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FABLED NUMBER

強烈ダンスポップ×バンドサウンドがもたらす稲妻のごとき衝撃

今年2月にアルバム『ILLUMINATE』でメジャーデビューを果たした関西出身の6人組ロックバンド、FABLED NUMBERが早くも2ndアルバム『THUNDER』をリリースする。前作リリース後のツアーや“SUMMER SONIC 2017”をはじめとする数々のフェス出演の中で、自分たちが本当にやりたいことを見つめ直して辿り着いた今作。自らが持つ武器を最大限に研ぎ澄まし強調することで、まさに“英語?? 関西弁?!! 強烈ダンスポップ×バンドサウンド”というキャッチフレーズを体現する比類なき作品が完成した。

 

「全てをつなげたかったんですよね。CDのジャケットからアーティスト写真、MV、曲まで全ての点を線でつないで、“FABLED NUMBERはこれなんです”というものを提示したかった」

●前作のアルバム『ILLUMINATE』でメジャーデビューを果たしたわけですが、反響も含めて変わったところはありましたか?

Taichi:ありましたね。メジャーデビューに向けて今まで英詞中心だったところから、日本語詞を入れ始めたのも『ILLUMINATE』からで。それによって今まで届いていなかった層の人たちにも届けられたという実感は、リード曲の「The Lights」のMVを解禁した時にすごく感じました。

Eita:『ILLUMINATE』の収録曲をライブで披露していく中で、自分たちの表現がまた広がったなというのも感じていて。そういうところも良かったですね。覚悟が決まっていったところもあったので、その影響がライブパフォーマンスに出てきているのを実感できました。

●メジャーデビューをしたことで、覚悟が決まった?

Eita:そうですね。12曲も入ったフルアルバムを出すのは久々やったというのもあって、そこまでの自分たちをまとめたような1枚になったんです。リリースしてから色んな反応があったり、ライブを観てもらったりする中で、“行くぜ!”という覚悟が決まってきましたね。

●もっと先へ進もうという覚悟が定まったんですね。

Eita:しっかりと期間を設けてもらって制作もできたし、新しい人と関わることも増えて、レコーディング環境も変わって。そこで“いざやるぞ!”とメンバー6人が一致団結して、勢いのある状態で2月から今まで駆け抜けてきた感じがしますね。

Taichi:気持ちの面での勢いが大きかったですね。前作を制作している段階から今作『THUNDER』に至るまで、モチベーションが上がる一方やったんです。さらに“ILLUMINATE Tour 2017”中に自分たちが本当にやりたい音楽というものを固めることができて、そこからすぐ今回の制作に入ったという流れでした。

●ツアー中に、次にやりたいことが見えてきた?

Taichi:見えてきましたね。アルバムを作るだけじゃなくて、やっぱりツアーをやらないとその作品の中身を自分たちで本当に把握するというところまではいかないから。ライブで演奏してお客さんの反応を見る中で、曲も色々と動いていくものだと思うんです。そこで“本当に自分たちがやりたい音楽はどういうものなのか?”というのがわかったし、覚悟も生まれました。

●反響という点では、前作で日本語詞を取り入れたことへの不安は全くなかったんですか?

Taichi:不安はなくて、逆に“ハマるやろうな”という予感があったんです。やっぱり日本人として、自分たちの国の言葉で歌っていたほうがよりダイレクトに入ってくるはずだから。

Eita:「The Lights」をリード曲にすることで、今までの印象からどれだけ変わるのかという部分を見られたのは良かったですね。しっかり日本語が入っているものがリード曲になったことで、それが新しい印象にもなったと思うんです。そこの反響を見られたことが今回の『THUNDER』につながったのは間違いないから、あの曲をやれてホンマに良かったと思います。

●『ILLUMINATE』への反響が、今回の制作にもつながっている。

Taichi:ただ今回、楽曲面では前作よりもっとダンスミュージックの要素を強くしているんですよ。そっちをメインにやっていくということが自分たちの中で固まってから、M-1「Like a Thunder」を作ったんです。だから、それを象徴するような曲になっていますね。

