2017/8/26,8/27@泉大津フェニックス
2017/8/26
ACIDMAN / [Alexandros] / BIGMAMA / Dragon Ash / LOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS + / MONOEYES / Mrs. GREEN APPLE / MY FIRST STORY / RAZORS EDGE / RIZE / SHISHAMO
ATMC
cinema staff / Crystal Lake / DATS / never young beach / WATARU / 愛はズボーン / どついたるねん / ナードマグネット / リーガルリリー
2017/8/27
go!go!vanillas / KANA-BOON / MIYAVI / SiM / SUPER BEAVER / THE BAWDIES / THE ORAL CIGARETTES / WANIMA / 10-FEET / サカナクション
[Opening Act] フレンズ
ATMC
Amelie / POT / ReN / Saucy Dog / Shout it Out / THE BOY MEETS GIRLS / ココロオークション / ポルカドットスティングレイ / ロザリーナ
[Closing Act] Ivy to Fraudulent Game
スタートを待つばかりの会場に雨がポツポツと落ちてきて不安に駆られるも、開演時には雨雲も去り、清々しいほどの風が吹き始めた。
開催を知らせるSE鳴り、このイベントを主催するグリーンズの力竹氏と、関西で人気のFM局FM802のDJ・大抜卓人氏がステージに登場して開演を告げる。大阪の夏を代表する野外イベント、“RUSH BALL 2017”が始まった。
「大阪の皆さん始めるぞ!」と、トップバッターは関西が誇るRAZORS EDGE。客席に無数のサークルが生まれるほどの熱が溢れる渾身のステージに会場は初っ端から大盛り上がり。そしてVo.KENJI RAZORSがオーディエンスの上に乗り、ステージ前から後方へと行ったりきたりして大盛り上がり。このバンドが愛される光景を目の当たりにする。続いて若手ラウドシーンの雄・MY FIRST STORY。等身大のメッセージがアンサンブルと同期し、会場が一体化していく。「たった4〜5人の男に出会って、僕は人生が変わった。悶々とした日々が激変した」と、メンバーと出会えた喜びと感謝を語る。バンドの歴史を重ねていく、彼らの物語は始まったばかり。最後の曲が終わり、全員が深々と頭を下げてしてステージを去った。
「RUSH BALL、久しぶり!!」と叫んだLOW IQ 01 & THE RHYTHM MAKERS +。バンドメンバーはG.渡邊忍(ASPARAGUS)、G.フルカワユタカ(ex.DOPING PANDA)、Dr.Masayuki Yamazaki(COUNTRY YARD)という豪華な面々で、ステージに登場した瞬間から大きな歓声が沸き起こる。「あ!ば!れ!ろ!」と叫んでライブスタート。「SWEAR」「WHAT'S BORDERLESS」などのキラーチューンでガツンガツンと盛り上げ、彼の人柄が滲み出るマイペースなMCで沸かせ、やはり“RUSH BALL”には欠かせないと思わせるロックスターが存分にその魅力を見せつけた。1曲目の「うブ」でいきなり爆発的な一体感を作り出したMrs. GREEN APPLEは、オーディエンスの気持ちをグッと掴んで離さなかった。会場から挙がる無数の腕に煽られ、バンドが放つきらびやかなメロディが空に吸い込まれていく。ラストは彼らがメジャーデビューした想い入れの深い「StaRt」。“RUSH BALL”への想いも込めた同曲に、会場の興奮はピークへと到達した。
