2017/3/3@心斎橋Music Club JANUS
0.8秒と衝撃。 / セックスマシーン / モーモールルギャバン
外の気温はまだ少し肌寒さが残るこの時期に、会場は熱気に包まれ、そして餃子の美味しい匂いにも包まれていた。
餃子?そう、餃子なんです。なんと、大阪王の餃子の試食を開場と同時に開催。ぞくぞくと集まるオーディエンスは餃子とドリンクを両手に持ち、笑顔と餃子でお腹と胸を膨らませていた。
多くの人が、首にタオルとTシャツにスニーカーという服装で、暴れる準備は万全だ。今日を特別な日に変えてくれる3組のバンドを、まだかまだかと待ち構える。
FM OSAKA「なんMEGA!」DJの前田彩名がMCに登場すると、開場は拍手で出迎え、そして大きく盛り上がった。「みなさん!楽しむ準備はできてますか!?」この言葉を待っていたかのごとく期待を膨らませるオーディエンスは、ステージの前まで押し寄せる。そしてSEに合わせて、手拍子が激しく鳴り響く。それに出迎えられながら現れたのは、0.8秒と衝撃。だ。
「こんばんはー!ベリーひな祭りー!」いきなり大音量での挨拶。こんなにも勢いのあるこんばんはを、聞いた事がなく、まさに衝撃だった。だが、こんな衝撃は序の口。ここから始まる、MCがほぼ無い怒濤のライブは圧巻の一言だった。観客の両手が降ろされる事がないほどのスピード感は、もはや会場全体をある種の芸術にしてしまったのだ。4曲目に披露された新曲「ブレイクビーツは女神のために」だが、新曲にも当然のように合わせる会場がより一層一体感を高め芸術をより鮮やかに、そして鮮明にしていった。ステージの去り際にワンマンライブの告知があり、内容は、大阪ワンマン5月20日(土)『つぁら﹆とぅ﹆すとらTOUR』@大阪BRONZEと、告知も衝撃のボリューム。もう行くしかないでしょう!!
「圧倒的な、存・在・感!」という魂の叫びから始まったのは、爆ひな3年連続出演という快挙をなしとげたセックスマシーン。1曲目からキラーチューンの「サルでもわかるラブソング」で観客の心と体を鷲掴みにするする。覚醒されたオーディエンスにVo.森田 剛史が「ライブって何の為にみんなやってる?」と問いかけた。これに会場は戸惑いの表情を見せるが、「今やってんだよ?気づいてる?まだ、見てるつもりでいたの!?」この言葉は、『爆ひな』というイベントに参加している人全てに深く響いた言葉ではないだろうか。
続けてVo.森田 剛史はこう言った。“ライブは経験ではなく体験だ”今日、この場所を選んでよかった。と、心からそう思えるこの言葉には、目には見えない“力”があった。もし、目に見える言葉がほしいなら「#それ」この言葉をTwitterで検索してみよう。それを体験した“ゲストボーカル”(オーディエンス)の言葉が出てくるだろう。もっと長くゲストボーカルを体験したければ7月16日の大阪umeda TRAD(前AKASO)でのワンマンライブに参加するのもいいだろう。
そして繋がれたバトンはモーモールルギャバンへと。「爆ひな〜」今日一番“可愛い”爆ひなを披露してくれたのはDr/Vo.ゲイリー・ビッチェだ。体が浮いてしまいそうな激しいパフォーマンス、そして三人の声の重なりがロマンティックでもある。絶妙な緩急が、ライブハウス内の空間全てを包み込んだ。時折聴こえる銅鑼の音は、会場の盛り上がりに比例して大きく鳴り響き、全体の空気を支配する。そして最後の曲「サイケな恋人」でパンティーコール発生!そのコールに合わせてパンツを脱いでゆくゲイリー・ビッチェ。普通なら異様な光景のはずなのだが、筆者も気づけばライブレポ中にも関わらず大声で叫んでいた。
自然とアンコールの掛け声も「パンティー」になっていたが、違和感など微塵もなく、ひたすらパンティーを叫ぶオーディエンスは、すごく“いい顔”と“いい叫び”をしていた。アンコールが終わると、出し尽くした声を更に振り絞って狂ったように盛り上がった。
特殊イベント?!では、何かと話題の「清水音泉」と FM OSAKAがタッグを組んだこの『爆ひな』は、今回で17回目になる。これだけ長く続いているその魅力を、ぜひ次回は自身で体験して欲しいと思う。この日が間違いなく特別になるはずだ。
TEXT HIRAI SHUNYA
PHOTO オイケカオリ