新メンバー2人の加入で9人組となった“ギャンパレ”ことGANG PARADEが、新体制初となるニューシングル『GANG 2』をリリースした。2017年4月からレンタルトレードで加わっていたアヤ・エイトプリンスが今年2/23の赤坂BLITZ公演(“GANG PARADE BREAKING THE ROAD TOUR FINAL『MAKING THE ROAD』”)を最後にBiSへと戻り、帰ってきたカミヤサキと共に7人で再スタートを切った…はずだった彼女たち。だが、その直後の3月に行われた“WACK合宿オーディション2018”の結果、月ノウサギとハルナ・バッ・チーンを新たに加えた9人体制で4/17のZepp DiverCity公演(“GANG 2”)を迎えることになった。そんな急展開も乗り越えて“お披露目ライブ”を成功させた9人は加速度的に進化を遂げ、一段階上のステージへと昇ろうとしている。数々の紆余曲折を経験する中で規格外の強さとしなやかさを身に付けてきたタフすぎる愚連隊アイドル、ギャンパレのニューシングルと最新の心境に迫る表紙&スペシャル・ロングインタビュー!
「やっぱり活動の中で同じことばかりしていてもつまらないから、今までのことも踏まえた上で新しいものを作らないといけないなって」
●前体制でのラストとなった2/23の赤坂BLITZ公演から、新体制のお披露目となった4/17のZepp DiverCity公演まで2ヶ月足らずということで、すごいスピード感だったなと。
ココ:今までのライブの間隔に比べると、速いなって思いました。
ミキ:でもZepp DiverCityでやること自体は、アヤ(・エイトプリンス)がいた頃から決まっていたんです。どんな体制になるかはまだわかっていなかったんですけど、“やる”ということだけは決まっていたので、心構えはできていましたね。
サキ:トレードから戻ってきて、自分のいる7人のGANG PARADEもまだ始まったばかりの時期で。ライブもまだあまりやれていない中で、弾丸で進めていくような感じでした。でもこの9人で新しいGANG PARADEを作っていけるという楽しみもあったので、ソワソワしながらもみんなで一緒に向かっていきました。
●ワクワク感もあった?
サキ:そうですね。合宿(※“WACK合宿オーディション2018”)を見ていた中でも特にキャラが濃かったハルナ・バッ・チーンと、美人なのにめちゃくちゃ頑張り屋の月ノウサギが入ってくるというところでも楽しみなところがありました。
ミキ:私たち自身もアヤとの7人体制が終わって、サキちゃんとの7人体制が始まったばかりで、“これからどうしていこうか?”と悩みながらライブをこなしていた時期だったんです。そこに今までいなかったタイプの2人が入ってくることによって、これまでのGANG PARADEも大事にしつつ、また新たに全く違うものをお客さんに見せられるチャンスだなと思って。新しいお客さんを獲得できるかもしれないと思ったし、2人が入ってくることは本当に楽しみでした。
●元から個性が強いメンバーの集まりでしたが、そこにまた違う個性が加わったという感じでしょうか?
ドクソン:ちょうど足りなかったピースを2人が持ってきてくれたというか。本当に欲しかった要素を持った2人が入ってきて、“これで揃った!”という気がします。
●欲しかった要素というのは?
ドクソン:フレッシュさと…、あとはビジュアル面の強化ですね。元からいるメンバーもみんなかわいいとは思うんですけど、一般的なかわいさというよりどちらかといえば“ファニーなかわいさ”があって。
●“ファニーなかわいさ”って(笑)。
ココ:でも良い表現だと思う(笑)。
ドクソン:元からいたメンバーは“よく見たらかわいい”というか、お客さんに色んなかわいいところを見つけてもらえる感じなんです。そこにパッと見ただけでかわいい子たちが新たに加わってくれて。それって、本当に大事なことだと思うんですよ。
●わかりやすさも大事ですからね。
ココ:大事ですね。
ドクソン:本当に欲しかったものを持ってきてくれた感じがします。
●新メンバーの2人はGANG PARADEに加入が決まった時、どんな気持ちでした?
