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FM802 キャンペーンソング 「Radio Goo!Goo!」完成!

寺岡呼人 Special Interview

 FM802の春のキャンペーン“ACCESS!”で毎年話題を集めるキャンペーンソング。今年のタイトル「Radio Goo! Goo!」を手掛けたのは、昨年活動を再開したJUN SKY WALKER(S)のベーシストであり、音楽プロデューサーでもある寺岡呼人だ。

Salyu、ゴスペラーズ、Def Tech、福原美穂、三浦大知、宮田和弥(JUN SKY WALKER(S))、山崎まさよしにより、この企画のためだけに結成された“RADIO MONKEES”、楽曲制作秘話を寺岡呼人が語った。

Interview

●今回のキャンペーンソングは、どういったいきさつで制作していったんですか?

寺岡:僕は(忌野)清志郎さんの大ファンだったので「Oh! RADIO」(2009年のキャンペーンソング)の存在は当然知っていて。最初に"ロックっぽいイメージで"というオーダーがあったんでその感じで作っていたんですけど、僕はラジオと言えばすごくオールディーズなイメージがあって、オールディーズと言えばフィル・スペクター(※ビートルズ他多くのアーティストを手掛けた偉大な音楽プロデューサー)みたいなポップスのスタイルがあるじゃないですか? そのアイディアを思い付いちゃったので2パターンお渡しして、結局フィル・スペクター風のポップスが選ばれて。シンガーの選定に関しては、僕じゃない人が選んだ方が新しい出会いもあるだろうし、自分じゃ想像出来ない組み合わせになると思ったので、お任せしました。

●各アーティストのエピソードを聞いていきたいんですけど、ド頭からいきなり"山崎まさよしでしかない声"が聴こえて。

寺岡:まさに! その通りですね。オープニングは誰もが分かる歌声の方が絶対にいいと思ったんで、ゴリ押しで"ド頭は山崎くんで!"とお願いしました(笑)。もう全国民が分かる声じゃないですか? それは改めてすごいなと思いましたね。

●次に登場する三浦大知さんは、今回が初対面で。

寺岡:彼は音感とリズム感が抜群。もうワンテイクで全然OKで、ホントに30~40分でレコーディングが終わっちゃいました(笑)。フェイクのオーダーに対しても、すぐにバーッと何通りもやれちゃうし。

●福原美穂さんはどうです?

寺岡:福原さんだけ仕事の都合で立ち会えなかったんですけど、今回一緒に制作に関わった作詞家の山田ひろしさんが現場に立ち会ってくれて。彼女はこの曲に対する想いがすごくあって、それこそいろんなパターンを試してくれて。この曲は男性キーの曲なんですけど、彼女は逆に低い声の魅力がすごく出てますね。

●続いてはSalyuさんです。

寺岡:彼女は作られた曲に対して忠実に歌うことが身に染み付いている方で、ホントに完璧に曲を覚えてきて、そう言う意味でも圧倒されました。彼女の特徴的な声をどこかでピックアップしたくて、最後のオチサビのところで入れてもらったフェイクもバッチリで。

●で、次は宮田和弥さんなんですけども…。

寺岡:コレは飛ばしてもいいところです(笑)。

●(笑)。"ボーカリスト・宮田和弥"の歌っている様を客観的に見てどうです?

寺岡:逆にこういう曲で彼の声を聴くと、やっぱりすごく特徴的な声をしてる。レコーディングは確か彼が最初だったんですけど、今まで仮歌だった曲に彼の声が入った瞬間の、"やっぱりスゲェな"みたいな感覚は、現場のスタッフも含めて確かにありましたよ。

●Def Techのお2人はいかがでしたか?

寺岡:スタジオに入ってきた瞬間からもう、"外タレだ!"って(笑)。いつも2人が膝突き合わせて作品を作ってるんでしょうね。だから歌入れをしてても、"ここにShenの声が入った方がいいんじゃない?"とか言い合って。ヒップホップのイメージがやっぱりあったんですけど、仕上がりを聴いてみると逆にそれがまたいいスパイスになって。

●そして、ゴスペラーズの皆さんはコーラスの核となるところを担ってくれています。

寺岡:レコーディング前に村上くんが、"どういう風にしましょうか?"ってわざわざ電話をくれたりして。もちろん彼らはフィル・スペクター風だの大滝詠一さん風だのも器用に出来るんですけど、今回はマイクを囲んで5人だけで"せーの"で全パート録り切っちゃうやり方を選びました。実際に聴いてみるとその方が空気感があって、あたたかくて。さすがでしたね。

●作品がだんだん形になっていく様はどうでした?

寺岡:ホントにパズルを1つ1つ組み立てるような感覚で、すごく楽しかったですね。いい曲になったと思うし、ラジオの良さをもう一度、確認し合うような曲になりました。別におべっかでも何でもなく、コレはもう全国のラジオ局のテーマソングにしてもらいたいぐらいです(笑)。

●呼人さんにとって、ラジオってどんな存在ですか?

寺岡:田舎に住んでいたのでツールとしてはもうラジオしかなかったし、レコードを買うお金もなかったから必死でエアチェックしてね。清志郎さんが好きだったんでRC(サクセション)が出る番組は全部チェックして、そこで喋ってる言葉を全部真似するぐらいラジオっ子でしたね。あと、井上陽水さんのライブを繰り返し聴いては、"このアコギの音すげぇな、いつか欲しいな…"と想いを巡らせたり。例えば電子書籍は便利だけど、やっぱり本だからこそ頭に入ってくる。それと同じような感覚がラジオにもあるんじゃないかって、僕は思ってるんです。

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