heidi.とメガマソ、共に10周年イヤーの真っ最中にいる両バンドによる2マンイベントが決定した。W 10th Anniversary “Re: encounter”と題して、4/25に下北沢CLUB251で開催される。結成当初から交流があったという両者だが、2マンを行うのは2014年以来で2度目とのことだ(※2014/5/13のheidi.&メガマソ合同リリースパーティー「UNLIMITED」@渋谷CHELSEA HOTEL)。そんな貴重かつ特別なイベントの実現を記念して、ヴォーカリスト同士のスペシャル対談が実現! 特に親しい関係にあるというheidi.の義彦とメガマソのインザーギによるトークセッションから両バンドの縁に迫りつつ、本番へと向かう意気込みを訊いた。
「新しいことにも挑戦しているんですけど、それでも“heidi.の色”としてブレない部分は一貫しているバンドだなと思います。こちらの予想を超えてくるんですけど、決して裏切りはしない」(インザーギ)
「基本的に対バンの時は、俺はほとんど相手のバンドを観ないんですよね。すぐに影響を受けてしまうから。でもメガマソと対バンするとなれば、絶対に観ます。それくらい俺は好きなんです」(義彦)
●両バンド共に結成10周年ということですが、昔からよく対バンもしていたんですか?
義彦:結成当初はよく一緒にやっていた気がします。
インザーギ:その後でしばらく期間が空いた時期もあったんですけど、初期の頃は対バンでも一緒になることが多かったですね。
義彦:現場でよく顔を合わせていたので、そこで喋るようになったんですよ。
●最初に会った頃の印象は?
インザーギ:昔から彼(※義彦)はこのままですね。ちょっと甘えたがりというか、“自分は末っ子ですから!”みたいなオーラがすごく出ていて。だから歌のことについて2人で喋っている時も、わりと甘えてくるんですよ。「ここをどうしたら、こういうふうにできるんですか?」みたいなことを訊いてくるタイプで。
義彦:お兄ちゃんみたいな感じですね。やっぱり歌が上手いので、訊きたくなるんですよ。本当に歌が上手い人が近くにいたので、会う度に相談をしていた気がします。
●インザーギくんからアドバイスをもらっていたと。
インザーギ:でも彼はもう十分に上手いんですよね。ある程度、改善の余地があるならアドバイスもできるんですけど、既に完成されているから。自分で気付くだろうと思っていたから、僕から言うことはあまりなかったです。
●ヴォーカリストとして認めている存在なわけですね。
インザーギ:もちろん認めていますよ。自分とはタイプも違うし、自分に出せない声質だったり、僕にない良いところもたくさん持っているから。
義彦:ザーギさん(※インザーギ)は声の伸びとかも全部すごくて。メガマソの曲をカラオケで歌った時に気付いたんですけど、すごく難しい歌を息つぎなしで歌っていたりするんですよ。それがすごいなと思って以来、ずっと尊敬しています。
●お2人以外のメンバーとも交流はあるんですか?
義彦:俺は基本的にザーギさんとしか、あまり話していないですね。
インザーギ:僕はheidi.のみなさんと話しますけどね。義彦はすごく人見知りなんですよ。
義彦:他のメンバーに話しかけるにしても、話のネタがないんです。
●会話のキッカケが思い浮かばない?
インザーギ:僕はヴォーカルなので「今日の歌い方がすごく良かったよ」とか第一声が浮かぶけど、それを他のパートの人が言うとまたちょっと違いますからね。そこの第一突破口を開いてあげないと、彼は全然喋ってくれないんです。
義彦:そうなんです。俺は人見知りが結構すごいんですよ。
●そう考えたらインザーギくんとはフレンドリーに話せるというのは、特別なことなんですね。
義彦:そうですね。だから、今日も対談するのが楽しみでした。
●heidi.とメガマソというお互いのバンドについてのイメージは、どういう感じでしょうか?
