音楽メディア・フリーマガジン

coldrain

これからのラウドシーンを作り上げていく存在

“Through Clarity Tour 2012”
2012/9/28@渋谷O-EAST

7月にアルバム『Through Clarity』をリリースし、9/4にスタートしたレコ発ツアー。全国11公演全てチケットソールドアウトという状況は、今のバンドの勢いを物語っていた。
冒頭の「No Escape」から大きなコール&レスポンス、かと思えばダイブの嵐。coldrainが放つ高低差の大きなサウンドに操られるかのように、一体と混沌が繰り返されるフロア。ステージの最前に立つMasato(Vo.)は、憎らしいほど堂々としたパフォーマンス。更に、フロアを掻き混ぜるほどタイトかつヘヴィな音にも関わらず、客のシンガロング率が半端なく高い。この現象はラウドながらもキャッチーさを常に織り込んできたcoldrainならでは。
圧巻だったのは、ライブ中盤のMCからアンコール最後まで駆け抜けた凄まじい熱量。Masatoが「1200人直接対決! coldrain × O-EAST! Are You Ready?」と叫び、「Die tomorrow」「New Fate」「After dark」と立て続けにキラーチューンを連発。Masatoはステージからフロアへダイブ、ステージ上ではY.K.C(G.)とSugi(G.)が脳髄に突き刺さるほど鋭いギターを鳴らし、RxYxO(Ba.)とサポートドラムのYOUTH-K(BPM13GROOVE)が強固なグルーヴを作り上げ、オーディエンスは限界を超えた勢いで暴れまくる。アコースティックセットの「Miss You」をはさみつつ、「8AM」から本編最後の「To Be Alive」、そしてアンコール最後の「Final Destination」まで全力で走り抜けた。
抜群の一体感を生むバンドの呼吸感、一瞬も立ち止まることのないその姿勢、カリスマを帯びたフロントマン・Masato。一回りも二回りも大きくなった姿を見せつけたcoldrain。見事なツアーファイナルだった。

TEXT:Takeshi.Yamanaka

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