2016/8/15(月)@心斎橋BIGCAT
モルグモルマルモ / SATORI /
ぽわん(東京) / 私の思い出 /
台風クラブ / ぼんやりゴリラシティ / マグナム本田と14人の悪魔
モルグモルマルモのDr.深田がボーカルを務めるユニット、ぼんやりゴリラシティ。ヘッドマイクで自由奔放に動き回る深田。そして夏によく似合う爽やかなナンバーが目白押しだ。タオルを回すシーンでは、眩しい太陽が見えるんじゃないかと思うくらいキラキラしていた。世間ではもう夏も終わりかけかもしれないが、彼らの熱い夏はここから始まる!
自由なロックンロールを響かせた台風クラブ。気取らずに素のままで鳴らされる音は、聴く者の耳に心地良く馴染み、交歓の空気がみるみる浸透していく。勢いよく場を盛り上げたりMCで笑わせたり、ライブには様々な表現方法があるが、ありのままを出して人を惹き込めるのはとりもなおさずそれを発している人間そのものに魅力があるからだ。「自由に踊って、愛してください」。そんなメンバー達の言葉通り、各々が心ゆくままに楽しんだ。
転換の間は、マグナム本田と14人の悪魔がフロアを沸かせた。キャッチーな音楽に乗せてギリギリアウトな歌詞を歌う本田、そしてダイナミックなエアギター?(ギター本体を持っていてもエアギターになるのか分からないが)を披露するなかがわの熱演、会場から絶え間ない笑いが送られた。倫理的に誌面には載せ難いので、その真相はぜひ直接確かめてほしい。
SATORIはグルーヴィーなダンスミュージックを奏で、フロア中に笑顔を伝播させる。ポピュラリティ溢れる楽曲には、人を幸せにする力があるようだ。途中、本日誕生日の深田を祝って誕生日の歌を歌ったり、時間が余っているからといってステージに寝転んだりと、なんでもありの和やかな場面も。始終雰囲気の良い時間が流れていた。
デストロイポップシティの住人(という設定)のぽわん。肩書きに違わず、ポップでありながらエッヂィな歌詞と激しいアクション、そして力強いサウンドに目も耳も奪われる。さらにMCではドラムス&女装家の舘 松子莉が、めちゃくちゃ渋い良い声で深田へ向け「Happy Birthday」を歌い上げる。可愛くてカッコよくてパワフルでおちゃめ…どこを取ってもズバ抜けていて、ライブの無敵感がハンパない。
現存する唯一のアドベンチャーロックバンド、私の思い出がBIGCATにやってきた! ファンキーなリズムやメンバーの熱い煽りが冒険心をかき立てるから、彼らのライブでは始終ワクワクが止まらない。特にファンとVo.登山がしゃもじを持って踊る場面には、何とも言えない面白さや楽しさがこみ上げてくる。いつもは引っ込み思案な人でさえも、このステージを観れば叫びたくなること間違いなし!
「Life on Earth?」のシンガロングを合図に、ついにモルグモルマルモのステージが始まった。この曲の美しいコーラスは、何度聴いても新鮮に響き、ここから始まっていくんだという期待感を与えてくれる。イントロに低音を効かせたライブアレンジがなされた「カッパ・キューカンバー」など、ニューアルバム『on Earth』からの新曲を次々と投入していく。最後は出演者も大勢ステージに上がって、わちゃわちゃしつつ「タクラマカン砂漠」でフィニッシュ!
モルグモルマルモというバンドの元に集った同士達の響宴ということもあり、このイベントは出演者もお客さんもフィーリングがバッチリ合っていたように思う。そんな近しい人達が、気持ちの良い音楽を聴きながら自由に楽しめる極上の空間がそこにあった。
TEXT:森下恭子