BURGER NUDS tour 2017 「Act 2 或いは Act 3」
2017/8/5@新代田FEVER
2014年6月21日に恵比寿LIQUIDROOMで開催された復活ライブから、約3年ぶりのワンマン。今回の会場となった新代田FEVERのフロアを、BURGER NUDSの音楽を求めるファンたちがSOLD OUTで埋め尽くす。やがて開演の時を迎え、メンバー3人が無音で真っ暗闇のステージに現れた。
Vo./G.門田匡陽のSGから放たれるフィードバックが、ライブの幕を開ける。6月にリリースしたアルバム『Act2 或いは Act3』でも1曲目を飾る「コミュニティー」から、演奏がスタート。小気味の良いリズムを刻む「method of dance」へと続く流れに身体を揺らしながらも、ステージをじっと見つめ続ける。そして「歪み」「BRAVE GIRL IN HELL」「ANALYZE」と旧作からの楽曲を畳み掛けると、フロアのボルテージは一気に上昇していく。そしてBa./Cho.丸山潤のベースラインから静かに始まった「記号化(NONONO)」。3人の紡ぎだす音に聴き入っていたオーディエンスから、ここで初めて拍手が沸き起こった。
「絶滅危惧種のペンギンたちが可哀想」や「NERD」では、BURGER NUDSの魅力の1つと言えるDr./Cho.内田武瑠のコーラスワークが光る。「逆光」「エコー」では、あちらこちらで観客がメロディを口ずさんでいる様子も見受けられた。その一方でBURGER NUDSのライブでは珍しく、オーディエンスが拳を突きあげる姿を見られたのも印象的だ。音源では包み込むような優しさを感じていた「Lesson」が、ライブになるとこうも化けるのか。そう驚いてしまうほどに、門田の激情を湛えた歌声は突き刺さってくるものがあった。
BURGER NUDS節の利いた「感想文」「酸素」には、どこか切なさや儚さを感じた。そこから「タネリ」「AM 4:00」「自己暗示の日」と、後半戦へどんどん突入していく。ここに来てようやく門田が初めて言葉を発し、MCで“門田節”を聴かせてから奏で始めたのは「冷たい水」。続く本編ラストの「言葉と心」では、すっと涙が溢れだした。最初から最後まで、ステージから目を離す人は誰もいなかっただろう。ただただ3人の姿を見つめ続けた観客たちによる温かな空気に包まれる中、彼らは静かにステージを去っていった。
本編終了後も鳴り止まない手拍子に応えて、3人がステージに戻ってきた。アンコールでは「boy in blue」に続けて、代表曲といえる「ミナソコ」を披露。イントロが流れた途端、歓声と共にファンたちの目には涙が浮かぶ。会場中に響き渡る内田のドラムに身体を揺らしながら感涙する姿に、“きっとずっと待っていたのだろう”と感じた。2曲の演奏を終えてメンバーが立ち去ってからも、「もっともっと」と言わんばかりの拍手が続く。ひょっこり戻ってきた3人はダブルアンコールに「遺失物取り扱い係」「cold burn」の2曲を披露した後、フロアに向けて深く深くお辞儀をしてライブの幕を閉じた。
新旧入り混じった名曲の数々で創り上げられた世界に、呼吸をすることさえも忘れてしまいそうなくらい引き込まれた。“あぁ、これがまさにバンドだ”と気付かされたBURGER NUDSのワンマンライブ。だからこそ、彼らには生粋の音楽ファンが付いているのだろう。11/19には同じく新代田FEVERで、次なるライブも決まっている。これからも、その動向に期待が高まるばかりだ。
TEXT:ちんぷい
PHOTO:野田雅之