ピアノが弾けない大王・ホネヌキマン様が世界平和を願って踊りまくるロックバンド、ピアノゾンビが10周年の節目にニューアルバムをリリース。さらには、そのレコ発と結成10周年を記念したワンマンライブ“スーパー骨殺しナイト”を9/30にZepp Tokyoで開催する。元々はピアノ担当でメンバーに加わったはずのホネヌキマン様がほとんど弾けるようにならないまま10年が経ってしまった今、リリースされる今作『ほねざんまい』はもはやピアノも10周年も完全に関係のない感に満ちた作品だ。だが、1曲1曲が異なる表情を見せるバラエティ豊かな楽曲は、どれもキャッチーな魅力と独自のユーモアセンスに溢れている。音楽業界でゾンビのように粘り強く生き残ってきた彼らは、もはや他に比類すべきもののない変なバンドになったと言えるだろう。これまでほとんどメディアの前で語ることのなかった彼らの謎の生態に迫る、貴重かつ濃厚な巻頭10,000字ロングインタビュー。
「“ちゃんと出るかな、オレの声”とか歌っていますけど、“出るだろ!”って。というか、そもそも“ボーカルじゃないから歌わねぇし!”っていう(笑)。“ちゃんと動くかな、オレの指”ならまだわかるんですけどね」
●約2年ぶりのニューアルバム『ほねざんまい』をリリースするわけですが、このタイトルやジャケットデザインは結成10周年という節目にも何か関係しているんでしょうか…?
中島マン:………(無言)。
●えっ、いきなりマズいことを訊いてしまいましたかね…?
アキパンマン:いや、10周年には関係ないですね(キッパリ)。
●あ、やっぱり関係ないんですか。
アキパンマン:はい。1枚目から『弾けなくて』→『まだ弾けなくて』→『そりゃ弾けなくて』→『ひいてるぜ』→『ホワイトクラブ』と順にリリースしてきましたが、次にどんなタイトルを付ければいいかもうわからなくなりましたので人眼につけばいいや〜と思った結果、こうなりました。
●このタイトルとデザインにしたのは、どんな理由から?
アキパンマン:ホネヌキマン様の“大王”という面を一番に押し出すために色んな“大王”を探していたら、やっぱり“マグロ大王”(※すしざんまいの木村清社長)のカリスマ性がすごくて。そこへの尊敬の意も込めて、『ほねざんまい』というタイトルにしました。
●大王をいかに輝かせるかということを考えたと。
アキパンマン:大王が一番輝けるジャケットを考えたら、これになったという感じです。いかに大王がチヤホヤされている感じにするかということを考えました。でもやっぱり、マグロ大王の存在感には敵わなかったですね。
●これだけ輝いていても?
アキパンマン:“まだまだだな”と思いました。精進します。
●バックには色んな格好をしたメンバーが写っていますが、これはみんなで大王をチヤホヤしている?
アキパンマン:大勢の人がいる感じに見せたかったので、色んな格好をしました。でも実は撮影当日に衣装が届かなくて、すごく大変で…。スタッフが近くの寿司屋さんに行って、衣装を借りてきたりしたんですよ。だから他のメンバーは寿司屋さんで事前に借りてきた服を着ているんですけど、大王のかぶっている帽子だけは紙とナフキンで作ったヤツなんです。
●手作りなんですね(笑)。それはバラしちゃって良いんですか?
アキパンマン:はい。問題ないです(キッパリ)。
●大王なのに、扱いが雑(笑)。雰囲気的には、みんなで10周年を祝っている感じに取れなくもないですが…。
中島マン:………(再び無言)。
アキパンマン:確かに、おめでたい感じは出ていますね。
●そこは意識している?
中島マン:…いや、全く関係ないです。
●喋った(笑)! 結成10周年という節目自体は意識していたんですか?
アキパンマン:はじめは全然意識していなくて、民から言われて初めてもう10年もやっていることに気がつきました。元々、“何周年とか何なの?”っていうタイプなんで(笑)。
●気にしていないと。そもそも、なぜZeppワンマンをやろうと思ったんでしょうか?
