一切の妥協を許さない良質なメロディと疾走感のあるバンドサウンド、3人のヴォーカルによる絶妙なハーモニーを武器に活動を重ねてきたFOUR GET ME A NOTS。2010年5月リリースのミニアルバム『TRIAD』で自分たちにしかできない表現を手に入れ、以降たくさんのライブを重ねてバンドとして進化してきた彼らが完成させた2ndフルアルバムは、メロディックシーンの枠に収まり切らないバラエティ感とダイナミズム、そして“大切な人たちの背中を押したい”という彼らならではのメッセージが詰め込まれている。表現者として大きな成長を遂げた彼ら、秋から来年にかけての全国ツアー“SILVER LINING TOUR”でライブバンドとしてどこまで大きくなるのだろうか。楽しみで仕方がない。
「作品を作ることであり、ライブをすること。やっぱりそれが僕たちに出来ることだから」(石坪)
「そういう人の笑顔を見て、音を通じて会話をするっていう感じがたまらなく好きです」(高橋)
「バンドをやってなかったら、こんなにいろんなところに行けないだろうなと思うんです」(阿部)
●シングル『HEROINE』に続き、9/7にアルバム『SILVER LINING』がリリースとなりますね。そこでまずタイトルについて訊きたいんですが、"SILVER LINING"はそのまま直訳するんじゃなくて、熟語というか慣用句みたいな意味があるんですよね。
石坪:そうですね。"逆境にある希望の兆し"。
●このタイトルはアルバム全体の歌詞とリンクしていますよね。深読みかもしれないけれど、震災を経た今の時期だからこそということも含めての作品になっていると感じて。今作の歌詞には、"自分で選択する"や"決める/判断する"という意味の言葉が使われていて、更にそれを"信じる"という想いが込められているような気がして。
石坪:そうですね。歌詞はレコーディングの直前に書いたんですけど、要するにそのときに思ってたこととかを落とし込むので、やっぱり震災を受けてっていうのは絶対ありますね。"そこに対して自分はどう思って、どういうことを歌いたいのか?"というようなことを考えながら歌詞を書いたんです。アルバムタイトルはいちばん最後に決めたんですけど。
●曲が全部出揃ってから。
石坪:はい。13曲の歌詞に共通することとして"逆境にある希望の兆し"っていうところに気づいたというか、見つけたというか。
●ちょっと重い話になるかもしれないですけど、震災の直後はみんな色々と考えさせられたと思うんですけど、特にエンターテインメントに関わる人たちや影響力を持っている人たちはひとつひとつの行動が慎重にならざるを得なかっただろうし、考えさせられることも多かったと思うんです。
石坪:そうですね。情報もすごい錯綜していて、どれを選択すればいいのかも…だから今作で歌っていることそのままなんですよ。で、僕たちが選択した行動は、作品を作ることであり、ライブをすること。やっぱりそれが僕たちに出来ることだから"届ける為に"っていう想いもすごく入ってますね。
高橋:今までも同じなんですけど、やっぱり自分たちの曲がみんなの希望の兆しになったり、前に進むきっかけになればいいなという想いは強かったです。だからタイトルもすごくしっくりきたし。
●高橋さんは前回のインタビューでもおっしゃっていましたよね。「そもそも曲を作るようになった動機は、自分の大切な人たちの背中を押したいから」って。
高橋:はい。
●全体的なアルバムのイメージはあったんですか?
高橋:最初は無かったです。
石坪:できた13曲って感じです。
●え? ということは、できた曲は全部入っている?
