近年の音楽シーンはフェスや大型イベントが大盛況ですが、その中でもバンドやミュージシャンが主催するフェス/イベントが増えてきました。バンド主催のフェスは温かくて人間味あふれる雰囲気、出演者同士の繋がり、ライブの熱量、当日に至るまでのストーリー、オーディエンスが“観る”ではなく“参加する”ような空気感など、ライブハウスに通じるアツさがほとばしっています。そして主催者だけではなく出演者が口を揃えて言うのは「次はライブハウスで会いましょう」ということ。なぜバンドたちはフェスを主催するのでしょうか。なぜバンドたちは「次はライブハウスで会いましょう」と口を揃えたように言うのでしょうか。「バンド主催フェス」の魅力をもっともっと知るべく、今月の巻頭特集では10の「バンド主催フェス」を、主催者からのメッセージを添えてご紹介します。
■YON FES(04 Limited Sazabys主催)
■ONION ROCK FESTIVAL(HOTSQUALL主催)
■SAKAI MEETING(GOOD4NOTHING・THE CHINA WIFE MOTORS主催)
■BLAZE UP NAGASAKI(SHANK主催)
■ネコフェス(アルカラ主催)
■DEAD POP FRESTiVAL(SiM主催)
■京都大作戦(10-FEET主催)
■MASTER COLISEUM(PAN・SABOTEN主催)
■山人音楽祭(G-FREAK FACTORY主催)
■ポルノ超特急(ROTTENGRAFFTY主催)
■BLARE FEST.(coldrain主催)
■その他
■まとめ
今年の開催:2019/4/6(土)、7(日)モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
 
YON FESとは?
04 Limited Sazabys主催。Hi-STANDARDの“AIR JAM”や10-FEETの“京都大作戦”に憧れ、昔から自分たち主催のフェスを開催したいと思っていた04 Limited Sazabysが2016年にスタート。初年度のテーマは「同世代のバンド」。地元名古屋の企業や飲食店の協力や中日ドラゴンズのマスコットキャラクター・ドアラとのコラボなど、地域密着を大切にしている。メインステージの「SKY STAGE」、サブステージの「LAND STAGE」の2ステージ制。入場ゲートの近くで行われているライブペイントなど、04 Limited Sazabysのメンバーが影響を受けてきたアンダーグラウンドのカルチャーも楽しむことができる。
 
 
 
 
過去の開催
2016/04/02-03@モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
2017/04/01-02@モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
2018/04/07-08@モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
2019/04/06-07@モリコロパーク(愛・地球博記念公園)
 
 
主催者からのメッセージ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:2019/5/18(土)、19(日)稲毛海浜公園野外音楽堂
ONION ROCK FESTIVALとは?
HOTSQUALL主催。かねてより“ONION ROCK”というタイトルで主催イベントを開催してきた彼らが、2014年にバンド結成15周年を記念して盟友と呼べる全13バンドを招いて渋谷O-EAST / O-Crestにて開催。翌2015年からは地元千葉の稲毛海浜公園野外音楽堂に会場を移す。2018年は会場の関係で開催が出来なかったため、“ROAD TO ONION – CHIBA DE CARNIVAL 2018”と題して千葉LOOK、柏DOMe、稲毛K’s Dreamにて3DAYSで開催した。2019年の1日目は従来通りのゲストバンド出演、2日目(5/19)はHOTSQUALLのワンマン“SPECIAL ONE-MAN SHOW”。チケットではなくラバーバンドでの入場制をとっており、5/19の“SPECIAL ONE-MAN SHOW”は過去の同フェス・ラバーバンドでも入場が可能。
 
 
過去の開催
2014/03/15@渋谷O-EAST / O-Crest
2015/05/30-31@稲毛海浜公園野外音楽堂
2016/05/28-29@稲毛海浜公園野外音楽堂
2017/05/20-21@稲毛海浜公園野外音楽堂
 
 
主催者からのメッセージ
オフィシャルHP
開催場所
今年の開催:2019/5/25(土)堺市海とのふれあい広場特設会場
SAKAI MEETINGとは?
堺出身のGOOD4NOTHINGとTHE CHINA WIFE MOTORSが「地元に恩返しをしたい」という強い想いを持ち、音楽のみならず、文化や商業、またニューカルチャーを巻き込んだ未だかつてない繋がりを大切にした大型イベント。“SAKAI MEETING”というイベント名は、音楽イベントをきっかけに全国各地から集まる多くの人に「堺」という街、文化や商業を知ってもらい、感じてもらうことによって活性化するようにと願いを込めている。会場ではライブパフォーマンス以外にもスケートデモンストレーションや、堺を中心とした衣食住の様々なカルチャーを感じることができるブースが出展している。
 