アキパンマン:民に言われて、10周年っていうことに気がついて。昔のこととか色々思い出していたんですが、10年前に全然お客さんがいなかった頃から通ってくれていた人たちもやっぱり10年の間にみんな環境が変わってCDは聴いてくれているけど、なかなか色んな事情でライブに来れなくなっちゃう人とかいるじゃないですか。10年に1回くらいはみんなで集まったら楽しいなと思って、僕らが押さえられる中で一番デカいハコを探したらZeppでやんした。あと、Zeppくらいの規模なら普段のライブじゃできないこともいっぱいできますしね。それで、僕が勝手にZeppを押さえました。
●メンバーと相談したわけではない?
アキパンマン:メンバーには言っていないですね。決まってから、「やるよ〜」と言って(笑)。
●「やるよ〜」と言われて、メンバー的には?
中島マン:………(やはり無言)。
アキパンマン:みんな「本当にやるの?」っていう反応でした。でもZeppを決める前から、「色々と面白そうなことをやろうよ」っていう話はしていて。元々は船上ライブをやろうと思って準備していたんですけど、最終的に中島マンが船酔いするという理由でなくなったんです。
●中島マンの体質的な問題で…(笑)。
中島マン:……フゥ〜(無言でタバコを吸う)。
アキパンマン:その後で「ディナーショーをやろう」ということになって、それは実際にやりました。ディナーショーも何かと準備に時間がかかったので、制作をする暇がなくて。そういうことを色々とやっていたら、いつの間にか2年くらい経っていたという感じですね。
●新作の制作をしようという意志はあった?
アキパンマン:いや、アルバムを出そうっていう話にもなっていなかったですね。でもZeppが決まったから、その前にせっかくなら音源を出そうっていうことになりました。
●Zeppが決まったから、新作も作ることになったと。何かキッカケがないと、作ろうという気にならない?
アキパンマン:そういう感じで焦らせないと、(作曲担当の)ヤラレタガリ殿下からは曲がなかなか上がってこないんです。だから、(Zepp決定が)後押しにはなっているんじゃないかなと思います。
●〆切を作って焦らせないと、曲も生まれないんですね。
アキパンマン:それでいつも時間切れで終わるんです。
●確かにフルアルバムとはいえ、9曲という微妙な曲数で…。
中島マン:……時間切れの極みです。
●また喋った(笑)。しかもラストのM-9「大王の独り言」は、ちょっとボーナストラック的な感じがするというか。
アキパンマン:本来は、無音トラックの後に入るような曲ですよね。
●とはいえ、この曲は結成からの10年を振り返るような内容にはなっています。
アキパンマン:ちょっと内容がマジすぎて、メンバーは一同ドン引きしています。
●意外なほどに真面目で、ちょっと泣けるような内容というか。
アキパンマン:まあ、大体は嘘なんですけどね。
●嘘なんだ!?
アキパンマン:半分以上、嘘です。美化しすぎていますね。
●実際、ライブの前に緊張のあまり“1人かくれんぼ”したりはしていない…?
アキパンマン:していないです(キッパリ)。めちゃくちゃ楽しそうにその日のコントとかラップの練習とかでキャッキャしています。ピアノの練習をしているのは見たことないですけど。そういえばサビ前で“ちゃんと出るかな、オレの声”とか歌っていますけど、“出るだろ!”って。というか、そもそも“ボーカルじゃないから歌わねぇし!”っていう(笑)。
●ハハハ(笑)。勝手にボーカルの気分になっているんですね。
アキパンマン:“ちゃんと出るかな、オレの声”なんて、ボーカルでもなかなか言わないですよ。“ちゃんと動くかな、オレの指”ならまだわかるんですけどね。でも今回のアルバムの中では一番のバラードソングだと思います。絶対にライブでやらないんで、CDを買って夜に家で電気を真っ暗にして聴いて下さい(笑)。
●今作でもピアノをフィーチャーした曲はあれど、ほとんどの曲ではあまり聞こえないという…。
中島マン:………(またもや無言)。
アキパンマン:そもそもホネヌキマン様はレコーディングに参加していないですからね。マスタリングが終わった音源をお届けして、そこからピアノの練習を始めるというスタンスなんです。
●ピアノパートが多いM-6「君がいない」は、ライブで弾くのが大変なんじゃないですか?