ハルナ:ビックリしました。私は合宿(※“WACK合宿オーディション2018”)でもダンスが上手くできなかったんですけど、そんな私を(パフォーマンスが)激しいグループに突っ込むとは…っていう感じでした(笑)。
●意外だったと。
月ノ:私も最初は“意外だな”と思いましたね。GANG PARADEは、ダンスがカッコ良いという印象があって。合宿で「Plastic 2 Mercy」を何度か踊らせて頂いた時に、楽しいなという想いはあったんです。だから自分がメンバーになって、GANG PARADEのダンスを踊れるということに嬉しさはありました。
ココ:そう言われると嬉しいですね。“GANG PARADEはダンスがカッコ良いグループ”だと言ってもらえること自体が、去年の合宿の時点ではなかったから。“GANG PARADEはどんなグループか?”と訊いた時に、すぐにそういう答えが返ってくることだけでもこの1年間で変わったなと思えるんですよ。
●グループの特徴を明確に認識されるようになった。
ココ:去年の合宿の時点では、そこまでの認知度もなかったのかなと。本当にWACKがめちゃくちゃ好きな人じゃないと知らないようなところまで知ってくれている子たちが増えたんだなというのが月ノやハルナの話を聞いてもわかったし、それが嬉しいんです。
●そういう変化も感じられる1年だったんですね。
ユア:今までで一番スピーディーな1年だったと思います。
●新体制のお披露目となったZepp DiverCity公演は、いかがでしたか?
月ノ:お披露目ライブで、お客さんの温かみをすごく感じた瞬間があって。1曲目の「Beyond the Mountain」で私とハルナが初めてマイクを通して歌った時に、お客さんが歓声を上げてくれたんです。その時は本当に感動しました。
ココ:ウチらもビックリしました(笑)。そこで歓声が上がった時に、“おおっ、新しい〜!”と思って。
サキ:1人だけとかじゃなくて客席全体から歓声が上がったから、“打ち合わせでもしたのかな?”って思うくらいでした(笑)。アイドルのライブって大体コールの入る場所が決まっているんですけど、そうじゃないところで急にブワッとコールが起きたから本当にビックリして。2番のハルナが歌うところでも同じように起きたから、“すごい!”って思いました。
●新メンバーの2人は初ライブだったわけですが、緊張しなかった?
月ノ:舞台に出る直前までが一番、緊張していましたね。自分はステージに上るという経験をしたことがなかったので、緊張をするのかどうかもわからないような状態だったんですよ。でも案の定、緊張はずっとしていて。直前はもう感情がよくわからないことになってしまって、泣いていました…。
●始まる前から泣いていたんですね。
月ノ:でも舞台が暗くなって、お客さんが“ワーッ!”っていう歓声を上げてからSEが流れ始めた瞬間には、もう“やるしかないんだ”という吹っ切れた気持ちになっていて。舞台に上がってからは、あっという間でした。
ハルナ:私は入場する時点から泣いていました。なんかもう自分でもよくわからなくなっちゃって、感情が溢れ出しちゃったんです。緊張もすごくしていたし、1時間くらいずっとポロポロ涙をこぼしていたんですよ。
ドクソン:途中からの記憶がないらしいです。
●えっ、そうなんですか?
ハルナ:最初の1〜2曲目くらいまでのことは覚えているんですけど、途中のことは全く覚えていなくて…頭が真っ白でした。
ドクソン:ずっと口が開いていたんですよ。視線もちょっと虚ろで…。
●それはヤバイですね(笑)。
ココ:ステージ上でたまに視界に入ると、ハルナが止まっていたりして…。“ハルナ、どこにいるの〜?”って。
ユウカ:(本来は)ハルナが隣にいるはずの時に、横を見てもいないんですよ。
月ノ:私がハルナを抱えて、(本来の位置に)連れて行ったりもしました(笑)。
●そういう意味では、月ノさんのほうが本番中はしっかりしていた。
サキ:月ノはゲネプロの時からハルナだけじゃなくて、ウチらに対しても“そこです”と位置を教えてくれたりもして(笑)。それくらいしっかり、フォーメーションも覚えていましたね。ライブ中にチラッと顔を見たら表情まで完璧に表現できている時もあって、そんなところまで初日からちゃんとできるのはすごいなと思いました。
●普通はお披露目ライブで、そこまで気がまわらないですよね。
月ノ:でも自分としてはワンマンをやってみて、“練習以上のことは本番ではできないんだな”というのを痛感したんです。ライブが終わった後に、練習以上のことはできなかったなとすごく思ったから。表情とかも意識することで出せた感じだったので、これからはもっと自然に出せるようになりたいなって思います。
サキ:すごい…! 真面目ですね。
ハルナ:逆に私は全然、真面目な性格じゃないので…。
一同:ハハハ(笑)。
●ハルナさんと月ノさんはタイプが全然違う?
