FootRock&BEERS×JUNGLE★LIFE Presents
Enjoymusic Enjoylife2018〜GABUっと行こう#1〜
2018年3月20日、JUNGLE☆LIFEとライブハウス“FootRock&BEERS”による共催イベント『EnjoyMusic EnjoyLife2018 〜GABUっと行こう#1〜』が大阪十三に昨年の夏オープンした「246ライブハウス GABU」にて開催された。出演者は小松沙緒里、KENG、木原尚美の3組。開演に先立ちエントランスの特設ステージでは、自身もアーティストながら今回それぞれ出演者のサポートギターをつとめた東島悠起と松本誉臣によるミニライブが行われた。MCでは協賛であるJOYSOUNDのカラオケ配信サービス“うたスキ ミュージックポスト”や大阪村上楽器が手がけるオンデマンド楽譜販売サービス“D-STYLE”も紹介され、盛り上がりを見せた。
トップバッターを務めたのは小松沙緒里。弾き語りを中心に活動する彼女だが、この日はギターを置きボーカリストとしてパフォーマンス。自由にステージを駆け回った。ストレートな楽曲や力強い歌声が印象的で今後の成長が楽しみなアーティストである。
2番目に登場したのは「カレー王子」ことKENG。
ポップセンスに定評のある彼だが、思わず笑顔になってしまうような暖かいステージングでまだ少し緊張感の残るフロアを徐々にほぐしていく。代表曲であるバラード「愛を読む人」でライブは最高潮に達し、伸びやかな歌声で会場を一つにした。
最後に登場したのは木原尚美。音楽活動を開始して間もないというが、それを感じさせない堂々としたステージを繰り広げた。目を閉じると情景が浮かぶような美しく深い、そして少し毒のある歌詞の世界、才能を感じざるを得ないコードワークとメロディセンス、否応無く聴く者の耳を引きつけてしまう魅力的な声。バンドのアンサンブルともあいまって、まさにトリに相応しいステージであった。
そして特筆すべきは『246ライブハウスGABU』の“空間演出の素晴らしさ”である。
プレイヤーの演奏を余すところなく伝える音響と、それをさらに引き立てる多彩な照明。フロアに一歩足を踏み入れるとそこには確かに「非日常」があり、語弊を恐れず言うならば「ああ、やっぱりライブハウスって楽しいんだ」と思わせてくれる環境であった。
音楽には色々な楽しみ方がある。近年それは益々多様化し、誰もが表現の場を持つようになった。演者と観客の垣根が少しずつ曖昧になり、昔ながらの音楽業界の危機を叫ぶ声も多く聞かれるようになった。しかしだからこそ生まれるニーズも確実に存在し、そしてそれは決して小さなものではなく、むしろ大きな可能性を秘めている。出演者の楽曲のカラオケ配信や楽譜販売など、今回のイベントのコンセプトはまさにその新しいニーズを見据えたもののように感じられた。
次回は6月3日(日)に開催が決まっている。新しい音楽との関わり方を提示するこのイベントの今後に期待したい。
TEXT:Takaomi Matsumoto PHOTO:Shunya Hirai