Vo./G.JESSEがステージに登場していきなり客を煽り、「ONE SHOT」でスタートしたRIZE。タイトで凶暴なサウンドがオーディエンスに襲いかかり、会場は揺れる揺れる。JESSEが「バンドマンとライブ好きのバカヤロー、集まって来いや!」と更に煽り、泉大津フェニックスは凄まじい盛り上がり。太陽の光を浴び、海からの心地よい潮風を浴び、規制のない音を全身で浴びる。最高だ。そして、どこまでも磨き抜かれたストイックな音でガツンを我々の魂を揺さぶったACIDMAN。Vo./G.大木がMCで言ったように、彼らは初めてフェスでトリを飾ったのが“RUSH BALL”だという。ACIDMANの想いとオーディエンスの想いが一体となって会場にうねりが起きる。ステージ上の大きなビジョンを最大限活用して清々しいロックを炸裂させたSHISHAMO。彼女たちにとっての“RUSH BALL”は、4年前のATMCで(当時は学生スタッフをしていた)Ba.松岡と出会った思い出のフェスだという。ライブ好き、バンド好きな気持ちが溢れる盛り上がり必至の「タオル」では無数のタオルがまわり、ラストの「明日も」まで突っ走る。力竹氏が「“RUSH BALL”は通過点」と言うように、ACIDMANしかり、SHISHAMOしかり、出演者それぞれの歴史に“RUSH BALL”が刻まれてきたと思うと、観ているこっちも胸がグッと熱くなり、ライブへの熱も更に高まるというものだ。
軽快なリズムとバイオリンのコントラストが、壮大な空に映えるBIGMAMA。エモーションを増幅させ、琴線に触れまくる彼らの極上なサウンド。Vo.金井がステージを大きく使って展開されるライブに惹きつけられ、客席からは大きな歓声が沸き起こる。「MUTOPIA」では金井がステージを降りて客席エリアの柵上で歌い、「まだまだ終わりたくない」という想いを爆発させる。そして次に登場したのは“RUSH BALL”の常連組であるDragon Ash。太陽が沈み、赤と青の光が空の下、ダイナミックかつ繊細なアンサンブル、Kjの歌、最高のコントラスト。「夏の終わりにとびっきり最高な思い出作って帰ってください」とVo./G.Kjが言い、めくるめくステージが展開される。その中でもやはり「Fantasista」は圧巻で、至るところから沸き起こる大合唱に会場が包まれる。Dragon Ashのライブはいろんなフェスやイベントで観てきたが、彼らのすごいところは、その日その場でしか生まれない“必然性”をどんなライブでも作り出すこと。彼らのライブの光景は、その場に居合わせたすべての人達にとって“とびっきり最高な思い出”になったに違いない。
続くは[Alexandros]。1曲目の「ワタリドリ」からオーディエンスは沸騰したように飛び跳ね、はしゃぎ、踊り、歌い、叫ぶ。Vo.川上が「まだまだ踊り足りない人、こっち来い!」と煽り、“RUSH BALL 2017”はいよいよピークへ。大きな大きな余韻を残し、最後のステージへとバトンを繋ぐ。
Vo./G.細美が「大阪!! やっちまおうぜ!!」と叫んでライブを始めたMONOEYES。客席からは無数のクラップが鳴り響き、興奮はクライマックスへと向かって一直線。小気味よく気持ちを揺さぶる強固なリズム、ザクザクと心地よいギター、夜風に吹かれながらの最高の瞬間に、1日中音楽を味わい尽くしたオーディエンスは歓喜の声をあげる。細美が「今年の夏は雨が振りまくる変な夏だったけど、俺の夏の思い出が詰まった曲」という「Two Little Fishes」で聴かせ、「明日公園で」「グラニート」で最高の締めくくり。アンコールではBa./Cho.Scott Murphyがヴォーカルの「Borders & Walls」で盛り上げ、大きな大輪の打ち上げ花火で終演。
Opening Actのフレンズがオーディエンスを躍らせた後、ステージに登場したSUPER BEAVER。強烈に説得力のある、浸透性と貫通力の高いロックで我々の魂を揺さぶりまくる。最も印象的だったのは「ありがとう」。Vo.渋谷が「いつだって隣にあると思ってて、いつだって隣にいると思ってて、それでも絶対になくなるから、そのことを忘れないように」「あなたに向けて全力で歌わせてもらいます」と言って始まった同曲は、たまらなく響くものがあった。“RUSH BALL 2017”に来れたこと、この日この場所で最高の音楽を浴びることの意味と意義を実感する。次に登場したのは、ステージに出てきていきなり「次は最後の曲です」と言ってアンコールでライブをするという恒例のボケで会場を沸かせた10-FEET。サークルモッシュ、ダイヴ、コール&レスポンス、大合唱とライブの醍醐味がぎゅっと詰まった濃厚なステージに、オーディエンスは汗だくの笑顔。Vo./G.TAKUMAが「根暗な曲を明るくやります」と「太陽4号」、そして最後は「RIVER」からの「goes on」。贅沢で最高な時間だった。