石坪:そうですね。候補曲の中から収録曲を選ぶという感じじゃなくて、僕らの場合はネタの時点でボツかどうかが決まるんです。1曲丸々作るっていうところまで達した曲しか形にしないというか。だから今回も、ネタの時点でボツにしてきたものはいっぱいあるけど、曲として形にしたものを全部収録したという感じですね。
●リード曲のM-3「Pike your shield」という曲がありますけど、この曲は不思議な雰囲気がある曲ですよね。リズムはすごく速いけど、メロディーがなめらかに流れてるんですよね。リズムとメロディでは時間の流れ方が違うというか、でもコントラストとしてすごくマッチしていて、それがすごく気持ちいいと思ったんです。しかもこの曲、実はアルバムの中でいちばん長いんですよね。唯一の4分超えという。
石坪:そうなんですよ。この曲はギターのリフが最初にあって。
●あ、リフから作ったんですか。
石坪:この曲は結構キメも多いというか、いろいろ詰め込んだ感じの曲になったんですけど、アルバムを作っていく初期の段階にあった曲で。自分たち的には新しい試みという感覚があって。智恵が作ってくるリフの中ではこういう雰囲気のものは今まではなかったと思うんだけど。
阿部:確かに。あまりギターを細かく刻むものはなかったかもね。
石坪:そうだね。智恵が持ってきたリフを聴いて「やってみたらおもしろいかも」っていう流れで作っていった曲です。AメロBメロは僕が考えて、サビは元ネタがあって、それを上手く変えながら曲にしていったんです。
高橋:そうだね。
●バンドで合わせながら組み立てていった曲だと。
石坪:そうっすね。
●ということは、4分を超える長さになったのは結果的にということか。展開はどうやって付けていったんですか?
石坪:間奏でアルペジオになってちょっと静かになるところがありますけど、あのアルペジオのコードはもともとネタとしてあったものなんです。で、この曲を作っているときに「あれをここに入れてみたらどうだろう?」っていう。
●この曲はメロディにインパクトがある上に流れがしっかりとしているので、鼻歌的にメロディから作っていったような印象があったんですけど、実は色んなパーツを持ち寄って作ったんですね。
石坪:しかもあのアルペジオ、最初はもっと速かったんですよ。でもちょっと技術的に…。
高橋:っていうか、空気感を出すためにゆっくりしたんです!
一同:アハハハ(笑)。
高橋:(石坪に向かって)そういうことは後で言って(笑)。
●空気感を出すためにそうしたんですよね。技術的な問題とかじゃなくてね(笑)。
石坪:それでああいう感じになったんですけど、間奏にそのネタを入れたら"あ、意外にいいかも"となって。曲にストーリー性が出たからよかったですね。
●その次のM-4「Shining」ですけど、この曲のサビはどこなのかなと思って。
石坪:あ~。
●AメロBメロ…次にくるのはサビと呼べばいいのかCメロと呼べばいいのか…。
石坪:サビですね。で、2番で始めて出てくるのがいちおうCメロです。
●FOUR GET ME A NOTSに限らず、メロディック系の曲はサビで疾走感と盛り上がりがある曲が多いと思うんです。でも「Shining」のサビは平熱感があるというか。逆にそれがすごくドラマチックな印象を受けたんです。
高橋:元々は石坪がこのサビのメロディを持ってきたんです。"うわ! この世界観すごくいい!"と思って、私もギターをすごくこだわって"メロディの世界観をどれだけ引き出せるか"っていうコードにして。そういうところで、まさしくドラマチックというか、メロディの世界観をすごく大事にした曲なんです。
●しかも強い意志やメッセージを歌っている曲が多いアルバムの中で、この曲は情景描写というか心象風景を描いていて。そういうところも含めてドラマチックだと感じたんです。
石坪:そうですね…んー、何て言えばいいのかな(笑)。説明が難しいですね、この「Shining」は。
●うん、この曲で表現している感情を説明するのは難しいと思います。「こういう気持ちです」と説明できるようなものじゃない。
石坪:そうですね。そういう抽象的なところも含めて表現してるというか。
●歌詞でも"ここには以前来た事がある気がする/遠くはない記憶の断片の混ぜ物"と歌っていますけど、まさにそういう曖昧な感覚というか。
石坪:うん、そういう靄がかった中で、その靄の奥に情景を見ているというか。本当はそれをハッキリと見たいけど、見えないところにいるというか。
●ある意味、すごく感覚的な曲なんですね。
石坪:"そういう感じ"っていう…"こういう感じ"っていう曲です!
