“みんなの遊び場”をコンセプトに活動する9人組アイドル・グループ、GANG PARADE(略称:ギャンパレ)がニューシングル『CAN’T STOP』をリリースする。カミヤサキがトレードから復帰し、月ノウサギとハルナ・バッ・チーンも加わった新体制で4/17のZepp DiverCity公演(“GANG 2”)から始動した彼女たち。5月のシングル『GANG 2』リリースに続けて、6月にはユイ・ガ・ドクソンのソロデビュー、7月からは“REBUILD TOUR”の実施、8月には“TOKYO IDOL FESTIVAL 2018”への出演と、常に精力的な活動を続けている。“再構築“を掲げた“REBUILD TOUR”で9人組グループとしての在り方を確立しつつある中で放たれる今回のニューシングルは、ギャンパレが今後進んでいく道のりを示しているかのようだ。9/20にはツアーファイナルのZepp Tokyoも控え、ますます勢いが止まらない9人の想いに迫る表紙&10,000字超ロングインタビュー!
「1公演1公演進んでいくごとに9人のグループとしての感覚を掴めてきている感じがして、“すごく良いツアーだね”という話をメンバーともしているんですよね」
●現在(※取材は8月下旬)ちょうど新体制になってから初の“REBUILD TOUR”の真っ最中ですが、新メンバーのお2人はもう慣れてきましたか?
ハルナ:はい、徐々に慣れてきました。緊張はまだするんですけど、“良い緊張”をしています。
●お披露目ライブの時のように、ライブ中に緊張しすぎて記憶が飛んだりもしていない…?
ハルナ:そうですね。ステージ上で、変なところにはあまり行かないようになりました(笑)。
ココ:ハルナだけ全然違うところにいる、というのはなくなりましたね。
●ちゃんとパフォーマンスできていると(笑)。月ノさんも慣れてきました?
月ノ:GANG PARADEが自分の中で、良い意味で“日常”にはなってきました。最初の頃は練習中にもふと“ギャンパレだ…!”っていうファンみたいな心理になる瞬間があって、まだ“非日常”だったんです。最近はそういうこともなくなってきたんですけど、逆に初心を忘れそうになっているんじゃないかと思って怖くなる時もあって。良い意味で“日常”になってきたし、“初心を忘れずに頑張ろう”と引き締まるところもありますね。
●加入してから数ヶ月でもうそんな心境になっているのは、短くても濃い時間を過ごしてきたからなんでしょうね。
月ノ:4/17のZepp DiverCity(“GANG 2”)でのお披露目までの自分への追い込み方って、今思うと凄まじかったなって…。私は“お披露目でちゃんと決められないと、この先の人生はない”というくらいに考えていたんです。今後もその時の気持ちを忘れないようにしたいですね。
●他のメンバーは、今の新メンバー2人をどう見ていますか?
ユア:お披露目に向けての練習の時点ではさすがに“新メンバー”と思って接していたけれど、今はもう日常生活の中でそう感じない瞬間も増えましたね。私たちも2人の取り組む姿勢から学べることがいっぱいあるなと気付いたりもして。
●2人の姿勢を見て、自分自身も初心を思い出すことがある?
ユア:ありますね。自分にはこれまでの3年間で色々やらせてもらってきた経験があるけれど、2人にとっては色んなことが初めてで。“初めてだから緊張する”みたいな話を聞くと、“私も初めての時はこういう気持ちだったな”と思い出したりします。それによって“自分もあの頃の気持ちを忘れちゃいけないし、そこから頑張って続けてきたことを無駄にしないように、今できることをもっとやらないとな”と思ったりもしますね。
●2人の存在が刺激にもなっていると。
ミキ:そうですね。お披露目の時から見ている人はわかると思うんですけど、特にハルナはその時と今とでは変わっていて。それこそお披露目の時は“表情を作る”という以前の問題で、ダンスもギリギリできているかできていないかというレベルだったんですよ。でも今では誰よりも大きく踊ろうと頑張っていたり、すごい笑顔で踊っていたりして、目に見えて成長がわかるから。ハルナの良さはそういうところだと思うし、そこを今はどんどん出せているのはすごく良いことだなと思います。
●なるほど。
ミキ:逆に月ノはお披露目の段階である程度まで完成したものを出せていたから、“ここからどういう成長を見せていけるんだろう?”と思っていたんです。でもそういう心配が必要なかったと思えるくらい、彼女もまたお披露目の時とは全然違う表情やダンス、歌の表現をできていて。2人からは“この短期間でここまで成長できるんだ!”というものを見せてもらえていて、それが私たちの成長にもつながっているのですごく楽しいですね。
●2人の成長がグループ全体の進化にもつながっていく。
ミキ:2人がこの短期間で成長を遂げてくれているからこそ、私たちは自分自身のことを考えられるようになったし、グループ全体として“この9人でどうするか”ということも考えられるようになったんだと思います。
サキ:すごく“9人”になってきたかなとは思いますね。自分たちも最初は9人でのお披露目ライブのことやそこからどうやって勢いを落とさずに進んでいくかということで頭がいっぱいで、切羽詰まっていたところがあったんですよ。2人が良い意味で慣れてきたというのもあるんですけど、そこから今は良い余裕がちょっと生まれて。より9人で考えるようになったからこそ、今はこういう空気感になってきたのかなと思います。
●“こういう空気感”というのは?
