GANG PARADEが現在の7人体制になって初のフルアルバム『GANG PARADE takes themselves higher!!』をリリースする。当初は9月末までの期間限定でカミヤサキとの“レンタルトレード”で加わったはずのアヤ・エイトプリンスだったが、8月に赤坂BLITZで行われたBiSHとのライブでその無期限延長を発表。もはや何が起こっても動じないメンタリティを持つ彼女たちは、そんな中でも勢いを増しつつ“SUMMER SONIC”や“夏の魔物”、“TOKYO CALLING”など数々の夏フェスに出演して話題をさらってきた。同じ事務所(WACK)に所属するBiSやBiSHとも切磋琢磨しながら進化を続けているライブパフォーマンスは、今やその両者に勝るとも劣らない。前身グループ時代から歌い継いできた代表曲「Plastic 2 Mercy」やシングル曲「FOUL」の現体制での再録バージョンから、ユメノユアが初めて作曲した「普通の日常」までヴァラエティ豊かな全10曲を収めた今回の新作は、彼女たちの今の充実ぶりを物語っているようだ。常に崖っぷちに立つような覚悟で、果てしない高みを目指し続ける7人が存分に思いの丈を語る10,000字ロングインタビュー!
「良い意味で、今までのGANG PARADEのイメージを最初から変えてしまえるというか。聴いた人がまた新しいGANG PARADE像を作れるんじゃないかなと思います」
●当初は9月末までの期間限定でカミヤサキさんとの“レンタルトレード”で加わったはずのアヤ(・エイトプリンス)さんですが、その後“無期限延長”が発表されて今回のアルバムリリースに至るという…。
ココ:“無期限◯◯”ってよく言いますけど、都合が良い言葉ですよね。
●確かに(笑)。本人的にはどうだったんですか?
アヤ:渡辺(淳之介/WACK代表取締役)さんに「無期限延長だから」とサラッと言われて、私もサラッと受け止めました。
●他のメンバーは?
ドクソン:単純に嬉しかったです。やっぱり、お別れってなるのは寂しいから。
●アヤさんが加わったことでの、良い効果も感じている?
ココ:サキちゃんがいた時代と比べてどうとかいう話ではないんですけど、良い変化はたくさんあったと思います。アヤの入ったGANG PARADEもみんなに認めてもらえるようになってきたし、すごく良い感じになっているんじゃないかな。
マイカ:アヤが入ったことで、ビジュアル面でよりキラキラした気がします。あと、アヤが1サビの部分を歌うことも多いから、曲の雰囲気もガラッと新しい感じに変わったりして。そういう面でも変化は感じていますね。
●今の7人で新しいGANG PARADEを作っていけているというか。
アヤ:サキちゃんのいた頃ともつながっている流れの中で、徐々にGANG PARADEとして上がっていけているのかなと思います。あと、ずっと引っ張ってくれていたサキさんがいなくなったぶん、メンバー個々がより一層グループや自分自身について考えるようになったんじゃないかな。
●ドクソンさんも考えるようになった?
ドクソン:なりました! 私から見ていても1人1人が変わったと思うし、今が“成長期”という感じです。ただ、もっと変わらなくてはいけないところに私たちはいて…。
●まだ進化が足りない?
ドクソン:もうちょっとビックリするくらい進化したいので…、ゆえに焦りますね。アヤが入って今の7人で初ライブをやった時に、「悪かったわけじゃないけど、想像を超えられなかった」というお客さんの声を聞いたんです。だから小さくまとまるんじゃなくて、“もっとバーストしていきたい!”と思っていて。
マイカ:“まだまだ行かなくちゃいけない”と思っています。
●周りの想像を超える進化を目指している。
ミキ:想像を超えられないと、意味がないから。仮にアヤがいる期間がいつまでと決まったとして、そこまでにいかに自分たちがお客さんやスタッフの期待を良い意味で裏切れるかというところが本当に重要なんです。短期間で上げていくということが私たちには求められているので、そういう意味では“まだまだ伸びないといけないな”と思っています。
●短期間で一気に上げていかないといけないという意識が強いんですね。
ミキ:あんまりノロノロしていたら、お客さんもスタッフさんも飽きちゃうと思うから。日々成長していかないといけないなと思います。
ユア:今を全力でやらないと、未来に行けないから。自分たちで“ここまでだ”と思ったら、そこで終わりなんですよね。満足した瞬間に終わりだし、伸びしろを決めてしまったらそこまでしか行けない。そういうスタンスは、これからも変わらないと思います。
●GANG PARADEは元々ハングリー精神のあるグループだと思いますが、最近はそこがより強まっている?