一同:アハハハハ(笑)。
●説明自体にすごく靄がかかってるんですけど(笑)。
石坪:そうですね(笑)。でもこの曲はホントに「聴いてもらって」という感じです。僕的にはこの曲に対してどう思ってもらってもいいんです。ハッキリと見たことのある景色があればそれを思い浮かべてもらえればいいし。
●うんうん。
石坪:自分の心の中にあるものって、そもそもハッキリしてないと思うんです。実際に目で見るわけじゃないので。そういうものをこの曲で表現したかったというか。
高橋:確かに言葉では説明しづらいですけど、この曲はメロディがそういう雰囲気を出していたから、3人でアレンジを詰めるときも"こういう感じかな?"って方向性を合わせやすかったんです。
●確かにアルバムの中ではメロディが特に特徴的な曲ですよね。あと、基本的にライブでの再現を前提としているアレンジが多い中で、M-8「Blue」は曲調もアレンジも特徴的で。リズムがややカントリーっぽいし、アコギとハープも入っていて。
高橋:私はもともと弾き語りをやっていたということもあって、アコースティックなアプローチから曲作りをすることも結構あるんです。この曲に関しては、緑の草原に立ってるようなイメージがまずあって。優しい空気の曲を作りたかったというか、感じたかったといか。そういうイメージと共に流れてきたメロディだったり音だったりを形にしたんです。
●メロディから作ったんですか?
高橋:いや、こういうコード進行の前奏が最初にあって、そこから広げていった感じですね。
●弾き語りで作ったんでしょうか?
高橋:そうですね。
●リズムも特徴的ですよね。
阿部:ちょっと跳ねる感じで。智恵が弾き語りで持ってきたとき、既にリズムが跳ねてたんですよ。
高橋:そうだった(笑)。
阿部:"跳ねてるってことはこうしたいんだな"ということで、ドラムもギターに合わせてリズムアレンジを作った感じですね。
●こういう曲って気持ちいいですよね。
石坪:うん。だからライブで早く演りたいです。そもそものスタートが、"ちょっとセットリストに入れてやってみたい"というアイディアから作っていった曲だし。
●アコギやブルースハープも最初から入れようと考えていたんですか?
高橋:アコギはそうですね。
石坪:ブルースハープについては、最初はアコギのソロとかにしようと考えていたんですよ。でもなんか違うなと思って。レコーディングのときにやってみたんです。
●あともう1つアレンジについて…これは気のせいかもしれないですけど、M-10「Innocent」で、一ヵ所ギターの歪みなのかシンセなのかわからなかったんですけど、コーラスっぽい入り方で「ファーン!」という音が鳴ってるところありますよね?
阿部:あれは声ですね。
高橋:私の声だ(笑)。
●あっ、声ですか。高音すぎるから声だとは思いませんでした。
石坪:Bメロですよね?
●そうですそうです。声かな? とも思ったんですけど、他のコーラスを聴いてもここまで振り切れたものはなかったから、何の音だろうなと。
高橋:あれは何で入れたんだっけ?
阿部:あの声が無い状態で聴いたとき、リズムがちょっと落ちる部分なんですけど、そこで音の広がりが欲しかったんですよ。
●あ~、なるほど。
阿部:で、智恵にやってもらったら結構「パァーッ!」って広がる感じになったんです。
●うん。「パァーッ!」となりました。
阿部:「これいいじゃん!」となって…特に深い理由はないんですけど。
●アレンジ的なフックを付けるというか。
阿部:そうですね。結構おとなしい曲ではあるんですけど、全体を通して聴いたときにちょっとしたアクセントになるものがあったらいいなと。いい感じになったよね。
高橋:ね~。
阿部:声じゃないみたいな音になってるよね。
●その「Innocent」ですが、この曲はちょっと他の曲と趣が違っていて、言ってみれば恋愛のことを歌っていて、テンション的にちょっとフワフワしてますよね。
高橋:フワフワ(笑)。
石坪:そうっすね(笑)。アルバムの中で、この曲だけはかなり以前に作った曲なんですよ。19~20歳くらいのころだから7~8年前ですね。
●そんな前に作った曲をなぜこのタイミングで入れようと思ったんですか?
石坪:曲としてみんなが「いいね」って言ってて。で、作品としてちゃんと今の自分たちでやるとなったときに、歌詞を直したんです。
●今の歌詞とは全然違うかったんですか?
石坪:いや、ほぼ一緒です。
●"ランドマークタワー"も出てくる?