超絶プレイと凶悪なグルーヴで圧倒したのはMIYAVI。変幻自在に移り変わるギターの音で魅せる彼ならではのライブにオーディエンスはノリノリ。その場にいる者を存分に楽しませようとする開放的なライブは、聴く者の心を自然と惹きつけ、身体を揺らせる。そして彼も“RUSH BALL”のメインステージに出演できたことへの喜びと感謝を告げる。“RUSH BALL”というイベントが、出演者それぞれのミュージシャン人生のポイントになっていることにグッとくる。そして次はTHE BAWDIES。真夏の炎天下にスーツ姿で登場した4人は、最初から最後まで超絶なテンションと極上のロックンロールで魅せる。抜群のビートで会場をぐわんぐわんと揺らせた後、最後はワッショイコールで大団円。Vo./G.ROYが「僕たちは普通の男の子に戻ります」と言ってステージにマイクを置き、ロックンロールの申し子たちはステージを去った。
「JACK.B」の幕開けからオーディエンスが暴れまくったSiM。ステージ最前から客席後方まで満遍なく腕を振り上げてライブを存分の楽しんでいる光景に、どれくらいの数の人が来場しているのかを肌で実感する。「俺たちがステージに立っている間は、お前らは脇にいるただの雑魚キャラに過ぎない。せいぜい声出して汗かいて、我々を惹き立ててください。雑魚キャラ共、かかってこい!」とVo.MAHが叫んだのも、“RUSH BALL”に対する彼らなりの最大のリスペクトにほかならない。「大阪帰ってきました」とVo./G.谷口が言って始まったKANA-BOON。ステージ最前の人たちはもちろん、後方にいる人も、シートエリアの人も、通路を歩いている人も、スタッフたちもニコニコと笑顔にさせる彼らのメロディに、会場全体がピースな空気に包まれる。最後の「シルエット」までオーディエンスはノリノリ。存分に彼らの音楽を味わった。
go!go!vanillasはアッパーなメロディとエネルギーに満ち溢れたコーラスで会場の温度を上げる。KANA-BOONとTHE ORAL CIGARETTESは一緒に闘ってきた仲間という彼らの気合い溢れるステージは、オーディエンスの興奮を右肩上がり上げていく。振り上げられた腕が壮観だった最後の「マジック」まで、まさに全力疾走した渾身のライブだった。そしてリハーサルからガッツリの盛り上げたのはTHE ORAL CIGARETTES。太陽が傾き始め、目に見えるすべてのものが紅く染まっていく中で本編がスタート。初めて出演した“RUSH BALL”は、ATMCで大雨に見舞われたらしいが、その時の景色をずっと忘れずに活動してきたという彼ら、Vo./G.山中が「もう少しで日暮れ、夜になって照明があなたちが照らし、素晴らしい景色がひろがると思います」と告げる。今年、思い出をアップデートしたTHE ORAL CIGARETTESは、今後飛躍を見せてくれるだろう。ラストの「トナリアウ」まで会場を沸かせまくった。
遊びまくった1日の疲労を吹き飛ばすほどの爆発的なテンションでオーディエンスを興奮させたWANIMA。オーディエンスが自分の歌のように歌い、自分のことのように笑い、自分のことのようにはしゃぎまくる。飲食ブースやエコステーションのスタッフも跳ねる。最高の笑顔で演奏を続ける3人と観客。会場全体がWANIMA状態と化したライブで火照った身体に、夜風が心地よく吹き付ける。次は大トリのサカナクション。僕らの夏の思い出“RUSH BALL 2017”がいよいよクライマックスを迎えた。
“RUSH BALL”でのトリは4年ぶりとなるサカナクションは、まるでフェスとレイブが入り混じったようなステージでオーディエンスを圧倒し、踊らせ、楽しませた。レーザー光線やVJなどの視覚効果をフルに活用し、壮大かつ幻想的で、夜空や風景さえもステージの一部にしてしまう。バンドセットで最高のグルーヴを作り出し、5人ラップトップの「SORATO」「ミュージック」で異世界へといざない、Vo./G.山口の衣装が電飾で輝き、「多分、風。」で大団円。サカナクションによる神々しいエンディングの余韻に浸る会場の空に、大きな花火が輝いて“RUSH BALL 2017”が終了。山口の「また来年の夏に会いましょう」という言葉は、きっと会場にいる全員が思ったことに違いない。
TEXT:JUNGLE LIFE編集部
PHOTO:田浦ボン、Yukihide"JON..."Takimoto 、河上良