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Sultan of the Disco

アジアから世界へ旋風を巻き起こすSultan of the Disco、日本デビュー!!

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韓国で2006年に結成、国内で数々の音楽賞を受賞し、国内はもちろん海外での活動も精力的に行ってきたアジア発のソウル&ファンク&ディスコバンド、Sultan of the Disco。70〜80年代から影響を受けた音楽性とキャッチーなメロディ&フック、高いエンターテインメント性のあるステージでオーディエンスを魅了してきた彼らが、氣志團の綾小路 翔が日本語詞を担当した「Oriental Disco Express」を収録したミニアルバム『オリエンタルディスコ特急』で遂に日本デビューを飾る。その圧倒的なパフォーマンスと音楽で、彼らは日本にも旋風を巻き起こす!!

 

「この曲はそもそもこの歌詞じゃないといけなかったんじゃないかという気がしてきました。もとの韓国語の歌詞を忘れて、ついこの歌詞で歌っちゃうこともあります」

●2006年に結成した当初はダンスグループだったそうですが。

ナジャム・ス:そもそもバンドが結成する以前に、「Sultan of the Disco」という名前が決まっていたんです。

●え? どういうことですか?

ナジャム・ス:まず2005年にブンガブンガレコード(※Sultan of the Discoが所属している韓国のレーベル)が立ち上がったんですが、そのときにレーベルのスタッフたちが飲みの席で「こんなことやってみたい」「あんなこともやってみたい」という話をしているうちに、“Sultan of the Disco”というコンセプトが出てきたんです。でもその時点では、このメンバーのうち誰もいなくて(笑)。

●ナジャムさんもいなかった?

ナジャム・ス:はい(笑)。「Sultan of the Discoのコンセプト」というのは、中東の太った偉そうな人がいて、配下の人たちがその前で踊っているようなイメージ(※“スルタン”はイスラム世界の君主の称号)。

●世界観が先にあったんですね。

ナジャム・ス:ブンガブンガレコードの立ち上げスタッフとはもともと知り合いだったんですけど、2005年当時は私は兵役に行っていたんです。それで2006年に戻ってきて、一緒にブンガブンガレコードをやることになったんです。そこで「“Sultan of the Disco”というコンセプトがある」と聞いて、“これはやりたいな”と。

●はい。

ナジャム・ス:当時、ブンガブンガレコードでユン・ドグォン(※現在はブロッコリーノマジョのメンバー)とムハンマドという奴と私の3人でレーベルの作業をしていたときに、ユン・ドグォンが即興でリフを作って「こんなのどう?」と言って3人でジャムってみたんですけど、「じゃあこんな感じでライブをやってみよう」という話になって。それがSultan of the Discoの始まりです。

キム・ガンジ:最初はトラックを流して3人が踊るような感じだったんです。

●ユン・ドグォンさんとムハンマドさんは結成当初のメンバーなんですね。それからどのような経緯でバンド形式になり、現メンバーが揃ったんですか?

ナジャム・ス:3人だとなかなかステージ映えしなくて、いろいろと人数が増えていったんですが、活動していた拠点(弘大=ホンデ)はバンドが集まっているようなところだったので、なかなか周りのバンドに理解されず、打ち上げにも呼んでもらえなかったんです。「お前らちゃんと音楽やってないし」みたいなことを言われて。

●ハハハ(笑)。

ナジャム・ス:“これじゃあちょっとマズいな”と思って方向性をシフトし、少しずつ音楽がわかっているメンバーに変えていって現在に至ります。

●最初は音楽があまりわかっていないメンバーだったんですね(笑)。

ナジャム・ス:現メンバーが揃ったのは2010年ですね。ハッサンはSultan of the Disco専任なんですけど、他のメンバーはそれぞれ音楽プロジェクトを経験してきた人たちなんです。

●Sultan of the Discoのようなファンクやソウルの要素を採り入れたディスコ・ミュージックをバンド形態でやっている人たちは、韓国のシーンでは多いんですか?