石坪:出てきます(笑)。この歌詞に対して今の自分の言葉をちょっとだけ付け加えたんですけど、この曲に関しては歌詞をイチから書き直すのは違うのかなって。
●今の気持ちじゃなくて、書いた当時の気持ちをみずみずしく表現した方が曲に合っていると。
石坪:そうそう。そう思いながら昔の歌詞と向き合って、今の自分の言葉も付け足して。自分が作った曲ですけど、歌詞に登場する人物をより分かりやすくというか、どういう人物なのかっていうところに、表現する立場として今の自分がアプローチしてみようと。
●自分が作った曲だけど、客観的に見直してみたというか。
石坪:そうですね。自分の中では結構気に入ってるんですけど、この曲だけすごい歌詞が長くなっちゃったんですよね。
●しかもこの曲だけ結構具体的なことを歌っている。"ランドマークタワー"とかそうですけど(笑)。
石坪:この曲はすごく時間かかったんですよ。言ってみれば昔の考えじゃないですか。
●確かに7~8年前ともなると感覚も違うでしょうね。
石坪:そこにどう言葉を足していくのかっていうところと、あと構成も結構長いので、そうう部分で苦労したんです。僕はAメロとBメロが一緒だったら繰り返して歌ったりする傾向があるんですけど、この曲に関しては2回あるAメロの歌詞が別だったりするんですよね。
●ストーリー性を出すためには必要だったんですね。同じAメロでもメロディを少しだけ変えたりして。
石坪:そうそう。結構練りました。
●例えば自分が昔書いた文章とか日記とか読むとめちゃくちゃ恥ずかしかったりするじゃないですか。そこは乗り越えた?
石坪:乗り越えたというか、"この曲はこういう人物だ"っていうのが決まっちゃっていたので、客観的に取り組めました。でも最初に作っていた歌詞では、本当に浅い人間だったんですよ、こいつ(歌詞の主人公)は。
●アハハハハ(笑)。
石坪:だからさっき「歌詞を付け加えた」と言いましたけど、要するにちょっと深くしたんです。ただポッと出てきた気持ちを書いた歌詞じゃなくて、考えさせられるようなものにしたいなと思って。
●あとM-2「Zip」はシンガロングというか掛け声的な部分があるじゃないですか。ああいうアレンジはライブを意識してるのかなと思ったんですけど、そういうアプローチはあまり他の曲ではやってないですよね。ちょっと珍しいなと思って。
石坪:あ~、そうですね。
●アプローチはメロディックというよりパンク的じゃないですか。
石坪:リズム自体も速い8ビートみたいな。そういうストレートなパンクっぽい曲がやりたくて、ああいう掛け声も入れたんです。
●パンクっぽさといえば、高橋さんが全編歌っているM-5「My guitar my songs」もアッパーなパンクっぽさがすごく出てる曲ですよね。
高橋:「My guitar my songs」は"こういう曲調の曲を女性が歌ったらどうなるんだろう?"っていうアイディアから作ったんです。結構女性って高い音程で歌うじゃないですか。そういう曲も今作にはありますけど、そういった中で地声に近い音程で、低いテンションで歌ってみるのもかっこいいなと思ったんです。
●両方ともライブが楽しみになるような曲ですよね。ところでリリース後は結構長い期間ツアーがありますが。
石坪:やっぱりフルアルバムを作ったからには、最近行けてなかったところまでライブをしに行きたいですからね。と言っても、本数的には前回のミニアルバムと変わらないんですけど、ガッツリ北海道と九州まで行こうかなと。
●初日と最後の東名阪がワンマン。ファイナルは渋谷O-WESTで、規模も過去最大の会場でのワンマンですが。
石坪:そうですね。やりたいですね。
●やりたいっていうかやるんでしょ? (笑)
石坪:やりますやります(笑)。
●前回のインタビューでは「下北沢SHELTERの初ワンマンはあまり緊張せず、いつもの延長線上でやれた」とおっしゃっていましたが、今回もプレッシャーはない?
石坪:そうですね。緊張しないと思います。もちろんそのときになってみないとわからないけど。
阿部:O-WESTとかどうだろう? 大きいからね。
高橋:でもそれまでに充実したツアーが送れてるだろうから緊張しないよ。自信をちゃんと付けてくれば…。
石坪:そんなガチガチに緊張はしないよね。
高橋:うん。ちゃんとステージに立てる気がします。
●全体的にはどういうツアーにしたいですか?