アキパンマン:はい。はっきり言って今、猛特訓中です。
●M-2「beautiful world」のような、ピンポイントでピアノが入るくらいのものは弾けるのでは?
アキパンマン:ああいうのは、逆に大王的には難しいですね。リズム感が非常に個性的というかカリスマ性に溢れていらっしゃる方なので、とんでもないところに1フレーズを打ち込んできたりするんです。
●“ここで入れなきゃいけない”というポイントを外してしまう。
アキパンマン:うーん。常人にはそう聞こえてしまうと思います。ちょっとマニアック過ぎて。プログレとか好きな方なら楽しんで頂けるかもしれないです。「ここで不協和音キター♪───O(≧∇≦)O────♪ヤベー!!」みたいな。CDは玄人向けに作っていないので、プログレバージョンのピアノゾンビを聴きたい方はぜひライブ会場へ。
●プログレマニアにはアピールできる演奏だと。10年間で、ピアノに関する進歩はあったんでしょうか?
アキパンマン:自分にはちょっとわからないです。ラップはすごく頑張っていらしゃいますけどね。
●もはやラップがメインなんじゃないかっていう。
アキパンマン:そうですね。最近はラッパーです。
●ちなみに「大王の独り言」は、MOROHAっぽいなと思ったんですが…。
アキパンマン:完全に意識されていますね(笑)。
●この曲に限らず、色んなもののパロディが潜んでいますよね?
アキパンマン:ライブでのネタも大体は何かのパロディですし、時事ネタをイジったりもしていて。そういうものがない曲もあるんですけど、今作のM-4「HELL NEAR」は小室哲哉さんをフィーチャーした曲になっています。
●それはどのあたりが…?
アキパンマン:“CREAZY GONNA CREAZY”という部分はわかりやすいんですけど、お客さんに伝わるかどうか一番心配しているのがその後に来る“眠れず ALL NIGHT”の部分で。“ALL NIGHT”って、徹夜(=哲哉)っていう意味なんですよ。そこに“誰か気付いてくれるかな?”っていうのが不安なんです。
●そんな仕掛けが(笑)。
アキパンマン:一応わかりやすいように、“眠れず徹夜”って、日本語で歌詞カードに表記されているんですけどね(笑)。
●わざわざヒントまで出している(笑)。
アキパンマン:発売してからこの記事を読むまでの間にそこに気付く人がいるかどうかは、もう民との勝負かなと思っています。
●タイトルの「HELL NEAR」は、病気の“ヘルニア”にかけているんですよね?
中島マン:………(またまた無言)。
アキパンマン:ヘルプマン(Dr.)がヘルニアを患ってまして…。
●本当にそのままだった…。
アキパンマン:テンポが速くて演奏が大変なので、メンバーが“地獄へ(=HELL)近付く(=NEAR)”っていう意味もあって。そこはハッキリ言って、小室哲哉さんと全く関係ないです。
●オマージュ的なところで言うと、「君がいない」というタイトルはZARDの名曲を思い出しますが…。
アキパンマン:これはZARDを意識して、曲名が変更されています。最初は「君のいた未来」という曲名だったんですけど、たまたまZARDの鼻歌を歌っている時に思い付いたので「君がいない」に変えたんです。メンバーも知らないうちに、勝手に変えちゃいましたね。
●勝手に変えちゃったんだ(笑)。M-3「リンボー」も何かのオマージュになっている?