●「Like a Thunder」が、今回の方向性を象徴するものなんですね。

Eita:今回のキャッチフレーズ(※“英語?? 関西弁?!! 強烈ダンスポップ×バンドサウンド”)に合う楽曲を用意しないといけないなと思って。本当の意味で自分たちらしいリード曲にしたかったので、歌詞には英語も関西弁も入れて、なおかつダンスポップとバンドサウンドをどこまでリンクさせられるかというところを突き詰めました。「Like a Thunder」の大元になるものを作っている段階から、次のリード曲はこれにしようと思っていたんですよ。収録曲が全部揃ってから決めるんじゃなくて、他にどんなに良い曲ができたとしても“これで行くんだ”という覚悟を決めていて。

●最初から、この曲を軸にしようと決めていた。

Eita:前回から“この方向でやるぞ!”という気持ちが生まれて、ツアーをまわる中でそれが確信に変わったことが「Like a Thunder」につながったんだと思います。前作から9ヶ月くらいの短いスパンで出せたのも、メンバーのマンパワーを結集して良いグルーヴを生み出しつつできたからで。メンバー全員が“これや!”と決めて、キャッチフレーズの文言まで自分たちで考えた上で、レーベルに「これでお願いします」と言ったんです。

Taichi:全てをつなげたかったんですよね。CDのジャケットからアーティスト写真、MV、曲まで全ての点を線でつないで、“FABLED NUMBERはこれなんです”というものを提示したかった。誰が見てもこの印象で伝わって欲しいという想いがあったから。そこのこだわりと覚悟は、今までの中でも一番強いです。

●“ダンスロック”ではなく、“ダンスポップ”っていうところもこだわりなのかなと思ったんですが。

Taichi:ロックサウンドをメインに持ってきているというよりも、本当にシーケンティックなサウンドだから。今回はビートもそっちに寄せたので、単純に“ダンスロック”と言ってしまうと実際の音とは矛盾するんじゃないかと思って。

Eita:“ダンスロック”と表記しても良いんですけど、“ダンスポップ”のほうがサウンドを想像してもらった時により受け入れられやすいかなと思って。“強烈ダンスポップ×バンドサウンド”としたのは、そこに加えて“バンドサウンドもあるんですよ”ということで。あと、アタック感が強かったり、ラウド感があるところも“強烈”と付け加えることでひとまとまりにできたのかなと思います。

●実際の音を聴くと、いわゆる“ダンスロック”よりもっとクラブ色が強い気がしました。

Taichi:そこは“SUMMER SONIC 2017”に出演したことが大きくて。大阪の2日目のヘッドライナーはDJのCalvin Harrisだったというのもあって、その日はそっち寄りのお客さんが多かったんですよ。その中で自分たちはバンドとして闘っていかないとアカンというところで、普段のライブとは違うことをやったんです。

●どういうことをやったんですか?

Taichi:普段は自分の用意しているSEを使うんですけど、その日はSEじゃなくてDJから始めたんです。それがすごくウケて人がどんどん集まってきたのを見た時に、“活路はこっちやな”と思ったんですよね。それがすごくデカかったです。

●会場の状況を見て臨機応変に対応したことで、バンドとしての活路も見出だせたんですね。

Eita:実際は何年も前にやっていたパフォーマンス方法を今改めてやってみたというだけやったんですけど、あの場ではそういう自分たちが自信を持ってやれることしかできなかったんです。何か話したとしても言葉は届かないなと思ったし、楽曲をしっかりと聴かせることくらいしかできなかった。でも俺らは元々、それが何よりも得意やったから。何も考えずに“これが俺らの一番得意なことや!”というものをやってみたら、“評価をもらえる場所が意外とこんなところにあったんだ!”という発見があって。ちょうど制作期間中に出演したというのもあって、“そういう曲も作っていかなアカンな”と思うキッカケになりましたね。

●それは「Like a Thunder」を作るよりも前のこと?

