音楽メディア・フリーマガジン

TRICHORD vol.8

大いなる個性と可能性を持つ6組が飛躍を予感させた夜

JUNGLE☆LIFE × ReG presents“TRICHORD vol.8”
2017/10/18@下北沢ReG

出演:deronderonderon / シロとクロ / Althea / super aruca / a mag's room / Liz is Mine.
JUNGLE☆LIFEと下北沢ReGによる共催イベント“TRICHORD vol.8”が、10/18に開催された。8回目となった今回は、deronderonderon、シロとクロ、Althea、super aruca、a mag's room、Liz is Mine.という6組が競演。個性と可能性に溢れるステージで魅了され続けたイベントの模様をお届けする。

 

 


 
この日のトップバッターは、3ピースロックバンドのLiz is Mine.だ。身体を揺さぶるリズムに乗せて、情緒的なメロディの歌を響かせていく。力のこもった歌声と演奏には、フレッシュさと大人っぽさが同居しているかのよう。「死ぬ気でやるので!」と宣言した通り、全身全霊で駆け抜けたステージに胸が熱くならずにいられない。

 

 


 
続いて登場したのは、a mag's room。不穏な空気を漂わせるイントロから始まった「アカネ」では曲が進むにつれて、メンバー4人が凄まじいアンサンブルを織り成していく。G./Vo.安藤誠が「ライブは戦場だと思っている」と話していたが、底知れぬパワーを秘めたサウンドでフロアを飲み込み、あっという間に制圧してしまった。

 

 

「今日は来てくれてありがとう!」とG./Vo.すぎぶちが素っ頓狂な声を発して、会場中の注目を一気に集めたのはsuper aruca。「ジャパニーズガール」のキャッチーだが、どこか一筋縄ではいかない奇天烈なサウンドに心が躍り出す。かと思えば、優しい歌声で聴かせる曲もあるなど、カラフルでバラエティ豊かな音でオーディエンスのハートをしっかり掴んだ。

 

 

凄まじい迫力とテンポ感で場内を圧倒したのは、Altheaだ。本当に3ピースバンドなのかとステージを凝視してしまうほどの、強烈なバンドアンサンブルは圧巻というほかない。「裏表」、「大人になる意味」など、暴れまくるビートに聴き惚れていたら、あっという間に時間が過ぎていってしまった。まだ10代という彼らの今後が楽しみでならない。

 

 

次に登場したのは、シロとクロ。丁寧な演奏で紡がれる緩急のある楽曲が、観る者たちを3人が生み出す独自の世界へと誘う。特に最後に披露した「夜を見上げる」では、幻想的なサウンドにVo./G.ひのの声が見事に重なり合い、さらなる深みをもたらしていた。その音に“いつまでも浸っていたい”と思ったのは、自分だけではないはずだ。

 

 

この日のトリを務めたのは、deronderonderonだ。問答無用で踊らせる強力無比なビートにのせて、次々と繰り出されていくダンサブルな楽曲の数々。彼らのパフォーマンスを観ていると、余計なことは抜きにしてただただ“楽しい”という感情だけが湧き上がってくる。最初から最後まで“デロン節”が炸裂したステージに、フロアの温度は天井知らずに上昇し続けていった。

 

ジャンルや世代を問わず、多種多様な音楽性を持ったバンドとの出会いをこの日ももたらした“TRICHORD vol.8”。未知なる可能性を秘めた6組による全力のパフォーマンスは、数多くの人を魅了したに違いない。さらなる飛躍を楽しみにしつつ、彼らの今後もぜひ追いかけてみてほしい。

 

TEXT:室井健吾
PHOTO:南雲直人

 

 
 
 
 

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