ミキ:最近はライブやイベントでBiSやBiSHと一緒になることが多いので、それも関係していると思います。近くにいると、どうしても気持ちが高ぶるというか。“負けてらんねえな”という気持ちになるから。
ココ:特にライブがある時は、みんなメラメラしていて。他のグループのメンバーとも普段は仲良くしているんですけど、やっぱりライブの時はピリッとしているかなと思います。
●ライブの時はお互いにライバル心があるので、緊張感を持って臨んでいるわけですよね。
ココ:WACKには後輩のEMPiREも新たに入ってきて、自覚が変わったというか。前はBiSとBiSHに比べて、GANG PARADEは一番下だと思われているから“頑張ろう!”という感じだったんです。でも後輩ができたことで、より“頑張らなきゃな”という気持ちがみんなに湧いてきたんじゃないかな。
マイカ:あとは最近の(BiSやBiSHと一緒に出演する)ライブでは、周りからの見る目もちょっとずつ変わってきている気がして。今までだったら「BiSHが一番良かった」とか「BiSは流石だな」と言われることが多かったのが、最近は「今日はGANG PARADEが一番良かった」と周りの大人たちに言われることも増えてきたんです。だから、“ここを逃さないようにしないとな”と思っています。
●周りからのイメージも覆すことができ始めている今がチャンスだと。
ココ:“BiSやBiSHが一番で当たり前”という認識が、最近はなくなってきている気がして。ちゃんと闘えているんだなと思うし、私たちもようやく平等に評価してもらえるところまではきたんだなと。元からパフォーマンス自体も手を抜いているつもりはないし、負けているつもりもないんですけど、“ようやく周りがちゃんと見てくれるようになったか”と思うと嬉しいですね。
●そうやってグループの状況も良くなってきているところでのアルバムリリースとなりますが、“さらに高く上昇していく”という意志がタイトルの『GANG PARADE takes themselves higher!!』にも表れているのでは?
ミキ:タイトルは渡辺さんが考えてくれて。
アヤ:いつも良いタイミングで、良いタイトルをつけて下さるんです。
ドクソン:前回の『Beyond the Mountain』(シングル)もそうですけど、目標がいつもタイトルになっている感じがします。
●山を越えて、さらにそれよりも高くというところですよね。渡辺さんが期待してくれているからこそのタイトルというか。
マイカ:この間、渡辺さんがTwitterで「新幹線で震える GANG PARADEのマスタリング音源。完全にコロシに行くぞ来年はGANG PARADEが。」とつぶやいてくれていて。些細なことだけど、それがすごく嬉しかったです。
アヤ:ちなみに私は渡辺さんが震えた曲を知りたくて、訊きに行ったんです。そうしたらM-1「イミナイウタ」、M-2「GANG PARADE」、M-3「Are you kidding?」が震えたと言っていました。
●確かに冒頭3曲はすごくパンチがありますよね。しかも1曲目がいきなり「イミナイウタ」っていう…。
マイカ:今作で一番、今までになかった曲という感じがします。
ココ:歌の割り振りもよくわからないんですよ。
ミキ:何となく分けられてはいるけど、大体の部分がみんなで歌う感じで。でもみんなでワチャワチャ歌えば、楽しくなるかなと思います。
ユウカ:ライブではどうなるのかわからない…。
●ライブの盛り上がり方が想像できない?