サキ:すごくグループらしくなったなと思うんですよ。最初はどうしても(元からいたメンバーと新メンバーで)“7対2”になってしまうところがあったというか。悪気があったわけではないんですけど自然とそうなっていたものが、最近はそういう感じではなくなったなと。
●自然と新旧のメンバーが溶け合えているというか。
サキ:はい。月ノもツッコミを入れてきたり、急に大きな声で“ワァっ!!”と叫んで、みんなに“声デケェよ!”と言われたりしていて(笑)。そういう感じも良いなと思うし、ナチュラルになってきた気がしています。
ドクソン:最初は2人とも緊張していたし、ただただ“良い子”だったんです。でも私は、そんな“良い子”なだけの人なんているはずがないと思っていて。最近は2人とも素(す)の部分を見せてくれているので、どんな子なのかも見えてきて面白いですね。
●最初は“良い子”という印象が強かった?
ドクソン:そうですね。今も“良い子”ですけど、人間味が出てきて。ハルナは反抗期だし…。
ハルナ:それはちょっと違って…。反抗期というよりは“それがしたい”、“それは嫌だ”ということを言えるようになったんです。
ユア:それだけ心を許せるようになったということだよね?
ハルナ:はい。そういうことです。
ココ:おお、嬉しい!
●自我が生まれたわけですね。
ハルナ:そうです! 自我が生まれました。
ユウカ:最初はずっと、“はい。はい”としか言わなかったから。
●自分の想いをちゃんと口にできるようになった。
ハルナ:確かに最初は、“はい”としか言えなくて。その時はまだ何も考えていなかったんだと思います。でも今はちゃんと自分で考えられるようになってきました。
●ところで先ほど話に出た、月ノさんのツッコミというのは…?
ユウカ:月ノは一見ツンとしていてクールビューティーなのかなと思っていたら、意外とそうでもなくて。こっちがビクッとなるくらい、突然デカい声でツッコんだりするのがめっちゃ面白いんです(笑)。
月ノ:話の流れの中で、無意識にパッと声が大きくなっちゃうんです…。昔から友だちにツッコむ時にも、声が大きくなっちゃうことはあって。それが直っていないんだなと気付かされました。
ドクソン:ツッコミの時、めちゃくちゃ腹式呼吸を使っている感じがする(笑)。
サキ:元々の声質もあると思うんですけど、本当にすごいんです。
ユア:特にイジられたことに対して、それを否定する時に声がデカくなりますね。“違うっ!!”みたいな(笑)。
ミキ:しかも語尾だけ、めっちゃデカくなるんですよ(笑)。
●月ノさんは“イジられキャラ”的な面もあったりする?
ユウカ:結構イジられていますね。こっちからすると“ド下ネタ”みたいなことを、彼女は天然で言っちゃうんですよ。言葉のアヤで下ネタみたいに聞こえてしまうことってあるじゃないですか。それに本人は全く気付かないんですけど、こっちはもうニヤニヤしているっていう(笑)。
月ノ:“えっ、何? なんで笑ってるの?”みたいなことはありますね。
●本人はあくまでも無意識だと。
ユウカ:無意識ですね。それでこっちが指摘して気付いた時に、ちょっと照れるんです。
ドクソン:でも月ノが一番、変態なんですよ。
月ノ:違う〜!!
サキ:今ちょっと出ましたね(笑)。
●生ツッコミが(笑)。
ドクソン:たとえば誰かのパンツがバッて見えちゃうことがあっても他のみんなはスルーするんですけど、月ノはガン見してくるんですよ。
月ノ:そんなの誰だって見るよ!