 
過去の開催
2013/03/20@堺市泉ヶ丘ビッグアイ国際障害者交流センター
2014/03/23@堺市泉ヶ丘ビッグアイ国際障害者交流センター
2015/03/22@堺市泉ヶ丘ビッグアイ国際障害者交流センター
2016/05/21@堺市海とのふれあい広場特設会場
2017/05/27@堺市海とのふれあい広場特設会場
2018/05/26@堺市海とのふれあい広場特設会場
主催者からのメッセージ
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:2019/6/8(土)ハウステンボス第一駐車場特設ステージ
BLAZE UP NAGASAKI とは?
SHANK主催。2011年より長崎在住のバンドSHANKの企画として地元の音楽シーン・長崎の活性化を目指しスタート。屋内イベントとしてホール・ライブハウスでの開催を経て、2015年、2016年は長崎市・神の島公園の野外で開催。2018年から会場を長崎ハウステンボスへと移し、長崎ハウステンボスの協力を得て“BLAZE UP NAGASAKI 2018 in HUIS TEN BOSCH”となる。SHANKらしさ、そして長崎の特色を生かした「他にないイベント」を目指している。テントエリアやレジャーシートエリアなどのチケットも販売されており、専用の休憩エリアでゆったりとくつろぐこともできる。
 
 
過去の開催
2011/11/02@長崎NCC&スタジオ
2012/11/24@長崎NCC&スタジオ
2013/11/16-17@長崎Studio Do!
2015/10/11@長崎市 神の島公園特設ステージ
2016/10/02@長崎市 神の島公園特設ステージ
2018/06/09@長崎ハウステンボス ロッテルダム広場
主催者からのメッセージ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:2019/6/23(日)神戸ライブハウス9会場
ネコフェスとは?
神戸出身のアルカラ・稲村太佑が2013年から立ち上げたライブハウスサーキット型フェス。「“ネコフェス”をやることによって、いろんな人がライブハウスに興味を持ってくれるだろうし、行ったことがないライブハウスを知ってもらうことによって、そのライブハウスが好きになることもあるだろう。あるいは好きなライブハウスに1回は観てみたいと思っていたアーティストが来たら、より楽しくなる」という想いと、「神戸のおもしろさを知ってもらい、ツアーバンドにもっと神戸に来てもらいたい」という想いが同フェスを始めた理由。音楽を楽しみながらも各ライブハウスの独特な空気やスタッフたちの熱意を感じることができる。今年の会場はVARIT. / Chicken George / ARTHOUSE / Event-hall RAT / blueport / KINGSX / KINGSX BASE / music zoo KOBE 太陽と虎 / クラブ月世界。
 
 
過去の開催
2013/06/30@神戸8会場
2014/06/29@神戸9会場
2015/06/28@神戸9会場
2016/06/26@神戸9会場
2017/06/25@神戸10会場
2018/06/24@神戸9会場
主催者からのメッセージ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所(↓この辺)
今年の開催:2019/6/22(土)、23(日)神奈川県川崎市東扇島東公園
DEAD POP FESTiVALとは?
SiM主催。「壁を壊す」を合い言葉にSiMの呼びかけにより、“ライブ”に特化したアーティストたちが全ての壁を越え一同に会すイベント。「常に一緒にいるわけではない、数ヶ月1回くらい顔は合わせるが普段から対バンしているわけではない。そんなちょうどいい距離感のバンドと1年に1回顔を合わせて互いの1年間の成長を披露する場所があれば」との想いから2010年よりスタート。先輩バンド10-FEETの“京都大作戦”の影響を受け、「いつか野外でもやれたらいい」との思いから“FESTiVAL”を付ける。「DEAD POP FESTiVALに出ることが、神奈川のバンドの子の登竜門になったらすごくいい」という願いも込め、野外になってからは毎年地元である神奈川で開催している。2015年から川崎市の東扇島東公園に開催場所を移し、オープニングアクトを一般公募したり、誰でも自由に楽器を演奏することができる「STUDIO D×P×F」を設置するなどならではの楽しみ方を提案する。
 
