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カメレオ

バンド史上最大に“デラックス”な夜! 更なる高みへと駆け上がっていく5人の軌跡

2016/4/17@NHK大阪ホール
“カメレオ2016 春の祭典〜浪花でデラックスするパターンのヤツや!〜”

PH_kameleo_main あなたは“カメレオ”というバンドをご存知だろうか? 彼らは多彩な楽曲やユーモア溢れるパフォーマンスで人々を笑顔にする、エンターテインメント集団だ。過去には各メンバーを主人公とした4コマ漫画が書かれたり、テトリスのブロック姿という仮装でハロウィンパーティーを盛り上げたり、曲に沿った演出でポテチをライヴ中にばらまいたりと数々の伝説を作り、巷を賑わせてきた。そして今回開催されるワンマンライヴを前に、漏れ聞こえてきた噂は驚くべきものだった…。なんとカメレオの攻めの姿勢に感化されたスタッフを含めた大人たちが、バンド史上最大規模のセットを用意した結果、最終損益が赤字になることが絶賛確定したというのだ! この大人たち、本気である。

“一体どんなライヴになるのだろう…?”誰もがそんな疑問と期待を膨らませる中、ついに開幕! まず目を引いたのは、ステージの上にもう一段高いステージがあることだ。そこにダンサー陣の姿が見えたため、“ここから出てくるのか”と思って注目していると、意表を突いてメンバーは舞台下からセリ(床から昇降機がせり上がってくる装置)で登場! 1曲目の「カメクエ」から、ライヴがスタートする。前半のポップな曲調の部分ではメンバー5人がダンスを披露し、後半のラウドな部分では楽器を持ってのガッツリとした演奏でヘヴィなサウンドを響かせる。「↑アゲていこう歌↑」では会場全体が振り付けに合わせて踊り、凄まじい一体感を生み出した。

「で?」の途中、よく見るとステージ後方に高級感のある深紅の幕が降りてきていることに気付いた。「評論家的ダンスナンバー」でも銀色のきらびやかな幕が追加されたりと、初めに比べて徐々に装飾が増えていっている。Dr.Takeshiいわく、「みんなが盛り上がった分どんどんデラックスなステージになり、どんどん赤字になっていくシステムです(笑)」とのこと。どうやらライヴ中にセットが変わっていくらしい。また「宇宙旅行」ではいきなり地球観光に来た宇宙人が出現するなど、随所の演出も見どころだ。

タオル回し・ヘドバン・モッシュ・ジャンプとライヴを楽しめるアクションが目白押しの「思考は常にマイナス」でファンのボルテージが上がったところで、Vo.HIKARU.が「もっと狂ってこうぜ!」と煽ると「なぞなぞ」へ。途中Takeshiが急に上のステージに登ったかと思うと、どこからともなくDJセットが用意され、楽曲もクラブアレンジに! 続くミッドバラードの「結末の見えない映画のように」では、流麗なメロディと共に揺れる光が美しい。そんな目まぐるしくカラフルに移り変わる演出も、カメレオならではと言えるだろう。

大サビ前のBa.Kouichiによるベースが印象的な「頭の中の理想の風船」を経て、ライヴも後半に突入だ。「The wondrous world」の曲終わりにはなんと花火が打ち上がるという演出に、目に見えてテンションがアガっていく会場。さらに「パリピポ」「ダメ男」という起爆剤を投入すれば、フロアでも花火が打ち上がったような大騒ぎ! この曲と共に回り出した巨大なミラーボールが、空間作りに一役買っていることは言うまでもないだろう。ポジティブな言葉と力強いエネルギーに満ちた「幸あれっ!」で締める瞬間まで、この場所にいる人々はもちろん、今日この場所に来られなかったカメレオを愛する人々に向けて、彼らは笑顔を届け続けていた。

しかし、まだ本編の間には披露されていない仕掛けがあるらしい。このままでは終われないと、アンコールに突入! G.TakashiとG.Daisukeのギターバトルが勃発した「21世紀マン」、巨大クラッカーが鳴らされ金銀のテープが会場を彩った「始まりの歌」、そして「万歳\(・∀・)/Music!」で、ついに最後の仕掛けをお披露目! 通天閣、食い倒れ人形、そしてカメレオ風にアレンジされたグリコの巨大看板が現れ、浪花に相応しいデラックスな演出でフィナーレを迎えた。

多種多様な姿を見せる変幻自在のエンターテインメント集団・カメレオ。この日のライヴからは、5人が持つ無限の可能性を感じられた。あらゆる要素を取り入れながら進化し続ける彼らは“デラックス”を超え、更なる高みへと駆け上がっていく。

TEXT:森下恭子
PHOTO:MASANORI FUJIKAWA

 

 

 
 
 
 

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