ナジャム・ス:本当に少ないですね。

キム・ガンジ:いわゆる音楽学校や、大学の実用音楽科などでアカデミックに音楽をやっている人たちがセッションぽい感じでファンクやソウルをやっている例というのはあるんですが、僕たちから見るとそういうものは全然おもしろくなくて。

●なるほど。ということは、Sultan of the Discoのメンバーはこういうブラックミュージックがもともとのルーツにある?

ナジャム・ス:僕とキム・ガンジがもともとこういう音楽に想い入れが強いんです。だから他のメンバーにもそういう音楽を勧めたりして、音楽性が1つになった感じですね。

●Sultan of the Discoは以前から韓国以外でも活動しているじゃないですか。ということは、例えば2010年に現メンバーが揃った当時から、ワールドワイドな活動を視野に入れていたんでしょうか?

ナジャム・ス:当時は全然考えてなかったんですね。割と偶然の連続で、海外に行かせていただく機会が増えていったんです。

●あ、そうなんですか。

ナジャム・ス:海外でもライブをするようになったのは2014年くらいからかな?

キム・ガンジ:もちろん“海外でもやりたい”という気持ちはあったんですが、それを具体的に実現させようとか、そのための戦略とかも持っていなかったし、できるとも思ってなかったんです。でも呼ばれる機会が増えて、それがまた次の機会に繋がっていった感じですね。初めて海外でライブをしたとき、自分たちが期待していた以上の反応があったんですよ。それで“いけるんじゃないか”という感触を掴んだことも大きいですね。

●いろんな国でライブを経験されていますが、日本のオーディエンスはどうですか?

ナジャム・ス:日本以外の国でライブするときは、割とみんな最初から熱狂的に踊ってくれるんですけど、日本だけは少し違いますね(笑)。シャイです。

●あ、やっぱり。

ナジャム・ス:聴いてくれている感じはあるんですけど、他のお客さんに気を使って身体表現されていないような気がします。もちろんそれは全然悪いことだとは思っていないんですが、これからもっと踊らせたいですね。

●そのライブですが、先日初めて拝見したんですけど、まずテンションの高さにびっくりしたんです。特にJ.J.ハッサンさんの。

ナジャム・ス:韓国の江頭2:50です。

●ハハハ(笑)。J.J.ハッサンさんのパートは「ダンス/コーラス」ですが、ダンスがメインのメンバーがいるバンドって、なかなか日本では無いと思うんですが。

ナジャム・ス:当然韓国でも無いですね(笑)。

キム・ガンジ:別に4人メンバーでもよかったんですけど、「ステージで映えるように入れとくか」みたいな感じですね。

一同:ハハハハハ(笑)。

J.J.ハッサン:実際は僕がメインのメンバーで、他の4人はバックバンドとして使っているんです。

●見解の相違がありますね(笑)。でも例えばライブで、ナジャムさんがホンギさんの背中に乗って、ハッサンさんに足を担がれてキーボードを弾く、というパフォーマンスがあるじゃないですか。ああいうのはなぜ生まれたんですか?

キム・ガンジ:ギターウルフから影響を受けたんです。人間ピラミッド。

●あら、マジですか。

キム・ガンジ:僕はもともとパンクシーンで音楽活動をしていたんですけど、そのシーンではギターウルフは有名なんです。

●そうだったんですね。そして12/7にミニアルバム『オリエンタルディスコ特急』が日本で初のリリースとなりますが、M-1「Oriental Disco Express」は氣志團の綾小路 翔さんが日本語詞を書かれたんですよね。翔さんの日本語詞はどうですか?

ナジャム・ス:この歌詞でライブも演り始めているんですが、“この曲はそもそもこの歌詞じゃないといけなかったんじゃないか”という気がしてきました。もとの韓国語の歌詞を忘れて、ついこの歌詞で歌っちゃうこともあります。

一同:ハハハ(笑)。

●翔さんの歌詞は、Sultan of the Discoというコンセプトというか、バンドの世界観を深く理解した上で書かれているような気がしたんですが。

ナジャム・ス:最初に歌詞を受け取ったときはまるっきり意味がわからなかったんです。

●韓国語訳を見ても?