 
過去の開催
2010/01/16@渋谷club asia
2011/01/22@渋谷club asia
2012/01/14@恵比寿LIQUID ROOM
2013/01/14@O-EAST
2013/01/26@新木場studio coast
2015/7/11-12@川崎市東扇島東公園
2016/7/09-10@川崎市東扇島東公園
2017/7/01-2@川崎市東扇島東公園
2018/6/30-7/1@川崎市東扇島東公園
主催者からのメッセージ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:2019/6/29(土)、6/30(日)、7/06(土)、7/07(日)京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
 
 
京都大作戦とは?
主催者である10-FEETが「活動10周年の記念に何かしたい」ということで企画したのが始まり。“AIR JAM”に影響を受け、自分たちの周りの仲間のバンドも本気でかっこいいと思い、盟友であるROTTENGRAFFTYとG-FREAK FACTORYの3者で「誰が先でもいいからそういうことができるようになったら周りの仲間を呼んでフェスをやろう」という話をしていたということが開催の背景にある。初年度の2007年は台風4号の接近により開催中止となったが、翌2008年には“〜去年は台風でごめんな祭〜”とサブタイトルを付け、以来2DAYSで開催。10回目の2017年は3DAYSで開催されたが最終日に雷雨で一時中断、2018年は平成30年7月豪雨の影響で全面中止。数多くのバンド/アーティストが「“京都大作戦”に影響を受けた」「客として“京都大作戦”に行っていた」と公言する、シーンに大きな影響を与え続けているイベント。
 
 
 
過去の開催
開催場所:京都府立山城総合運動公園 太陽が丘特設野外ステージ
2007/07/15 (中止)
2008/07/12-13
2009/07/11-12
2010/07/10-11
2011/07/09-10
2012/07/07-08
2013/07/06-07
2014/07/05-06
2015/07/04-05
2016/07/02-03
2017/07/07-09
2018/07/07-08(中止)
 
 
主催者からのメッセージ
●今後の展望
TAKUMA:贔屓を面白く大事にですね。
NAOKI:10-FEETが続くかぎり京都大作戦も1年でも長く続けていきたいなと思っています。10-FEETが誘ってくれるなら出演してあげようと今後も思っていただけるよう日々精進です。
KOUICHI:身体とバンドが元気な内は続けられるだけ続けたい。継続は力なりを見せつけたい。
●今年の意気込み
TAKUMA:まず晴れて欲しいですね(笑)。雨降りであったとしてもとにかく最後までやり遂げれたらと願ってます。
NAOKI:去年が中止になってしまったので今年は去年の分も含め倍返しで4日間開催します。倍以上楽しめる4日間に必ずしたいので快晴になってくれとまで贅沢は言わないですが4日間共なんとか無事に開催させてもらいたいです。
KOUICHI:大作戦前日は早く寝たい。寝たいのに寝れない。今年こそは。
●他の「バンド主催イベント」に対して
TAKUMA:それぞれに贔屓や仲の良い付き合いや尊敬の相互関係が見えて僕は好きです。
NAOKI:バンド主催イベントの良いところは人間関係がわかりやすく見えやすい部分だと思っています。仲間、先輩、後輩、ライバル、憧れのアーティスト、色々な関係地があると思いますが、出演アーティストはみんなより一層イベントを盛り上げようとするし主催バンドはそこに応えようとする。その日でしか感じれない空気感がある。主催バンドへのハードルがどこまで上がってどんな越え方をしてくるのか。他のバンド主催イベントに出演すると京都大作戦も負けたくないという気持ちがより一層強くなります。
KOUICHI:バンドそれぞれのやり方があって見てて面白い。そして勉強になること多々あり。日々精進です。
 
 
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開催場所
今年の開催:2019/9/14(土)、15(日)大阪城音楽堂
MASTER COLISEUMとは?
大阪を拠点に全国で活動するPANとSABOTENが主催するアーティスト主導型の野外ロックフェス。2006年、両バンドが通うスタジオで夏フェスに一切呼ばれない2バンドということで「俺達で野外フェスが出来たらいいよね」という話からスタート。大阪城野外音楽堂では椅子が常設しているにも関わらず、ステージと最前の椅子の間のスペースがスタンディングエリアとして開放されている。イベントの最後にはPANとSABOTENのコラボを見ることが出来たり、当日の出演者が飛び入りで参加したりと、バンド主催フェスならではの醍醐味が味わえる。さらにタイムテーブルが公開されない年や、チケット代がお手頃な価格の年、そしてチケット代に意味をもたせている年や、お笑い芸人が数組出る年など、毎年様々な趣向が施されている。
 
