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SPECIAL LIVE REPORT:Pyramid ACT 〜Hand In Hand〜 9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / Nothing’s Carved In Stone

SPECIAL LIVE REPORT:Pyramid ACT 〜Hand In Hand〜 9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / Nothing's Carved In Stone

9mm Parabellum Bullet / THE BACK HORN / Nothing's Carved In Stone
2017/9/14@Zepp Tokyo

骨太なロックバンド3組によるツアー“Pyramid ACT”。大阪は9mm Parabellum Bulletの“カオスの百年”、名古屋はTHE BACK HORNの“KYO-MEI”、そして東京はNothing's Carved In Stoneの“Hand In Hand”と、それぞれが主催するイベント名をサブタイトルに付けてホストを務める。お互い刺激し合ってきた者たちだからこそ生まれる化学反応は、どのような光景を我々に見せてくれるのだろうか。

 


19時ジャストに客電が落ち、赤い照明の中に9mm Parabellum Bulletが登場する。folcaのG.為川とHEREのG.武田をサポートに迎えた5人から放たれる音の数、圧、量、その全てが桁外れ。「ロング・グッドバイ」「Story of Glory」と重ね、Vo./G.菅原が「歌ってくれ!」と号令をかければ大合唱。突き抜けるほどのパワフルな音が鳴り響く。

5人が呼吸を合わせて始まった「ガラスの街のアリス」でいよいよフロアの温度はピークへ。大歓声に応えるようにBa.中村が暴れる。菅原が「文字通り鉄砲玉です」と言ったように、彼らが放つ音の塊は強烈なインパクト。「行けるか!」と煽りに煽り、菅原とオーディエンスが一緒に歌い踊り狂った「ハートに火をつけて」、フロアを埋め尽くすほど無数の拳が突き上げられた「太陽が欲しいだけ」と、ボルテージを上げ続けた怒涛の10曲。これほどまでに心地良い爆音は、今まで経験したことがないものだった。

 

 


G.菅波が髪を振り乱し、Vo.山田が叫ぶ。「ブラックホールバースデイ」でTHE BACK HORNは扉をこじ開ける。心臓を素手でギュッと掴むようなダイレクトな感覚は、彼らのライブでしか味わえない。Oiコールを巻き起こし、山田が「今日は1日しかねぇぞ」と叫んだ「孤独を繋いで」、ゾクゾクするほど妖艶なステージングで魅了した「罠」、無音をも自ら奏でる音の一部として飲み込んだ「美しい名前」。山田はMCで「2バンドとの共通点は“今”を鳴らしていること」と言ったが、まさに“今”でしか味わい得ない瞬間を、THE BACK HORNは作り出していく。

アイリッシュなテイストのするサウンド、生命力が源泉になっているかのような新曲「グローリア」を披露し、ライブは佳境へ。Dr.松田のドラムに合わせて客が叫び、更に山田が煽り、「コバルトブルー」で4人が牙をむいたかのような凶暴なアンサンブルを作り、最後は「また生きて会おうぜ」と「刃」で会場を大きく揺らして終了。彼らは今日も、全力で生き抜いた。

対バン形式で、これだけ客が万遍なくどのバンドも盛り上がり暴れまくり楽しんでいるイベントはなかなかない。そう、まるでフェスのようだ。3バンドの強い繋がりと関係性が、会場全体と観客の一体感を作り出しているのだろう。

 

 


そして今日のホスト、Nothing's Carved In Stoneが登場。Vo./G.村松が両腕を広げてフロアを睥睨する。「Spirit Inspiration」からオーディエンスもステージ上の4人も全開。フロアを埋め尽くす観客が大きなひとつの塊になってうねる。4人が違う拍で進行する「Like a Shooting Star」、村松がハンドマイクで暴れる「The Poison Bloom」。他のどこにもない、彼らでしか成し得ない至極かつ狂気のアンサンブル。晴れ晴れとした表情で「はじめまして。Nothing's Carved In Stoneといいます。よろしく」と村松が告げ、G.生形とBa.日向、Dr.大喜多が音をぶつけ合う。その瞬間に鳴り響く音のすべてが愛おしい「Red Light」、再びハンドマイクになった村松を先頭に全員でテンションを加速させた「In Future」、4人は無敵感を帯びながら牙をむく。クラップの海を泳いだ「Sing」、恍惚の一体感で大合唱した「Out of Control」で更に加速し、本編ラストは「November 15th」。そしてアンコールは山田と菅原も参加しての「Shimmer Song」、最後は「Isolation」でダイブ&モッシュを乱発して終演。

終わってしまうのが惜しい、それほど贅沢な3マンだった。3バンド、最初から最後まで“今”を鳴らすロックを味わい尽くした。アンコールのステージで村松が「このツアー、また絶対やるから」と言っていたが、まさに、このフェスのような贅沢なツアーを是非実現して欲しい。

TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:RUI HASHIMOTO(SOUND SHOOTER)

 

 
 
 
 

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