ココ:クラブみたいになると思う。WACKのファンは音楽が好きで入ってきた人たちと、アイドルが好きで入ってきた人たちという2通りのファン層が混ざっていると思うんですよ。私の予想としては音楽が好きな人はノってくれると思うけど、めっちゃノれる人と置いていかれる人で2つに分かれるんじゃないかなって。それを見るのがすごく楽しみです(笑)。
●今までにない光景が生まれそうな感じでしょうか?
ミキ:コールを入れる場所もないですからね。
ココ:でも本当にノれる曲だから、楽しみ方は各々で見つけてもらいたいですね。
●GANG PARADEとしても、音楽性の幅が広がったのでは?
ココ:元から色んな幅の曲があったんですけど、今回でまたさらに広がった感じですね。
アヤ:「イミナイウタ」はハウスみたいな感じだし、「GANG PARADE」はロック系だし、M-4「普通の日常」は何か“ほわ〜ん”っていう感じだし(笑)。
●そこだけジャンルじゃなくて、擬音(笑)。
ココ:エモ系もあるし、ポエトリーリーディングみたいな曲もあるし、凝縮感がすごいですね。
ドクソン:良い意味で、今までのGANG PARADEのイメージを最初から変えてしまえるというか。聴いた人がまた新しいGANG PARADE像を作れるんじゃないかなと思います。
●前身グループの“プラニメ”時代から歌い継いできたM-7「Plastic 2 Mercy」を今の7人で再録したのも、新しいイメージを作っていこうという意志の表れでは?
ココ:「Plastic 2 Mercy」って、歌っているメンバーが一番変わっている曲で、色んなバージョンがあるんですよ。プラニメの2人で歌っているバージョンもあるし、POP(ピーオーピー/前身グループ)の5人でのバージョンもあるし、前の7人(※カミヤサキ在籍時)のバージョンもあったりして。歌っているメンバーによって色々と違うから、今回はアヤの入ったバージョンをまた1つGANG PARADEの歴史に残せたんじゃないかなと思います。
●歌い継いでいく中で、歌詞の意味合いも変わってきたりするんじゃないですか?
ユア:プラニメの時からある曲なので、私自身も最初は“元からある曲を歌っている”という感覚のほうが強かったんです。でもほぼ毎回のようにライブで歌い続けていくうちに、サビの“僕が いない未来 見ない未来 ありえない”という歌詞に対して、“自分はいなくなれないな”という想いが湧いてきたりして。メンバーが抜けたり変わったりという経験をしてきたから、そういう想いが強くなってきたんだと思います。
ミキ:私はプラニメの時にサキちゃんがどんな想いでこの曲を歌っていたかを、POPが始まった時に本人から全部教えてもらっていたんです。だからそういう気持ちを受け継いだ上で、さらに自分の気持ちを乗せている感じですね。そこはメンバーが変わろうが、人数が増えようが変わらないところで。
●新しいメンバーが加入したりして関わる人数が増えることで、そこに乗る気持ちも増していくのでは?
ミキ:重さは変わってきているし、今が一番重いと思います。想いも1人1人強いので、ずっしりしていると思いますね。
●M-5「FOUL」に関してもリリース当時はカミヤさんを含む7人で“BODY&7SOUL”と歌っていたところから、今はアヤさんに替わっての7人で“BODY&7SOUL”を表現しているのかなと思います。
ミキ:その時々で、曲に乗る気持ちは変わってくると思います。だからこそ1回1回のライブで、みんなが乗せる想いも違っていて。“伝えたい”という気持ちもどんどん強くなっているし、そこは色々と変化があるなと思います。
アヤ:「FOUL」で私が一番届けたいところは、“僕らの存在証明するから”という歌詞で。そこはいつもライブで、気持ちがすごく乗るんです。新しい7人になって、“もっとこの7人を認めて欲しいな”と思っているから。“証明するから見ていてね”という気持ちで歌っていますね。
「危機的状況になった時って、限界を越えた力が出るから。そういう力が出せるのって、平坦な道ではなくて崖の上だと思ったんですよね。そういう力を出さなきゃいけない私たちは、崖の上にいて当然!」
●今作にはメンバー自身が作詞や作曲をした楽曲も収録されていますが、特にユウカさんは「Are you kidding?」とM-6「I need you I love you I want you」の2曲で歌詞を担当していて。自分の中で、何かテーマはあったんでしょうか?