Taichi:いや、「Like a Thunder」の制作は“SUMMER SONIC 2017”に出る前から始まっていて。ただ、そこで確信を得られたことで、他の収録曲にも影響が出ました。そこから、とにかくダンスミュージックを意識して作るようになりましたね。

●サウンド面の変化はありつつ、今作でも“みんなで歌える”という部分は変わっていないかなと。

Taichi:その要素は今回も変わらず詰め込んでいますね。王道なメロディの聴きやすい曲が集まっているし、みんなが乗れる普遍的なビートがずっと鳴っていて、ライブでは一緒に手を上げたりジャンプしたりできると思うんですよ。そういう中でも俺らはミュージシャンとして、アレンジ面とかでのこだわりを音で表現しているというところが大事で。でも聴き手側の人たちは単純に“良いな”と思って、一緒に乗ってくれたら良いんです。

●細かい部分でのこだわりは潜ませているけれども、リスナーはシンプルに楽しめるものになっている。

Taichi:ダンスミュージックって、やっぱりフレーズとかビートに魅力があるものだから。そこを今後もひたすら突き詰めたいなと思っています。

●歌詞の面では、キャッチフレーズになっている関西弁が今回は増えましたよね。

Eita:今回は“関西弁で書こう”と意識して書き始めたので、より多くの言葉を入れられたんだと思います。最初にパッと浮かんだのは関西弁じゃなくても、後から書き直したりもして。やっぱり大阪のバンドなのでそういうところも大事にしたいし、自分たちらしさの1つになったら良いですね。

●キャッチフレーズを見てイメージするほどには、関西弁的なコテコテ感はないというか。

Eita:サビに特徴的な関西弁の言葉を入れて強調したら、そうなってしまうかもしれないですけどね。M-2「Good-Bye」でも“どついたる”とか関西弁がかなり入っているんですけど、メロディに乗せて流れの中で歌えばあんまり目立たないんですよ。

Taichi:キャッチフレーズに入っていることで、やっぱり気になるじゃないですか。“関西弁? どういう曲?”と思ってくれれば、それで良いんです。そこから実際に聴いてもらった時に、ギャップ感でノックアウトできたら良いなと思っています。

●ギャップ感も取っ掛かりになると。

Eita:“関西弁がこうなるの!?”と思わせる狙いもありますね。取っ掛かりが多い中でも、一貫したイメージのあるアルバムになったのでホンマに良かったです。もちろんライブがキッカケで入って来る人もすごく多いので、そことも上手くリンクさせたくて。ライブで“これがFABLED NUMBERなんや”と思って、その後にMVを見てアルバムを買って…という流れの中で、“このバンドは全部良いな”と思ってもらえるようにしたいんですよ。“意外に良いな”じゃなくて、そこは“全部が想像通りやったな”と思ってもらえたら良いなと。

●良い意味で、想像を裏切らないものができた。リリース後のツアーも含めて、今後が楽しみですね。

Eita:まだ発売後の反応は見られていないんですけど、かなりの満足感があって、今はモチベーションもさらに上がっているんです。好きなことをみんなでやれている感覚があるし、ツアーでそれを見せていけるという楽しみもあって。まだまだもっと新しいものを作っていって、“俺らはこんなにすごいことができるんやぞ!”っていうところを見せつけていきたいですね。本当に今は、すごく良い雰囲気でやれているなと思います。

●バンドとしても良い状態にあるというか。

Eita:すごく良いです。年末も楽しみだし、今作を出したことで年明けも楽しみになって。来年の夏に向けての目標もいっぱいあるし、今回の『THUNDER』がそれを実現させてくれる一手になると信じています。

Interview:IMAI
Assistant:室井健吾

 

 
 
 
 

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