ユウカ:みんなが着替えで下着姿になっている時も、月ノはめっちゃ見てくるんです。
月ノ:そんなことないっ!
ココ:練習の時に私がスカートのまま、寝転がっていたことがあって。自分では気にしていないので、向こう側からはパンツが見えている状態になっていたんですよ。誰もそれについて何も言わないんですけど、月ノだけはチラチラ見ているのに私も気付きながら何も言わず、“あ〜見とる見とる(笑)”と思っていました。
月ノ:もうヤだ〜!! 私が変なキャラクターみたいになっちゃうから、この話はもうやめましょう!
ミキ:だんだん声が大きくなってきた(笑)。
一同:ハハハハハ(笑)。
●そういう意外な一面も、最近になって見えてきたわけですね。
マイカ:良いキャラですよね。“もっと出していけば良いのに”と思っています。
ドクソン:そういう人間味の部分を見せるのが、月ノは元々あまり好きじゃないのかなと思っていて。どちらかと言うと、完成されたものやきれいなものが好きなのかなと思っていたんです。でも最近はそういう人間味の部分を本人も受け入れてきている感じがして、面白いですね。
サキ:月ノの場合は、そういう良い“崩し”が成長につながっている気がして。それが今回のツアーでのコントや、日常生活でのツッコミにも出ているなって思います。
●今回の“REBUILD TOUR”では、タイトルどおり自分たちを“再構築”できている実感もあるんでしょうか?
ココ:思ったより、できている感じがします。私はこのツアー中に、9人での“在り方”みたいなものが見つかれば良いなと思っていたんです。だから始まるまでは、そんなに焦っていなくて。でも1公演1公演進んでいくごとに9人のグループとしての感覚を掴めてきている感じがして、“すごく良いツアーだね”という話をメンバーともしているんですよね。
サキ:これまでも色々なツアーをまわらせて頂いた経験はあるけれど、今回の“REBUILD TOUR”が一番ツアーらしいツアーをまわれている実感がすごくあって。
●というのは?
サキ:今回のツアーでは1公演終わる度に色々とみんなで話し合う機会を設けているので、自然とみんながお互いに不安だったところや気になったところを共有した上で、次回はより良くしていくというスタイルができていて。そこでお互いへの信頼も生まれるので、安心してライブに臨めているというところが今の9人でのグループ感につながっている気がしているんです。“それをこのまま1公演ずつ積み重ねていけば、必ず良いファイナルが迎えられるんじゃないかな”と思えるようなツアーをまわれていますね。
●1公演ごとにみんなで話し合うようになったのは、今回のツアーから?
ココ:話し合い自体は、前から結構していましたね。
ユウカ:アヤ(・エイトプリンス/BiS)がいた頃から、ツアー中の話し合いをよくするようになって。でもライブが終わった後の話し合いで出た反省点を、次に活かすということは今回のツアーが一番できている気がします。
ドクソン:今までで一番、実のある話し合いができていると思います。
●ちなみにドクソンさんは6月にソロデビューを果たしたわけですが、その経験もグループにフィードバックできている?
ドクソン:最初は1人だけのステージにめちゃくちゃ不安があって。ギャンパレではメンバーが9人いる中で、みんなに頼っている部分があったことに気付きましたね。あと、リリースイベントでは(デビュー曲の)1曲しかないので、ただ単にやってもすぐ飽きられちゃうだろうなと思っていて。そこで“どうしよう?”と考えた結果、“思い付いたことをとりあえずやってみる”というのを実行してみたんですよ。
●ほう。
ドクソン:もちろんそれがダダスベりする日もあったんですけど、たまに成功することもあって。お客さんがすごく喜んでくれているのを見た時に、“やってみる”ことの大事さに気付いたんです。だから、ギャンパレでもそういうことをみんなと一緒にできたら良いなと思っています。
●他のメンバーはドクソンさんのソロ活動を見ていて、どう思いましたか?