月ノ:ハルナも真面目なんですけど、ベクトルがちょっと違うというか。根本的な性格は真逆ですね。私にないものをハルナが持っているし、私もハルナが持っていないものを持っているので、お互いに補い合えているのかなって思います。お互いに尊敬し合える仲間でもあるし、性格が正反対の同期がいるというのは良かったなと思います。
●2人はお披露目ライブを終えて、改めてギャンパレの一員になったことを実感できたのでは?
ハルナ:終わった後に実感が湧きました。
月ノ:そこまでが忙しすぎて、私は自分がアイドルになったという自覚すら持てずに当日を迎えた感じだったんです。だから私もそういう実感が湧いたのは、ライブが終わった翌日でしたね。
●他のメンバーはお披露目ライブが終わった後はどういう感覚でしたか?
ユウカ:“終わった〜”という気持ちはありましたけど、それ以上に“まだまだやるべきことはあるな”と思いました。課題が見えたライブでもあったから。
ココ:いったんは“怒涛の1ヶ月間がやっと終わった”と思ったんですけど、当日の映像を見ながら振り返ってみたら課題が山積みすぎて…。“これから大変だけど、また次に向けてやっていかなきゃ”という気持ちになりました。わりとすぐに次のライブもあったので、“しっかりと次に向けてやっていこう”という気持ちに切り替わりましたね。
サキ:もちろんライブを終えて“良かったな”と思うところもあったけど、次に向けて“もっとこうしなきゃ!”という気持ちのほうが自分たち的には強かったと思います。
●次に向けての課題も見えたライブだった。
ドクソン:Zepp DiverCityの時みたいな“未完成”なライブをやったのは、私がGANG PARADEに入ってから初めてだったんです。それまではとにかく“その時点でのベストと言えるほどに完成させたものを”という感じでずっとやってきていたので、その時に初めて“未完成”なライブをお客さんに観てもらう感覚を味わって。
●“未完成”という実感があったんですね。
ドクソン:もちろん“完成”に向かわなきゃいけないんですけど、別に“未完成”なライブが悪いことではないなと思ったんですよ。それは初めて味わった感覚だったし、本当に全く新しい気持ちにはなりました。
●“未完成”なのは、伸びしろがあることの裏返しでもあるのでは?
ドクソン:そうなんです! あと、“未完成”ということは、そこからどこに向かうのかも自分たち次第だから。そういう中でこれから1つ1つの道を選んで完成させていくということに対して、私はワクワクしています。
●これから新しいものを完成させていくことへのワクワク感もあった。
ドクソン:はい。一度壊れて、スッキリしたところもありましたね。
●“一度壊れた”という感覚がある?
ドクソン:あります。個人的な課題はまだまだたくさんあるんですけど、ダンスが揃っていたり、みんなの息が合っていたり、気持ちを1つに揃えてやるということがある程度できるようになって。そこからさらに上の衝撃を与えるライブというものがやりたかったけど、これまでは正直“どうしたら良いのか?”ということを考えるばかりでもどかしかったんです。そういう悩みも一度全部壊れて、“ここから作り直していける”っていうスッキリした状態に今はなっています。
●次のツアータイトルも“REBUILD TOUR”ですが、一度壊れたものを“再構築”していくような気持ちがメンバーの中にもある?