ユウカ:前回の『Beyond the Mountain』で「ペニンシュラ」の歌詞を書いた時は、“恋愛”というテーマを与えられていたんですよ。でも今回は“恋愛以外”というだけで特に指定がなかったので、どういうテーマで書くか迷ったんです。それで結局、自分の思っていることや気持ちを書いたほうが伝わるのかなと思ったので、今思っていることを書くことにしました。
●「Are you kidding?」は特にそういう感じがしますね。
ユウカ:GANG PARADEはメンバー個々のキャラクターが濃いから、一緒に活動をしていく中で自分のあり方がわからなくなることもあって。でも自分がどうしたいとかわからなくても、(グループとしては)とりあえず進んでいくじゃないですか。だから自分がまだ確立されていなくても、“偽物「i」”でやっていかないといけないということを1番では書いています。
●“切り貼りして誤魔化”して進んでいる偽りの自分を、1番の歌詞では描いている。
ユウカ:2番では“知らなくちゃ もういい加減 私らしい「i」を”と歌っていて。自分がなりたいものとは違う自分だから、どうしても“ないものねだり”しちゃうんですよ。でもそういう自分を認めた上でやっていかないといけないんだなという気持ちで、2番の歌詞は書きました。1番は“弱い自分”についての歌詞で、2番は“それを認めてやっていこう”という感じですね。
●メンバーも歌詞の内容に共感できるところはありますか?
ココ:私はこの歌詞がめっちゃ好きで。レコーディングの時も自分で歌っていてグッときたくらい、すごく良いなと思っています。
ユウカ:確かにココのレコーディングで歌を聴いていると、すごく気持ちが伝わってきて良かったんですよ。ココにだけはちょっと歌詞のことを話していたので、それも関係あると思います。
●歌詞の内容についても聞いていたから、歌う時により気持ちが入ったんでしょうか?
ココ:作詞をする時はよくユユ(※ユウカ)の家に行ったり、一緒にカフェへ行って書いたりしていて。採用された歌詞を聴いた時に、自分にも重なるところがたくさんあったんです。やっぱりユユとは活動をスタートした時期が同じで一緒にいた時間が長かったので、“すごくわかるな”と。それでレコーディングの時も、張り切って歌いました。そうしたらユユが「良かった」と言ってくれて、嬉しかったですね。
アヤ:私もこの曲はヤバいと思います。今回の新曲の中でも一番好きなんですよ。ユユの歌詞を見た時に泣きそうになってしまって…彼女は天才です!
●絶賛ですね(笑)。
アヤ:これはポップな曲なんですけど歌詞が良いから、そのギャップでエモくなるというか。SCRAMBLESのoki you-ohさんが作曲して下さったものにユユが作詞をして、本当に素晴らしい曲ができあがって。この歌を歌えて幸せです! 自信を持って下さい!
ユウカ:ありがとう(笑)。
●曲の展開も面白いなと思いました。
マイカ:イントロはめっちゃポップなんですけど、“まさかこんなサビがくるなんて!”っていう。
ココ:こんなにがっつりポップなものとエモなものが混ざっている曲は他になかなかないし、私も本当に好きですね。マジで泣けます。
●「I need you I love you I want you」もユウカさんの作詞ですが、こちらはどういうイメージで?
ユウカ:こっちも自分の気持ちなんですけど、SiS(※ココ、ユウカ、ドクソンが所属していたグループ)の時に書いた歌詞を元にしていて。この歌詞はすごく難産だったんですよ。ココと一緒に作詞している時にめっちゃ徹夜しちゃって…、ちょっと頭がおかしかったんです。ココは寝ていたんですけど。
ココ:その情報、いらないでしょ(笑)。
ユウカ:“ココが寝ちゃって寂しい…”と思って。
●ココさんが寝ている姿を横目に、“孤独が染めてた”という心境になったんですね(笑)。
ココ:この歌ができたのはウチのおかげだな(笑)!
