爽やかハイトーンVo.YASUと巨漢でゴツかわいいVo.TAKANOのツインボーカルが特徴的な沖縄発6人組パーティロックバンド、JaaBourBonz(ジャアバーボンズ)。
06年に“バーボンズ”として活動を開始した彼らは、ライブのみならず音源でも地元・沖縄で確固たる地位を築いてきた。かりゆし58の全国ツアーでフロントアクトを務めた09年以降は自分たちでも積極的なツアーを行い、全国的な知名度も徐々に上昇。
そんなツアー中の運命的な出会いにより『ダイドーブレンドコーヒー』CMソングを射止めた彼らが、遂にメジャーデビューを果たす!
「僕らは昔からライブで、大きな夢をファンに語っていて。それはファンの人たちにも、僕らと一緒に夢を見てほしいからなんです」
●以前は "バーボンズ"として活動していたわけですが、今年の10月から"JaaBourBonz"に改名したんですよね。今回のシングル『誓うよ』でのメジャーデビューまでには、どんなことがあったんですか?
YASU:インディーズ時代の2ndアルバム『年中無休』(09年11月)で初めて、生まれ故郷の沖縄への想いを込めた「島心~しまぐくる~」という曲を作って。その年に(同じ沖縄出身の)、かりゆし58のツアーでフロントアクトをさせてもらったことで色んなお客さんに観てもらえたんですよ。自分たちのライブに来てくれるお客さんも少しずつ増えてきたのもあって、去年くらいからは自分たちも県外に出てツアーをするようになったんです。
●そこから本格的に沖縄県外でのツアーをするようになったと。
TAKANO:それまでは、あまり県外でのライブをしていませんでしたね。ツアーに出るようになって、色んな人とも出会ったんですよ。その中でも高知県には、僕らのことをすごく可愛がって下さる方がいて。
YASU:たまたま僕らのCDを聴いてくれて、かりゆし58のフロントアクトをした時も観に来て下さったんです。その方が「君たちみたいなバンドがなぜ売れないんだ? もっと県外に出て行った方がいいし、お手伝いするから!」と言って、ツアー用の機材車を用意して下さったりもして。
●そこまでサポートして下さったんですね!
TAKANO:機材車を待機させて頂いているので、それから僕らのツアーは高知から始まるようになったんです。
YASU:ライブがなくても、高知からなんですよ。東京でライブがある時も、高知に車を取りに1回寄るっていう(笑)。
●色んな意味で外せない場所(笑)。
TAKANO:僕らにとっては、高知がスタート地点というか。その方の紹介で今回の『ダイドーブレンドコーヒー』タイアップも決まったし、そこから今の事務所も決まって。
YASU:全部がその1人の方から始まった感じですね。
●タイアップが決まった経緯というのは?
TAKANO:その方がダイドーの社長さんと個人的に仲良くされていて、たまたま高知で一緒に飲んでいる席へ僕らも呼んで頂いたんです。そこで色々とお話しさせて頂いた後に「島心~しまぐくる~」を歌わせてもらったら、社長さんから「君たちをCMに使いたい!」と言って頂いて。冗談かもしれないけど、チャンスだと思ったので僕らも「お願いします!」と言ったんです。
●そこから本当にタイアップが実現したと…。
YASU:今考えれば、すごく流れがあったなと思います。その日は季節外れの大雪が降っていて、いつもなら高松空港から車で高知に向かうところを電車で行ったので到着が遅れたんですよ。でも逆にタイミングが良くて、その場へ僕らが着いた時にちょうど「次のCMでは新人を使いたい」という話になっていたらしくて。
●そういう人同士の良い流れに乗って、メジャーデビューまで決まった。
YASU:このチャンスが自分たちにとって最後になるかもしれないくらいの気持ちで、本気でやろうと思いましたね。
TAKANO:そこから今年の7月に新しい事務所へ移籍したんですけど、メジャーデビューをするにあたって心機一転、バンド名を変えようという話が出て。色々考えたんですけど、これまで"バーボンズ"という名前で10年間も活動してきたのでそのままやりたい気持ちが強かったんですよ。
●今までの名前に愛着があったんですね。
TAKANO:それをスタッフに話したら、「じゃあ、バーボンズでいいんじゃない?」と言われて。そこで「"ジャアバーボンズ"っていいですね!」となって、そのまま勢いで"JaaBourBonz"に決まりました(笑)。
YASU:ファンの間では「TAKANOがよく食べるから、炊飯ジャーから取ったらしいよ」って言われていますけどね(笑)。
●炊飯ジャーの"ジャー"が頭に付いたと(笑)。
YASU:それでもいいかなって(笑)。でも一応、その後でユタ(※沖縄の民間霊能者)にも見てもらったんですよ。
TAKANO:僕の親戚にすごく霊力が強いユタがいて、それまでに挙がった色んな名前も含めて見てもらったんです。その人にも「JaaBourBonz、いいよ!」と言われたので決まりました。
●名前も変わって、再出発みたいな気持ちもある?
YASU:メジャーデビューしてからまた仕切り直しというか、ここでフンドシを締め直して頑張っていこうというキッカケになりましたね。たとえ今作で急に売れたりしても、僕らには今までやってきたことがあるからブレないんです。新人だけどベテランみたいなところの良さは、曲やライブでも見せていけたらなと思います。
●"ブレない"というのは今回のCMでもテーマになっていますが、タイアップ曲の「誓うよ」はそこも意識して作った?
