2016/9/30@あべのROCKTOWN
“ホロワンマン3回目”
9/7にニューアルバム『この世界を愛する』をリリースしたホロ。そのリリースツアーの1本目が、地元大阪にて開催された。この日の幕開けを告げたのは、最新作にも収録されている「閃光と雷鳴」。モニターに足をかけて超絶プレイングを魅せるG.岩石、銃のようにかざしたベースでオーディエンスの心を撃ち抜くBa.赤毛、そして轟音の中でも確かに響くメッセージを音に乗せて届けるVo./G.石木の3名は、その誰もが確立した個性を放っている。その後石木が「結成当初の俺達を支えてくれた、とても大切な曲をやります」と言って「生気論」。轟音の中に光るA・Bメロのクリアなサウンドとボーカルなど、ホロの真髄とも言える要素に満ちていた。
ライブ半ばでは、石木と岩石がアコギに持ち替えて「夜想」を奏で、幻想的なアルペジオが美しく響き渡る。息をするのも躊躇われるほど張りつめた緊張感の上で成り立つその音楽は、繊細な芸術のようだ。かと思うとMCでは、一変して和気あいあいとしたトークが繰り広げられる。岩石の人見知りを直すためツアー中にナンパをしようという提案もあったが、果たして実践されるのだろうか(笑)? 終盤戦を迎えると、激しいキラーチューンの応酬でファンのボルテージを極限まで上げていく。歌や楽曲はもちろんのこと、プレイングひとつを取っても絶妙だ。赤毛は“指弾きでここまで表現できるのか”と唸るようなベースプレイをやってのけ、石木と岩石は「突き刺す秒針、枯れる花」で交互にソロを披露し見る者の目を釘付けに。
「俺は自分のことを話すのが苦手だけど…」。本編最後の曲を前に、石木が休止期間のことをぽつぽつと話し始める。事故で体も心も壊れ、何もかもどうでもよくなった。それでも今再びステージに立つことができたのは周りの人達の支えがあったから。そんな想いを語って歌われた「この世界を愛する人へ」は、グッと胸にくるものがあった。事故により活動が出来ない時期を経て、改めて周りの人達への感謝や活動の貪欲さが増した彼ら。そうして得たものをこれからの活動で増幅させていくに違いない。復活を遂げたホロの快進撃を目撃せよ!
TEXT:森下恭子