ココ:ウチらもリリースイベントにはほぼ全箇所に出させて頂いたんですけど、ドク(※ドクソン)は“今日はどうしよう? 次はどうしよう?”ということをずっと考えていて。“毎日すごく考えているな”とは感じていました。
サキ:その1つの最終形態が先日(8/4)の“TIF(TOKYO IDOL FESTIVAL 2018)”のステージで、ドクが1人で約2,000人ものお客さんを前にしてマジックをやった時に見えたと思うんです。小さな花をポンと出した瞬間にZepp TokyoのWACKステージが一番の盛り上がりを見せたというのは、ソロで1週間くらいリリースイベントを続けてきた賜物(たまもの)だなって思いました。
●積み重ねてきたものがそこで形になった。
ココ:今思い出してもちょっと涙が出そうになるくらい、お客さんを巻き込んでいたし、その場にいる全員が笑っていたんです。あんな空間は他にないと思います。すごく感動したし、私は伝説だと思いますね。
ドクソン:それも9人いたからこそというか。ライブの前からずっと協力してくれていたので、みんなに助けられたところも大きかったですね。
「ライブでこの曲を歌ったり踊ったりしている時も、私たちはきっとお客さんのことを考えると思うんですよ」
●さて様々な経験をしてきた中で今回のニューシングル『CAN’T STOP』リリースを迎えるわけですが、“止められない”というタイトルからはもっとアッパーな曲調を予想していたのでちょっと驚きました。
サキ:そうですよね。前作の『GANG 2』はちょっと重めのエモーショナルな楽曲だったのもあって、今回はよりギャンパレらしい疾走感のある曲が来るんじゃないかなと私も思っていたんです。だから最初は意外だったんですけど、色々と考えてみたら腑に落ちるというか。“確かに今のタイミングだったら、こういう感じかもしれない”って思う部分もあって。
●腑に落ちるというのは、どういうところが?
サキ:今回のツアー前に、渡辺(淳之介/WACK代表)さんから“お客さんのことをもっと考えてみて”というアドバイスを頂いていたんですよ。そこで“自分たちだけじゃなく、周りの人にも目を向けてみよう”ということがグループとして1つのテーマになっていた時に「CAN’T STOP」を頂いて。そういうテーマに寄り添うところもある楽曲だし、次に自分たちが向かうフェーズに連れて行ってくれるような楽曲なのかなとも思いましたね。
●渡辺さんからのアドバイスもあったんですね。
ココ:“ステージ上だけで完結して、自己満足になるようなライブは良くないよ”みたいな話をして頂いて。“自分たちの見せ方を研究することはもちろん大事だけど、そればかりを考えてお客さんを置いてけぼりにしちゃうのは良くない。遊び場っていうのは自分たちとお客さんを含めての空間だということを再認識しようね”という話をツアー前にしてもらったんです。そういうこともあったので、最近はお客さんのことを今まで以上に意識して活動しているなと思います。
●それを“REBUILD TOUR”の中で実践できている?
ココ:1公演ごとに、できるようになってきていると思います。
ユウカ:この曲を頂いたことによって、より意識するようになったというか。まだライブでは披露していないんですけど(※インタビュー当時)、頭のどこかに「CAN’T STOP」の歌詞がずっとあった上でツアーをしている感じなんですよ。だから最初に曲を頂いた時よりも、理解が深まっているなと思っていて。
●ツアー中にも、この曲への理解が深まっていると。
ユウカ:たとえば振り付けを考えながら聴いている時に“こういう意味だったんだ”ということに気付いて、さらに理解が深まることもあったんです。お客さんもそうだし、スタッフさんやメンバーもそうだけど、“当たり前のことを当たり前だと思ってしまわないようにしないといけないな”って考えさせられる曲ですね。
●金子みすゞさんの詩でも有名な“みんな違ってみんないい”というフレーズがすごく耳に残ったんですが、ギャンパレはまさにそういうグループなのかなと。
ユア:自分たちにも当てはまるし、お客さんにも当てはまると思うんですよ。すごく素敵な言葉だなと思います。
ココ:ウチらは色んな人間が集まっているからこそ、お互いを思いやらないと絶対に歪みが生まれてしまうと思うんですよ。ギャンパレに加入した時期も出身地もバラバラの9人だからこそ補い合えている感じは、この曲でも出せているんじゃないかなと思います。
●メンバーそれぞれの気持ちを重ねられる部分もある?