アキパンマン:「リンボー」は、ニコちゃん大王(※『Dr.スランプ アラレちゃん』のキャラクター)にかけていて。ニコちゃん大王って地球のことを“ちたま”って言うんですよ。だから“背BONEを地球まで反り返して”という部分の歌詞を聴いて、民が“これはニコちゃん大王のことだな”と感じてくれないかなというのがもう1つの勝負なんです(笑)。どの曲でも大王のことを頭に浮かべながら聴いてくれるように。
●ここでも民に勝負を仕掛けているのか…。毎回そういうことをしているんでしょうか?
アキパンマン:いや、毎回というわけじゃないんですが、今回は民と遊びたいなと思って。10年でどれだけピアノゾンビの発信していることに対して敏感になってくれているかテストですね(笑)。
●そこは10周年にかかっている。
アキパンマン:「10周年は関係ない」って、最初に言ったんですけどね。やっぱり、10周年記念のアルバムってことにします。
一同:ハハハハハ(笑)。
「そもそもは僕らがフザケて“大王、大王”と呼んでいて、お客さんもそれをわかった上でフザケて彼を崇めていたんですけど、10年も経つと最近は本当に“自分は大王だ”というご心境に変わられたみたいなんですよ」
●M-7「お祭り大王」も、10周年のお祭りみたいなところにかけているのかなと思ったんですが…。
アキパンマン:そこはかけていないですね。僕らはライブでよく神輿を使うんですけど、大王から「神輿の時に使える新しい曲が欲しい」とリクエストがあったんです。
●あ、大王からのリクエストもあったんですね。
アキパンマン:「もっとオレは“ソイヤ”って言いたいんだ」と大王が言っていて。今も「ゾンビの祭り」っていうお祭りっぽい曲はあるんですけど、男らしさが足りないらしいです。
●実際にライブで神輿に担がれている姿もヨロヨロしていて、男らしくはない気がしますけどね(笑)。それはさておき、新たなお祭り曲として作ったものだと。
中島マン:……(後半もやはり無言)。
アキパンマン:“お祭りがしたい”、“盆踊りがしたい”という曲ですね。
●M-8「ほねざんまい」はアルバムタイトル曲ですが、最初からそこを意識して作ったんでしょうか?
アキパンマン:歌詞は後付けですね。今までアルバムタイトルを曲にしたことはなかったんですよ。タイトル曲だからきっと期待して聴くと思うんですけど、聴いてびっくりですね(笑)。
●歌詞を深読みするなら、10周年の節目を超えて“新しい時代の始まりに”というメッセージ性があるのかなと思ったんですが。
中島マン:……そうしましょう。
●おっ、喋った(笑)。M-5「社長さんの歌」のMVは、大王が天国から地獄へ落とされるような流れになっていますが。
アキパンマン:ホネヌキマン様が女の子たちにチヤホヤされているMVとか撮りたいんじゃないかなって勝手に僕らが思って、監督と相談して作りました。
●大王の欲望を具現化したと。…でも結果的に若い女子ではなく、あのキスおばちゃん(※浅見千代子。『ダウンタウンのガキの使いやあらへんで!!』の名物キャラクター)とキスするという…。
アキパンマン:そうですね。やっぱりそれだけだと僕らが楽しくなかったので、勝手におばちゃんを呼びました。さすがにおばちゃんが出てきたら、硬派でいらっしゃるホネヌキマン様もキスせざるをえない感じでしたね。おばちゃんは北松戸マンがお気に入りのようで、待機中はずっと北松戸マンの足を撫でていました。
●実は北松戸マンのほうがお気に入りという(笑)。まさかホネヌキマン様もおばちゃんとキスすることになるとは思わなかったでしょうね。
アキパンマン:時々、ライブでもドッキリを仕掛けたりするんです。ホネヌキマン様のマイクをバナナに変えてみたり、ステージドリンクのワインにタバスコを入れてみたり、小学生みたいなことをよくやっています。でも最近は“大王”になりすぎちゃって、そういうことに対しても本気で怒るようになってきたんですよ。
中島マン:……マジで怒るから…。
●そこは言わずにはいられない(笑)。大王がお風呂に入っている時に、メンバーが盗撮したりするんですよね?
