2011.9.17(土)/18(日)@和歌山城砂の丸広場・野外特設会場
THE NEATBEATS / チリヌルヲワカ / ロリータ18号 / PROUD HAMMERS / DRAW INTO DISORDER Fated Lyeno / THE COFFEE & CIGARETTES / リリーギャング / Re:ing / HEAD SPEAKER / 小椋誠也 Three Star / SEX addict / 遠藤ミチロウ / LAUGHIN' NOSE / COBRA / SA / ニューロティカ THE RYDERS / JUNIOR / THE INDEX / KiM / MARMALADE / CENTER WRONG UNIT
台風15号が直撃した9/17、18の2日間、イベント決行の最終判断を決める朝の7:00、昨日までの豪雨も少し収まり、和歌山城砂の丸広場特設会場では、そんな天候にも負けず、地元のオーディエンス達が続々と集結していた。
地元出身アーティストが約12組、総勢26組のアーティストが出演し、今回が、第一回目となる“KISHU ROCK IMPACT”和歌山では初の野外ロックフェスであり、“KISHU ROCK IMPACT”の特筆すべき点をあげるとするならば、アーティストのブッキングはもちろん、会場の段取りや、屋台の出店まで、なにからなにまで、ライブハウスCLUB GATEのスタッフを筆頭に地元のアーティスト達や、キッズ達で運営しており、和歌山ならではの、ほんわかした暖かみのある雰囲気を感じることが出来た。
午前10:30、実行委員長の山野丙午氏から開催宣言がされ、地元バンドとしてThree Starが元気よく登場し“KISHU ROCK IMPACT”のトップバッターとして大役を努める。この日、彼らのライブには、雨の中でも皆を笑顔にさせる力があった。少し雨も止んできた頃、Fated Lyenoの演奏が始まった。3人から4人での新体制で挑んだ彼らのLIVEは、新たな楽曲の一面を魅せ、地元のキッズ達を湧かせた。続く、HEAD SPEAKERのLIVEでは、小雨の中、会場を走り回るVo.KANAの元気な姿やパフォーマンスは、天候の悪さを忘れさせてくれた。続くリリーギャングでは、今の地元の音楽シーンを牽引してきたといっても過言ではない、ライブパフォーマンスを披露。この日のVo.かっちゃんの歌声は、とても温かく力強く、印象深く残った。和歌山を愛してる気持ちが伝わった。
13:00、Re:ingのライブでは急な豪雨が起こり「雨男バンドですみません!!」と、自ら雨男ぶりを暴露。しかし、ライブは雨以上に、激しく湧かせてくれた。
休憩する暇はない。雨も少し収まってきた頃、小椋誠也、THE COFFEE&CIGARETTES、SEX addictという流れで、どんどん会場はヒートアップ。そんな最高のタイミングで、チリヌルヲワカが登場。和歌山では初ライブでもありオーディエンスもこの日、最高の盛り上がりを見せる。続くPROUD HAMMERSは、ウッドベースの弦が切れるなど、ハプニングもあったが地元出身の貫禄を魅せつけた。
終盤にさしかかり、DRAW INTO DISORDERが登場。あくまでも地元に拘り、今の和歌山のグランジシーンを牽引している彼らのステージは、何かに取り憑かれているような、そんな鬼気迫るものがあった。
残すところ、後2バンド。そんな中、ロリータ18号が登場。待ってました! さすが貫禄の一言。初和歌山のライブでありながら、見事にその場に居た全てのオーディエンスを魅了した。ステージから下りて、フロアーを走り回る姿や“和歌山がこんなに熱いとは知らんかった”“また絶対来るー!”と言い放った言葉が印象的だった。
そして、この日のトリを飾ったのは、言うまでもない和歌山のロックンロール番長THE NEATBEATSであった。ライトアップされた和歌山城に向け、意気揚々とロックする姿は、和歌山のオーディエンスにとって、改めて誇りに感じた、そんなライブであった。和歌山ロックが、まだ死んでいないこと、確信できたのではなかろうか。
2日目。
昨日の豪雨が嘘のように、照りつける日差しから始まった。この日も開演10:30には、続々とオーディエンス達が集まり、初日でも大暴れしたDRAW INTO DISORDERから幕を開け、KiM、MARMALADE、THE INDEX CENTER WRONG UNITと続き、熱いライブが繰り広げられた。オーディエンス達もそれに反応して、どんどんエスカレートしている。拳をあげ、ダイブやモッシュが飛び交うなか、和歌山初参戦のJUNIORが登場。アイリッシュパンクの楽曲が、和歌山の街をこだまする。小さい子供たちも、音楽に合わせて、踊っている姿が、カッコイイのは世代を超えてもカッコイイ、そんな手応えを強く感じた。続く、ニューロティカ、THE RYDERSのライブでは、貫禄のライブを魅せつけてくれた。
16:30。COBRA登場。オーディエンス達も、一曲目から、ダイブダイブダイブの嵐。もうこの勢いは誰にも止められない。会場の雰囲気も絶頂に。そんな中、この日の仕切りこと和歌山の番長率いるPROUD HAMMERSが登場。昨日に引き続き、なんとも堂々としたライブが魅せつけてくれた。和歌山パンクロック番長、健在を十分すぎる程魅せつけたのではなかろうか。
18:00。この日一番の盛り上がりを魅せたSAが登場。ライブ中、会場で大シンガロングが巻き起こり、和歌山の街に熱く響き渡った。大人も子供も、全ての人が釘付けになった瞬間が、この日確実に和歌山に起きた。
トリ前はLAUGHIN'N NOSE。昔の名曲を出し惜しみなく披露。シンガロングが巻き起こり、最後の力を出し尽くすかのようにダイブやモッシュの嵐。もう一生分遊んだんではないかってくらい、大人も子供も楽しんでいた。そして、トリの遠藤ミチロウが和歌山の2日間を締めくくってくれた。
大人も子供も、満足そうな顔で、次々と会場を後にした。今回、26組のアーティストが和歌山の音楽シーンに集結し、和歌山の街に、ロックの魂を残してくれた。その魂は、来年さらなる灯火となり、いつか和歌山から全国に、ロックの熱い魂が届くようなフェスになっていくことを期待して、家路についた。動員は、のべ1,000人。
TEXT:山野丙午