2016/5/7@新宿MARZ
Fo'xTails Presents “Make One's Day”
出演:Fo'xTails / ORANGE BANK LEAD / ALL OFF / Thinking Dogs / ROOKiEZ is PUNK'D
Fo'xTailsにとって久々の自主企画となる“Make One's Day”が、GW中の5/7に新宿MARZにて開催された。開催前の4月末には、この日をもってDr.峻洋が脱退するという衝撃的な発表もあり、どんなライブになるのか当日まで誰も想像つかなかったのではないだろうか? 出演者も観客も様々な想いを抱えた中で、イベントがいよいよ幕を開ける。
トップバッターのORANGE BANK LEADが演奏し始めたのは、どこかで聴いたことのある楽曲…? 何とFo'xTailsの「GLITTER DAYS」をカバーするというサプライズで観客を湧かせると同時に、一気に楽しい空気をフロアに充満させていく。演奏中には時折“コンコンポーズ”を織り交ぜ、MCではFo'xTailsへの熱い想いを語るなど先輩へのリスペクトも見せる。その明るくキャッチーなPOP & ROCKサウンドで、最初から最後まで盛り上げていった。
2番手に登場したのは、ROOKiEZ is PUNK'Dだ。メンバー同士で拳をぶつけ合い、オーディエンスに向かって“Clap your hands!”と煽ると、場内の熱気は自然と上昇していく。目の前で展開される力強くアグレッシブなライブ・パフォーマンスに、観る者たちは身体を揺さぶられ、もう踊り始めるしかない。激しいヘッドバンギングやジャンプを誘発しながらも、その軸にあるグッドメロディと様々な感情を表現した歌は確実に多くの人の胸に届き、貫いたことだろう。
“1曲目から飛ばしていきます!”と宣言して始まったのは、ALL OFFだ。その言葉どおり、疾走感のあるサウンドでいきなりブッ飛ばしていく。自分たちのことを初めて観る人も多いのではないかという言葉とは裏腹に、シンガロングパートでは見事な一体感を生み出す。初めてでもノリやすい楽曲を連発し、あっという間にオーディエンスの心を奪い去ってしまった。グルーヴィーなサウンドに加えて、親しみやすいキャラクターとメロディにハマってしまった人も多かったに違いない。
場内が暗転してSEが流れ始めると場内の雰囲気が一気に変わり、Thinking Dogsのメンバーの登場を客席は手拍子で迎え入れる。統一感のある衣装を身にまとった4人は、ポップかつソリッドな演奏を見せていく。Vo.TSUBASAの歌は切なさと強さを併せ持ち、バンドサウンドの中でも一際の存在感を放っていた。途中には「ポニーテールとシュシュ」(AKB48)のカバーで会場を盛り上げつつ、ミドルテンポでじっくり聴かせる楽曲まで披露。表情豊かな歌で最後まで魅了してくれた。
ここまで4組のアーティストがつないできたタスキを受け取り、イベントを最高潮へと導くべく大トリのFo'xTailsがいよいよステージへ。アッパーチューンの「Change Myself」でライブの火蓋を切り、いきなりの爆発力を見せつける。続く「Go Way!!」ではオーディエンスが高くジャンプして、会場を揺らす。最初のMCではこの日のチケットがSOLD OUTしたことを明かしたが、なるほどそのとおり。数多くの人で満杯の会場内はライブの熱気と相まって、真夏のような体感温度だ。
そんな暑さも忘れさせるように、「MONSTERS」ではフロア中がタオルを振り回して盛り上がっていく。「FEST」内での恒例の“コンコンタイム”で和やかな空気にした後、MCで峻洋が脱退についての説明とファンへの挨拶を行った。つとめて明るく振る舞う峻洋以上に、感情が込み上げていたのはVo.takaoだ。“感情が出ちゃう”という本人の言葉がまさに当てはまるように自らの中にある葛藤を吐露しつつも、前を向いて披露したラストの「GLITTER DAYS」は渾身の1曲だった。
“Make One's Day”というイベントのタイトルどおり、ファンと共に楽しい時間を過ごし、特別な1日を作り上げたFo'xTails。メンバー脱退により4人となったが、彼らはこれからも走り続けるだろう。9/10には“Make One’s Day Vol.2”の開催を発表するなど、歩みを止める気配は全くない。“無限の未来”に向けた、新たな旅立ちの日をまだ迎えたばかりなのだから。
TEXT:IMAI
PHOTO:KentaKUMEI