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heidi.

演奏する側の意志がブレなければ、心に伝わるものは変わらない

2012/11/07@代官山 UNIT
heidi. LIVE TOUR 2012-2013 “+α”
SPECIAL LIVE REPORT

SEに合わせてストロボが目を眩ませる。メンバーが登場し、早速鳴らされたのは「衝動」だ。強気に迫り来る音と伸びやかなVo.義彦の歌声に、すぐさま心を鷲掴みにされる。そのまま「月光ショータイム」と続き、拳やボディバンキング等のアクションが自然と起き、一体感を作り上げていく。

最新アルバム『アルファ』の楽曲を中心に、heidi.らしい哀愁ロックの定番ナンバーを織り交ぜつつのステージ。179号のインタビューでは今作についてG.ナオがかなりぶっちゃけた話まで聞かせてくれていたが、正直なところ、私も今作を聴いた時点で少々戸惑っていた。それはファンの多くも同じだったと思う。これまでのheidi.とは違った動きをするフレーズや、新たな試みが盛り込まれたサウンド。これらを演奏するとなると、ライブにも何らかの変化が起きるのは当然のことで、メンバーへの信頼感だけでは拭えない少しの不安が漠然と渦巻いていた。しかし、そんな馬鹿げた気持ちを簡単に消し去るような堂々としたステージが目の前で繰り広げられている。空気の流れに変化があれど、演奏する側の意志さえブレなければ、心に伝わってくるものも変わりはしないのだ。

定番の「泡沫」や「センチメンタル」では安定感のあるアガり方を見せる。Ba.コースケのいつにも増して伸び伸びとしたステージングには、思わず笑みが溢れる。動きまわるそれと同様にパワフルで躍動感溢れるサウンドに体を支配され、勝手にリズムに乗ってしまう自分がいた。そして驚くは「おまえさん」のとんでもない爆発力。Dr.桐の切れ味抜群のドラムとG.ナオの男らしいギターが鳴るや否や、会場は沸点を超えた。リリース、ライブでの披露から随分経つこの曲だが、まだまだ伸びしろを予感させる。さらに「彼方」は胸を熱くさせる美メロと義彦が紡ぎ出す言霊に圧倒され、体が硬直してしまった。

『アルファ』の楽曲達を始め、heidi.のさらなる成長が楽しみになったこの日。“+α”ツアーへ旅立った4人が、ファイナルである2/16の渋谷AX公演でどんなステージを繰り広げるのか、あなたにも目撃しに来てほしい。

TEXT:Hirase.M

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