インザーギ:heidi.は“古き良き”を貫いているイメージがあって。もちろん新しいことにも挑戦しているんですけど、それでも“heidi.の色”としてブレない部分は一貫しているバンドだなと思います。こちらの予想を超えてくるんですけど、決して裏切りはしないという印象ですね。
義彦:heidi.は“4人で1つ”みたいなところがあって。もちろん自分が引っ張るつもりではやっていますけど、結果としてメンバー4人で1つのバンドになっていると思うんですよ。でもやっぱり俺としては、ヴォーカルが一番目立ってメンバーとお客さんを引っ張っていく形が理想なんです。メガマソのライブを観ていると一番にザーギさんに目が行くし、歌も会場全体に響き渡る感じで、俺の理想としている“引っ張れるヴォーカリスト”なんですよね。だから、ザーギさんに話を訊くことが多いというのはあります。
●義彦くんが理想とするヴォーカリストの形を、インザーギくんが体現している。
義彦:俺から見て、ザーギさんはそういう感じですね。見ていても全く不安を感じさせないし、堂々とやっている感じがして。自分はまだメンバーに助けられたりするところもあるし、だから4人で1つになって“heidi.”なんだなって思うんです。
インザーギ:逆にそこが僕らにはないところなんです。メガマソは3人というのもあって、ドラム・ベース・ギターにヴォーカルを加えてガッチリ1つのバンドっていう感じでもないんですよ。だから羨ましいなと思う部分はたくさんあるし、メンバー4人で1つっていうのは理想だと思うんですけどね。heidi.はそこがちゃんとしているバンドだと思います。
●メガマソにはドラムはいませんが、3人の一体感はありますよね?
インザーギ:もちろんあります。でもそこにドラムがいるかいないかで違うんですよ。僕らはそれを強みに変えているところもあるんですけど、“バンド”となるとheidi.のような強みはわかりやすいし、やればやるだけ良くなりますからね。そういうところは羨ましいです。その形だとメンバーが1人変わるだけでも同じサウンドは出せないし、それをずっとできているというのはすごいなと思いますね。
義彦:メンバーチェンジもなく、ずっと来ているから。昔はメンバーのことがちょっと苦手な時期もあったんですよ。でも今はそれを通り越して、みんな大好きですね。
●長い歴史の中では、仲が悪くなることもあるのでは…?
インザーギ:僕は1回もないですよ。みんな大好き(笑)。サポートメンバーも含めて、愛していますから。
義彦:別に“嫌い”という感じではないんですよ。音楽的には好きなんですけどね。…そういう時期もあるんですって!
インザーギ:僕は1回もなかったよ。
義彦:じゃあ、すいません! 俺もなかったです(笑)!
一同:ハハハハハ(笑)。
●まあ、今は仲が良いわけですからね。
義彦:本当に今は良い形です。メンバー同士がすごく仲良いですし、そこも強みだと思っていて。この4人での安心感があるから、今でも濃いお客さんがライブに来てくれているんだと思います。メガマソも仲は良いんですよね?
インザーギ:そうだね。ケンカをすることはあっても音楽に対してであって、ちゃんと身になる話し合いだから。
●heidi.も音楽的な部分でぶつかり合うことがある?
義彦:あんまりないですね。メンバーそれぞれの性格を知っているので、“ここまで言えば怒る”みたいなところは把握していて。そのあたりにすごく気は遣っているので、heidi.で殴り合いになったことは1度もないです(笑)。
インザーギ:言い合いになったりもしない?
義彦:曲はナオ(G.)がメインで作っているんですけど、桐(Dr.)やコースケ(Ba.)がたまに曲を作ってくる時もあって。その曲をナオがアレンジしたものに対して、作曲者が「ここだけは変えたくないんだ」とか言うくらいですよ。
●ちなみに、義彦くんがメンバーを苦手だった時期の原因は何だったんですか?
義彦:そこを掘り返さないで下さいよ(笑)。自分は年下だったので、最初の2〜3年はメンバーにも敬語だったんです。みんな優しいので「タメ口で喋ってもいいよ」とか「もっと自由に歌っていいよ」とか言ってくれるんですけど、当時の自分にはどうすればいいのかわからなくて。ましてや俺はこんな性格だし、“そんな自由にって言われても…”と思っていた時期が3年くらいありました。
インザーギ:Gou(Ba.)とは全く逆だね。Gouは最初から僕に敬語を使ったことなんて、1回もないんですよ(笑)。
義彦:俺は誰に対しても、上から言えないんですよ。それが俺の一番の悩みです。
インザーギ:それは性格だよ。優しいんじゃない?
●年齢のこともあって、気を遣っていたんでしょうね。この2人の間では、義彦くんも全く気兼ねなく話せている?
