優勝者は3万人を動員するドイツの野外フェス“タウバタール・フェスティバル”で演奏できるという世界最大級のライブコンテスト・“エマージェンザ・ミュージック・フェスティバル”。その大阪大会で今年優勝したのは、人呼んで“新世界の狼”こと、JUNIOR BREATHだ。“エマージェンザ”特集第2弾では、昨年は準優勝という結果に終わった彼らが雪辱を果たすべく様々な作戦を練って挑み、見事優勝を掴み取った経緯などを訊いた。
●エマージェンザ・ジャパン大阪大会の優勝おめでとうございます。優勝が決まった瞬間はいかがでしたか?
ホシヲ:とても嬉しかったです。去年は準優勝という結果に終わってしまったんで、今年もまた負けたらダサいじゃないですか。だから今年は“やることは全部やったな”というところまでやり尽くして、あとはもう祈る感じでした。2位だったDr.FOOLのライブがものすごく盛り上がっていたんで“これはまずいぞ”と思ったんですけど、その中でも優勝できて良かったです。
●去年とはどんなところを変えたんですか?
ホシヲ:とにかく“お客さんを集める”というところですかね。大阪では長いことバンドをやっていて知名度も多少はあるので、「JUNIOR BREATHなら大丈夫」と言ってくれる人もいたんですけど、“大丈夫なわけないやろ!”と常にそう思いながら頑張りました。
●去年はそこにあまり重きを置いていなかった?
ホシヲ:去年の大阪大会で優勝したスキッツォイドマンに比べたら、全然できていなかったです。Vo./Ba.のキャプテンkt.が、“あれで勝てなかったら夢がない”と思うくらい頑張っていたんですよ。そういう姿も見てきたので、“今年は俺らも頑張ろう”と思って挑戦しましたね。
●その結果、今年は決勝まで全て1位で通過されたんですよね。
ウェール:去年は全部2位で決勝まで行ったんですけど、今年は自分たちと応援してくれる人との公約として、“全部1位で通過する”というのを実現させようと思って。だから予選から全く手を抜かずにやって、結果は後からついてきた感じですね。
●大阪大会優勝後に挑んだ東京大会はいかがでしたか?
ウェール:東京大会では大阪大会で敗れた人たちの想いを背負って臨んだので緊張はしたんですけど、“あとはシンプルにライブで優勝を勝ち取るだけ”という状態だったので、そこだけは楽でしたね。
●東京というアウェイな場所でやる際に意識したことはありますか?
ホシヲ:エマージェンザの応援に来るお客さんの中には、普段あまりライブハウスに来ない人も大勢いるんですよ。そういう人に対してもインパクトを与えて、しっかり伝えていくことですかね。実際やってみて東京大会の方がそういう印象が強かったんですけど、曲をやるごとにお客さんが前に駆け寄ってきていつの間にかフロアが埋まってくれたので、伝わったのかなと思ってます。
●MCでは熱い言葉が印象的でしたが、それも初めて観た人にもちゃんと届けるということを意識して?
ホシヲ:そのへんはどこでやっても意識してるところですね。好き嫌いとかではなくて、こちらが届ける努力とか仕掛けを作ってあげる感じです。俺の場合はMCとかセットリストに寄る部分が大きくて。何を話すかは基本的に考えていないんですけど。でも東京大会の時は印象に残る方法として“一番パンチのある入り方って何かな?”ということを考えて。この見た目だったら、激しく入ると思うじゃないですか。だから裏をかいて“びっくりさせてやろう”と思って。でも言うことは決めていないから、それがスベる可能性も高いんですけど(笑)。
●リスクもあると。
ホシヲ:そうですね。東京大会では顔合わせの時からテンション高めで行ったんですけど、ものすごくスベって(笑)。
ヨシアキ:顔合わせでもインパクトを残そうと思ってボケてみたら、“やっちまった…”という雰囲気になっちゃいました。
●ハハハ(笑)。
いずべい☆:大阪大会では、特にライブで工夫しましたね。いつものノリでやると初めて観たお客さんがついてこれないと思って、曲順や構成も結構考えました。
ウェール:1曲目からモッシュやダイブが起こってしまうと、そんなライブを観たことない人は引いちゃうんじゃないかと思って。そういう曲はある程度受け入れてもらってからにしようと、タイミングを見計らっていましたね。
●初めての人でも抵抗なく観られるような構成にしたと。東京大会では惜しくも準優勝でしたが、ベストボーカリスト賞を受賞されました。
ホシヲ:ありがたいです。優勝したSNARE COVERの斎藤くんとは、終わったあとも連絡を取り合っていて、10月に大阪で対バンすることになったんですよ。そうやって新しい繋がりができたのはとても嬉しいです。
ヨシアキ:LUCKY STRIKEがステージ袖でずっと観ていてくれたのも嬉しかったです。ジャンルとか関係なく仲良くなれましたね。
●新たな出会いもあったんですね。エマージェンザのスタッフとの交流もあったんでしょうか?
ウェール:本番の前に楽器のセッティングとかを確認するミーティングがあって。ライブハウスで働いているスタッフもいたりとバンドとの距離が近いので、そこで色々な相談に乗ってもらった人たちもたくさんいると思います。担当さんはよく「全員決勝に行けたら良いんだけど、そうはいかんから!」と言っていましたね。
●スタッフがそこまで親身になってくれるのも、エマージェンザならではかなと。
ウェール:そうですね。バンドがどこまで行けるのかは別にして、コンテスト自体を良い流れに持っていけるようにしてくれているなとは感じました。やっぱり2回目となると、スタッフの方とも仲良くなりますね。
いずべい☆:大阪大会では、撮影のサポートで入っていた大阪スクールオブミュージック専門学校の学生さんが「去年も撮りました! 今年も撮らせてもらいます」と声をかけてくれて。色んな人にお世話になりました。
●スタッフと密な関係が築けるのも、エマージェンザの魅力なんですね。
ホシヲ:バンドにもよると思いますけどね。俺たちは基本的にアホですから(笑)。だいたい打ち上げで最後までいるのは俺らなんですよ。驚いたのは、東京大会が終わってメンバーで呑みに行こうと居酒屋に入ったら、そこに決勝大会を共に戦ったTAKUYA(TAKUYA and the Cloud Collectors)さんも偶然いて。「お前ら2位のヤツらじゃないか!」と話しかけてくれて、そのまま朝まで一緒に呑むという事件が起きました。ドイツには行けなかったものの、俺らにとって非常に収穫の多い大会だったと思います。応援してくれたみんなにこれからガッツリ返していきたいなと思っています。
Interview:室井健吾
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