ユア:サキちゃんが帰ってきて7人のGANG PARADEを作り上げる前に、新メンバー2人が入ってくることが決まって。この9人でのGANG PARADEを次のツアーでは作って、ファイナルのZepp Tokyoにつなげなきゃいけないなと思っています。やっぱり活動の中で同じことばかりしていてもつまらないから、今までのことも踏まえた上で新しいものを作らないといけないなっていう。
●今までよりも一段階上のGANG PARADEになりたいというか。
ドクソン:はい、なりたいです。この9人だったら絶対になれるし、そうなりたいと思っています。
「自分たちでも納得して“その先が見えたね”と言えるようなものを積み重ねて、Zepp Tokyoで爆発させたいなと思っています」
●今回のニューシングル『GANG 2』というタイトルも、GANG PARADEの“第2章”的な意味合いもあるのかなと思ったんですが。
サキ:まさにそうですね。前作(シングル)のタイトルが『BREAKING THE ROAD』だったので“壊れてから、また2が始まる”という意味で捉えています。自分も帰ってきて、新しく2人も入ってきてというタイミングだったので、このタイトルのおかげで“ここから作っていくぞ!”という気持ちにもなれていますね。
●今の心境ともリンクするものになっている。
ミキ:ただ、『GANG 2』というタイトルは結構前に決まっていて。
ユア:赤坂BLITZの時にはもう決まっていたんです。
●あ、そうなんですね。
ミキ:そのタイミングでは、まだサキちゃんが戻ってきてから初のシングルということしか決まっていなくて。ただ、アヤがBiSに戻って、サキちゃんが帰ってくるというところでの切り替えはすごく大事だと思っていたんです。だからそのタイミングで『GANG 2』というタイトルの作品を出せるというのは、気持ちの切り替えにもつながるのですごく良いなと思っていました。
●それに加えて、新メンバー2人も加わることになったわけですが。
ミキ:今までにない人数だし、見せ方も全く変わってくるだろうなと思っていて。そういうところでも“また新しく構築するGANG PARADEの一番最初の曲だよ”っていうことを(『GANG 2』という)字面で見せることができるので、すごく良いタイトルを頂けたなと思います。
●字面という意味では、マイカさんも“キャン・GP・マイカ”に改名されて心機一転という感じでしょうか?
マイカ:改名したキッカケとしては合宿に参加していたWACKメンバーでのポイント競争で最下位だったからという理由で罰ゲーム的な感じだったんですけど、渡辺(淳之介/WACK代表)さんに“GP”という愛のある改名をして頂いて…。
渡辺:愛はないですよ!
マイカ:ええーっ!
一同:ハハハハハ(笑)。
●突然、代表からの訂正が(笑)。
サキ:衝撃の発言が…(笑)
ココ:速かった…!
渡辺:すごく適当に考えました。
マイカ:まあ、そうおっしゃられてはいるんですけれども、自分としてはポジティブに捉えていて…。合宿にも行かせてもらって、新メンバーも入ってきて、個人的にも気持ちがスッキリしたところはありましたね。
●気持ちがスッキリしたというのは?
マイカ:正直、合宿で何か変われたかと言われたら、自分ではあまりわからなくて。でも合宿から帰ってきてから改名のことも含めて色々と考えた結果として、気持ちの変化はありました。改名理由も“GANG PARADEを一生背負っていく”ということだったので、その意味についても色々と考えたんです。そこで自分の取り柄はダンスしかないなと思ったので、グループの中でもパフォーマンスの部分でどっしり構えられるような存在になりたいという気持ちが改めて固まりましたね。
●自分の存在意義を考えるキッカケにもなった。
マイカ:そうですね。やっぱりメンバーが9人もいると、キャラクターのことだったりで誰しも悩むと思うんですよ。私たちは本当に9人が見事なくらいにカブっていないし、その中でも自分がどうあるべきかということを考えられたので良い機会でした。
●サキさんはトレードから戻ってきて、何か変化は感じましたか?
サキ:良い意味で、メンバーに甘えられるようになりました。自分が悩んだりしている時も、メンバーが救ってくれるのですごく頼りになりますね。自分以外の誰かが悩んでいる時も救ってくれるだろうし、フォローのし合いができるというか。そういうグループワークみたいな面が強くなったなと思います。
●逆にメンバーから見て、サキさんにも変化はあった?