石坪:感情を研ぎ澄ましつつ演奏は洗練させつつライブをして、観たお客さんがいろんな感情になってもらいたいなと思います。泣いてもいいし笑ってもいいし、一緒に歌ってもいいしモッシュしてもいいしダイヴしてもいいし後ろで腕組んで観ててもいい。
●アルバムに収録されている新曲13曲は曲調的にもバラエティ豊かだし、感情としてはすごくエモーショナルな曲もあれば、「Shining」みたいにモヤっとした雰囲気の曲もあって(笑)。
石坪:モヤっとソング(笑)。
●一方で「Innocent」のようにちょっと甘酸っぱい雰囲気の曲もある。ツアーが楽しみになる作品になったと思いますし、だからこそ表現力も問われますよね。ライブで演奏するときは、各自どういう心境になってるんですか? 曲に入り込むんですか?
高橋:歌う曲に関しては、歌詞を頭に浮かべながら歌います。
石坪:うん、歌詞の通りの感情になって歌うというか。結構歌詞の世界に入り込みます。
●ドラムも?
阿部:そうですね。やっぱり強弱だったりとかそういうのは自然と、悲しい曲だったら「悲しいー!」みたいな。
●それ悲しんでないやん。
阿部:(両手を上げながら)「悲しーい!」みたいな。
●テンション上がってるやん。
一同:アハハハハ(笑)。
阿部:だから俺の場合は歌詞に入り込むという感じではないですね。歌詞というより曲の雰囲気に入り込むというか。速くて激しい曲だったら「ウワーッ!」っていくし、ゆっくりで落ち着いてる曲は気持ちもプレイも落ち着かせる、みたいな。
石坪:まあ共通してますからね、メロディやサウンドと歌詞の内容は。
阿部:うんうん。
●あと、ツアーとかだったら当然疲れもあるだろうし、日によって気持ちのバイオリズムも違ってくると思うんですよ。ある意味、技術的なことよりもメンタル的な部分を維持する方が難しいと思うんですよね。
石坪:僕らって結構そこが重要なんです。特に僕と智恵は。
●あ、そうなんだ。
石坪:メンタル的に整ってないとライブが「あれ?」みたいな感じになることも今までは多々あって。だからそこはしっかりと保ちつつまわりたいと思います。
高橋:でも逆に、メンタル的に落ちているときだからこそできる表現というのも絶対あると思うんです。
石坪:うん。確かにそれはある。
高橋:そういうことをライブを重ねていく中で見つけて、自分たちなりに手探りでまた新しい表現にしていけたらいいなと思います。
●今まで何度もツアーを経験していますが、ツアーの楽しさとか魅力は何だと思いますか?
高橋:なかなか会えないお客さんだったり、待ってくれているお客さんとかに会えることですね。そういう人が1人でもいたら私は行きたいんです。そういう人の笑顔を見て、音を通じて会話をするっていう感じがたまらなく好きです。
阿部:ツアーか…。
●やっぱり食べ物が楽しみ?
一同:(笑)。
阿部:でも、俺はホントにそうなっちゃうんですよね(笑)。バンドをやってなかったら、こんなにいろんなところに行けないだろうなと思うんです。
●極端に言えば、短期間で日本全国を旅行するようなもんですからね。
阿部:そうですよね。いろんな所に行けるし、いろんな物を食べれるし。やっぱそこが魅力かなって…(笑)。
●ちなみにどこの何が食べたいですか?
阿部:やっぱり北海道は楽しみです。
石坪:旭川は大黒屋に行きたいんだよなぁ。すごく美味いジンギスカン屋さんらしいんですよ。店の場所はわかってるけどまだ行ったことないという…。
高橋:あとバーベキュー!
●え、バーベキュー?
石坪:東北には知り合いのバンドが多いんですけど、その知り合いの実家にお邪魔して、野外とかでバーベキューやったりとか。
高橋:フフフ(笑)。
阿部:そういうのも楽しみですね。
石坪:そうそう。その地方のバンドとかと仲良くなって遊ぶっていうのも楽しみ。
●…というか、食べ物とか遊びの話になったらこっちから質問振らなくてもガンガン発言しますね。
一同:アハハハハハ(笑)。
石坪:もちろんライブがいちばん楽しみですよ(笑)。各地のCD屋さんで買ってくれたお客さんがどう思って観に来るのか? それに対して俺らはどう表現できるのか? っていうところは、ある意味勝負でもある。それがツアーの醍醐味だと思うんです。
●バンドはツアーを経たらガラッと変わると思うんですね。そういう意味でも楽しみですね。
石坪:そうですね。
高橋:いい経験をして、もっともっといい表現をしていきたいです。
interview:Takeshi.Yamanaka
assistant:小林 美咲