アキパンマン:10年くらい前は銭湯や健康ランド的なところに行くと、よく盗撮していましたね。昔、ワンマンの来場特典としてDVDをお客さんに配ったりしていて。その盤のラベルに、ホネヌキマン様が全裸の時に後ろからお尻を盗撮した写真を使ったことがあるんですよ。
●ヒドい(笑)。
アキパンマン:本人にはバレないように、わざわざ製品をパッケージして(包装を開けないと)中身が見えないようにしたんです。でもお客さんがそのお尻が写っているラベルに「サインして下さい」とホネヌキマン様のところに持って行っちゃって…。自分のお尻の写真に“大王”としてしっかりサインしていましたけど、動揺しているのがお客さんにバレないように必死でしたね。
●イタズラにしても、手が込んでいますよね…。
アキパンマン:そのためだけにお金をかけて、ちゃんとパッケージしましたからね(笑)。でも僕らもたまにホネヌキマン様に仕返しされますよ。バラードでピアノから始まる曲で、音色のスイッチを間違えて“ドカーン!!!”って爆音で雷の音を出されたりとか。お客さんは全く何が起こったかわからなかったと思いますが、放心状態のホネヌキマン様を見て僕らはもう死にそうでした。ドッキリ過ぎて。さすがです。以前、メンバー内でホネヌキマン様がコーラスをサボって口パクしているという疑惑が出たことがあって、メンバーがホネヌキマン様に内緒でコーラス部分の演奏を止めて、しっかり歌っているか試したところ見事に無音に…っていうこともありました。
●何かとヒドい目にあっている大王ですが、M-1「feeling」のMVではカッコ良い演奏姿も見せています。
アキパンマン:「社長さんの歌」はあえてチープな感じにしたくて友だちとかにも手伝ってもらいつつ自分たちで撮ったんですけど、もう1本のMVはオシャレなものを撮りたいという気持ちがあったんです。
●2本のMVでギャップを付けるためというか。
アキパンマン:大王の色んな面を引き出したいので、1枚の作品の中でもできるだけバリエーション豊かにしたいんですよ。そこは常に意識して、曲を選んでいて。でも結果的に「feeling」のMVも、フザけたパーティーになっちゃったんですけどね(笑)。
●ずっと機材車の中に放置されていた大王のキーボードがようやく活躍できたという…。
中島マン:……(無言再び)。
アキパンマン:結局、弾いてはいないんですけどね。
●でも弾いているように振舞っているという(笑)。
アキパンマン:大王は普段歌ってもいないのに、MV撮影になると急に歌い出しますからね。だからライブに来たことがない人は、みんなホネヌキマン様がボーカルだと思っているっていう。
●MVだけ見ると、メインに立ってピアノも弾きまくっているように見えますが、実際のライブに来るとその実態がわかる。
アキパンマン:ライブのセットリストによっては、全くピアノに触れない日もありますからね。音響スタッフさんもリハで音出ししたのに本番「弾かねーのかよ!」って思ってるかもしれないですね(笑)。
●ピアノも弾かずに、ただ踊りまくる白い人っていう認識に(笑)。
アキパンマン:でも実は最初、ホネヌキマン様は緑だったんですよ。緑から青になって、今の白になって。GEBOKUも初めは肌色でしたからね。当時はヒゲを付けていたんですけど、「ヒゲがチクチクする」と言うのでやめたんです。
●実は2人とも変遷を経てきている。
アキパンマン:そろそろGEBOKUは青になるかなと。
●今後、さらに変わっていく可能性もあるんですね。
アキパンマン:他にもっと面白いものが見つかれば変わるかもしれないけれど、ホネヌキマン様に関しては元々肌が白いって言い張って頂いちゃっていますからね〜。
●面白いことをやっていこうという気持ちはずっと変わらないのでは?