ナジャム・ス:はい。でも歌っているうちに、発音や歌詞の流れや、フックとなる言葉とか、すごくちゃんと考え込まれているということに気づいて。それがすごく良くて、より大好きになりましたね。

●例えば“美女ビショビショ”というフレーズがあるじゃないですか。

キム・ガンジ:トレビアンですよね(笑)。

●“グチョグチョ”とか、意味わかりました?

ナジャム・ス:最初はわからなかったんです。でも説明してもらって、理解しました(笑)。

●こういうアダルトな世界観は、ディスコという世界にマッチしていますよね。

ナジャム・ス:いいかげんメンバーは30歳も過ぎたし、こういう歌詞はちょうど良かったんです(笑)。深い意味を持たせるというよりは、言葉の響きやリズム感のおもしろさがある歌詞だと思うんですけど、更に僕たちの世界観やイメージを想起させるような言葉を選んでもらって、すごく良かったですね。

●そもそも曲はどうやって作っているんですか?

ナジャム・ス:作詞/作曲は基本的に僕が担当していて、アレンジもある程度は作るんです。それをメンバーと合わせて、それぞれのアイディアがあるところは変えていくという感じです。

●そのとき、ハッサンさんは何をしているんですか?

ジー:ハッサンは会社員なので会社で仕事してます。音楽全然知らないんです。

●え!

J.J.ハッサン:僕はボスですからね。

ナジャム・ス:曲がひととおり出来上がった後、ハッサンと僕の2人で振り付けとかパフォーマンスを考えるんですけど、それがものすごくストレスなんです。曲を作った上、レコーディングとミックスをして(※ナジャム・スはブンガブンガレコードのエンジニアでもある)、その上でまだ作業があるという。

●ハハハ(笑)。それとM-6「Caravan」という曲では、今日ひと言も発していないホンギさんが歌っていますよね。

ホンギ:はい。

●あ、しゃべった!

キム・ガンジ:ホンギはもともと韓国語もほとんど発さないんです。

ナジャム・ス:もともとホンギは彼がやっているレゲエバンドでヴォーカルを担当しているんですけど、「Caravan」を作って自分で歌ってみたとき、どうもしっくりこなかったんですよね。それでホンギに歌わせたらどうかな? と思ってやってみたら良かったので、次のアルバムではもう少しホンギが歌う比重を増やしたいですね。

●「Caravan」は聴かせる曲で、ライブでは見せ場のひとつだと思うんですが、ホンギさん歌ってて気持ちいいですか?

ホンギ:気持ちいいです。

●はい。

ホンギ:…。

●全然しゃべらないですね(笑)。では最後に、Sultan of the Discoの真骨頂はライブにあると思うんですが、それぞれが考えるライブの魅力を教えてください。

キム・ガンジ:僕はパンクやハードコアなどいろんなシーンで活動してきて、今Sultan of the Discoをやっているんですが、自分なりの“ディスコ”という表現をできるのが楽しいですね。

ジー:僕は、ライブでお客さんを見るのも楽しいんですけど、メンバーを見るのが楽しいんですよね。

●お、いい話。

J.J.ハッサン:僕はステージの上で観客を煽ったりするんですが、そこがいちばん楽しいポイントですね。他のメンバーがやらない恥ずかしいことも率先してやって、お客さんの“恥ずかしい”と思う気持ちを取り払うのが楽しいですね。

●ちなみに、今までいちばん恥ずかしかったことは何ですか?

J.J.ハッサン:踊っててズボンが破れちゃったことです。そのまま大開脚もしたんですが(笑)。

●ハハハ(笑)。

ホンギ:僕はお客さんが踊っているのを見るのが楽しいです。

ナジャム・ス:僕も同じですね。最初は傍観していたようなお客さんが、曲を演るに従って楽しそうに踊っている様を見るのが楽しいです。

●なるほど。

ナジャム・ス:だから日本でもライブをたくさんしたいですね。僕たちはやっぱりライブあってのバンドだと思うし、日本語ももっと勉強して、日本のお客さんともっと意思疎通ができるようになって、日本でのエクスクルーシブな作品のリリースとか、Scoobie Doとやっているような対バン企画だったり、いろいろとこれからやっていきたいと思います。

interview:Takeshi.Yamanaka

 

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