ミキ:今までの曲って基本的に自分たちを鼓舞したり、“みんなで一緒に頑張ろうね”と歌っていたり、言ってしまえば内側に向けて歌ったものが多かったと思うんです。でも今回こういった外側に向けた歌詞を渡辺さんが書いて下さったのは、私たちに対して“次のステップに進めよ“という気持ちを込めているのかなと思っていて。
●毎回、新しいシングル曲を渡される度に、渡辺さんから次への課題を与えられているような部分もあるのかなと思います。
ミキ:そうだと思います。ツアー前に渡辺さんが“もっとお客さんのことを考えてライブしないとダメだよ”というアドバイスをくれたのも、その一環なのかなと思っていて。だからライブでこの曲を歌ったり踊ったりしている時も、私たちはきっとお客さんのことを考えると思うんですよ。そういう気持ちが9人全員に芽生えることで、きっと素敵な楽曲になるんだろうなと思っています。
●そして“行き先はそう あんなにも遠くにあるんだね?”と歌っているように、次のステップに進んでもまだそこで終わりではないというか。
ユア:たとえば数年前に比べてライブ会場の規模が大きくなったりだとか、そういう目に見えてわかる変化に対して(渡辺さんに)感謝の気持ちを伝える度に“まだまだ満足すんなよ”と今まで何十回も言われてきて。もちろん自分の中でも全然満足していないし、もっと上に行きたいと思っているので“まだまだ頑張ります!”という気持ちにはなっていたんです。渡辺さんもきっとギャンパレに対してそういうふうに思ってくれているんだろうなということが、この曲の歌詞には如実に表れていると思うんですよ。“現状に満足することなく進んでいけよ”ってもう一度、念を押されているのかなって思います。
●“歩いてきた 一人じゃないみんな 両サイドには 誇らしい顔”という歌詞は、今のメンバー同士の関係性を表している気がします。
サキ:私は1年間トレードで外に出ていたので、戻ってきたばかりの3月〜5月くらいは自分のことだけで必死だったんです。だから、なかなかグループ全体のことまでは見えていなかったところが正直あって。でも周りのスタッフの人たちがずっと支えて下さっていたからこそ、自分もまた“GANG PARADEのカミヤサキ”として復活できたし、また1つの壁を乗り越えることができたなと思うんですよ。そういう意味でも、みんながいることのありがたみを感じていますね。
●メンバーや周りで支えてくれる人たちへの感謝の気持ちも大きい。
サキ:ツアー中の話し合いに関しても、みんなと話すことで救われているところが私はすごくあるんです。“やっぱりグループなんだな”と実感できる瞬間なので誇らしいし、“良いグループになってきたな”と感じていますね。
ココ:サキちゃんにそう思ってもらえていることも嬉しいし、お互いを頼り合えているのはグループとして理想的なんじゃないかなと思います。グループが第一で、その中の自分というか。GANG PARADEがあってこその自分だから。それは入った時からすごく大事にしていることなので、こういう曲を今歌えるのは私もすごく嬉しいです。
●カップリングのM-2「RATESHOW」の歌詞はユアさんと松隈ケンタさんの共作ですが、どういうイメージで書いたんでしょうか?
ユア:最初に松隈さんから頂いた仮歌を聴いた時に、これはGANG PARADEのことを歌っているものだと感じたんです。“遊び場”とかわかりやすい言葉も入れて下さっていたので、それを元にしたいなと思っていて。あと、初めて曲を聴いた時に“夜”の怪しいイメージがあったので、そこにギャンパレの“遊び場”という感じも入れ込んで書いていきました。
●松隈さんの仮歌を元にして書いていったと。
ユア:はい。だから、仮歌にあったワードがちょこちょこ残っています。松隈さんの想いが曲だけじゃなくて歌詞のフレーズにも入っている気がしたから、そういうものは残しつつ自分なりに変えてみました。
●英語のラップ部分は誰が考えたんですか?
ユア:ここは私です。でも“Ladies and gentlemen”というフレーズだけは元々あって、その雰囲気が良いなと思ったんですよ。“遊び場”というところから夜の街をイメージしているんですけど、ギャンパレのライブのことも取り入れていて。“ギャンパレは一歩一歩、着実に進んでいるよね”と周りのスタッフさんからもよく言われるので、“焦らずにやっていこう”という意味の言葉を最初の部分に入れました。その後の部分は、遊び人(=ファン)のみんなに向けて書いた感じですね。
●この曲では色んな歌い方が混ざっているのも面白いなと感じました。
ユア:松隈さんから“メロディを気にせず歌ってみて”と言われていたので、すごく自由に歌わせてもらいましたね。他のメンバーも同じように言われていたんですけど、月ノだけは…。
月ノ:私だけ松隈さんに指定されて、(前作『GANG 2』カップリング曲の)「来了」の歌い方をしてみて欲しいと言われたんです。“あの中国語っぽい独特な歌い方をしてみてよ”と言われたので思い切って歌ってみたら、それを使って頂いて。
ココ:「来了」での月ノの節回しが、松隈さんは気に入ったらしいです(笑)。
●確かにこの曲を聴いた時に、ちょっと「来了」っぽいなと思いました。
ココ:だとしたら、成功ですね!