ドクソン:人間らしくなりましたね。前はいつも強くて、まさしく鉄人みたいな存在だと思っていたんです。どんな時も引っ張ってくれるし、弱みは一切見せない人だったんですけど、帰ってきたサキちゃんは弱いところも人に見せる“人間らしさ”が見えて。温かみというか…体温を感じました。
サキ:体温…(笑)。
ユウカ:前は冷たかったのか…(笑)。
●ハハハ(笑)。
ドクソン:冷たかったわけではなくて…、前は絶対に弱いところを見せなかったんです。たぶん私たちがそれくらい頼りなかったので見せられなかったんだなと、今は思いますね。でも今はそういうところも見せてくれるようになったので、サキちゃんの私たちに対する気持ちも、私たちのサキちゃんに対する気持ちも、どちらも変わったんだなと思います。
サキ:BiSにいる時はどうしてもプー・ルイの卒業のことだったり、色々とまだ自分が引っ張っていくべき立場にいるのかなと思っていて。その時はその時で良さがあったんですけど、こっちに来たらこっちに来たで肩の荷をふっと降ろせる瞬間もあって、それも良いなと思わせてくれました。
●だから弱さも見せられるようになったんですね。
サキ:そのキッカケはBiSが作ってくれた部分もあって。しんどい時にメンバーが急にギュッと抱きしめてくれたりとか、そういう兆しはそこで生まれていたんです。そこから完全に“頼っても良いんだ〜”と気持ちが溶けるような感覚は、ギャンパレが感じさせてくれましたね。
●「GANG 2」の歌詞は、そういうグループ内の今の状態も反映しているのかなと。
サキ:合宿の1週間後くらいに頂いた歌詞だったので、そういう背景とかも感じられる歌詞だなと思っていて。でも合宿のこと以上に、深い意味合いも込められているなと感じるところもあります。
ドクソン:“わかるわ〜”って思う部分が(歌詞中に)散りばめられていて。“これはサキちゃんのあのことに似ているな”とか、“マイカの合宿での気持ちはこういう感じだったのかな”と思ったりもして。いつも“自分の気持ちに似ているな〜”と思うことはあるんですけど、この曲からはメンバーの姿が浮かんできました。
●だからこそ、メンバーそれぞれも気持ちを乗せやすいのでは?
ユア:Zepp DiverCityで初めて歌った時に、今までで一番無理せずに等身大の自分の気持ちを乗せられる曲だなと思って。“がんばろう!”みたいな前向きな歌詞は今までもたくさんあるんですけど、こういうちょっと弱さのある自分というのが等身大に一番近いから。無理していないので、気持ちも乗せやすいですね。
ユウカ:私は“嫌!! 高みを目指して 否!! 諦めずともにゆこう”という部分がすごく好きなんです。そこまでは“もどかしい思い どうしよう”とか“明日の夕日が見れずに”みたいな後ろ向きにも思える歌詞なんですけど、ここで“嫌!!”と言って急に振り払う感じがするというか。振り付けでもここは1回崩れ落ちてから、立ち上がるんですよ。そこがすごく好きですね。
●自分の弱さを見つめつつも、それを振り払って前を向く歌詞になっている。
ユウカ:「GANG 2」は歌っているとすごく苦しい気持ちになるし、前向きとは言い切れないんですよ。でも歌い終わった後に、どこか晴れやかな気分になるんです。本当に“人生”っていう感じがします。
ココ:どれだけ明るい人やいつも弱さを見せない人でも、人には見せていないダークな面や悩みが実はあって。そういう一面も自然と出せてしまうような曲というか。前向きに“がんばろう!”みたいな応援ソングも良いと思うんですけど、そういうものとはまた別角度の共感をみんなにしてもらえるんじゃないかな。“あ〜、わかる”と心に染みて、“みんなそうだよね。がんばろう!”みたいな気持ちにもなれる曲ですね。
●ある意味、今までにない曲というか。
マイカ:この曲を歌っていると、本当に合宿の時の気持ちが心の奥底から甦ってきて。ライブでも“ここでこう見せなきゃ”とか考えなくても、自然と出てくる表現みたいなものがあるんだなと初めて気付けた曲でした。
ミキ:ラストのサビは歌う人数がどんどん増えていくんですけど、Zepp DiverCityの時は本当にそこで感情が入りすぎて泣きそうになりながら歌っていたんです。マイカも言ったように、何も考えなくても曲の中に入れるし、“こうしよう”とか考えなくても自分がその時に歌いたい形で歌ったり、身体が勝手に動いたりするっていう経験が今までにはなくて。自分でもビックリするくらい、引き込まれる曲だなと思いました。
●歌っている自分自身も引き込まれてしまう。
ミキ:今までは自分の中にその曲を取り込んで表現しようと思っていたんですけど、それとは逆で曲に自分が食べられている感じというか…。
サキ:わかる!
