G-FREAK FACTORY “Too oLD To KNoW” TOUR 2016
2016/6/26@新宿LOFT
ステージから発せられた“音”と“言葉”と“想い”…そのすべてが繋がっていて、根拠があって、熱量と鮮度は高く、深く鋭く突き刺さる。余計なものや無駄なものは一切ない。G-FREAK FACTORYが2016年6月26日に行ったライブは、これまで何度も観てきた彼らのどのライブよりもすごかった。
「hammer ska」「STONE COLD BREAK」「focus」でオーディエンスを沸かせ、MCを挟みつつ「goes on」「その向こうへ」「1sec.」「アンテナラスト(新曲)」「RIVER」という10-FEETの超攻撃的なセットリストを見ても、G-FREAK FACTORYのライブが凄まじいものになることは想像できたのだが、彼らはその想像を遥かに超えてきた。
10-FEETから受け取った熱いバトンを手に、ステージに登場したG-FREAK FACTORY。頭からすっぽりフラッグをかぶったまま、楽器陣が繰り広げるジャムを背に、「オールドルーキー、オールドヤンキー、北関東、群馬、G-FREAK FACTORY始めます」とVo.茂木が告げる。
「Unscramble」「GRANDSLAM」「アシアトカゼノオト」と、一切容赦がない幕開けに、沸騰せんばかりの勢いで興奮するオーディエンス。Dr.家坂が打ち込むリズムには迷いがなく、Ba.吉橋が練り上げるグルーヴには身を委ねるしかない。サポートKey.鴨居が紡ぐ旋律に感情を震わせられ、G.原田が刻むリフに理性を切り裂かれる。太く、重く、鋭く、どこまでも強い音…その音の上に君臨する茂木が生み出す言葉は、即興としか思えないほどの鮮度と共に、リアルな感触で、胸に深く突き刺さっていく。
「日はまだ高く」で大きな一体感を作り出し、「SOUL CONNECTION」では興奮の上に興奮を塗り重ねる。5人は加速し続け、熱狂を通り越したオーディエンスは心を震わせながら腕を振り上げ、声を出し、歓喜し、叫び、音にまみれる。そして「レゲエミュージックというのはあたたかい音楽だけじゃない。ボブ・マーリーがそれを教えてくれた」と言って始まった「Redemption Song」は、ボブ・マーリーの原曲に茂木が歌詞を付けた楽曲。語りかけるような距離感で響く、日本人による日本人のレベルミュージック。地続きのまま、曲が終わった後もこのツアーで熊本に行ったときのこと、そこで感じたことを、まるで歌うように、まるで叫ぶように話し続ける茂木。そのまま「Too oLD To KNoW」へ。どこまでが曲で、どこからがMCなのかもわからない。いや、それはMCではなく、すべてがG-FREAK FACTORYの音楽表現で、すべてが彼らのライブなのだろう。茂木が「言葉の試合をやろう」と告げて始まった「島生民」でも、楽器陣が放ち続ける鋭利なサウンドの上で、茂木は次から次へと魂の言葉を吐き続ける。こんなバンド、他には居ない。こんなライブ、観たことがない。
アンコールでは9/7にリリースが決まった新曲「ダディ・ダーリン」を披露。まっすぐに響く同曲は、まるで体内を流れる血液のような、リアルで強い温度を感じさせた。最後は10-FEETと観に来ていたNUBOのメンバーを交え、再び「日はまた高く」で大団円。
毎回そうなのだが、G-FREAK FACTORYのライブは、圧倒され、熱くなり、一緒に歌い、叫び、その場で生きていることを痛いほどリアルに実感する。この日のライブは、これまで何度も観てきた彼らのどのライブよりもすごかった。
TEXT:Takeshi.Yamanaka
PHOTO:HayachiN