが、今までとは歌い方を変えたりもしている?

Fuki:"こういう歌い方もやってみよう"と思い付いてやってみたものが、今回は上手くハマった感があります。歌い方に関してはアプローチを変えてみた部分もあるんですけど、それが成功したというのもあって。歌に関しては、かなり自信を持てる出来になったと思いますね。

●歌も含めて、今作は1曲ごとに異なる個性を持っているという印象があります。

Fuki:今回の3曲はキャラクターがバラバラなので、良い感じに色が分かれたなって。この3曲を聴けば、ラブリーがわかる構成になっていると思います。

●ちなみにメジャーデビューすること自体は今年の5月にはライブで発表していたそうですが、そこからリリースまでは間があきましたね。

Fuki:メジャーの1発目ということもあって、メンバーも気合いを入れて制作していたら時間がかかってしまったんですよ。その時は「今年の秋にメジャーデビューします!」と言っていたのに…(笑)。

●もうすぐ冬ですからね(笑)。制作はいつ頃から?

Fuki:私たちがスタジオで録音するのはボーカルだけで、他のメンバーは家で録音をしているので、具体的にいつからというのがわからないんですよ。ネット社会ならではのバンド制作スタイルなんです(笑)。

●インディーズならそういう制作スタイルのバンドも多いと思いますが、メジャーでもそれを続けている。

Fuki:ミックスやマスタリングの段階ではキングレコードさんの力を借りているので、最終的には完全にメジャーの音になっていますけどね。やり方をいきなりガラッと変えたらペースも崩れちゃいそうだし、時間を有効に使うためというのもありました。

●今後は徐々に変えていく可能性もある?

Fuki:実は今回の「Heartful…<2011>」で初めて、1発録りをしたんです。今まではメンバー各自がバラバラに自宅レコーディングしていたので、そういうことがなくて。Maoと2人でスタジオに入って録音するという録り方をしたので、メンバーと目配せをしながら歌を入れるのがすごく新鮮で。これが普通のバンドのやり方なんでしょうけど、私たちにとってはある意味で新しい試みでした(笑)。

●まさに、ネット社会の申し子というか(笑)。

Fuki:自分たちではあんまり実感がないんですけど、他のバンドはこうじゃないっていうことを今になって初めて知った感じです(笑)。

●意識するわけじゃなく自然とやっているから、他にはないものになるんでしょうね。

Fuki:でも出来れば今後は、オケが完パケした後で歌いたいです(笑)。自分が歌った時のオケと完成版が全然違っていて、"あれっ?"となる時もありますから…。今回は元々作っていた曲が多いので、ほぼオケが完璧な状態で歌入れも出来ましたけどね。次のアルバムも現在(取材は10月上旬)、気合いを入れてレコーディング中です!

●アルバムはどんな感じになりそうですか?

Fuki:インディーズ時代にリリースした1stアルバム『Tales of Almanac』はかなりポップな面を押し出した作品で、その次に出した2ndアルバム『Midnight Circus』がメタル寄りな部分を取り戻した作品だったんですよ。なので"次はどうなるんだろう?"という期待感があると思うんですけど、その2つを融合したラブリーらしさ全開の曲ばかりになっているんじゃないかな。

●まだメジャーデビューしたばかりですし、今後も楽しみですね。

Fuki:ハードな部分とポップな部分、そしてエンターテインメント性が全て融合した"LIGHT BRINGER"というものを、とにかくたくさんの人に聴いてほしい。だからこそもっと大きなライブ会場でもやりたいし、そのためのメジャーデビューだと思っているんです。今までLIGHT BRINGERを好きだと言って下さった方たちの期待も、良い意味で裏切っていきたいと思います。

Interview:IMAI
Assistant:森下恭子

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