 
過去の開催
大阪城野外音楽堂にて2006年から始まり、今年で14年目。2015年は2週に渡って開催(4日間)、2016年は開催無し、2017年は東京(渋谷TSUTAYA O-EAST)で開催。
主催者からのメッセージ
 
 
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開催場所
今年の開催:9/21(土)、22(日)ヤマダグリーンドーム前橋
山人音楽祭とは?
「故郷群馬に愛と誇りを!」がテーマ。2008年にG-FREAK FACTORYの茂木の立案で始めたCROSS-CULTURE-FES“COLOSSEUMが始まり。当初はライブハウスやスタジオなどで開催していたが、更に規模の大きいものにしようという想いから2012年より“GUNMA ROCK FESTIVAL”としてグリーンドーム前橋で開催。数々の名場面を生み出し群馬の音楽シーンの代名詞となる。2015年は休催となったが、2016年より“山人音楽祭”に名前を変える。2018年は2DAYSに渡って開催され、更に勢いを増した。屋内だけではなく野外ステージもあり、群馬ならではの大自然や夏の終わりを感じることができる。出店する飲食店は地元群馬限定で公募制にて募っている。
 
 
過去の開催
2012/9/22@グリーンドーム前橋 “GUNMA ROCK FESTIVAL”
2013/9/21@グリーンドーム前橋 “GUNMA ROCK FESTIVAL”
2014/9/20@グリーンドーム前橋 “GUNMA ROCK FESTIVAL”
2016/9/24@グリーンドーム前橋
2017/9/23@グリーンドーム前橋
2018/9/22-23@グリーンドーム前橋
主催者からのメッセージ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:?????(現時点では未発表)
ポルノ超特急とは?
ROTTENGRAFFTY主催。1999年のROTTENGRAFFTY結成から2年後の2001年1月にスタートした、「ジャンルの垣根を越えて音楽の既成概念を壊し、演る側も観る側も裸のバカ騒ぎしよう」というコンセプトのROTTENGRAFFTY自主企画イベント。2012年からは年末の風物詩として京都KBS HALLで開催されてきたが、2014年からは京都パルスプラザに会場を移す。当初は“京都発ポルノ超特急”というタイトルだったが、2008年からはなぜか“ポルノ超特急”になったらしい。「こんなに大きなフェスになるんだったら“京都発”を付けとくべきだった」というのはN∀OKIの後日談。ジャンルを問わず、またお笑い芸人の出演もある。冬の京都だとは思えないくらい会場の中は毎年熱気に包まれている。今年2019年の開催は未だ発表されていないが、果たして…?
 
 
過去の開催
2001/01/27@京都MOJO
2001/05/20@京都METRO
2001/08/17@京都WHOOPEE'S
2001/12/06@京都MUSE HALL
2002/05/11@京都MUSE HALL
2002/09/29@京都MUSE HALL
2002/12/27@京都MUSE HALL
2003/04/27@京都MUSE HALL
2003/09/13@京都MUSE HALL
2008/10/26@名古屋E.L.L.
2008/10/27@KYOTO MUSE
2008/11/04@代官山UNIT
2009/04/12@KYOTO MUSE
2009/04/17@新宿ACB
2009/04/18@仙台HOOK
2009/04/24@名古屋HUCK FINN
2009/04/26@広島Cave-Be
2009/12/23@KYOTO MUSE
2010/04/15@赤坂BLITZ
2010/04/18@名古屋DIAMOND HALL
2010/04/24@京都KBS HALL
2012/12/23@京都KBS HALL
2013/12/22-23@京都KBS HALL
2014/12/23@京都パルスプラザ
2015/12/23@京都パルスプラザ
2016/12/24-25@京都パルスプラザ
2017/12/23-24@京都パルスプラザ
2018/12/22-23@京都パルスプラザ
 