ドクソン:今、それぞれの意見を聴きながら、サキちゃんがすごくうなずいていました(笑)。「GANG 2」に対してサキちゃんが感じていたことを、みんなも同じように感じられているのが嬉しいみたいです。
●サキさんが感じていたこととは?
サキ:自分がBiSで感じていた感覚を“みんなにどう伝えたら良いんだろう?”って、この曲をもらう前から考えていたんですよ。トレード中に外から見ていて、それがあったらもっとすごいライブをギャンパレはできるはずだと思っていて。そこに「GANG 2」が来たから“おっ!”と思っていて、その後のインタビューでもみんながそういうことを言っているのを聞いてすごく嬉しくなりました。
ユウカ:サキちゃんがトレードから帰ってきた時に、BiSでの表現の仕方とかについて話は聞いていたんですよ。でもギャンパレには元々ないものだったから、わからない部分があって。それが「GANG 2」をライブでやってみて、初めてわかった感じがします。
●「GANG 2」を通じて、感覚を共有できた。
ココ:BiSとGANG PARADEでは、曲調やライブの在り方がわりと違っていて。サキちゃんがBiSの曲やライブに向き合っている姿が、自分たちとは異なっているのはトレード中にわかっていたんですよ。でもギャンパレは“みんなの遊び場”というのを大事にしながらやってきたし、そういうものとはちょっと違うんじゃないかなと思っていたんです。でも「GANG 2」をライブで初めてやった時に、サキちゃんの言っていたことが腑に落ちたというか。“あっ、ライブってこういう感情にもなるんだ!”っていう発見もあったので、この曲に出会えたことは自分たちにとって本当に大きな出来事でした。
●新しい感覚に気付かせてくれたと。
サキ:ギャンパレには色んな引き出しの曲があって、それがすごく素敵だなと思っているんです。そこにまた新しい引き出しが「GANG 2」で加わったなと。
ココ:しかも大きな引き出しだと思います
●なるほど。カップリングのM-2「来了」はミキさんによる作詞ですが、こちらはどういうイメージで書いたんですか?
ミキ:これは“ネガティブな頑張りたい人”の心情を書いた歌詞です。
●“ネガティブな頑張りたい人”?
ミキ:2人が新たに入ってきて新体制での練習を始めている中で書いたんですけど、ライブの合間に練習をしたりとかカツカツのスケジュールでやっていて。体力的にも精神的にもしんどくなってしまった時に、“でも頑張りたいし…”っていう何とも言えない心情になったんです。頑張りたい人に向けた応援ソングみたいなものはたくさんあると思うんですけど、“頑張りたい”と思っている人自身の気持ちを書いた歌詞ってあんまりないのかなと思ったんですよ。だから私はそこを全面的に出したいなと思って、ちょっとネガティブになっている人の心情をひたすら書き綴ってみました。
●「来了」というタイトルは、曲調に中国っぽいところがあるから?