義彦:歳の差もほとんどないですからね。2人でお酒を飲みに行ったとしても、普通に話せます。
インザーギ:もし音楽の話がなかったとしても、全然話せるんですよ。
●2人で飲みに行ったこともあるんでしょうか?
インザーギ:ありますよ。最近も何度か誘ったんですけど、義彦に断られましたね。
義彦:違う違う! ザーギさんが急なんですよ。急に「今、何やってんの?」っていう連絡が来るから…。
インザーギ:今を生きたいんですよ(笑)。
一同:ハハハ(笑)。
●過去には飲みに行ったこともあると。
義彦:俺は飲んでもはしゃぐタイプじゃないし、自分自身も周りにワイワイされちゃうと苦手なタイプだから、ザーギさんとは普通に飲めるんですかね。
インザーギ:変な話、別に無言でも良いんですよ。そういう人って一緒にいても、苦じゃないから。まあ最近は全然、一緒に飲んでくれないんですけど…。
義彦:今度の2マンの後で、打ち上げしましょうね(笑)!
●やりましょう(笑)。ちなみに両バンドの2マンは、2014年が初めてだったみたいですね。結成当初から知り合いだったわりには実現するまでに7年もかかったということで、特別な感情もあったんでしょうか?
義彦:特別感はなかったです。
インザーギ:“特別な相手”ということよりも“友だち”という感覚のほうが強いので、「えっ? 初めてだっけ?」っていう感じでした。
義彦:「やっていなかったっけ?」みたいな(笑)。ライブ前も「行ってきます!」みたいな感じでやれるので、本当にリラックスできましたね。変な緊張感もなく、楽しめたと思います。
●お互いに対して、“ライバル”のような感覚もあったりするのでは?
インザーギ:僕らはヴィジュアル系の中でも、いる場所が違うというか。ヴォーカリストとして“こういう歌い方をするんだ!”とかアプローチの仕方を見ることはありますけど、“VS”っていう感じはないですね。本当に“刺激を受ける相手”っていう感じです。
義彦:俺も全く同じ考え方です。だから、メガマソのライブがあると観たいんですよ。基本的に対バンの時は、俺はほとんど相手のバンドを観ないんですよね。すぐに影響を受けてしまうから。でもメガマソと対バンするとなれば、絶対に観ます。それくらい俺は好きなんです。
●対バンでメガマソのライブを観ても、影響されない?
義彦:そうですね。ザーギさんとは声の伸び方も違うし、低音の質も違うので、真似できないから。声質がそもそも違う時点で俺には真似できないし、だから観ていても気持ちが良いんですよ。
インザーギ:僕は普段から対バンも観ますね。heidi.のライブはしばらく観ていないので、久しぶりに観たらどんなふうに変わっているのかワクワクしています。
●heidi.とメガマソが対バンするのはいつ以来?
義彦:1年くらい前に(※実際は2015年10月)、新宿BLAZEのイベントで対バンして以来ですね。その時に俺が「1年頑張って、もっと上手くなります!」と言って、ザーギさんが「じゃあ、1年後を楽しみにしているよ」と言ったのを覚えていますか?
インザーギ:僕がそんなこと言ったの? そんな青春漫画的な感じだった!?
一同:ハハハ(笑)。
●そういう熱いやりとりがあったと(笑)。
義彦:だから、自分でも楽しみなんです。
インザーギ:「上手くなってきます」と言ったということは、楽しみにしていたら良いんだよね? これは相当上手くなっているんだろうな…。
義彦:ハードルを上げるのはやめて下さいよ(笑)。でもそういう会話もしたので、本当に楽しみです。
●では最後に2マンに向けての意気込みをお願いします!
義彦:お互いに10周年という節目に2マンができるのは、大きなことだと思います。俺が新宿BLAZEでザーギさんに言った言葉からも1年以上経つので、自分の成長を見てもらいたいですね。2バンドでお祭りというか、楽しいイベントにできるのが一番だと思っていて。みんなもぜひ楽しみにして頂けたらなと思います。
インザーギ:どちらも10周年を迎えた2バンドが、どういう10年を送ってきたかがわかるライブになると思うんです。お互いに色や曲も違うし、それぞれに楽しみ方のあるバンド同士の2マンだと思うので、単純に楽しんでもらいたいなという気持ちが強くて。そこで楽しませるために僕らは全力でやるので、この10周年の2マンを観て欲しいと心から願っています。
Interview:IMAI
Assistant:Fukushima Tetsuya
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