JUNGLE☆LIFEとShibuya Milkywayによる名物イベント、“JUNGLE STREAM”も第5回。開演前からパンパンのフロアは、THREE LIGHT DOWN KINGSの登場によって早くも混沌とする。初っ端であることなど関係ないかのように、1曲目から音を叩きつけていく彼ら。メーターを振り切ったパフォーマンスに、オーディエンスも踊り狂う。
JACKPOT BELLが現れると、会場内の空気はさらに上へと上がっていく。G./Vo.KyoKoの声がフロアに響くと、そのあまりの力強さに聴き惚れてしまった。飾り気なく全てを出し切る彼らの音で覚醒し、円を描いて回る観客たちも自分たちの熱量を体現しているかのようだ。
自由度の高いパフォーマンスで登場早々、会場を沸かせたDolls realize。「BREAK IT DOWN」では、槍のように尖った音が空を切り裂いて降ってくる。全身の血液まで沸き上がらせる声、音、熱。魂の根底から演奏を繰り出す彼らに合わせて、会場中で花火が舞った。
もはや蒸気すら発するフロアに、Fake Faceの登場がさらに追い討ちをかける。華やかさとカオスの狭間で揺れ動くオーディエンスは、すでに我を失ったようだ。「DEAD END」では、“飛んでください、渋谷!”と呼びかける。そして、渋谷そのものを吹き飛ばす勢いで会場を渦の中へと導いていった。
恒例の“JUNGLE TIME”(生ビール100円タイム)でアルコールも入り、さらに浮かれるフロアにBLUE ENCOUNTが登場。波のように押し寄せる音が、全てを飲み込むような迫力でオーディエンスを引き込んでいく。彼らは限界の先へと、確実に昇り詰めている。
ラストのROACHで、フロアは大炎上! 安定感抜群の音を、それでいて不安定に叩きつけてくる。「HIGH FIVE!!」からアンコールまで、瞬間瞬間に派手な花を咲かせていく。楽しいお祭りのような、いつまでも続いて欲しいワクワク感。心に刻みついた強烈な炎を残して、この楽しい夜は幕を閉じた。
TEXT:栗山聡美
PHOTO:Shin Ishihara
“Children of the Revolution”と題した、JUNGLE☆LIFEとShibuya Milkywayによる新たな共催イベントが4/10に開かれた。音楽シーンに革新をもたらす可能性を秘めた新進気鋭のバンドを集めた本イベント。その幕を開いたのは、トップバッターのGEEKSTREEKSだ。好評発売中の1st ep『シリアスネバーランド』でも印象的だった、気持ち悪いくらいに生々しい音と言葉はライブでも健在。観客を時折挑発しながら、いつの間にか彼ら独自の世界へと引き込んでいった。
2番手のFEAR FROM THE HATEはスタイリッシュなルックスとサウンドで、会場の雰囲気を一転させる。だが、ヘヴィながらもキャッチーなサウンド、さらにオーディエンスへと呼びかける姿勢でフロアのテンションはさらに増していく。その盛り上がりを一段と高めたのが、THE TURQUOISEだ。OCEANLANEの直江慶(G./Vo.)を擁する新バンドだが、本格派の洋楽オルタナティブ・ロックはまさに圧巻。3ピースとは思えないダイナミズムと、普遍的なメロディで観る者を魅了した。
MONICA URANGLASSがステージに登場すると、会場はダンスフロアと化す。ビートが鳴り始めた瞬間に否応なく、身体を動かさずにはいられない。観客を扇動する存在感とその音は紛れもなく“革命的”だ。ハンパなく盛り上がったところで、トリを務めるのはthe twenties。ロックンロールやガレージをベースにしながらも、最新のダンスミュージックの要素も取り入れたサウンドは唯一無二にして新しい。一言で表すならば、“ニュータイプ”という形容がふさわしい彼らはある意味で本イベントの主旨を象徴していたかもしれない。
全5バンドに加えて、みしゅ(おとなり)とteach(YORUco)のDJもあって、最初から最後まで盛り上がりを見せた今回のイベント。各バンドの強烈な個性が互いに刺激となり、次なる進化へと結びついていく。その成果が形になる日を楽しみに待ちたい。
TEXT:IMAI
PHOTO:Shin Ishihara