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43K&cheapsongs

湘南から吹いてくる自由な風が心にずっと解けない魔法をかける

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POSSIBILITYのフロントマン・43K(Vo.)率いる、43K&cheapsongsが1stアルバム『proof』をリリース。温かくスローでリラックスしたサウンドの上に、随所に毒も潜ませた等身大のリリックが乗る楽曲は、バンド界隈だけではなくHIP HOP層からも大きな支持を集めている。湘南から吹いてくる自由な風を肌で感じながら、この音に身を委ねて共に口ずさんで欲しい。

 

●元々は43Kさんのソロプロジェクトとして始動したそうですが、音楽性は今に近いものだったんですか?

43K:今に近い感じでしたね。当時はジャック・ジョンソンみたいな感じがやりたくて…、全くそうはならなかったんですけど(笑)。

wakayama:だから初期は(43Kが)アコギを持っていたんですよ。でも結局はライブ中にアコギを置いて、ハンドマイクになるっていう(笑)。

43K:当時はアコギを持ちながら歌うのがカッコ良いなと思っていたんです。でも実際にやると歌うのが大変で…、そもそもアコギをそんなに弾けないし(笑)。

●弾けないんだ(笑)。やりたい音のイメージが明確にあった?

43K:メジャーっぽいものよりは、もう少しドープなものというか。自分が本当にやりたいことをやりたいという想いが強くて。曲の展開もそんなに激しくなくて、装飾もあまりないような、“良い音楽”が作りたいなと思っていました。

●そういう音をやるために、今のメンバーを集めた感じでしょうか?

43K:そうですね。しっかりとライブができるメンバーで、楽しみながらやれるというのは前提にありました。

●そう考えると、メンバーの人間性も重要だった?

Yosuke:そこまでは考えていないかな。とりあえず一緒にやってみて、その中で合った人が残る…みたいな。

43K:そういう中で人間性も見えるだろうから。合わなければ辞めていくし、そもそも世の中そんなに悪いヤツもいないだろうし(笑)。一緒にバンドをやっていて楽しいというのが前提で、他は特に線引きをせずに残った人間がメンバーになりましたね。

●現メンバーは、空気感が合うから残っている?

Yosuke:(43Kは)“放っとけない感”があって(笑)。

wakayama:“俺らがいないと!”っていう(笑)。

●母性をくすぐるような存在なんだ(笑)。

43K:やっぱりバンドなので誰かが抜けると活動がストップしちゃうわけで、こうやって今も一緒にいてくれるというのはありがたいなと思います。

Yosuke:今のメンバーになって、一体感がだんだん出てきていて。

wakayama:“バンドの音”になってきましたね。

●曲はどうやって作っているんですか?

43K:今作の10曲はほぼライブでやっているものなんですけど、たとえば「次のライブに向けて、こういう曲があったら良いな」と伝えたりして。そこからジャムったりしている中で全く違う方向に行ったとしても、それが良ければ「良いじゃん」っていう。あんまり最初から出口を想像して言っているわけではないですね。

●その“良い”という感覚を共有できているのでは?

Yosuke:そこは共有しているんじゃないかな。ざっくりと言えば、カッコ良いかカッコ良くないかというところで俺は判断しています。

43K:ライブで自分たちが気持ち良ければずっとやり続けるだろうし、曲にもしていくと思うんですよ。それに対してみんなが「良かったです」とか言ってくれれば、なおさら良いっていう。でもやっぱり自分たちが良いか悪いか(どう思うか)っていうことのほうが音楽をやる上ではすごく大事だと感じていて。今回もそれができたアルバムではあると思います。

●歌詞はどういうイメージで書いているんですか?

43K:最近、自分の書きたいことが難しくなっていて。昔は自分にもそういうことを歌っていた時期があったんですけど、「元気になろうぜ!」みたいな歌詞ってすぐに書けちゃうんですよ。でもそういう簡単なことを今は書きたくないし、年齢的にも単純に「夢見ていこうぜ!」とか歌うのは嫌なんです。挫折しているヤツらも周りにいっぱいいるし、きれいごとだけでは上手くいかないことだらけだとわかっているので、それをちゃんと書きたいなと。「でも夢は見ていますよ」とは言いたいし、全部がネガティブではない。ただ、ネガティブなこともちゃんと表現しないといけない年齢だと思うから。

●M-7「邪魔するな feat. STONE DA」の“酒かっくらって出直して来い”という歌詞は、バンドのスタンスをよく表している気がします。

43K:ちゃんと酔えないとねっていう。行儀正しくやられても…って思うから。POSSIBILITYの時はライブ中、静かに聴いてくれないとムカついていたんですよ。でも今は全然そう思わないし、「自由に話して下さい〜」とか言っているくらいで。

●楽しみ方はそれぞれの自由だと。

43K:僕らの曲を聴いて、勝手に元気になってくれても良いんですよ。でも泣いて欲しい時だってあるし、歌詞を読んで「43K、超腹立つわ〜」と思ってくれても構わないし…っていう。本当に自由なんです。

●逆に規制されることへの反抗心は、M-10「We live in love」の“TV点けても何だか同じ 規制ばかりで芸も御座なり”という歌詞にも出ていますね。

43K:もちろん規制の中でも面白いことをやっている人はいると思うんですけど、メディアがちょっとつまらなくなってはいるなと。だから今はみんなYouTubeとかを使って、既成メディアでは流せないものをやり始めていると思うんですよ。そういうことを僕らは現場でやりたいなと思うから。かといって毎日ライブハウスにいるわけではないですけど、月に3〜4回しか行かないからこそ逆にちゃんと遊びたいっていう。

●そこで本気で良いものを見せる自信はある。

43K:このメンバーになった今だから初めて言えることですけど、僕らのパフォーマンスは最高だと思っていて。今はすごく良い状態でライブができているので、誰が来ても居心地は良いんじゃないかな。たとえばハードコアやメロコアのバンドだったり、どんな相手と勝負しても負ける気がしないし、どんなお客さんが観ても「良いね、あのバンド」って思うはずだから。ぜひ一度、ライブ会場に寄って欲しいなと思います。

Interview:IMAI

 

 
 
 
 

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