 
オフィシャルHP
 
 
開催場所
今年の開催:2/01(土)、2/02(日) ポートメッセなごや
BLARE FEST.とは?
“全国どこにも負けない異常なラインナップを地元に集めたい”という想いで2010年から始まった“BLARE DOWN BARRIERS”。colrainにとって自分たちの「居場所」を作る作業であると共に、国内外の仲間たちから学んできたマインドを具現化する場所でもある。
過去の開催
2010/02/27 @ 名古屋BOTTOM LINE
2011/02/20 @ 名古屋BOTTOM LINE
2012/02/18 @ 名古屋BOTTOM LINE
2013/02/17 @ Zepp Nagoya
2015/04/22 @ ⼤阪なんばHATCH
2015/4/24 @ 新⽊場STUDIO COAST
2015/4/27 @ 名古屋DIAMOND HALL
2016/10/20 @ 名古屋BOTTOM LINE
2019/03/09 @ Zepp Fukuoka
2019/03/17 @ Zepp DiverCity
2019/03/23 @ Sendai PIT
2019/03/30 @ Zepp Osaka Bayside
2019/03/31 @ Zepp Nagoya
主催者からのメッセージ
オフィシャルHP
開催場所
今回は10の「バンド主催フェス」を取り上げましたが、その他にもバンドが主催するフェス/イベントはたくさんあります。今年3月、5都市を巡るツアーとして開催されたcoldrain主催“BLARE DOWN BARRIERS”、今年は開催しないと発表されたHEY-SMITH主催の“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL”、ASIAN KUNG-FU GENERATIONが主催の“NANO-MUGEN FES.”、今年9/14-15に開催される氣志團主催の“氣志團万博2019”、Fear, and Loathing in Las Vegas主催の“MEGA VEGAS”、今年9/22に開催されるくるり主催“京都音楽博覧会”、東京スカパラダイスオーケストラ主催の“トーキョースカジャンボリー”、etc…。そんな中でも今年、それぞれ主催フェス/イベントを開催しているSiMとcoldrainとHEY-SMITHが今年興味深い動きをします。“TRIPLE AXE TAKEOVER ‘19”と題された同活動は、今回の特集内(P.10)でSiMのMAHくんがコメントしてくれていますが、もともと“TRIPLE AXE”名義で合同企画を行ってきた3バンドが、全国の夏フェスに殴り込みをかけるというもの。それぞれフェス/イベントを主催し、シーンを牽引する3バンドだけに、この動きは要注目です。
概要
“DEAD POP FESTiVAL”を主催するSiM、“BLARE DOWN BARRIERS”を主催するcoldrain、“OSAKA HAZIKETEMAZARE FESTIVAL”を主催するHEY-SMITH。その3バンドが、2012年に合同企画となる“TRIPLE AXE TOUR ‘12”を全国8箇所で開催し“TRIPLE AXE”の名が全国に知れ渡った。2018年には新木場studio coast、そして初の海外・台湾にて開催し、今年は全国の夏フェスを荒らしに行くべく、異例の“TRIPLE AXE”として各地のフェスに殴り込みに行く。
今や「バンド主催フェスブーム」と言ってもいいほど、全国各地でバンド主催のフェスやイベントが開催され、また若いバンドが主催フェスの実現を夢見てがんばっています。音楽シーンのここ20年くらいの流れは、1997年にHi-STANDARDが始めた“AIR JAM”が大きな影響を与えたと言っても過言ではないでしょう。“AIR JAM”に憧れ、影響を受けた世代が自分たちでフェスを企画し、そのフェスにお客さんとして参加していた次の世代たちがバンドを始め、また新しいフェスを企画し、新しいシーンを作っていく。こんなに人間味あふれる動きはなかなか他の業界ではありえません。
また冒頭にも書きましたが、バンドが主催するフェスでは、主催者はもちろんですが出演者が口々に「次はライブハウスで会いましょう」と言います。複数のバンド主催フェスに参加したことのある人であれば聞いたことがあるかもしれませんが、特定のフェス、特定の出演者が言っているわけではなく、色んなフェスのステージで色んなバンドが「ライブハウスで会いましょう」と言うのです。バンドがフェスに出演する背景には理由があります。バンドがフェスやイベントを企画する背景には動機があります。お金目的ではなく、また自分たちだけのためでもなく。バンドってめちゃくちゃアツくて魅力的な人たちなんです。こういうところがバンドの大きな大きな魅力だと思います。みなさん、次はライブハウスで会いましょう。