2016/8/18@渋谷TSUTAYA O-WEST
2002年、アルバム『springman』のツアーファイナル@渋谷ON AIR WESTで、僕は初めて10-FEETを観た。あれから14年、この距離で10-FEETのライブを観ることができることに興奮しつつ、フロアにひしめく観客をながめつつ、3人の登場を待つ。
1曲目の「focus」から、Vo./G.TAKUMAの歌と観客のかけ声でO-WESTが埋め尽くされる。2階席まで熱気が充満し、ダイバーが客の上を転がっていく。「hammer ska」でゴリゴリに攻めたあと、Ba./Vo.NAOKIが奏でるベースが気持ちいい「skatting」、そして早々の「RIVER」と、興奮はうなぎのぼりだ。ダイバーはもう既に数えきれない。
一切休むことなくDr./Cho.KOUICHIが繰り出す「BombBassKinny」のリズムに乗せて飛び跳ね、TAKUMAが「今日こそは絶対に盛り上がらへん古い曲持ってきた!」と叫んだ「MOVING is CHANGING」で盛り上がり、TAKUMAが「かかってこいや!」と煽った「STONE COLD BREAK」でモッシュ&ダイブ、「4REST」で歌い、「ライオン」で踊り、「2%」では多数の女子が肩車からのダイブ。オーディエンスは10-FEETのライブの楽しみ方を思い切り心得ているようで、曲が始まるたびにまるで自分の歌のように歌い、まるで自分の楽曲かのように感情を爆発させている。2002年に初めて観たときから10-FEETのライブは一体感がものすごいと思っていたが、やっぱりすごい。観客も含めてライブを作っているような、不思議な感覚がこの日も会場を包んでいる。
TAKUMAがマイクを通さずに始めた「シガードッグ」、そして「風」を聴かせ、盛り上がり必至な「その向こうへ」を全員で大合唱し、「1sec.」で全身汗だくになるまで暴れたあと、TAKUMAが再びぽつぽつと話すように子供の頃の思い出を歌い始める。新曲「アンテナラスト」だ。
この曲をライブで観るのは4度目だが、その日によって入り方も始まり方も全然違う。しかしすべてに共通しているのは、曲が始まった瞬間から曲が終わるまで、グッと感情を鷲掴みされるようなリアルな感覚。この曲ができたことで、きっと10-FEETは(もうめっちゃいいバンドだけど)もっともっといいバンドになっていくだろう。そんなことを感じながら、目と耳と皮膚と身体を使って、1音たりとも聴きこぼすまじと「アンテナラスト」を全身で堪能する。
キラーチューン「goes on」で本編を締めくくり、アンコールでは「蜃気楼」「VIBES BY VIBES」「CHERRY BLOSSOM」で体力の最後の1滴まで絞り取るかのごとく暴れさせた後、「DAVE ROAD」で終幕。一瞬も満足しなかった瞬間が無い、大満足の10-FEETワンマン。新曲「アンテナラスト」がこれからどのように成長していくのか、10-FEETという現象がどのように進化していくのか、これからもずっと見続けていきたい。
TEXT:Takeshi.Yamanaka