音楽メディア・フリーマガジン

かりゆし58

突き上げられた腕がライブのすばらしさを物語っていた

SPECIAL LIVE REPORT
“ハイサイロード ビヨンド 2013-14”
2013/12/12@心斎橋BIGCAT

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かりゆし58の全国47都道府県ツアー“ハイサイロード ビヨンド 2013-14”。即日ソールドアウトで迎えた、ここ大阪BIGCATは超満員。熱気と人混みでパンパンに膨れ上がっていた。“そろそろかりゆし〜♪”とSEが流れメンバーが登場。開放感溢れるサウンドと共に、颯爽と幕を開ける。そして「ナナ」のイントロが流れた瞬間、“待ってました!”とばかりにファンから歓声が巻き起こった。裏打ちのゆったりとしたビートに乗せて、優しく暖かいラブソングが響き渡る。
ふいにVo./Ba.前川真悟が「ハイサイ。楽しくなりそうな予感がするよ」とつぶやくと、ベースをアコギに持ち替えて演奏を始める。さらにはアコギを置いたピンボーカルスタイルで、じわりと歌い上げられたのは「恋の矢」。ミドルテンポの楽曲によって穏やかな空気感が生まれると、MCでもメンバー同士があたかも楽屋で話しているかのようなノリでトークをはじめ、始終アットホームな雰囲気が流れていた。

中盤戦を迎えた頃、「愛と呼ぶ」のイントロが始まるとファンが自然とタオルを回し始め、前川が「遊びなさい!」と声を上げれば会場は熱狂の渦に。さらにG.宮平直樹が「大阪の愛を聞かせてもらってもいいですか〜!?」と煽り、メンバーもオーディエンスもリミッターを解除して大騒ぎ! 「ステージは神聖な場所です。今日もみんなのおかげで歌が歌えます。ありがとう」。前川が感謝の言葉を告げ、本編ラストは名曲を3曲立て続けに演奏してフィニッシュした。

ファンたちが“ワッショイ”コールでアンコールを待ち望むと、「もうちょっとやらせてもらってもいいですか」と再びメンバーが登場。1曲披露した後に「好きな街で好きな歌を歌ったので、パァーッと遊んで帰ります」と言い、アッパーなナンバーを2曲続けて一気に叩き込み、お祭り騒ぎの覚めやらぬ中ライブは幕を閉じた。
「あなたが今上げている腕は、自分を遊ばすために上げている」。ライブ中、前川がオーディエンスに向けて言ったその言葉が妙に頭に残っている。義務や強制ではなく、感情の高まりとともに自然と突き上げられたその腕は、この日のライブがいかにすばらしいものだったかを物語っていた。

TEXT:森下恭子

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