アキパンマン:はい。面白くないと、まずメンバーがやりたがらないから。
●今回のジャケットデザインも含めて、自分たちがまずは面白がっているというか。
アキパンマン:他の皆さんも面白がってくれるといいんですけどね(笑)。でも基本的には全て、大王を喜ばせるために色々やっていることで。バンド的な目標としては、世界平和のためにやっている活動なんです。大王を笑顔にすれば、民も笑顔になるわけですからね。
●大王を笑顔にすることが世界平和につながると。ジャケット写真でも、大王は良い表情をしていますよね。
アキパンマン:この凛々しい顔を見て欲しいですね。“どうですか?”っていう顔をしていますから(笑)。
●キメ顔ですよね(笑)。バックのメンバーも大王を盛り立てていく意志の現れた表情をしている気がします。
中島マン:……みんな、自分を捨て…。
●滅私奉公的な(笑)。自分を捨てて、主君のために尽くそうとしている。
アキパンマン:“大王のために”っていう形ができていますね。
●そんな大王を神輿に乗せてZeppワンマンへと向かうわけですが、何か特別なことは考えている?
アキパンマン:さっきもお話ししたように今回は映像系をたくさん使って、いつものライブとは違う感じにしようと思っています。他はどうだろう…?
●いっそ、マグロの解体とか…?
アキパンマン:マグロ解体か…。いや、ピアノ解体で良いんじゃないですかね。
●30万のローンを組んで買ったけど、“もう弾けなくて”っていう(笑)。
アキパンマン:最後に(笑)。つい最近も「もう死にそう…」って言ってましたからね。
●もしかしたら、Zeppまでに急速な進歩を遂げるかもしれないのでは?
アキパンマン:いや、それはちょっとないかな…。本当にイントロを練習するだけでも5時間以上かかるんですよ。
●Twitterを見ていると、熱心に練習している感だけは伝わってくるんですが…。
アキパンマン:“やってる感”と“寝てない感”を出すのだけは、本当に好きなんですよ。ピアノが入っていない曲をやっている時は、スタジオでもずっと下を向いていますからね。
中島マン:……寝ているんですよ。
●憤りを口に出さずにはいられなかった(笑)。
アキパンマン:でもピアノがある曲になると、むくっと起き上がるんです(笑)。
●実は、家で1人で練習していたりは…?
中島マン:していないと思いますよ(吐き捨てるように)。
アキパンマン:本当にそんなことをしていたら、10年も経てばそれなりに弾けるはずですからね。
●そもそもパートが“大王”なので、楽器ができなくても良いんでしょうけど…。
アキパンマン:元々のパートは“ピアノ”だったんですけどね。弾けなくて、しょうがなく“大王”になったんです。
●“大王”としての立ち位置は、10年間で固めてきたところがあるのでは?
アキパンマン:そうですね。“前に出る”という部分では、大変ご立派になられたと思います。
●ライブ前に1人でトイレにこもったりすることもなくなって…。
アキパンマン:まあ、元々こもってはいないですけどね。そもそもは僕らがフザケて“大王、大王”と呼んでいて、お客さんもそれをわかった上でフザケて彼を崇めていたんですけど、10年も経つと最近は本当に“自分は大王だ”というご心境に変わられたみたいなんですよ。
中島マン:……楽屋とかでも結構、偉そうにしているんです。
●“立場が人を作る”とは言いますからね。
アキパンマン:そうなんですよ。もう最近は、誰の意見も聞いて下さらなくなりました。「北松戸、ジュース買ってくれよー。寿司奢ってくれよー」っていつもおっしゃっています。
●この10年間が大王を“大王”たらしめたと。
キパンマン:はい。これからも大王ホネヌキマン様が一層輝けるよう、そして大王の笑顔で世界平和へ近づけるよう頑張ります。皆さま、応援よろしくお願いいたします。ホネヌキマン様バンザイ!!
中島マン:……(バンザイのポーズ)。
Interview:IMAI