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Brian the Sun

このビジュアルイメージに騙されるな。このバンドの精神性は、完全にPUNKに染まっている。

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インテリ系のロックバンドだと思っていたが、本人たち曰く、「僕らはガテン系です(笑)」

唄の力
良太:昨日、音楽仲間の友達とちょうどそんな話をしていたところでした。その子曰く、男の子の方が自分というモノをしっかりと表現出来るような気がすると。今まで歌は言語だと思っていたので。よく“しゃべるように歌って、歌うようにしゃべる”言うじゃないですか。メロディも歌詞も伝えるためにあると。分かってもらえるように歌うということを心がけてはいたんですが、なんで分かってもらいたいんかなって思ったらそれは“求愛”って答えに行き着いたんです。

●ほ〜、これかなり来たね!

ハルキ:僕はそんな風に考えたことなっかったですね。良太は普段オッパイの事しか考えてないと思ってたし、ライブのMCでも「オッパイ」しか言わないですから。

良太:メンバーとはオッパイの事しかしゃべんないんで…。

●お前ら、おかしんじゃねぇ(絶句)。ブライアンの唄って、心に響かそうと考えてやっているわけじゃないと思うけど、結果的に聴き手には深く伝わってる気がする。

良太:僕は昔から作為に満ちたものが好きではなくて、“こうしてやろう”とか“ああしてやろう”と思うと絶対失敗するんすよ。真っ白でやったら結果、思うようになった。作為に満ちたものを見るのも嫌やし、出来ればそうはなりたくない。どうやってニュートラルな状態にいてるのかはほんとに難しいです。

●どうやってニュートラルな状態にするのかを考えた時、あえて作為的な状況を作る事にはなりませんか?

良太:それについては解決策を見つけたんです。例えば、お客さんが朝起きて、“今日はBrian the Sunのライブやわ。ライブどんなんかな〜”って想いながら昼になる。今日は缶バッジを買いたいから昼ごはんを我慢して、でもライブハウスに着く前に雨が降ってきて、コンビニで500円の傘買って…みたいなところを想像するんですよ。そしたら、“君のために歌うで!!”ってなる。実際来てくれているお客さんは、そんな想いの人が多いように思います。

●バンド結成より6年目ですが、ハルキから見て良太はどう変化してますか。

ハルキ:良太は波があるんですね。出会ったころは高校生だったし、怖いもの知らずで、「俺が森良太だ!」みたいなところからスタートして。すごく落ちた時期もあったし波があるんですけど、最近いい具合にミックスされた感じがします。アーティストって我儘でいいと思うし、そうでないとクリエイティブなものも作れないんですよ。今は我儘過ぎでもなく、すごく良い状態ですね。何でも言う事を聞けばそれこそ作為的なものになるけど、あまりとっちらかると、伝わるものも伝わらないじゃないですか。今は森良太という色もしっかり出てるし、なおかつ伝わるものが出来ていると思います。

●1年前のインタビューの時は、森良太&Brian the Sunなイメージでしたが。

良太:なんかようやく周りの人も頑張ってるんやなと思えるようになった!!

●ワハハハ! 良太、どんな上目線なんや〜〜!!

良太:少し前まで、ハルキが大人サイドの事を理解し始めて、“俺分かっているぜ!” みたいなとこが嫌だったんです。最近は、その中で揉まれて、俺の言ってることも分かってくれてるし、周りの状況もなんとなく見えてるし、ま、大丈夫かなと。

●ぶっちゃけ、ハルキは金だけやし!(前回のインタビューでの発言)

一同:グワハハ〜〜(大爆笑)

 

詩の力 良太の歌詞に宿る世界感を探ってみたい

良太:人との関わりとか社会の出来事とかも、個に当てはめるとしっくりいくんです。相手の我儘に自分がどう対処するのかとか、社会に対する自分の在り方にすごく似ているんです。僕の中では、恋愛というテーマを大きく描いているんですね。あまり偏った書き方をしなければそれらは、全てに当てはまる気がするんです。例えば、“仕事でしんどい”、“受験めんどくさい”、“勉強だるい”、“生きるんしんどい”とかも、ひとりの人との関わりをちゃんと描けば見えてくる。僕は誰かのことを想い描いて歌詞を書いてます。

●リアルな体験が詩に置き換わってる?

良太:想像の部分も多いし、実際にあった事についてもあるし、メロディの持っている部分が呼んでくることもあるし、詩について何週間も考えるなんて事はしないですね。ずっと思ってる事を書いているんで、そういう意味で言えば24年間くらい考え続けていた事を書いているんですね。

 

バンドの力

ハルキ:良太が持ってきた曲をメンバーそれぞれが調理して、盛り付けは良太がするといったイメージで制作は進行します。アルバムを作り終えた事によって分かったこともあって、これからまた違う作り方をしようかって話しているところです。

良太:4人いてたら4人の素晴らしい感性をもっているので、これからも、4人の感性を生かす方向で出来ればやっていきたいですが、全員が個性を出し過ぎてしまったら、どうしても真ん中によってしまう。それは、よくないように思います。方向性を示すという意味で言えば、今回の制作では、もう少し、俺が主体になっても良かったとは思いますね。

●インタビューにいないメンバー、G.小川、Dr.田中のステキなところを。

良太:真司に関しては、立ち姿を含めてトータルのバランスがすごく良いですね。ギターに関して、アカデミックな教育を受けてきたわけではないので、突拍子もないことをしてくる。昔のブルースとか、ロックを聴いてきているので、すごく親しみやすい。これから一番のびしろがあるのは真司だと思う。ドラムの駿太は、音、音符一個一個に対する、音の出し方がしっかりしていて、一打に込める事を信条にしている気がする。

ハルキ:ライブではあいつ面白いよね、顔で叩いてるから。表現力という意味では顔で叩けるのはすごい。

●顔で言えば、ライブ時のハルキもすごいよ! このバンド、ライブ時の表情にも注目です。ところで! 『NON SUGAR』は、初のフルアルバムになりますね。

良太:高校生の時に作った曲から今までの、集大成的な位置づけです。ここで一旦区切りをつけて、次のスッテプに上がっていくイメージですね。とにかく今あるものは全て出し切りました。出し切ってしまったので次はないです!

ハルキ:このアルバムは、僕らの今までの歴史を見事に集約していますが、これからの課題として、ライブ力の強化が大きなテーマとなっています。次は、過酷なまでのツアーを組んで、更なる境地を目指していこうと思ってます。

●盟友であるKANA-BOONとの東名阪ツアーもsold outですね。

良太:新宿LOFTが終わりましたが、非常に得るものが多かったですね。今までにない反応もありましたし、お客さんごとに楽しみ方があるんだなと再認識させられました。

ハルキ:僕らのライブは、その人の楽しみ方、受け入れ方で自由に楽しんでくれればいいと思っています。棒立ちで反応がなくても、心の中で歌ってくれてていいんです。多種多様な表情がある、それがBrian the Sunのライブなんです。日々の生活の中で疲弊していく自分を感じたら、僕らの曲を聴いて下さい。きっと、どこかにヒントがあるはずだから。

Interview:PJ

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