TAKANO:この曲はタイアップが決まってから、最初に"こういう感じで作ってほしい"というイメージを頂いた上で作ったんですよ。今までやったことがない作り方だったのですごく難しかったけど、新しい発見もありましたね。
YASU:CMの絵コンテも見せてもらったんですけど、どんどん変わっていって。自分たちの曲が完成してからも、また変わったりしたそうなんです。
●CMと曲の内容に一体感がありますよね。
YASU:ダイドーブレンドコーヒーはずっと変わらない味を守っているんですけど、僕らもこの先ずっと変わらずにいたいという気持ちをそこに重ねていて。自分たちへの応援歌的な内容に、商品のこともうまく取り入れた歌詞にできないかというところは意識しました。
●デビューシングルらしい、未来や夢に向かって進んでいくイメージにもなっている。
YASU:僕らは昔からライブで「紅白歌合戦に出演したい」とか、大きな夢をファンに語っていて。それはファンの人たちにも、僕らと一緒に夢を見てほしいからなんです。その頃から知っているファンは今回の歌詞やCMを見て共感してくれているし、僕らが進んでいると受け取ってくれる人が多いのも素直にうれしいですね。
●カップリングの「ありがとう絆」は、そういう人たちに向けて歌っている歌詞なのかなと思いました。
TAKANO:JaaBourBonzは6人でバンドをやっているんですけど、それ以外にも周りで支えてくれる人がすごく多くて。一緒に応援してくれている人たちや一番身近な家族に向けて、"ありがとう"という気持ちを届けたいということでこの曲を作りました。感謝の気持ちを込めて歌った曲は今までにもあったけど、実際に"ありがとう"という言葉を使っている曲はなかったんですよね。
●JaaBourBonzらしい曲ですよね。
YASU:こういう感じがやっぱり自分たちに合っているというか。
TAKANO:メジャー第1弾シングルで、一番最初に伝えたい言葉が"ありがとう"だったから。自分たちが今までお世話になった人たちにまず言わなくてはいけない言葉なので、この曲は絶対に外せなかったですね。
●最後の"何度も何度も 何度も何度でも"というフレーズにもすごく気持ちがこもっています。
TAKANO:最近のライブではそのフレーズを何度も繰り返して歌うことで、「メジャーデビューをしても自分たちは変わらないよ」というメッセージを伝えているつもりなんです。メジャーデビューが決まったことで「もう遠くに行っちゃう」と言って寂しがってくれるファンの方もいるんですけど、自分たちとしては何も変わらない。だから、この曲では「これからもよろしくね」と言っているんですよ。
●メジャーデビューしたことで、制作環境も変わったりしたんですか?
TAKANO:前のアルバム『年中無休』までは基本的に自分たち主導で全部やっていたんですけど、今回のレコーディングでは色んなプロの人たちが関わって下さったのですごく勉強になりましたね。こういうことが今後もどんどん行われていくんだと思うと、自分たちの成長も含めて楽しみになります。
YASU:今回も歌録りは沖縄のすごく小さなスタジオでやったんですけど、階段が狭すぎて(笑)。見たら、ビックリすると思いますよ。
TAKANO:僕がギリギリ通れるぐらいです(笑)。
●(笑)。全部を東京で録ったわけではないと。
YASU:アルバムは東京で録るかもしれないんですけど、今回のシングルはそういう馴染みのある環境でやれたのでリラックスできたのかな。
●もうアルバムに向けて動いている?
TAKANO:レコーディングはまだなんですけど(※取材は11月初旬)、そこに向けた準備を今やっているところですね。
YASU:リリースがなかった期間にも曲作りはずっとやっていたので、曲のストックは結構あるんですよ。新曲もライブではやっていたので、お客さんが知っている曲もあると思います。
●今回のシングル曲はどちらも既にライブでやっていますからね。
YASU:その他に、ライブでやっていない曲もあって。アルバムって普通はメインの曲というのがあるんですけど、自分たちの中では全部メインのつもりなんですよ。どれもそう思って全力で作った曲なので、アルバムはすごく良いものになるんじゃないかなと思います。
●今作のリリース前からライブもかなりの本数をやっているし、ずっと動き続けている感じがします。
YASU:何が正解かわからないんです…。
一同:(爆笑)。
TAKANO:いや、動くのは正解だから! とりあえず進むし、もう止まらないです。
●何が正解かなんて誰にもわからないから、とにかく今は進むしかないというか。
YASU:インディーズ時代がなかったら今の自分たちはないし、それがあったおかげで今この場所にいられると思っているんです。だから、その頃に関わってくれた人たちにもすごく感謝しています。
TAKANO:良い出会いもあったからね。
●メジャーデビュー後の野望としては、やはり紅白出場ですか?
TAKANO:紅白出場は自分たちがずっと言い続けてきたことですからね。でもそれがゴールではないし、そこからさらに上を目指していきたい。もっと大きな新しい夢をみんなに届けられるように、次のアルバムでも想いを伝えられたらなと思っています。
YASU:自分たちのライブではお客さんと一緒に踊ったり歌ったりする場面があるんですけど、それを今よりもっと大きな会場で大勢が一緒になってやれたら絶対に面白いと思うんですよ。そういう夢を1つずつ叶えていきたいし、自分たちが口にした夢をみんなと一緒に見られるように頑張っていきたいですね。
Interview:IMAI
Assistant:HiGUMA