月ノ:それはめっちゃ嬉しいです。
●ドクソンさんは、どんなイメージで歌ったんですか?
ドクソン:今回は色んな登場人物を自分の中で作って、歌ってみました。ミュージカル調というか、登場人物がたくさん出てくるような華やかなイメージが最初からあったんです。私も色んなことをやれるし、松隈さんからも色んなキャラクターを提案して頂いたりしたので、レコーディングは楽しかったですね。
●他のメンバーも個々に何らかのキャラクターをイメージして歌っている?
マイカ:私はディズニー映画に出てきそうな悪役の女をイメージして歌いました。悪女っぽい感じですね。
ハルナ:私はヨーロッパにあるような煉瓦のお屋敷に住んでいるんだけど、夜中になると柵を乗り越えて外へ遊びに出かけちゃうようなキャラクターをイメージして歌いました。“昼間は良い子にしているけど、夜になると家を抜け出して冒険しちゃうぞ”というちょっとヤンチャな子のイメージですね。
●深夜にちょっといけないことをしているようなイメージもあると。
ココ:そうですね。“深夜にいけないことをする”というところで含みを持たせて、妖しげな感じを出しているところもあります。
ドクソン:“白夜の妖しい光”という歌詞もありますからね。
●“夜”の意味も含む“LATE SHOW”ではなく、あえて造語の「RATESHOW」というタイトルにしたのは何か意味を込めているんでしょうか?
ユア:深夜(=LATE)という意味も込めつつ、あえて“RATE”にしていて。価値(=RATE)って、その時の状況によって変化するものじゃないですか。だからお客さんにとっても、私たち自身にとっても、ライブの価値って日々変わるものだなという想いを込めています。あと、“私たちのライブはお客さんや大人の人たちに色んなものと比べられて計られている”という意味も込めて、このタイトルにしました。
●歌詞中にある“ルールなんて常識をぶち壊して”という言葉もギャンパレらしいかなと思いました。
ユア:「CAN’T STOP」もそういうところがあるんですけど、私は「RATESHOW」のサビの部分に今の日本の嫌なところを詰め込んだんですよ。実は今回の2曲には、リンクしている部分が結構あるなと思っていて。“ルールなんて常識をぶち壊して”という言葉も自分たちにも言えることだし、世の中に対しても言えることなのかなって思います。
●そういう歌詞だから、同じ時代を生きている人たちも共感できるものになっているのかなと。
ユア:そうなっていると良いなと思います。あと、この曲では“ギャンパレのライブは楽しいよ”ということも伝えたかったんです。たとえば“招待状はいらない”という部分には、“気軽に私たちのライブへ足を運んで欲しい”という想いを込めていて。聴いてくれる人にはぜひ歌詞も読んでもらって、自分なりに解釈して考えたり感じたりしてもらえたら一番嬉しいです。
●“ライブへ足を運んで欲しい”という意味では、特に今回のツアーファイナルにあたる9/20のZepp Tokyo公演に来て欲しい想いが強いのでは?
ココ:本当に来て欲しいんです! もう毎日、どうやったらZepp Tokyoに足を運んでもらえるかということばかりを考えています。
●今回のツアーはここまで全てSOLD OUTできているので、ファイナルもそうしたいですよね。
ココ:絶対にそうしたいです。前回のZepp DiverCity公演の時は、そういうことをあまり考えられていなくて。アヤちゃんとサキちゃんのトレードが終了して、新メンバー2人が入って…というZepp DiverCityまでの流れが速すぎて、そういうところにまで目が行っていなかったんです。でも今回はツアーを経た今の9人を色んな人に見て欲しいし、ここまで来たら全公演SOLD OUTという形にしたい。Zepp TokyoをSOLD OUTさせないことには、次のステージには進めないなと思っているから。ここをやり切った上で、ちゃんと次のステージまで“CAN’T STOP”していきたいですね。
●最後のシメ的なセリフですごく良いと思います(笑)。とはいえ、マイカさんが今日はあまり喋っていない気がするので、最後にファイナルに向けての意気込みを頂いても良いですか?
マイカ:今回のツアーをまわっている中で徐々に9人の形ができつつあって、良い関係性も生まれてきているんです。ファイナルでは、お披露目だったZepp DiverCityとは全く違ったGANG PARADEを見せられると全員が確信しているので、本当に楽しみにしていて欲しいなって思います。
Interview:IMAI