ミキ:まさしくそうです。デモの時点から、仮歌で“チャイナ”とめちゃくちゃ言っていて。サウンドプロデューサーの松隈(ケンタ)さんからも“チャイナっぽく歌って欲しい”という要望があったので、絶対に中国語は入れたいと思って“来了”という言葉を入れさせて頂きました。あと、Aメロ・Bメロは字面で中国感を出したくて、漢字を多めに使っています。
●“一歩踏み外し 幾度と無く繰り返して”の部分が、特に中国語っぽい歌い方な気がしたのですが。
ドクソン:そこは私です! 私とココは、オリジナリティのある中国語っぽい感じで歌うのが得意で。楽しくなって、どんどんやっちゃいましたね。
ココ:「GANG 2」は真面目に歌い上げているんですけど、「来了」はすごくおフザけができる曲で。自分でも“ちょっとフザけすぎかな…?”と思いながらレコーディングしたんですけど、実際に仕上がった音源を聴いてみたらコテコテすぎて自分でもビックリしちゃいました(笑)。でもチャイナ感はすごく出ていると思うし、聴いてくれた人にも驚いてもらうのがすごく楽しみです。
●そのくらい振り切れていると。
月ノ:レコーディングの時は“とにかく振りきって、中国語っぽく歌って”と言われていたんですけど、私は振り切ることが苦手で…。ココさんとドクさんと私はレコーディングの日が一緒だったんですけど、お2人はとにかく振り切るのが上手くて…すごいなって思いました。
ココ:初めてのレコーディングだったので、新メンバーの2人はそうなっても仕方がないというか。自分がもし2人の立場だったら戸惑うだろうなっていうくらい、振り切った曲だから。その中でも2人らしさは出ていると思います。
●新メンバーの2人は、この2曲でギャンパレの振り幅を存分に体感できたのでは?
月ノ:確かにそうですね。「GANG 2」の次に「来了」を聴いた時は“おおっ!?”っていう感じでちょっと戸惑いましたけど(笑)、2曲ともすごく楽しかったです。
ハルナ:私も楽しかった。あと、サキさんとマイカさんに付けてもらった振り付けもすごくカッコ良くて、お気に入りなんです。ライブでも踊れるように頑張ります!
●今作をリリースして、次は“REBUILD TOUR”に向かっていくわけですが。
サキ:4月のZepp DiverCityでそれぞれの課題を見つけることができたので、今回のツアーではこの9人だからこそできるものを作り上げていって、最終日につなげられたらなと思っています。
●4月のZepp DiverCityを経て、今回のツアーファイナルはZepp Tokyoなんですよね。
月ノ:Zepp DiverCityはお披露目ライブということもあって、“スタート”を見せられたと思うんです。私とハルナは特にそうなんですけど、Zepp Tokyoでは“成長”した部分を見られると思うんですよ。そこをどれだけ見せられるかが勝負だと思っているし、何回かライブを経験させて頂いてからのZepp Tokyoなのでお披露目の時とは違う心境で挑めたらなと思います。
ハルナ:私も成長して、“別人”みたいな感じでステージに立ちたいと思っていて。EMPiREの赤坂BLITZを観させて頂いて、すごく刺激を受けたんです。同じオーディションを受けた子たちもEMPiREやBiSでデビューしたりしていて、自分にも“抜かされたくないな”とか“負けたくないな”という気持ちが今は芽生えています。合宿で同期だった子たちの中で私が一番変わりたいし、すごい人になりたいです!
●ドクソンさんはツアーに向けて、どんな気持ちですか?
ドクソン:再構築…そして、Zeppの向こう側へ。
一同:パチパチパチパチ! (※全員で拍手)
●その意味とは?
ドクソン:前にユユ(※ユウカ)が“恵比寿LIQUIDROOMでのワンマン(※2017/11/20)でステージに立っている時に、LIQUIDROOMのその先が見えた”という話をしていたんです。そういう“その先の道を見つけられた”という感覚が、私には最近なかったなと思って。1つ1つをやりきるということに偏りすぎていて、次を見据えることを忘れちゃっていたことをちょっと反省したんですよ。だからZepp Tokyoではその先を見られるようにしたいし、お客さんにも見せることができるようにしたいと思っています。
ユウカ:私たちも変わったし、求められているものも変わってきていると思うんです。だからこそ私たちも変わり続けないといけないし、求められている以上のものを見せていかないといけなくて。お客さんが見ている、さらにその先を私たちは見ていないといけないのかなって思います。
●Zepp Tokyoで終わりではないですからね。
ココ:そこに対しても“通過点”として、しっかりやりきりたいという気持ちがあって。Zepp Tokyoまでの間にはツアーもあって、Zepp DiverCityまでの準備期間とは比べ物にならないくらい濃い時間を過ごした後にファイナルを迎えるわけだから。自分たちでも納得して“その先が見えたね”と言えるようなものを積み重ねて、そこで爆発させたいなと思っています。
Interview:IMAI