ユウカ:夜って、色んなこと考えちゃうじゃないですか。自分のこととか…。
●それでSiS時代を振り返って書いた?
ココ:SiSの時の歌詞と音源のデータが、私の携帯に全部残っていたんですよ。この曲の作詞で煮詰まっている時にそれを久しぶりに2人で見てみたら、BiSのオーディションに落ちた時の感情をそのまま歌詞にしているものが多くて。SiSの時の作詞はほぼ私たち2人でやっていたんですけど、その当時はわりとポンポン出てきていたなと思って久しぶりに見てみたんです。そしたら「めっちゃ良い歌詞じゃない?」となって。
ユウカ:私たちはBiSのオーディションに落ちて、SiSをやることになって。そういう時にBiSが活動しているのを見て、“(自分たちとは)違う世界だな…”と思っちゃったんですよね。その時の気持ちを書いていたものを、今のバージョンに書き換えた感じです。
●“僕ら 行き場を失ってた 夢の扉開く鍵と 君は地図をくれた”というのは、その頃の心情?
ユウカ:SiSが始まる時の気持ちとかを書きました。
●ということは、ここの“君”は渡辺さんですか?
ユウカ:そうです。色んな“君”がいるんですよね。“今と違って 君と僕らは まだ出会っていないんだな”というところの“君”は、GANG PARADEの(SiSの3人が加入する前からいたメンバー)4人のことで、“僕ら”はSiSから来た私たち3人のことなんです。行き場を失った私たちに、渡辺さんやGANG PARADEのメンバーが居場所を作ってくれたことへの感謝の気持ちも入っています。ウチらは“東京にちゃっかり溺れ”ていたから。
●“つまらない僕らが変わり続けていくため”という意識もあるんですね。
ユウカ:思い返すと、BiSのオーディションの時の自分はすごくつまらなかったんですよ。あの時は普通だと思っていたんですけど、今見たら“何や、コイツ?”みたいな。ずっとムスッとしていて、つまらない人生を歩んでいたんだなと思って。
●でも今は違う。
ユウカ:歩き続けていく中で、だんだん変わっていって。その中で出会えた人もいっぱいいたので、これは出会いと感謝の歌です。
●そしてM-8「TIE」では初めてドクソンさんが作詞したわけですが、全然フザけていない感じの…。
ドクソン:いつもフザけていないですよ!
●すいません(笑)。こちらはどういうテーマで書いたんですか?
ドクソン:これは基本的には自分たちをテーマにして書きました。“見せかけのパーツ 集めるだけじゃ意味ない”は、まさしく自分のダメな部分のことで。
●“強がりのメッキ剥がして”というのも自分のこと?
ドクソン:そうですね。それが自分的に課題だったんです。すぐ取り繕っちゃう部分があったんですけど、それは良くないと思って。今年の目標は“素直”だったので、そういうふうに書きました。
●自分自身に対するメッセージにもなっている。
ドクソン:戒めというか、自分を奮い立たせる感じもありました。“振り返らない 道の上 そう一歩でも踏み外したら死”は、メンバー全員のことです。いつも思っているんですけど、毎回ライブでは“ここでコケたら自分たちは終わりだ”と思ってやっているのでそれを歌詞にして。あと、“ムービースター”はみんなで映画(『劇場版 アイドルキャノンボール2017』)に出たからなんですけど、今の自分たちの弱いところとかを書いています。
●“果てない 果てない 旅の途中”というのも最初に話した、“まだまだ先に行かないといけない”という気持ちの表れかなと。
ドクソン:“広い世界を見ないといけないな”という気持ちも入っています。私たちってハングリー精神をWACKの中だけで出しがちだったので、闘うフィールドをもっと広げたいんですよ。外でも闘える力をつけて、広い世界でもっと勝ちたいから。そういう誓いの歌です!
●そんな強い気持ちが込められていたんですね。そして「普通の日常」はユアさんが初めて作曲されていますが、これはどうやって作ったんですか?
