2016/8/9@赤坂BLITZ
HEY-SMITH “STOP THE WAR TOUR”
ゲスト:MAN WITH A MISSION
5/18にHEY-SMITHがリリースしたアルバム『STOP THE WAR』を引っさげた“STOP THE WAR TOUR”は、全62公演・全国47都道府県をまわるという大規模なもの。同ツアー中盤戦、東京の最高気温を記録した日に、MAN WITH A MISSIONをゲストに迎えて開催された赤坂BLITZ公演は、オーディエンスがひしめく会場が揺れるくらいに熱く激しいものだった。
Sax.満、Tp.イイカワケン、Tb.かなすが奏でるホーンに合わせて会場が揺れ、ダイバーが宙を舞う。Ba.YUJIが歌い、G./Vo.猪狩が叫ぶ。Dr.Task-nが繰り出す軽快かつ鋭いリズム、伸びやで重厚なホーン、キレキレのギター、心地良いベース。タイトに引き締まったバンドアンサンブルは、このツアー前半戦で鍛錬してきたことを感じさせる。猪狩が「今日の主役は他の誰でもない! 自分自身やぞ!」と叫び、オーディエンスは拳を振り上げて大きな声で叫ぶ。会場の温度はどんどん上がっていく。
今作は強いメッセージが込められたアルバムだ。しかし彼らはそのメッセージを強引に押し付けるわけではなく、ポリシーを主張しまくるわけでもなく、「君たちの幸せで素晴らしい人生を、もっともっとハッピーにするために!」と叫び、最高の音楽を奏でて全員で暴れまくる。そのスタンスはとてもバンドらしくてHEY-SMITHらしい。お客さんはみんな笑顔で、心から楽しそうに踊りながら歌っている。
そんなハッピーな空間は、楽曲を重ねる毎に、より激しくて熱い場所へと変化していった。ステージの6人がどんどん感情を露わにし、テンションを上げているのだ。この日も猪狩は「もっと踊ってくれ!」「次は友達の歌をやるわ! 俺は自分の友達に歌うし、お前たちは隣りにいる自分の友達に歌ってくれ!」「もっと! もっとや!」「また絶対に会おうな! 俺たちは自分たちが思うかっこいいことをやって、もっともっとかっこいいバンドになるから、また会おうな!」とオーディエンスに向かって何度も話しかけ、叫び、観客と一緒にライブを作り上げていく。ステージとフロアの精神的な距離が近く、一体感がめちゃくちゃ強く、最高にイカした場所なのだ。
熱狂の本編を経て、アンコールでは今ツアーのファイナルシリーズ、12/1での新木場Studio Coastでのセミファイナル(対バンあり)、12/3の大阪府民共済SUPER アリーナでのファイナル(バンド初ワンマン)が発表され、これにはオーディエンスも大喜び。最後の楽曲を全力で演り切り、ステージから猪狩がダイブして終演。輝くような汗だくの笑顔でいっぱいになったフロアに対し、6人は笑顔のまま深々と頭を下げた。
観る度にどんどん強固なバンドに進化・成長しているように感じたこの日のHEY-SMITH。9月の“HAZIKETEMAZARE 2016”やツアー後半戦で、彼らはいったいどのような化物になっていくのか。ファイナルシリーズでまた、そのステージを目にしたい。
TEXT:Takeshi.Yamanaka
HEY-SMITH“STOP THE WAR TOUR FINAL SERIES”
11/20(日) 福岡DRUM LOGOS
11/25(金) 仙台PIT
11/27(日) Zepp 札幌
11/30(水) Zepp 名古屋
12/01(木) 新木場Studio Coast
12/03(土) 大阪府民共済SUPERアリーナ(ワンマン)