ユア:SCRAMBLESによる試み的な感じで、曲のデモがいっぱい送られてきて。「この中から好きな曲を選んで、歌のメロディを送って下さい」というコンペみたいなことをみんなでやったんです。30曲くらいあったうちの何曲かに歌メロをつけて送ったんですけど、その中の1つを採用してもらった感じですね。
●自分で作った時に手応えはあったんでしょうか?
ユア:普段からよく適当に歌っていることが多くて。だから、わりとすんなりと曲はできたんです。自分の中では悪いとは思っていないけど、松隈(ケンタ)さんたちが作っている曲を知っているからこそ、“こんな感じで大丈夫なのかな?”とは思っていましたね。
●逆に言えば、ユアさんにしか作れないものになっている気がします。
ココ:ユアちゃんらしさもメロディに出ているし、音も柔らかくてかわいい感じに仕上がっていて。すごくかわいい感じの歌なので、私は良いなと思いました。
●GANG PARADEは基本的にカッコ良いイメージですが、そこにこういう曲が加わることで表現の幅もさらに広がるのでは?
ココ:ライブでやるのが楽しみですね。振りつけも最近マイカが持ってきてくれて、みんなでやったら楽しかったです。
マイカ:私たちのライブは「多幸感がある」とよく言われるので、それがもっとにじみ出るようなフリにしたくて。メンバー間でのアイコンタクトも、今までにないくらい多いんです。“ダンス”という感じではないんですけど、曲の雰囲気と世界観に合っていれば良いなと思います。ファンの人たちとも一緒にやったら楽しいだろうなっていうものになっていますね。
●歌詞もこの曲はちょっと独特ですよね?
マイカ:ユアちゃんが書いた歌詞ではないんですけど、“ユアちゃんワールド”みたいな感じが自然と出ていて。レコーディングの時とかは「ユアちゃんのソロ曲!?」という話をしていたくらいなんです。
ユア:みんなが褒めてくれたので、私は嬉しいです。
●これをキッカケに、今後はメンバーによる作曲も増えていったり…?
ユア:SCRAMBLESの人たちや松隈さん以外の人が作った曲は初めてだったから、すごく嬉しかったです。またみんなで挑戦する機会があったらやってみたいですね。
●作詞だけじゃなく、作曲までメンバーにチャレンジさせるというのがWACKの面白さかなと。
ユア:それも“GANG PARADEだからやってみよう”と思ってくれたと思うんですよ。だから、そう思ってもらえたことも嬉しいです。
●このチームだからできるというか。「GANG PARADE」は自分たちのグループ名を冠した曲ですが、テーマソング的な感じでしょうか?
マイカ:この曲のサビは私が書いたんです。前回の衣装にも書いてある“愚連隊行進”という言葉や“嵐巻き起こす”というフレーズを入れてみたら採用されて、すごく嬉しかったですね。ファンの人たちに対して、“お前らついて来いよ!”みたいな意味も込めています。
●今のGANG PARADEを象徴するような曲にもなっている?
ココ:“崖の上に立ってみる”という歌詞があるんですけど、まだ4人時代に出したアルバム『Barely Last』のジャケットが崖で撮った写真だったんですよ。すごく崖っぷちな時期だったから。そういう意味で私としては、この部分にGANG PARADEの歴史を挟んでみたつもりなんです。
マイカ:振りつけにも、そういう感じが出ています。
●「TIE」にも“そう一歩でも踏み外したら死”という、崖をイメージさせる歌詞がありましたよね?
ドクソン:確かにそこは、崖を気をつけながら歩いているイメージがありました。命綱なしで崖を渡っている画が頭に浮かんでいたんですよ。
●それくらいの危機感を常に持って活動していると。
ドクソン:崖はすぐイメージしますね。みんな“崖とは落ちるものだと”思っているじゃないですか。でもそういう危機的状況になった時って、限界を越えた力が出るから。そういう力が出せるのって、平坦な道ではなくて崖の上だと思ったんですよね。そういう力を出さなきゃいけない私たちは、崖の上にいて当然!
ココ:ヤバい! 名言出たっ(笑)。
一同:ハハハハハ(笑)。
Interview:IMAI
Assistant:室井健吾
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2017/12/6 Release